スカーブ/Skaab
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スカーブ/Skaabはクリーチャーの種族の一つ。ゾンビの一種であり、イニストラード/Innistradに棲息する。
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[編集] 解説
イニストラードには2種類のゾンビがいる。屍術/Necromancyによって蘇った死体がグール/Ghoulと呼ばれるのに対し、屍錬金術/Necro-alchemyによって死体から作られた怪物はスカーブ/Skaabと呼ばれる。
スカーブは複数の死体から入手した身体の一部を継ぎ合わせて作られる。人間に近い形のものから、頭部を持たないもの(イラスト)、多数の頭部や手足を持つもの(イラスト)、動物の死体から作られたもの(イラスト)など、その姿形は様々である。
[編集] スカーブ師/Skaberen
屍錬金術は屍術よりもずっと高度な技術を必要とする。スカーブを作る技術を習得した屍錬金術師/Necro-alchemistはスカーブ師/Skaberenかスカーブ縫い/Skaab-stitcher、あるいは単に縫い師/Stitcherと呼ばれる。スカーブ師の真の目的は生命を創造することであるが、その仕事は大抵の場合、真の生命を創り出すというよりはむしろ、異形の「子供」を作るものである。
スカーブ師は庶民や聖職者から不敬の者と見なされているため、大抵の場合、僻遠の荒れ果てた地で仕事に励む。世捨て人となり、様々な道具や資料――古の巻物や本、貴重な毒薬のアンプル、薬漬けの臓器でいっぱいのガラス瓶、人間および獣の解剖学的図解、ルーンが刻まれた人骨、銅や真鍮の板金にルーンを彫り込むための小さな金床と金鎚――に囲まれて、スカーブ作りに没頭することもしばしばである。
[編集] 製作工程
スカーブの製作は4つの工程に分けられる。
[編集] 身体作成/Corpus Creare
身体作成/Corpus Creareあるいは死体修繕/Corpse cobblingは、死体からスカーブの材料となる様々な解剖学的部位を集めることである。これは通常、スカーブ師の依頼を受けた墓暴きやホムンクルスが行う。
場合によっては動物の四肢が使用されることもある。例えば人間の腕が手に入らない場合、馬の脚は十分に代用品となる。
[編集] 板金合ワセ/Patin Ligitus
板金合ワセ/Patin Ligitusあるいはルーン繋げ/Rune-bondsは、繋ぎの金属板/Binding platesを使用して様々な解剖学的部位を繋ぎ合わせることを指す。これは銀の象嵌細工のルーンが刻まれた銅や真鍮の板金で、種類の異なる様々な部位を繋ぐ秘術的な橋としての役割を果たす。
[編集] 臓器剤/Viscus Vitae
臓器剤/Viscus Vitaeはスカーブ師の技術の鍵となるものである。これは大量の灯油に、乾燥した天使の血をほんの少し混ぜて作られる。臓器剤が完璧に調合できたなら、それを注入することにより、死体に残っていた血液はすべてこの液体に取って代わられる(イラスト)。
臓器剤の性質上、スカーブは極めて高い可燃性を持つことが多い。ギサ/Gisaとゲラルフ/Geralfのアンデッド連合軍によるスレイベン/Thraben侵攻の際には、サリア/Thaliaがこの弱点を突くことで窮地を凌いだ。
[編集] 静カナル言葉/Vox Quietus
静カナル言葉/Vox Quietusはスカーブ製作の最後の工程である。スカーブ師はかなりの長さの呪文を死体に囁きかけ、それを目覚めさせる。これはグール呼び/Ghoulcallerの屍術よりもずっと穏やかなやり方である。スカーブ師に言わせれば、グール呼びが用いる技は粗野で異端なものであり、受け入れがたい結果を生むものである。
目覚めたばかりのスカーブは物静かで、まっさらな「白紙」の状態である。ここまで来てようやくスカーブ師は、スカーブを再教育するという長い仕事を始めることができる。
[編集] キャラクター
- スカーブ
- グリムグリン/Grimgrin - ゲラルフが作り上げた恐るべきスカーブ。スレイベン侵攻の際にはアンデッド連合軍の将軍となった。
- クラム/Kraum - 空飛ぶ双頭のスカーブ。これを作ったがためにルーデヴィックはセルホフ/Selhoffのお尋ね者となってしまった。
- オーラグ/Olag - ルーデヴィックの作成した異形のスカーブ。予想に反し優しい心を持ってしまったため幽閉された。
- スカーブ師
- ゲラルフ・セカーニ/Geralf Cecani - ガヴォニー/Gavonyの悪名高きスカーブ師。グール呼びの姉、ギサ/Gisaとの関係は険悪で、2人の戦争がムーアランド/The Moorlandを荒廃させてしまった。
- ルーデヴィック/Ludevic - ネファリア/Nephaliaで最も有力な商人。屍錬金術師でもあり、スカーブ製作や数々の邪悪な実験に手を染めている。
- オグロール/Oglor - ゲラルフの助手を務めるホムンクルス。
- ティボルト/Tibalt - 半人間・半小悪魔のプレインズウォーカー/Planeswalker。かつてスカーブ師の見習いだったが、才能に全く欠けていた上に、短気で粗暴な性格もあって大成できなかった。
[編集] ゲームでの特徴
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) ホラー(Horror)
この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する。
4/5ゾンビのクリーチャー・タイプを持つ。グールに生死への直接的な干渉の色である黒が割り振られているのに対し、スカーブには研究や技術の色である青が割り振られており、ほとんどが青単色である(青黒のものや黒単色のものも少数存在する)。
頑丈に作られているフレイバーから、パワーよりもタフネスの方が高い傾向にある。また死体を継ぎ合わせるフレイバーから、追加コストとして自分の墓地のクリーチャー・カードを追放するものが多く、それらを活かすために墓地を肥やす能力を持つものも存在している[1]。イニストラード:真紅の契りでは濫用がスカーブをイメージした能力として再登場した[2]。
[編集] その他
- モチーフはフランケンシュタインの怪物[1]。1818年の小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』に登場する、死体を継ぎ合わせて作られた人造人間である。
[編集] 関連ページ
- INNISTRAD - PLANES/イニストラード - 次元(公式サイト)
- A Planeswalker's Guide to Innistrad: Nephalia and the Undead/プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 ネファリアとアンデッド(Savor the Flavor 2011年10月19日 Magic Creative Team著)
- Preview Article: Mikaeus, the Unhallowed/プレビュー記事:《不浄なる者、ミケウス》(Feature Article 2012年1月16日 Jenna Helland著)
[編集] 脚注
- ↑ 1.0 1.1 C'mon Innistrad, Part 1/来いよイニストラード その1(Daily MTG、Making Magic 2011年9月5日 文:Mark Rosewater、訳:米村薫)
- ↑ FROM VOW ON, PART 2/『契り』から その2(Making Magic 2021年11月8日 文:Mark Rosewater、訳:米村薫)