翻弄する魔道士/Meddling Mage
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2マナ2/2(熊)は立派な戦力であり、能力も尋常ではない。その時点で唱えられて一番困るカードを指定しておけば、対戦相手の戦略を大きく崩すことができる。ビートダウンデッキならば除去を指定して攻勢を崩す隙を与えず、コントロールデッキならば打ち消されない呪文やエンドカードなどを封じ込められる。のぞき見/Peekや記憶の欠落/Memory Lapse、差し戻し/Remandなどの対戦相手がすぐに唱えそうなカードが分かるカードとも相性がよい。統率者戦では、統率領域に見えている統率者を指定できるためもっとひどい。これを警戒して、当時の白デッキは神の怒り/Wrath of Godを一部総くずれ/Routに取り換えていたほどである。
特にクロック・パーミッションにとっては、対戦相手の妨害とクロックの確保を同時に達成できるため、非常に相性がよい。これだけのために色が散らされるほどの優秀ウィニーであり、パーミッションがサイドボードから投入することもある。
コントローラー自身も影響を受けるため、ミラーマッチになったりするとどんどん面倒になってくる。
[編集] オラクルの変遷
- 初出時のクリーチャー・タイプはウィザードのみであったが、2007年9月サブタイプ変更で人間が追加された。
- 印刷時はカードを唱えることを禁止していたため、等時の王笏/Isochron Scepterなどの効果でカードのコピーを唱えることを禁止できなかったが、2017年4月のオラクル更新で呪文を唱えることを禁止するように変更された。同様の効果を持つカードもすべてカードという記述を廃し、呪文を唱えることと土地のプレイを禁止する効果に改訂された。
[編集] ルール
- カード名の指定に関するルールは名前#名前の指定の項を参照。
- カード名の指定は強制である。
- カード名の指定は戦場に出る際に機能する常在型能力(置換効果)であり、誘発型能力ではない。指定されるのに対応して何かすることはできない。もちろん、能力をもみ消し/Stifleなどで打ち消すこともできない。
- これは翻弄する魔道士のコントローラーを含めたすべてのプレイヤーが影響を受ける。
- 霊気の薬瓶/Aether Vialなどでインスタント・タイミングでこれを出しても、すでにスタックに置かれている呪文に影響を与えることはできない。
- 呪文のコピーをスタックに置くことはカードを唱えることではないので、この効果の制約を受けることはない。
- 分割カードを禁止したい場合、そのどちらか一方しか指定できない。例えば火+氷/Fire+Iceであれば、「火」か「氷」のどちらかしか指定できない。指定されなかった側で唱えることは禁止されない。
- 融合を持つ分割カードは、融合された分割呪文である場合、スタック上でも2つの名前を持つ。そのため、片方の半分が指定された名前と一致するならば、融合された分割呪文として唱えることはできない。
- 反転カードや両面カードを唱えることを禁止したい場合、反転前後/第1面・第2面の名前どちらも指定できる。ただし、反転カードにおいては反転前の名前を指定しなければ実質的には意味がない。反転させた状態で唱える手段は現時点で存在しないからである。
[編集] インビテーショナルカード
このカードはインビテーショナル00春優勝者、Chris Pikulaによってデザインされたインビテーショナルカードである。
本人のデザインよりも強くなった最初のインビテーショナルカード。というのも、提出されたデザインが例年の物と比べいささか地味であったため。以下に示すのがその元のデザイン[1]。
非公式/非実在カード
The Meddler (2)(青)クリーチャー
The Meddlerが場に出るに際し、呪文の名前を1つ指定する。
The Meddlerを生け贄に捧げる:指定された呪文を打ち消す。
- フレイバー・テキストは、Chris Pikula氏がゲーム終了後などに大声で解説を始めることからきているらしい。
翻弄する魔道士はあまりにも大きな声で詠唱するので、誰もそこに呪文を差しはさむことができないんだ。
- 後に失敗の宣告/Declaration of Naughtという、The Meddlerにかなり近い形のカードが生まれた。
[編集] その他
- アンヒンジドのMeddling Kidsはこれのパロディ。
- ジャッジ褒賞カードとしてNottsuoによる新イラスト版が存在する。
- タイムシフトとして再録が検討されていたが、待機対策としては軽さに対して効果があまりに強力すぎたため、見送られた。
- 新しいメカニズムを台無しにしかねないカードだったとはいえ、他のインビテーショナル・カードである影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator、なだれ乗り/Avalanche Riders、非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigyが揃って再録されたなかで、これが再録できなかったことは、WotCにとって非常に苦しい選択であったことがうかがえる[2][3]。
- そのわりに、待機カードに対する強烈な牽制になるザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfirが同エキスパンションに収録されている。
- 時のらせんでは再録を逃したが、アラーラ再誕で再録された。イラストはアラーラ/Alaraの世界観に合わせて一新され、女性の魔道士が描かれている。当然ながらPikulaの面影は残っていない。
[編集] 関連カード
[編集] 主な亜種
カード名を選び、その呪文を唱えることを禁止するカード。指定なしに決められたタイプのカードを禁じるものは中断/Abeyanceの項を参照。
- 無の空間/Null Chamber - 自分と対戦相手それぞれでカード名を選ぶ。翻弄する魔道士より前のカード。(ミラージュ)
- 妖術師の封印/Conjurer's Ban - 効果が次のあなたのターンまでのソーサリー。その名前の土地のプレイも禁止できる。キャントリップつき。(ギルドパクト)
- 腹背+面従/Failure+Comply - 効果が次のあなたのターンまでのソーサリー。余波呪文の下半分。(アモンケット)
- 謹慎補講/Academic Probation - 効果が次のあなたのターンまでのソーサリー。講義のモードの片方。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 虚空石のガーゴイル/Voidstone Gargoyle - 起動型能力の起動も禁止する。土地は指定できない。この系統の亜種は真髄の針/Pithing Needleの項を参照。 (次元の混乱)
- 選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper - 禁止できずコストを(2)増加させるに留まるが、戦場に出る際に対戦相手の手札を覗ける虚空石のガーゴイル。(団結のドミナリア)
- 攪乱のフルート/Disruptor Flute - 禁止できずコストを(3)増加させるに留まるが土地も指定できる虚空石のガーゴイル。起動型能力はマナ能力でない限り禁止できる。(モダンホライゾン3)
- 失敗の宣告/Declaration of Naught - 選んだ名前の呪文を打ち消す。(モーニングタイド)
- 金輪際/Nevermore - エンチャント版。(イニストラード)
- 不可侵議員/Council of the Absolute - 自分が唱える場合はコストが軽くなる。(ドラゴンの迷路)
- 高位調停者、アルハマレット/Alhammarret, High Arbiter - 対戦相手の手札にあるカード名のみ選べる。(マジック・オリジン)
- ギデオンの介入/Gideon's Intervention - 選んだ名前の発生源からのダメージの軽減も行う。(アモンケット)
- シルバークイルの口封じ/Silverquill Silencer - 禁止できず唱えさせてしまうが3ライフロスさせる上に、あなたが1ドローするペナルティを課す。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 静寂の呪い/Curse of Silence - 呪い版。禁止できずコストを(2)増加させるに留まるが、その際にこれを生け贄に捧げると1ドローできる。(イニストラード:真夜中の狩り)
カード名以外を指定して禁止するカード。
- エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria - 指定した色の呪文を唱えることを禁止する。(ゼンディカー)
- 聖域の僧院長/Sanctum Prelate - 指定したマナ総量を持つ非クリーチャー呪文を唱えることを禁止する。(コンスピラシー:王位争奪)
- 武勇の場の執政官/Archon of Valor's Reach - 指定したカード・タイプの呪文を唱えることを禁止する。ただし選べるのはアーティファクトかエンチャントかインスタントかソーサリーかプレインズウォーカー。(バトルボンド)
- Look at Me, I'm the DCI - アン・カード。指定したカードを禁止カードにする。(アングルード)
[編集] 脚注
- ↑ From Kuala Lumpur to Planeshift, the making of a Magic card - Wayback Machine(2009年7月22日アーカイブ分)Randy Buehler、英語
- ↑ Not Their Time - Wayback Machine(2022年8月13日アーカイブ分)Aaron Forsythe、Latest Developments 2006年10月6日)
- ↑ お呼びでない?(個人サイト「_」(Underbar)、上の記事の和訳)