マーフォーク (デッキ)
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マーフォーク(Merfolk)は、マーフォークを多数投入した部族デッキの総称。
目次 |
概要
基本は、フィッシュなどと同様、軽いクリーチャーを序盤に展開し、カウンターでクロックを維持するクロック・パーミッションの形態を取る。
黎明期から存在し続けているデッキタイプであり、クロック・パーミッションというアーキタイプに加えてロードのアトランティスの王/Lord of Atlantisにより島渡りを持たせることができるため、青のコントロールやコンボデッキが活躍する環境で強い。ただし、対戦相手のデッキが青でなくても魔法改竄/Magical Hackなどで土地渡りや土地タイプを書き換えられるため、相手のデッキに左右されないという強みもある。
ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期
要のローウィン・ブロックは健在だが時のらせんブロックの退場でアトランティスの王/Lord of Atlantisを失ったことにより一時期衰退。だが、基本セット2010で新たなロードのマーフォークの君主/Merfolk Sovereignを獲得し復活を果たす。
動きはこれまでのものと変わらず、マーフォークを並べロードで全体強化、謎めいた命令/Cryptic Commandのサポートを受けつつ殴り倒す。
サンプルレシピ
- 備考
- ドイツ選手権09 優勝 (参考)
- 使用者:Sebastian Thaler
- フォーマット
ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築
ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築では、マーフォークとウィザードの折衷デッキとして組まれることが多い。
石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneretで両者のコストを軽減して加速し高速展開。アドバンテージをとりながら謎めいた命令/Cryptic Commandなどでサポートしつつで一気に押し切る。
また、同環境は多色地形が優秀な為、多色化し黒や緑を追加する場合も多い。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリリミニ08 準優勝 (参考)
- 使用者:中村修平
- フォーマット
UWG Merfolk [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 緑をタッチしてカメレオンの巨像/Chameleon Colossusを追加したバージョン。多相持ちのため部族サポートをフルに受けられるのが利点である。
時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
ローウィン・ブロックでマーフォークが主要部族に選ばれたことで復活を果たす。川の案内者、シグ/Sygg, River Guideなどのために白青で組まれることが多いが、緑青のものも存在する。
動きは同環境のフェアリーに近く、軽量マーフォークによるダメージクロックをドローソースの祖先の幻視/Ancestral Visionやカウンターの謎めいた命令/Cryptic Commandでサポートするクロック・パーミッションデッキである。
序盤は石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneretやメロウの騎兵/Merrow Reejereyでマナ加速。この2枚が揃うことで、1マナ、2マナシングルシンボルのマーフォークがさながらフリースペルのように機能するため、展開によっては圧倒的な物量を揃えることができる。
最後はアトランティスの王/Lord of Atlantisや川の案内者、シグの全体強化により一気に押し切る。アトランティスの王を採用したことでメタゲームの中心であるヒバリブリンクやフェアリーに優位に立てることも大きな利点である。
海外ではプロツアーハリウッド08の少し前からメタゲームの一角を担っており、実際にベスト8進出者を輩出し、日本でも話題になった。→*1
また、イーブンタイドで対抗色がフィーチャーされてからは緑青のものも生み出されている。超強力なタルモゴイフ/Tarmogoyfやマーフォークの一種でもあるカメレオンの巨像/Chameleon Colossusを投入することで打撃力を向上させ、またメタゲームの中心にあがってきたスライなどの赤系デッキに対する耐性を向上させている。このタイプがグランプリコペンハーゲン08でベスト8入りし、話題となった。→*2
青白型
- 備考
- プロツアーハリウッド08 準優勝 (参考)
- 使用者:Jan Ruess
- フォーマット
TSB+ LRW [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneretがウィザード呪文のコストも軽減することに着目した、マーフォーク・ウィザードデッキとでも呼ぶべきチューニング。特に、造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savantのメイン投入は当時としては高い奇襲性を誇った。
青緑型
- 備考
- グランプリコペンハーゲン08 ベスト8 (参考)
- 使用者:William Cavaglieri
- フォーマット
UG Merfolk [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
対立オーブのクリーチャーをマーフォークに差し替えたバージョン(フィッシュ対立)が存在する。
アトランティスの王/Lord of Atlantisにより特に対ブルーオーブに有利になるのが大きい。
- この時期には海のハンター/Seahunterから連続して衝撃のマーフォーク/Jolting Merfolkを引っ張ってくるシナジーを搭載したタイプのデッキも存在した。
ウルザ・ブロック期
ウルザ・ブロックのころは凶悪なコンボデッキや有力な青単コントロールがメタゲームの中心にあり、それらへの対抗手段として組まれた。ウルザズ・サーガ参入直後は青の超極悪コンボデッキ・MoMaへのアンチデッキとして。
マスクス・ブロック参入後も補充やイタリックブルーといった青いデッキがトップメタであったため、同様にそれに対抗する形で戦果を挙げている。
日本選手権00ではパララクス補充と青茶単の荒海を泳ぎきり、見事ベスト8(2日目時点では1位)に輝いた。
サンプルレシピ
urza [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 7枚のピッチ・カウンターが高速展開を強力にバックアップする。リシャーダの港/Rishadan Portによるマナ拘束も定番。
エクステンデッド(時のらせん期)
時のらせん期のエクステンデッドにも同様のデッキは存在している。
マーフォークを並べてロードで全体強化しカウンターでバックアップ、という基本方針は変わっていない。
この時期のものには広がりゆく海/Spreading Seasが採用されており、アトランティスの王/Lord of Atlantisによる島渡り能力を強化すると共に青以外の多色デッキに対してマナ拘束手段としても機能するようになっている。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーアムステルダム10 ベスト4 (参考)
- 使用者:Marijn Lybaert
- フォーマット
Merfolk [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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エクステンデッド(デュアルランド期)
古いエクステンデッドでも時折組まれるデッキタイプであった。特に、環境を席巻した青系コンボデッキへのアンチデッキとしての色彩が強い。
史上最悪と謳われるコンボデッキ・MoMaが荒れ狂ったプロツアーローマ98では、Nicolas Labarreがこのデッキを使用して準優勝を飾った。また、Alan Comer製作のオリジナルのグロウデッキはグロウフィッシュと呼ばれ、当時メタゲームの中心にあったトリックスを意識した強烈な青メタデッキであった。
最強のピッチ・カウンター、Force of Willの存在がその背景にあることは言うまでも無い。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーローマ98 準優勝
- 使用者:Nicolas Labarre
- フォーマット
ex [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- MoMaの冬に現れたエクステンデッドバージョン。
- 史上最凶のコンボデッキ・MoMaのアンチデッキとしてこのデッキを持ち込み、プロツアーローマ98で準優勝に輝いている(決勝で引導を渡したのはTommi HoviのMoMaであったが)。
モダン
モダンでも、環境初期から一定の人気があるデッキタイプとなっている。
呪い捕らえ/Cursecatcherや銀エラの達人/Silvergill Adeptなどの優良マーフォークを並べ、多数のロードで全体強化して戦うのが基本的な動き。サポートとしては展開を加速する霊気の薬瓶/AEther Vialや、マナ拘束と島渡りの補助を兼ねる広がりゆく海/Spreading Seasがよく用いられる。
クリーチャーはレガシーのマーフォークにも引けを取らないラインナップだが、ピッチスペルがないため、カウンターはメインデッキには採用されないか、されても少数であることが多い。
基本セット2013からは真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Tridentを獲得。さらにテーロスからは波使い/Master of Wavesや海の神、タッサ/Thassa, God of the Seaといったスタンダードの青単信心でも活躍しているカードを獲得し、大きく強化された。
青単が主流だが、白をタッチしたタイプも存在する。
青単
- 備考
- グランプリコペンハーゲン15 優勝 (参考)
- 使用者:Przemek Knocinski
- フォーマット
Merfolk [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 窒息/Chokeなどの対策として、定番の水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water's Edgeや雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Cloudsに加えて、白マナを要求するカードが1枚も入っていないにも関わらずワンダーワインの分岐点/Wanderwine Hubが3枚採用されている。
タッチ白
- 備考
- グランプリコペンハーゲン15 ベスト4 (参考)
- 使用者:Christoffer Larsen
- フォーマット
Uw Merfolk(Modern) [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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レガシー
ローウィン参入以降、レガシーではマーフォークの部族シナジーを生かしたクリーチャー構成も登場した。
エターナル環境は青いデッキが多い関係から、アトランティスの王/Lord of Atlantisによる島渡りの実用性が高いことが大きな強み。特にローウィン以降は、ロードや優秀な小型クリーチャーの種類にも恵まれており、従来のクロック・パーミッションが持つ「攻めが細い」という弱点を大きく覆したことから、存在感が高まっている。
霊気の薬瓶/AEther Vialは青に強いだけでなく、行き詰まり/Standstillとの相性も良い。また行き詰まりは変わり谷/Mutavaultとの相性も良好である。このように、それぞれのカードがそれぞれのカードと上手く噛み合うような構成になっている。
近年追加された機能的なマーフォークが活かされているのも特長。呪い捕らえ/Cursecatcherはテンポが重要なエターナルでは地味に良い働きをしてくれるし、冷淡なセルキー/Cold-Eyed Selkieは不安定なドローをサポートしてくれる。またヴィンテージでは、多数のロードによる攻撃力上昇に加え、呪文書の盗人/Grimoire Thiefのようなトリッキーなマーフォークを採用して対策性を高める構成が主流である。
上記の様に質の良いマーフォークが多数存在するため、デッキを単色構成とすることで、エターナルでしばしば見られる基本でない土地への対策を回避することができ、また逆に、こちらが不毛の大地/Wastelandやもみ消し/Stifleを用いて多色デッキを食うことも可能となった。しかしながら、単色のままではゴブリンやZooなどのビートダウンには歯が立たないことが多いため、他の色をタッチすることも多い。タッチする色によって以下のような特徴がある。
- 黒 - メインには色を足さず、サイドに対ゴブリンやZoo用に非業の死/Perishや仕組まれた疫病/Engineered Plagueを採用する。コンボ対策として思考囲い/Thoughtseizeを採用することもある。
- 白 - 剣を鍬に/Swords to Plowsharesがメインに採用され、相手側のクリーチャーを排除できるような構成を取る。またサイドに解呪/Disenchantを搭載して仕組まれた疫病などに対応する。
- 緑 - タルモゴイフ/Tarmogoyfをメインに採用し打点力を上げる。また、サイドにはクローサの掌握/Krosan Gripが採用され、天敵である仕組まれた疫病に柔軟に対応できるような構成を取る。
- 赤 - 稲妻/Lightning Boltや渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerを採用し、相手側のクリーチャーを排除できるような構成を取る。
基本セット2013で新しい2マナロードである真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Trident、統率者2013で回避能力と除去耐性を備えたフィニッシャーになる真の名の宿敵/True-Name Nemesisを獲得し打点が向上、青単色が主流となっている。また、不毛の大地を採用しないことも多くなっている。
クロック・パーミッションであるが、小粒のマーフォークを並べるためにクリーチャーにスロットを多めに割かなければならないのが弱点である。デッキの構造やスロットの関係上、渦まく知識/Brainstormや思案/Ponderを入れにくいため、他のクロック・パーミッションデッキと比べてドローにムラがあり、必要なカードを引けないまま押し負けることも少なくない。
青単
LEG [10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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タッチ白
Uw Merfolk(Legacy) [11] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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タッチ黒
- 備考
- 世界選手権10 団体戦準優勝
- 使用者:Adam Witton
- フォーマット
+b [12] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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基本セット2013後
- 備考
- グランプリストラスブール13 ベスト8 (参考)
- 使用者:Alexey Romanchuk
- フォーマット
Merfolk(Legacy) [13] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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統率者2013後
Merfolk(Legacy) [14] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 真の名の宿敵を採用した青単型。
ヴィンテージ
ヴィンテージにおいても、わずかながらマーフォーク主体のものがあるようである。
サンプルレシピ
- 備考
- ヴィンテージ選手権13 優勝
- 使用者:Joel Lim
- フォーマット
Reel Fish [15] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 修繕/Tinkerなどへの対策になる波止場の用心棒/Waterfront Bouncerが採用されている。無のロッド/Null Rodを使うため霊気の薬瓶は非採用。