ドロモカ氏族/The Dromoka clan
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歴史改変前
- アブザン家/The Abzan Houses(白黒緑)
- ジェスカイ道/The Jeskai Way(青赤白)
- スゥルタイ群/The Sultai Brood(黒緑青)
- マルドゥ族/The Mardu Horde(赤白黒)
- ティムール境/The Temur Frontier(緑青赤)
歴史改変後
- ドロモカ氏族/The Dromoka clan(緑白)
- オジュタイ氏族/The Ojutai clan(白青)
- シルムガル氏族/The Silumgar clan(青黒)
- コラガン氏族/The Kolaghan clan(黒赤)
- アタルカ氏族/The Atarka clan(赤緑)
ドロモカ氏族/The Dromoka clanは歴史改変後のタルキール/Tarkirの5つの氏族/Clanの1つ。色は緑白で、中心色は白。
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[編集] 解説
龍王/Dragonlordのドロモカ/Dromokaが支配する氏族。龍の「忍耐/Endurance」の相を体現しており、龍鱗/Scale of the Dragonを象徴とする(参考/翻訳)。かつて彼らはアブザン家/The Abzan Housesと呼ばれていたが、その名は失われて久しい。
ドロモカ氏族は真の共同体を成している。ドロモカの種の龍と変容する荒野/The Shifting Wastesの人型種族が、敬愛するドロモカへの共通の忠誠で繋がっている。この氏族の龍と他種族の相互依存の家族的な関係は、タルキールの他の地では滅多に見られない。龍たちが支配的存在であることは疑いないが、氏族が生き残るためには他種族にしかない才能と彼らの働きが不可欠だということは、龍たちの間で広く認められている。人型種族の軍隊は隊列を詰めて進軍し、龍の助力と協力を受けて戦う。
[編集] 栄誉
ドロモカ氏族の民は何よりも忍耐と生存、そして栄誉を重んじる。人型種族の理想は長く生きること、そして意味のある死を遂げること――龍王ドロモカと、彼らが鱗王/Scalelordと呼ぶ龍のために。見返りとして、龍たちはその並外れた不屈の精神と長年の経験をもって、敵の龍やその他の思いも寄らない脅威から人型種族を守る。
[編集] 家族
ドロモカ氏族における「家族」とは、共通の先祖で結ばれた集団ではなく、忠誠と相互的保護で結ばれた集団を意味する。ドロモカが氏族全体を統べるのと同じように、龍が人型種族の家族の長となる。家族の定義は、1体の龍への共通の愛着を持つこと、そして高楼/Aerieに置かれる共通の住居に住むことである。彼らの中には血の繋がりのない者たちが混在しており、異なる種族の者が混在することも多いが、この「家族」はドロモカ氏族にとっては非常に現実的なものである。アイノク/Ainokと人間とエイヴン/Avenが互いを兄弟姉妹と呼び、過酷な砂漠の環境で生き残るために助け合い、同じ龍に守られながら進軍する。
それぞれの家族の中で、人型種族の子供たちは共に育てられる。幼い子供はしばしば家族の間で交換され、生みの親から離されて別の高楼に移される。外部の目には、ドロモカ氏族はまるで孤児の集まりのように映る。だが彼らは言うだろう、我らの中に孤児などいないと。氏族こそが彼らが知る唯一の「親」――決して死ぬことのない親である。
この子供の交換の制度により、彼らに血縁に基づく相続という考えは存在しない。そのため、あらゆる人型種族が同じスタート地点から歩き始めることになり、氏族内での昇進は厳しい能力主義による。ドロモカ氏族のすべての編隊は持久力、勇敢さ、指導力のすべてを通してその地位を獲得した一人の兵士に率いられる。
[編集] 高楼/Aerie
砂が吹き荒ぶ変容する荒野の風景には、石造りの逆角錐型の建造物が点在している(イラスト)。高楼/Aerieと呼ばれるこれらの建造物は、人工のオアシスであり、すべての氏族員の、すなわち龍と人型種族両方の家である。高楼の上部は龍が出入りしやすいように開いているが、人型種族の出入口は一階の重い扉だけであり、軍隊が戦争へ向かうときにのみ開かれる。高楼の分厚い壁と過酷な砂漠は、敵を高楼内部に侵入させないだけでなく、氏族の人型種族を外の世界から遠ざけている――もっとも、大部分の人型種族は高楼を離れることに些かの興味も抱いていない。
[編集] 龍詞/Draconic
ドロモカ氏族の人型種族は全氏族の中でも一二を争うほど龍と密接に関わっており、轟くような鳴き声と身振りを含む龍の言語、龍詞/Draconicの実用的な知識を身につけている。同様に、人型種族の近くで働く龍は人の言語を流暢に話せることが多い。一般に、龍は人型種族に龍詞で、人型種族は龍に人の言語で話し、互いが相手の言葉を理解している。ドロモカ氏族の人型種族は他のどの氏族よりも、龍詞の音と身振りを自分たちの言語に取り入れる傾向にある。
[編集] 魔術
[編集] 生存のための魔術
ドロモカ氏族の魔術は氏族員の防護を固め、守ることに力を入れている――鎧を強化し、武器を研ぎ澄まし、武器を誘導し、士気を鼓舞する。ドロモカ氏族の僧侶はタルキールで最も熟達した癒し手である。彼らの小さな、だが効果の高い攻撃魔法は、氏族の龍が用いる目を眩ます光のブレスを模倣していることが多い。ドロモカ氏族の兵士たちは、戦闘で打ち負かされない戦士として名高い。
[編集] 祖先の霊の魔術
かつてのアブザンが使用していた祖先の霊と交信する魔術は、屍術/Necromancyの一種であるとしてドロモカに禁じられている。しかし精霊語り/Spirit speakersと呼ばれる背教者の小集団は、ドロモカの法に逆らって秘密裏にこの魔術に手を染め、人間の血統を辿っている。彼らはドロモカの領土内の森に隠された族樹/Kin tree――祖先の魂を保持する樹――について密かに話し合っている。発見は死を意味することを覚悟の上で、彼らはこの樹を世話し、崇拝している。
[編集] 種族
[編集] 龍
ドロモカ氏族の龍は硬い鱗を持ち、光のブレスを吐く。彼らが氏族員を食べることは滅多になく、むしろ積極的に氏族員を守っている。鱗王と呼ばれる龍たちは高楼内の軍事訓練に立ち会い、自分より弱い龍の面倒を見る。龍の中には人型種族へ自分の鱗を少量だが与え、象徴的かつ実用的な防御手段として鎧に組み込むことを許す者さえいる。
誇り高く威厳があり、それでいて保護的なドロモカ氏族の龍たちは、忠誠には安全を、裏切りには死をもって報いる。彼らは支配者にして庇護者であり、人型種族のどんな君主にも劣らないほど気高いが、自分への忠誠心を持つ人型種族のことを気にかけている。彼らは氏族の兵士とともに前線で激しく戦う。龍の命の方が人型種族の命よりもずっと価値あるものであるにもかかわらず、他氏族との激しい戦いにおいて、彼らは時に自らをかなりの危険に晒す。
龍を疲れのない準備万端の状態で戦場に送り届けるために、巨大な役畜が牽引する、巨大な車輪付き足場が用いられている。この足場により、彼らは人型種族の行軍速度に合わせてゆっくり飛びながら移動するのではなく、望むときに飛び、望むときに休みを繰り返しながら移動することができる。この足場は龍の水と食糧を運ぶためにも使われる。
[編集] 人型種族
- 人間/Human - 人型種族の一つ。
- エイヴン/Aven - 鳥人の種族。
- アイノク/Ainok - 犬人の種族。
[編集] 役割
[編集] 龍の役割
- 龍王/Dragonlord - 氏族の支配者。1000年以上にわたってドロモカがこの地位にある。
- 鱗王/Scalelords - 最も古く、最も信頼されている龍たちに対する尊称。
[編集] 戦士
- 鱗衛兵/Scaleguard - 重装備の歩兵。盾を組み合わせて足を踏ん張ることで瞬時に強化な防御隊形を築くことができる。下級兵の装備がありふれた金属で龍鱗の形状を模しているのに対し、精鋭部隊の鎧には龍の鱗そのものが組み込まれている。
- 先頭に立つ者/Foremost - 最高階級の兵士。他氏族との戦争をくぐり抜けてきた歴戦の兵であり、人型種族の模範と見なされている。彼らは鱗王やドロモカに謁見し、龍鱗を直接受け取る。
[編集] 魔道士
ドロモカ氏族の魔道士は攻撃の技と防御の技を等しく鍛える。
- 太陽運び/Sunbringers - 太陽の力と繋がる魔道士。暖かな光で傷を癒し、精神を強化する――もしくは焼けつく光の爆発を放つ。
- 砂運び/Sandbringers - アイノクの魔術の伝統を受け継ぐ、砂を操る魔道士。砂嵐を呼び起こしてドロモカ軍の移動を隠す、もしくは敵を蹂躙する。
[編集] 重要人物
- ドロモカ/Dromoka - ドロモカ氏族の龍王。頻繁に領土内を飛び回り、高楼の状態を確かめている。必要なら弱点となるものを自ら貪り食らうことも辞さない。
- アナフェンザ/Anafenza - 戦士としても指揮官としても有能だった人間の女性。族樹崇拝を行っていたため処刑されたが、死後も幽霊となって氏族とともに戦っている。
- バイヒール・マルザ/Baihir Marza - 太陽運びと砂運びの両方に熟達したアイノクの魔道士。女性。何百人もの兵士の肉体と精神を同時に強化したり、光と砂の嵐を呼び起こして敵を一掃したりすることができる。
- ファイソ/Faiso - 氏族の戦略的問題を一手に担う人間男性。ドロモカ軍の一団を率いる現在の兵士の中では最も若く、彼自身も手強い戦士だが、その真の才能は戦略と戦術で発揮される。
[編集] 重要地点
[編集] アラシン/Arashin
砂漠の砂から突き出た岩がちな丘の頂上にあるアラシン/Arashinは、ドロモカ氏族最大の都市であり、彼らがアブザンであった時代から引き続き権力の座となっている。経済的にも政治的にも軍事的にも、アラシンは氏族の中心である。
アラシンはその立地自体が天然の防壁となっているが、その防御を拡張・強化しているのが都市を取り囲む氏族最大の高楼、大いなる高楼/The Great Aerieである。その要塞は地上からの攻撃では突破不可能と言ってよく、空も龍とエイヴンによって厳重に警備されている。ドロモカはその住居を大いなる高楼に置き、アラシンを統治している。
[編集] 自由の高楼/The Aerie of the Unfettered
岩がちな尖峰の頂上に存在する自由の高楼/The Aerie of the Unfetteredは、ドロモカ氏族唯一の、龍たちだけが住む家である。自由の龍/The Unfetteredと呼ばれるこの高楼の龍は誰からの忠誠も受けず、どんな人型種族も守らない。その理由は様々で、懲罰ややむなき事情からここに住む龍もいるが、多くは単純に、下等種族との生活に興味を持たないために自らの意志でここにいる。彼らはドロモカへの狂信的な忠誠心を持つことには変わりないが、彼女からは独立して暮らしている――ドロモカ氏族となる以前のこの地の龍と同じように。彼らは他の龍との戦いに特化しており、領内各地の上空で、人型種族の軍勢の助力なく――足手まといもなく――戦う。
[編集] 塩路/The Salt Road
ドロモカ氏族は変容する荒野を貫く道路を支配しており、中でも塩路/The Salt Roadは常に重要視されている。かつて交易路として使われていた塩路は現在、ドロモカ氏族の前線の中心地の一つ、プルギル高楼/Purugir Aerieへ糧食と軍備を運ぶ補給線として使われている。
[編集] ゲームでの特徴
伝説のクリーチャー — スピリット(Spirit) 兵士(Soldier)
他のトークンでないクリーチャーが1体、あなたのコントロール下で戦場に出るたび、鼓舞1を行う。(あなたがコントロールするクリーチャーの中で最も小さいタフネスを持つクリーチャーを1体選び、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。)
2/2クリーチャー — アバター(Avatar)
到達、トランプル
毅然さの化身は、あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれている他のクリーチャー1体につき、+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
固有のメカニズムとして、キーワード処理の鼓舞を有する。またアブザン同様、+1/+1カウンターに関するカードが多数存在している。
[編集] 関連ページ
- Tarkir (Dragons of Tarkir)/タルキール(『タルキール龍紀伝』)(公式サイト)
- Planeswalker's Guide to Dragons of Tarkir, Part 2/プレインズウォーカーのための『タルキール龍紀伝』案内 その2(Uncharted Realms 2015年3月18日 The Magic Creative Team著)
- The Guardian/守護者(Uncharted Realms 2015年4月2日 Ari Levitch著)