人間/Human

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人間/Humanは人型種族の一つ。様々な次元/Planeに棲息する。

目次

[編集] 解説

基本的に実在する「ヒト」と同じ身体的特徴を持ち、白色人種・黒色人種・黄色人種などに対応する外見のものが存在する。

他の人型種族と比べ、適応力と多様性に富んだ種族とされることが多く、全マナに関連している(ゲーム上も、基本的に5色すべてに存在する)。

既出の次元/Planeのほとんどでその姿が見られる。ローウィン/Lorwynおよびシャドウムーア/Shadowmoorは数少ない、人間の存在しない次元である。

[編集] ドミナリア

ドミナリア/Dominariaの人間は、様々な時代、様々な大陸でその姿が見られる(イラスト1イラスト2)。

[編集] 重要人物

スラン文明の時代(小説『The Thran』)
兄弟戦争の時代(アンティキティー
暗黒時代〜氷河期(ザ・ダークアイスエイジ・ブロック
ファイレクシアとの戦争準備期(ウルザ・ブロック
ミラージュ戦争の時代(ミラージュビジョンズ
ウェザーライト・サーガ(ウェザーライトアポカリプス
ミラーリを巡る争いの時代(オデッセイ・ブロックオンスロート・ブロック
大修復/The Mendingの時代(時のらせんブロック
新生ウェザーライトの時代(ドミナリア~)

[編集] ラース

ラース/Rathの人間は、ヴェク/Vecイラスト)とダル/Dalイラスト)の二つの氏族に分かれる。人型種族のコー/Korとともに三大氏族を成す。いずれも氏族の前に「en」をつけるが、氏族を追放された者たちは「il」と呼ばれる。

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[編集] メルカディア

メルカディア/Mercadiaの人間はメルカディア市/Mercadia Cityイラスト)やリシャーダ/Rishadaイラスト)に住まう。また森林ラッシュウッド/Rushwoodに暮らしレイモス/Ramosを信仰する集団、チョー=アリム/Cho-Arrimイラスト)も存在する。

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[編集] ミラディン

ミラディン/Mirrodinの人間は、メムナーク/Memnarchが他の次元/Planeから攫ってきた人間たちの末裔で、マイコシンス/Mycosynthの胞子により肉体の一部が金属化している。オーリオック/Auriokイラスト)、ニューロック/Neurokイラスト)、モリオック/Moriokイラスト)、ヴァルショク/Vulshokイラスト)、シルヴォク/Sylvokイラスト)の五種類が存在する。

詳細はオーリオック/Auriokニューロック/Neurokモリオック/Moriokヴァルショク/Vulshokシルヴォク/Sylvokを参照。

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[編集] 新ファイレクシア

新ファイレクシア/New Phyrexiaの人間(イラスト)は、「完成」させられたミラディン/Mirrodinの人間である。

[編集] 神河

神河/Kamigawaの人間は、現し世/Utsushiyoの住民の一つで、万物に宿る精霊神/Kami」を崇め、共存している。と呼ばれる戦士(イラスト)や、忍者と呼ばれる隠密(イラスト)となる者もいる。

[編集] 重要人物

神の乱の時代神河ブロック
当世神河:輝ける世界~)

[編集] ラヴニカ

ラヴニカ/Ravnicaの人間は、様々な人型種族と共生しており、十のギルド/Guildすべてでその姿が見られる(イラスト1イラスト2イラスト3)。

重要人物

[編集] アラーラ

アラーラ/Alaraの人間は、五つの断片/Shardすべてでその姿が見られる。

[編集] バント

バント/Bantの人間(イラスト)は、天使/Angelの加護の下、エイヴン/Avenロウクス/Rhoxと共生している。彼らは五つの国家に分かれているが、その「戦争」は儀礼的な一騎討ちで行われる。

[編集] エスパー

エスパー/Esperの人間は、ヴィダルケン/Vedalkenとともにスフィンクスの支配下にある。エーテル宣誓会/The Etherswornが推し進める気高き行い/The Noble Workにより、そのほとんどは肉体の一部を魔法の合金エーテリウム/Etheriumに置換している(イラスト)。

[編集] グリクシス

グリクシス/Grixisの人間は、大きく二つに分かれる。一つは屍術師/Necromancerイラスト)で、他の人間やオーガの野営地を積極的に襲って奴隷とし、秘儀的な儀式を通して貴重な生命力ヴィス/Visを奪い取る。もう一つは滅びた王国ヴィティア/Vithiaの民の末裔であるヴィティア人/Vithianイラスト)で、アンデッドを積極的に狩る。

[編集] ジャンド

ジャンド/Jundの人間は、食物連鎖の第三位を占めている(ドラゴンヴィーアシーノの下で、ゴブリン/Goblinの上)。彼らは生き延びるのに必要な放浪の部族を形成している。人間は山麓の小さな密林や、傷跡だらけの火山の平原で暮らす。

十歳になると、人間は危険な通過儀礼を受ける。戦士となるためには、活火山を登り、ガラスの破片を持ち帰らなければならない。シャーマンは、エレメンタルを惹きつける夢炎の水薬/The Dreamfire Draughtという名の危険な薬を服用する。若いシャーマンが真のシャーマンとなるためには、この毒薬の治療法を求めてエレメンタルと取引しなければならない。どちらの試練でも、失敗は死を意味する。

人間は二股の舌や、皮膚の一部を覆う鱗など、爬虫類の特徴を発達させてきた(イラスト)。人間の戦士は髪の一部を小さな編み髪とし、敵の肉体の欠片をそれに結びつけることで、戦闘での勝利を示す。

[編集] ナヤ

ナヤ/Nayaの人間は、エルフ/Elfナカティル/Nacatlとは異なる社会を築いている。彼らは森の中の地面――ナヤで最も危険な場所に住む。巨獣ガルガンチュアン/Gargantuanは人間の部族一つを容易く皆殺しにしたり、踏み外した一歩で居住地全体を押し潰したりする。多くの人間が今でも樹木から彫り出した原始的な住居に住まう一方で、恒久的な村を築き、土地を切り拓いて農業を行う人間も次第に増えてきている。このような人間たち、太陽の種蒔き/Sunseederイラスト)は飼い馴らした小鹿や、耕し獣/Plow beastと呼ばれる訓練したガルガンチュアンを用いて、繁茂するジャングルの植物と絶え間ない戦争を行い、開けた土地を追い求めている。常に捕食者の脅威に晒されているにもかかわらず、人間はジャングルで生き抜く独創的な手法を開発してきたのだ。

ナヤでの人間の生活は喜びを重視する――すなわち狩りの喜び、肉体の喜び、祝福の喜び、競技の喜びだ。鼓声狩人/Drumhunterイラスト)は集団で狩りをし、ジャングルの樹を支える根の音響特性を利用して長距離通信を行う。Exuberantイラスト)はあらゆる形態の生を祝福する人間たちで、ほとんど心配事もなく、大抵は衣服もあまり纏わず、砂岩の聖塔やジャングルの都市で日々を過ごす。人間の中には、マトカ/Matcaと呼ばれるレスリング競技を行う者もいる。マトカのルールは、相手が降参するまで取っ組み合うことを中心とする。広く開かれたマトカの競技場にはExuberantが大挙して押し寄せ、暖かな太陽の下で食事をし、スポーツを観戦し、その他の様々な活動に参加して楽しむ。

時に人間は巨獣の犠牲となる。巨獣の人間に対する配慮は、人間の虫に対する配慮と同程度だからだ。だがガルガンチュアンやソクター/Thoctarが蔦に覆われた聖塔をぶっ壊して砂に戻したり、遠征帰りの不運な鼓声狩人の一団を踏み潰したりしても、優しいExuberantたちはただ肩をすくめ、ジャングルに厳粛な敬意を捧げ、今まで通りの生活を続ける。彼らは、変える望みもない圧倒的な自然の力を甘んじて受け入れており、巨獣の足跡から再建するのだ。

[編集] 重要人物

バント出身者
エスパー出身者
ジャンド出身者
  • クレシュ/Kresh - 偉大な戦士。男性。勝利の証たる血編み髪/Bloodbraidedの数は二十二で、他の誰よりも多い。
  • ラッカ・マー/Rakka Mar - 強大なシャーマンにして精霊術士/Elementalist。女性。ボーラスの工作員の一人。

[編集] ゼンディカー

ゼンディカー/Zendikarの人間は、最も数が多く、最も多様で、最も適応力の高い人型種族であり、ゼンディカー全土で極めて探検的で冒険的な遠征の中核を成している。多くの人間は石の壁や木の塁壁の内側で身を寄せ合い、少なくともある程度はゼンディカーの危険から守られているが、かなりの数がそのような壁の安全から抜け出し、世界を探検する――あるいは、世界を防衛する。エルドラージ/Eldraziとの戦争の時代には、多くの人間が隠れ家から追い出され、この外敵の厳しい現実に立ち向かうことを強いられた。

[編集] 共同体

ゼンディカーにおけるほとんどの人間の共同体は小さな村か、僻遠の前哨地か、一時的な野営地だ。このような集落はグール・ドラズ/Guul Drazの沿岸の村々から、アクーム/Akoumゴーマ・ファーダの隊商/The Goma Fada Caravanに至るまで、すべての大陸で見られる。壁や塁壁に守られていない以上、辺境での生活は生き残るための闘いがすべてであり、学術的な追究に割く時間やエネルギーはほとんど残されていない。このような共同体のほとんどで、人間たちは狩猟、採集、放牧、交易を頼りに、食料品やその他の必要物資を得ている。しかしながら、中には他の共同体や隊商から略奪を行って生きる者たちもいる。

ゼンディカーで生きることの厳しさにもかかわらず、散在する少数の町では人間の文明が繁栄している。タジーム/Tazeem海門/Sea Gateイラスト)、アクームのアーファ/Affaイラスト)、グール・ドラズの自由都市ニマーナ/The Free City of Nimanaイラスト)はそのような文明の中で最も注目に値するものであり、組織化された軍隊、学術機関、確立された魔法の伝統、礼拝施設、犯罪と堕落の暗部を誇りとする。これらの居住地はそれぞれ数千人の人口を抱えており、他の次元/Planeならば辛うじて町と呼べる程度だろうが、ゼンディカーにおいては吸血鬼/Vampireの都市マラキール/Malakirを除いて並ぶものがない。

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[編集] イニストラード

イニストラード/Innistradの人間は、様々な闇の怪物に常に脅かされている。長年にわたり、アヴァシン/Avacynという名の天使/Angelアヴァシン教会/The Church of Avacynが人々を守ってきたが、その守護も絶対的なものではなかった。

人間たちは四つの州――ガヴォニー/Gavonyイラスト)、ネファリア/Nephaliaイラスト)、ケッシグ/Kessigイラスト)、ステンシア/Stensiaイラスト)――に分かれて暮らしており、それぞれに異なる文化がある。

詳細はガヴォニー/Gavonyネファリア/Nephaliaケッシグ/Kessigステンシア/Stensiaを参照。

  • 霊/Geistは死んだ人間の魂、グール/Ghoulスカーブ/Skaabは人間の死体から作られたもの、吸血鬼/Vampireは他の吸血鬼の血を流し込まれて変質した人間、人狼/Werewolfは超自然的な呪いで変質した人間である。また、グールやスカーブを作り出す者、デーモン/Demonと取引する者など、邪悪な行いに手を染める人間の例は枚挙にいとまがない。すなわち、イニストラードの人間の敵の多くは人間や元人間であると言える。
    • Mark Rosewaterによると、イニストラードの裏テーマとして「人間が怪物になる」というものがあり、前述の通りイニストラードの四大怪物はいずれも元々は人間だった者であるが、例えば人間以外の種族が吸血鬼化したり、元人間ではない人間型の怪物(『大アマゾンの半魚人』をモチーフにしたマーフォーク/Merfolkなど)を登場させることは避けられている。[1]
重要人物

[編集] シャンダラー

重要人物

[編集] テーロス

テーロス/Therosの人間は、様々な神/Godを篤く信仰し、神々の加護を受けた英雄たちの活躍を神話として語り継いでいる。死後は死の国/The Underworldへと向かう。他種族との共生や交流はゼロではないが限定的であり、人間と敵対する人型種族も珍しくない。

人間たちは主に都市国家に住まう。中でも人口が多いのが三大都市国家とされるメレティス/Meletisイラスト)、アクロス/Akrosイラスト)、セテッサ/Setessaイラスト)で、それぞれ異なる文化を有する。

詳細はメレティス/Meletisアクロス/Akrosセテッサ/Setessaを参照。

重要人物

[編集] フィオーラ

フィオーラ/Fioraの人間は、高層都市パリアノ/Palianoと、下層地/The Lowlandsの両方でその姿が見られる(イラスト)。

重要人物

[編集] タルキール

歴史改変前のタルキール/Tarkirの人間(イラスト1イラスト2)は、五つの氏族/Clanアブザン家/The Abzan Housesジェスカイ道/The Jeskai Wayスゥルタイ群/The Sultai Broodマルドゥ族/The Mardu Hordeティムール境/The Temur Frontier)すべてに所属しており、その多くで主要種族の地位にあった。その文化は氏族によって様々。

歴史改変後のタルキールの人間(イラスト1イラスト2)は、五つの氏族(ドロモカ氏族/The Dromoka clanオジュタイ氏族/The Ojutai clanシルムガル氏族/The Silumgar clanコラガン氏族/The Kolaghan clanアタルカ氏族/The Atarka clan)すべてに所属してはいるものの、支配者の地位は龍/Dragonに奪われている。龍との共生のあり方は氏族によって様々。

詳細は各氏族のページを参照。

[編集] 重要人物

サルカンの時代(タルキール覇王譚タルキール龍紀伝
約1280年前(運命再編

[編集] ヴリン

ヴリン/Vrynの人間は、アンプリン同盟/The Ampryn Leagueイラスト)とトロヴィア人/The Troviansイラスト)の二つの勢力に属している。両者は魔道士輪/The mage-ringと呼ばれるマナの輸送システムを巡って争い続けている。

詳細はヴリン/Vrynを参照。

重要人物

[編集] カラデシュ

カラデシュ/Kaladeshの人間(イラスト1イラスト2)は、この次元/Planeの他の種族と異なり、霊気/Aetherとの生まれながらの繋がりを持たない。だが人間は霊気の様々な特性を、霊気循環/The Aether Cycleと呼ばれる一連のサイクルと見なした最初の種族であると考えられており、複数のアイデアを統合/Synthesizeする者たちとされる。他種族が細部に夢中になる一方で、人間は全体像を見る。

人間は情熱的な願望に満ちた種族だ。最高の場合、人間は壮大で広大な努力を試み、最も高く最も不可能そうな目標を追い求める。最悪の場合、人間は浅薄で非現実的な夢想家で、自身の誤った行動の結果に対して盲目だ。しかしながら、この人類の最高と最悪が――さらにその二つの間の様々な程度の人間たちが――これまでのカラデシュの歴史を作り続けてきたこと、そしてこれからのカラデシュの運命を作り続けていくことは否定しようもない。彼らの好奇心、野心、無限のようにも見えるエネルギー、ビジョンの大きさは、発明を前進させる強大な力だ。

人間たちは多様に繫栄し、新たな体験を切望する。人間が生涯のうちにいくつかの異なる分野を探求することは珍しくなく、時には新しく興奮するものを追い求めるために、何年もかけた一つの追求の成果を放棄することもある。この傾向のために、多くの異なる分野の最低限の知識を持つだけで、そのすべてにおいて危険である人間が生み出されることもしばしばだ。だが同時に、多くの人間は「統合」すること、そして一見して共通点のなさそうな分野間の繋がりを見つけ出すことに長けており、あらゆる分野で革新を行う発明のプロセスに他家受粉をもたらす。

[編集] 重要人物

[編集] アモンケット

アモンケット/Amonkhetの人間は、都市ナクタムン/Naktamunにて、他の四つの人型種族と共生している。

人間は十代後半に成人となる。ほとんどの人間の修練者/Initiateイラスト)は三十歳までに試練を達成し、栄誉ある(あるいは栄誉なき)死を迎える。侍臣/Vizierイラスト)の寿命はそれよりも長く、理論上は最長百歳まで生きる。

[編集] 多様性

この次元/Planeの五つの人型種族の中でも、人間は最も多様で適応力のある種族だ。相異なる人間が、他種族に特に好まれているものも含め、様々な戦闘法で鍛錬を行う。他種族の魔道士が二マナのうちの一つに専念する一方で、人間の魔道士は五色のいずれでも使う可能性がある。人間の侍臣は五柱のすべてに仕えており、異なる人間の修練者は異なる試練に長けている。人間は傾向や分類に逆らい、人間と一対一の戦闘を行う者は、相手がどのような戦い方をするかを知ることができない。それはケフネト/Kefnetに関連づけられることの多い洞察や狡知から、バントゥ/Bontuを真似た無慈悲さに至るまで多岐にわたる。そのような戦闘の始まりには、この不確定性が人間に優位をもたらす。

もちろん一度戦闘が始まってしまえば、勝敗は様々な要因に依存する。だがここで、人間の完璧への衝動がもう一度天秤を彼らの側に傾ける。人間は利用可能なあらゆる選択肢を使い果たしながら、どれほど長い道のりでも厭わず進んでいく。功績の頂点に達し、王神/The God-Pharaohの寵愛を勝ち取るために。

[編集] 完璧への道

アモンケットの人間は、ほとんどの点で多様であるのと同じくらいに、完璧への衝動を共有している。しかしながら、この難題への取り組み方は異なっている。比較的狭い一揃いの技術を専門とする人間がいる一方で、幅広い技術を極めようとする人間もいる。

[編集] 専門の道

専門の道を選んだ人間は、多くの場合、五柱の神の一柱に信心深く自分を重ね合わせており(侍臣となることも多い)、その結果として完璧の一つの側面に専念する。彼らにとって、来世での地位を得る最善の方法は、自分の人格の一つの切り口を最高の質にまで磨き上げることであり、修練者としては、五つの試練すべてでその質を役立てることを望んでいる。ハゾレト/Hazoretと自分を重ねる魔道士の修練者は、他のどの美徳よりも激情を育み、その強力な感情への道を拓くべく炎の魔法を極め、ありのままのエネルギーと熱意を頼りに、ハゾレトの最終試練へと至る四つの試練を達成するかもしれない。その一方で、オケチラ/Oketraに献身する修練者は、協力、結束、チームワークを頼りに試練を達成するだろう――そのような絆を打ち砕こうとするバントゥの野望の試練/The Trial of Ambitionでさえも。オケチラの信者にとって野望とは、他者よりも高い地位を得ることではなく、修練者の一門/Crop全員が一緒に栄光を達成する助けとなる衝動を意味する。このような視点を持つ人間は、自分が選んだ美徳が他の美徳すべてを彩ると見なし、どの美徳を真似し重視するかの選択を、五柱の神が人々に授けてくれると信じている。

[編集] 均衡の道

均衡の道を選んだ人間は、真の完璧とは、いずれかを他のものよりも優先することなく、すべての美徳を極めることにあると信じている。彼らは自分自身を多面的な石に喩える。すべての切り口の磨き上げられた完璧さにその美があると。このような人間は、一つの領域の技術が他の成果を上回らないように注意し、もし一つの技術で上達しすぎた場合は、再び能力の均衡が取れるまで他の技術の鍛錬に集中するべく、それを棚上げにする。

哲学的には、そのような人間はこう信じている。神の数が五つなのは、単一の神や単一の美徳に注意を向けるのではなく、神々に平等に仕え、彼らの教えを同程度に極めることをアモンケットの人々に思い出させるためであると。したがって彼らは、来世を得る権利を保証する、均衡の取れた状態の完璧を達成することを望んでいる。

[編集] 戦闘様式

ほとんどの人間の修練者は、単一の専門分野の研究に専念する――白兵戦か長距離戦か魔法戦に。白兵戦を選んだ人間は、鎌刃のコペシュの使用にひた向きな献身を向けるかもしれない。他の白兵戦の専門家には、より広い視野を持ち、すべての武器の使用を平等に研究する者もいる。

しかしながら一部の人間は、完璧に至る均衡の道の概念を戦闘の専門分野にも適用し、複数の戦闘様式を混ぜ合わせて独自のブレンドとする。例えば、ある人間の修練者は、呪文を用いて砂を剣の形に変えたり、生命力を吸い取る魔法を矢に纏わせたりするかもしれない。別の人間の修練者は、片手で斧を振るいながらもう一方の手で小さな斧を投げ、白兵戦と長距離戦の両方の技術を使用する。人間の中には、スリングショットを用いて火球を打ち出したり、幻影の網を作って敵を拘束したり、固体の毒素から刃を作り上げたりする者もいる。

[編集] 重要人物

[編集] イクサラン

イクサラン/Ixalanの人間は中心核/The Coreの太陽神チミル/Chimilにより創られたもので、現存の人類は歴史上五番目の存在"コモン・ウィナク/The Komon Winaq"であるとされる。

現在も地下世界の中心核で暮らす者がいるほか、地上に進出した者たちの子孫がイクサラン/Ixalan大陸とトレゾン/Torrezon大陸の両方に住まう。

イクサラン大陸の人間は、太陽帝国/The Sun Empireと呼ばれる国家を築いている(イラスト)。彼らは恐竜と共生し、川守り/The River Heraldsマーフォーク/Merfolkと敵対している。

トレゾン大陸の人間は、薄暮の軍団/The Legion of Duskという組織の中で、吸血鬼/Vampireたち(彼らも元人間である)に仕える労働者や使用人となっている(イラスト)。また、かつて薄暮の軍団に追われて海に出たトレゾン大陸の人間たちは現在、鉄面連合/The Brazen Coalitionという名の海賊集団として知られる(イラスト)。

中心核の人間は、オルテカ/Oltecという文明で暮らしている(イラスト)。地下洞窟の怪物マイコイド/Mycoidから身を守るため、長らく地上との交流を絶っていた。

詳細は太陽帝国/The Sun Empire薄暮の軍団/The Legion of Dusk鉄面連合/The Brazen Coalitionオルテカ/Oltecを参照。

重要人物

[編集] ケイレム

ケイレム/Kylemの人間は、様々な人型種族と共生しており、武勇の場/Valor's Reachでもその姿が見られる。人間の競技者は、目立つために髪を明るい色に染めることも多い(イラスト)。その衣装には輝く魔法の帯があしらわれることもある。

重要人物

[編集] エルドレイン

エルドレイン/Eldraineの人間は、王国/The Realmと呼ばれる領域における主要な人型種族だ。ここでは騎士イラスト)も貴族イラスト)も農民イラスト)も、五つの美徳(忠誠、知識、執念、勇気、強さ)に従って生きている。

王国は五つの宮廷――アーデンベイル/Ardenvaleヴァントレス/Vantressロークスワイン/Locthwainエンバレス/Emberethギャレンブリグ/Garenbrig――によって統べられており、それぞれが異なる美徳を第一とする。

詳細はエルドレイン/Eldraineを参照。

[編集] 魔女/Witch

魔女/Witchは、僻境/The Wildsに住まう謎めいた人間の邪術師だ(イラスト)。他の人間社会からあまりに隔絶しているため、ほとんどの魔女は自分たちのことをフェイ属/The fair folkと見なしている。魔女は不道徳かつ残忍で、自らの邪悪な行いに大きな喜びを見出すと考えられている。農民たちが語る魔女の物語には、子供が連れ去られてパイにされた、毒の盛られた食べ物で町全体が滅ぼされた、偉大であった騎士が魅了され奴隷に堕ちた、といったものがある。

魔女は、自分を不当に扱った者に呪いをかける。それはその者が何らかの償いをしないかぎり解くことができない。魔女は食いしん坊を豚に、不精者をナマケモノに、裏切り者をイタチに変えてしまう。ある意味、魔女は世界における暗き正義の力だ――王国の人間たちは同意したがらないだろうが。

多くの魔女は、遠い昔に闇の魔術に手を出して王国を追放された者達である。しかし稀に、王国や境界地/The Boundary Landsでは手に入らない力を求めて自発的に僻境へ向かい魔女になった者もいる。

なお、便宜上人間の項目に記載されているが、全ての魔女が人間というわけではない。闇の魔術に手を出した一部のエルフ/Elfもこれに属するほか、強大な魔力で正体を隠したトロール/Trollの魔女が一人だけ存在すると言われている。

[編集] 魔女同士の関係

魔女同士が表立って衝突することは少ないが、いずれの魔女も別の魔女に対する憎しみと不信感を募らせている。多くの魔女が「隣人」の元に使い魔(カエルや黒猫であることが多い)を送り込んでは、呪文や儀式を妨害したり、貴重な材料を盗ませたりする。魔女の支配地域ダンバロウ/Dunbarrowにおいては、誰かに貸しを作るほど悪いことはないとされ、魔女同士は基本的に協調しない。

魔女にとって、他の魔女よりも不信感を抱く対象が一つ存在する。新ファイレクシア/New Phyrexia侵攻と前後してエルドレインに帰還したハイフェイ/High Fae達だ。彼らはダンバロウの魔女が生涯をかけて得た以上の魔法を生まれながらにして扱う者達だからだ。

例外として、絶対的な利益に繋がる場合では力のある魔女が他の魔女の師になる場合がある。ただし、こうした「魔女の母」も、その有用性が無くなれば関係性を絶つ傾向にある。

[編集] 新緑の騎士団/The Verdant Order

新ファイレクシアにより王国が壊滅状態に陥った際、5つの宮廷から僻境へと逃れた騎士たちの一部は新たな誓いを立てた。それこそが新緑の騎士団/The Verdant Orderである。彼らは緑色の鎧に身を包んでおり(イラスト)、僻境に残された最後の地、新ファイレクシアからも触れられていない未踏の地をあらゆる者から守ると決意した者達である。

戦後は森を巡回しており、必要とあらば彼らの聖地に近づく木こりや狩人を力づくで追い払っている。

[編集] 遍歴の騎士

ファイレクシア戦争後の騎士たちには、山賊まがいの活動をする者や人間と対立する新緑の騎士団も存在する。一方で、かつての栄光を取り戻すために僻境を探索する騎士もまた存在している。主を失い途方に暮れた騎士たちが、誓いを放棄して弱い立場の人間のために祈りを捧げているという噂もある(イラスト)。

[編集] 重要人物

ケンリス王家
魔女
その他

[編集] イコリア

イコリア/Ikoriaの人間は、この次元/Planeで唯一確認されている人型種族である。彼らは多種多様な怪物に脅かされており、ほとんどは守りを固めた聖域の中で暮らす(イラスト)。中には怪物と魔法の絆を結んだ眷者/Bonderイラスト)や、危険な怪物狩りを行う狩人(イラスト)もいる。

詳細はイコリア/Ikoria#人間を参照。

重要人物

[編集] カルドハイム

カルドハイム/Kaldheimの人間は複数の領界/Realmに棲息するが、中でもブレタガルド/Bretagardでは主要種族となっている。

ブレタガルドの人間は、対立する五つの氏族から成る。すなわち、ベスキール/The Beskirイラスト)、 領界路探し/The Omenseekersイラスト)、スケレ/The Skelleイラスト)、タスケーリ/The Tuskeriイラスト)、カナー/The Kannahイラスト)だ。

詳細はブレタガルド/Bretagardを参照。

重要人物
  • メイヤ/Maja - ベスキールの軍事的指導者。女性。氏族の掟に詳しく、戦場の内外で名声を得ている。
  • シグリッド/Sigrid - ベスキールの精神的指導者。女性。祖先がアールンド/Alrundの命を救ったため、神の加護を受けている。
  • インガ/Inga - 領界路探しの指導者。女性。盲目の予見者で、氏族が集めたすべての知識を保有する。
  • アーニ/Arni - タスケーリの指導者。男性。トロール/Trollとの頭突き勝負を制した。相手の角は今でも頭に刺さっている。
  • フィン/Fynn - カナーの指導者。男性。星界の大蛇コーマ/Komaに傷を負わせた唯一の人間で、その血を浴びたことで毒性を得た。

[編集] アルケヴィオス

アルケヴィオス/Arcaviosの人間は、様々な人型種族と共生しており、魔法学院ストリクスヘイヴン/Strixhavenでもその姿が見られる(イラスト1イラスト2)。

重要人物

[編集] カペナ

カペナ/Capennaの人間は、他の種族と同様にほぼ唯一の都市であるニューカペナ/New Capennaで暮らしている。一家/Familyと呼ばれる犯罪組織に所属する者も多い(イラスト1イラスト2)。

重要人物

[編集] バブロヴィア

Un-iverse次元/Planeバブロヴィア/Babloviaの人間(あるいは「元」人間)は、五つの行政組織のうちの四つに所属している。小型装置団/Order of the Widgetサイボーグイラスト)、S.N.E.A.K.職員/Agents of S.N.E.A.K.スパイイラスト)、卑怯な破滅軍団/League of Dastardly Doom悪人イラスト)と、その形態は組織によって異なるが、いずれも負けず劣らずのマッドサイエンティストである。

重要人物

[編集] その他の次元

重要人物

[編集] 関連資料

アラーラ
ゼンディカー
カラデシュ
アモンケット
ケイレム
エルドレイン

[編集] 脚注

  1. Odds & Ends – Innistrad: Crimson Vow, Part 1/こぼれ話:『イニストラード:真紅の契り』 その1Making Magic 2021年12月6日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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