グール/Ghoul
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グール/Ghoulはクリーチャーの種族の一つ。ゾンビの一種である。
様々な次元/Planeで使用される言葉だが、特にイニストラード/Innistradでは主要種族となっている。以下では、特記がない限りイニストラードのグールについて扱う。
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[編集] 解説
イニストラードには2種類のゾンビがいる。屍錬金術/Necro-alchemyによって死体から作られた怪物がスカーブ/Skaabと呼ばれるのに対し、屍術/Necromancyによって蘇った死体はグール/Ghoulと呼ばれる(イラスト)。
グールは不浄なる者/The Unhallowed[注釈 1]とも呼ばれる。これは彼らが清められていない(unhallowed)墓地から蘇ることに由来する。アヴァシン教会/The Church of Avacynの聖職者の務めの一つは、死者が最後に眠る場所を清め、祝福された眠り/The Blessed Sleepを確かなものにすることである。したがってアヴァシン/Avacyn不在の時期には、死者を蘇らせることは以前よりも容易になっていた。
[編集] グール呼び/Ghoulcaller
イニストラードにおいて、屍術師/Necromancerは通常グール呼び/Ghoulcallerと呼ばれる。彼らは墓地から死者を呼び起こす、黒マナに連なる魔道士である。
死者が目覚めたなら、グール呼びはその者の精神に原動力となる一つの目的を吹き込む。死者の混乱したすべての思考はそれに取って代わられる。ほとんど心を持たないグールは自分に残された技術で務めを果たそうとし、結果としてそれは生前のグロテスクな模倣となる。
例えば鍛冶屋のグールは敵を「鋳造」し直そうとし、戦士のグールは耳障りな雄叫び紛いの声を発し、殺人者のグールは殺しの味を思い出す。魔道士のグールは、その限られた力で呪文を紡ぎ上げることさえある――しかしながら、それは呪文の本来の目的から外れた結果をもたらすこともしばしばである。
[編集] 墓/Graf
イニストラードでは、墓地は墓/Graf[注釈 2]と呼ばれることがある。墓にはいくつかの種類があり、それぞれに特有のグールの集団が存在する。
[編集] 沼墓/Fengraf
沼墓(しょうぼ)/Fengrafは水浸しの低地に多数存在している墓地の一種である(イラスト)。これらの墓地はかつては清められていたが、今では長年にわたって放置されたままとなっている。沼墓のグールの多くは生前、鍛冶屋、靴の修繕屋、娼婦、その他ありふれた貧困階級の人々だったものである。
[編集] 海墓/Seagraf
海墓/Seagrafは漁師の墓場である。下級貴族と同じように、漁師は生前最も大事にしていたもの――例えば網、長い銛、滑りやすい魚を捕らえるための大きな鉤――とともに葬られることが多い。皮肉なことに、海墓のグールは、死後も自分たちの商売を完全には忘れていない。彼らは生前に有していた道具と器用さをもって犠牲者を追い回す(イラスト)。
[編集] 戦墓/Diregraf
戦墓/Diregrafはとりわけ凄惨な戦場の跡地である。戦墓から目覚めたグールは鎧や武器を身に纏っている――生前最後の血みどろの戦いで負った致命傷とともに(イラスト)。彼らの靄のかかった心の中には、終えることのできなかった戦いへの渇望がある。生前に訓練されたように、突然隊列を組もうとし始めることも珍しくない。
[編集] その他の墓
上記の代表的な3つ以外にも、詳細は不明だが黴墓/Moldgrafや絞墓/Noosegrafの存在が確認されている。
- 溺墓/Drownyardは似ているが無関係。英語を見れば分かるがgrafではなくyardである。
[編集] キャラクター
- グール
- ミケウス・セカーニ/Mikaeus Cecani - アヴァシン教会の月皇/Lunarch。死後、リリアナ・ヴェス/Liliana Vessが屍術で蘇らせた。
- ウィルヘルト/Wilhelt - 美貌を持つ木こり。屍術によるものではなく、ギサへの強い想いで独りでにグールとなった。
- ゴーレックス/Gorex - 巨大な亀のグール。モークラット/The Morkrutの湿地にあったものをジャダーが発見して蘇らせ、役畜として利用している。
- グール呼び
- ギサ・セカーニ/Gisa Cecani - ガヴォニー/Gavonyのグール呼び。スカーブ師/Skaberenの弟、ゲラルフ/Geralfとの関係は険悪で、2人の戦争がムーアランド/The Moorlandを荒廃させてしまった。
- リネルダ・スミット/Rinelda Smit - 独学で屍術を修得した若きグール呼び。吸血鬼/Vampireに対抗するためのグール軍を作り上げ、ステンシア/Stensiaで名を上げようとしている。
- ジャダー/Jadar - ネファリア/Nephaliaのグール呼び。
- エンスロウ/Enslow - ネファリアのグール呼び。
[編集] ゲームでの特徴
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)
グール起こしが戦場に出たとき、あなたの墓地にあるゾンビ(Zombie)・カードを1枚無作為に選んであなたの手札に戻す。
2/2ゾンビのクリーチャー・タイプを持つ。スカーブに研究や技術の色である青が割り振られているのに対し、グールには生死への直接的な干渉の色である黒が割り振られており、ほとんどが黒単色である(青黒のものや緑単色のものも少数存在する)。
ゾンビ映画のゾンビの「動きがのろい」イメージからタップインのデメリットを持つものがいくつか存在する。集団で脅威となるイメージから、ゾンビ・クリーチャー・トークンを生み出すカードも多い。また屍術のフレイバーから、墓地の自分自身や他のゾンビ・カードを手札や戦場に戻すカードが多数存在する(不死を含む)[1]。イニストラード:真夜中の狩りではグールをイメージした能力として腐乱が登場した[2]。
[編集] その他
- グール(英:ghoul)とはアラブの伝承に登場する、人肉を喰らう怪物。詳細はグールを参照。
[編集] 関連ページ
- INNISTRAD - PLANES/イニストラード - 次元(公式サイト)
- A Planeswalker's Guide to Innistrad: Nephalia and the Undead/プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 ネファリアとアンデッド(Savor the Flavor 2011年10月19日 Magic Creative Team著)
- Preview Article: Mikaeus, the Unhallowed/プレビュー記事:《不浄なる者、ミケウス》(Feature Article 2012年1月16日 Jenna Helland著)
[編集] 脚注
[編集] 注釈
- ↑ カード名やフレイバー・テキストでは「不浄なもの」「神聖を汚す者」「穢れた者」とも訳されている。
- ↑ grafはオランダ語で「墓」を意味する言葉。英語のgraveと同語源。
[編集] 出典
- ↑ C'mon Innistrad, Part 1/来いよイニストラード その1(Daily MTG、Making Magic 2011年9月5日 文:Mark Rosewater、訳:米村薫)
- ↑ FROM VOW ON, PART 2/『契り』から その2(Making Magic 2021年11月8日 文:Mark Rosewater、訳:米村薫)