唱える
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唱える/Castは、キーワード処理の1つ。呪文を使うときに行われる処理である。
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定義
呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、その呪文を現在ある場所からスタックに置き、コストを支払うことを意味する。呪文を唱えるためには、以下の一連の手順を踏む必要がある。手順はおおまかに呪文の提示(1-5)とコストの支払い(6-8)にわかれる。手順を完了できない場合、それは不正な処理として巻き戻される。
- 呪文を唱えることを宣言し、カードを元ある領域からスタックの一番上に乗せる。
- モードや代替コストや追加コスト、マナ・コストにXの値など、その呪文を唱える際に必要な選択を宣言する。
- 対象の数を宣言したのち、対象を宣言する。
- 対象への割り振りがある場合は、それをどう割り振るかを宣言する。
- ここまでの宣言や選択を考慮し、呪文が適正に唱えられるかどうか判定する。不正であった場合は唱えることを宣言する直前まで巻き戻される。
- 総コストが決定される。これ以降、総コストは固定される。
- 総コストにマナの支払いが含まれる場合、マナ能力を起動する機会を得る。
- すべてのコストを好きな順で支払う。
これらの手順を完了することで、呪文は唱えられたことになる。この条件で誘発する能力はその時点で誘発する。
解説
1.呪文をスタックに置く
呪文を唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。通常、いつ、どこから呪文を唱えられるかはカード・タイプごとにルールによって許可されているが、ルールや効果によってそれが拡張されることがある(#唱えてもよい)。あるいはルールや効果によって呪文を唱えることが制限されることもある(#呪文を唱えることの制限)。分割カードや当事者カードなど唱える際に特性を選択する必要がある場合、それはカードをスタックに移動させる前に選択する(#代替の特性があるカードの扱い)。
- インスタントは、優先権を持っていれば手札から唱えることができる。
- ソーサリー、クリーチャー、アーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカー、バトルは、優先権を持っており、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間に手札から唱えることができる。
- 土地は他のカード・タイプを持っていても、呪文として唱えることはできない(CR:300.2a)。
- 例:ドライアドの東屋/Dryad Arborはマナ・コストを支払うことなく唱える効果でも唱えることはできない。
2.呪文の選択を行う
対象と割り振り以外の、呪文を唱えるときに行う選択を行う。逆にここに書かれていない項目は、すべて解決時に行う選択である。
- モードを持つ呪文の場合、プレイヤーはモードの選択を行う。
- プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋したい場合、そのカードを手札から公開する。
- そのカードがバイバックやキッカーといった選択式の追加コストや、フラッシュバックやマッドネスなど代替コストを持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(CR:601.2f)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。
- マナ・コストに含まれる(X)など、その呪文が、唱える間に支払う可変のコストを持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。
- その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。
- その呪文を唱える間に支払うコストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。
これらの宣言は順番は決まっているものの、後の選択次第で前の選択肢が増えるなら適用してもよいなど例外があるのでそこまで気にする必要は無い(CR:601.4)。
- 豊穣の碑文/Inscription of Abundanceは、キッカーとモードを持つ呪文で、「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」と書かれている。この呪文で選んだモードを宣言するとき、キッカー・コストの支払いの選択は宣言の手順上それよりも後であるが、コントローラーは望む数のモードを選び、後でキッカー・コストを支払うことを選択することができる。
- 道具箱、ヘンジー・トーリ/Henzie "Toolbox" Torreは、「マナ総量が4以上でありあなたが唱えるすべてのクリーチャー呪文は奇襲を持つ。奇襲コストはそれのマナ・コストに等しい。」という能力を持つ。クラキリン/Krakilinはマナ・コストが(X)(緑)(緑)の呪文で、代替コストの選択時点ではマナ総量2の呪文であるが、Xを2以上にするならマナ総量が4以上になるので、奇襲の代替コストを支払うことを選択してもよい。
3.対象を選ぶ
プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーやオブジェクトを選んで宣言する。詳しいルールは対象のページも参照のこと。
単に「1つを対象とする。」などと性質が書かれてない場合、その適正な対象はプレイヤーかクリーチャーかプレインズウォーカーかバトルである(任意の対象)。
「クリーチャー最大2体を対象とする。」など呪文が可変の対象を取っていた場合、プレイヤーはその数を宣言し対象を選ぶ。0を選ぶのも適正である。
「クリーチャー2体を対象とする。」など同じ「対象/Target」の語で示される中で同じ対象を複数回選ぶことはできない。「クリーチャー1体を対象とし、クリーチャー1体を対象とする。」などと書かれている場合は、同じクリーチャーを対象に選んでもよい。
スタック上の呪文は、それ自身を対象に選ぶことはできない。
対象として適正であれば、解決時に効果が発揮されないとしても対象として選ぶことができる。
- 例:「クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。」という効果を持つ圧点/Pressure Pointを既にタップ状態のクリーチャーに唱えてもよいし、「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。」という効果を持つ精神腐敗/Mind Rotを手札が1枚以下のプレイヤーに唱えてもよい。
4.割り振りを選ぶ
呪文が対象を選び、その対象にダメージやカウンターを割り振る場合、それをどのように割り振るのか選ぶ。対象に選ばれたプレイヤーやオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。
- 割り振るダメージやカウンターよりも多く対象の数を選んでいた場合などは、適正に選べるよう処理を巻き戻すこと。
5.呪文の提示
ゲームは提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが提示される直前の瞬間に戻る。
具体的にはある方法で唱えるなら必要な追加コストや代替コストを支払わないことを選んだり、特定の性質の呪文を唱えてもよい効果を利用し、唱える際の選択でその特定の性質でなくなったりする場合がある。
- 総くずれ/Routは「あなたが総くずれを唱えるためにさらに(2)を支払うなら、あなたは総くずれを、瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」を持つ。あなたはインスタント・タイミングで総くずれを唱え始めたが、追加コストを支払うことを選ばなかった。その呪文の提示は不正となる。
- 夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denは「あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地からマナ総量が2以下のパーマネント呪文を1つ唱えてもよい。」という能力を持つ。あなたはこの効果でマナ・コストが(X)の石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpentを墓地から唱えることを宣言した。唱え始める時点では石とぐろの海蛇のマナ総量は0なので適正だが、Xを3以上に指定すると「マナ総量が2以下のパーマネント呪文」ではなくなるため、その呪文の提示は不正となる。
この段階で適正な呪文だと判断されたなら、その呪文のコストを決定して支払う間や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。(CR:601.5)。
- クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphixは「あなたはクリーチャー呪文を、それが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」という能力を持つ。あなたはインスタント・タイミングでクリーチャー呪文を唱え始め、呪文の提示が終わった後、#7.マナ能力の起動でアシュノッドの供犠台/Ashnod's Altarでクルフィックスの預言者を生け贄に捧げてしまった。しかし、そのクリーチャー呪文が不正となることはない。
6.総コストの決定
プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常は総コスト=マナ・コストである。追加コストや代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させたり、代替コストを使えるようにする効果によって、総コストは変化する。
総コストは
- マナ・コスト、あるいは#2で決めた代替コストに、すべての追加コストを加えたもの
- コストを増加する効果(久遠への消失/Vanish into Eternityやコスト増加カード)を適用する。
- コストを減少する効果(原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hungerやコスト減少カード)を適用する。
- 総コストを直接変更する効果(三なる宝球/Trinisphere)を適用する。
コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは(0)として扱う。(0)未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
- 総コストがどうであろうと、マナ総量はその呪文のマナ・コストを数値化したものである事に変わりは無い。
7.マナ能力の起動
総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。
- 通常、マナ能力はスタックを使用せず、優先権が移動しないため、呪文を唱える手順に入る前に予めマナを出しておいても手順的に問題は無い。ただ、前述のようにクルフィックスの預言者/Prophet of Kruphixのように呪文を唱えるタイミングを拡張するカードや、雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiarのようなコスト減少カードの適用を受けた上で、ここの手順でアシュノッドの供犠台/Ashnod's Altarでマナ能力のコストとして使用してしまうというテクニックがある。
- 彩色の宝球/Chromatic Sphereやミリキン人形/Millikin、帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer Returnedなど、ここで使うとややこしいことになるマナ能力を持つカードもある。
8.コストの支払い
プレイヤーはその総コストを支払う。まず、無作為の要素やライブラリーから公開領域にオブジェクトを動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。
- 「無作為の要素やライブラリーから公開領域にオブジェクトを動かすことを含むコスト」とは、どちらかといえば起動型能力のためのルールで弧炎撒き/Arc-Sloggerやクレイ・ゴーレム/Clay Golemのコストを指す。
コストの支払いの順番は適正にプレイしているなら通常は気にする必要は無いが、召集などコストの支払い方を変える能力を呪文に与える常在型能力を持つパーマネントが絡むと問題がある場合があるので注意。
- 例:マナ・コストが(1)(黒)でクリーチャー1体を生け贄に捧げる追加コストを持つ祭壇の刈り取り/Altar's Reapを唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを(1)減らす効果を持つ雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiarをこのコストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは#6の時点で「固定」されているので、祭壇の刈り取りのコストは(1)(黒)になることはなく、(黒)となったままである。
- 例:同様に祭壇の刈り取りを唱える。「あなたが唱えてクリーチャーでないすべての呪文は召集を持つ。」効果を持つセゴビアの海暴君、カエトス/Caetus, Sea Tyrant of Segoviaをこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、祭壇の刈り取りは召集を持たないので(1)(黒)をクリーチャーのタップで支払うことはできない。先にマナのコストをクリーチャーのタップで支払ってから、カエトスを生け贄に捧げることは可能である。
9.唱える手順の完了
#1から#8で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
- 「その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果」に該当する効果は、大渦を操る者、イドリス/Yidris, Maelstrom Wielderの続唱を与える継続的効果のみ。
唱えてもよい
ルールや効果が「唱えてもよい(プレイしてもよい)」と指示している場合、手札以外の領域からや、通常のカード・タイプ毎に決められたルール以外のタイミングで呪文を唱えることができる。
唱えるタイミング
常在型能力による「あなたは(領域)から呪文を唱えてもよい」という継続的効果や、呪文や能力の解決時に発生する効果で「このターン、それらのカードを唱えてもよい」「このカードが追放されている限り唱えてもよい」など期間が設けられているなら、通常その呪文を唱えられるタイミングのときにのみその呪文を唱えることができる。つまり、インスタントまたは瞬速を持つ呪文ならあなたが優先権を持っているときに唱えることができ、そうでない呪文なら、あなたが優先権を持っていてあなたのメイン・フェイズの間でスタックが空であるときにのみ唱えられる。
- 未来予知/Future Sightは「あなたは、あなたのライブラリーの一番上から土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。」という能力を持つ。ライブラリーの一番上がクリーチャー・カードであったなら、あなたは通常クリーチャー・呪文を唱えられるときにそれを唱えられる。
- 無謀なる衝動/Reckless Impulseは「あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。」という効果を持つ。あなたは無謀なる衝動の解決時に追放されたカードを唱えるのではなく、解決された後、通常と同じタイミングで追放領域からそれらを唱えられる。
呪文や能力の解決の中で唱える期間が指定されず唱えてもよいと指示されたなら、優先権の有無やフェイズに関係なく、その呪文や能力の解決の一環として呪文を唱えることができる。唱えた呪文は即解決されるわけではなく、現在解決中の呪文や能力の解決が終了した後に通常通りプレイヤーの対応のやり取りを経て解決に入ることになる。解決中に呪文を唱えるの項も参照。
- キーワード能力の続唱は、その能力の解決中に呪文を唱えることを支持する誘発型能力である。あなたは相手のターンに瀝青破/Bituminous Blastを唱え、続唱によってソーサリーの荒廃稲妻/Blightningがライブラリーから追放された。ソーサリーのルールでは優先権を持たず自分のメイン・フェイズでもない間に唱えることはできないが、続唱が追放したカードを唱えることを許可しているためあなたは荒廃稲妻を唱えることができる。
呪文を唱えることの制限
マジックの黄金律により、「できない」は「できる」に勝つ。ある効果が呪文を唱えることを「できない」としているなら、呪文を唱える事を許可するルールや効果があっても唱えることは出来ない。ただし、特定の性質を持つ呪文を唱えることが効果によって禁止されている場合でも、その呪文を示している間にその性質を変える選択ができ、それにより唱えることが禁止されなくなるなら、唱え始めることができる(CR:601.3a)。
- 例:時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerは「各対戦相手はそれぞれ、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。」という能力を持つ。対戦相手は、カードが瞬速を持っていてもそれをソーサリーを唱えられる時にしか唱えることができない。また雷電支配/Electrodominanceなどによって解決中に呪文を唱えるよう許可されても、それを唱えることはできない。
- 例:虚空の選別者/Void Winnowerは「あなたの対戦相手はマナ総量が偶数の呪文を唱えられない。」という能力を持つ。その場合でも、対戦相手はマナ・コストが(X)(赤)(赤)でありマナ総量が2であるとどろく雷鳴/Rolling Thunderを唱え始めることができる。これはXの値の選択によっては、その呪文のマナ総量が奇数に変わることがありうるからである。マナ総量が偶数になるような選択をしたなら、不正な呪文の提示として巻き戻される。
「瞬速を持っているかのように」の扱い
カードによっては、その呪文を提示しなければ瞬速を持っているのかのように唱える事が出来るか分からないものがある。それらは例外として唱え始めることができる。呪文を提示し終えた後に適正な選択をしなかったら、不正な呪文として巻き戻される。
- 特定の性質を持つ呪文を瞬速を持つかのように唱えることが効果によって認められている場合、呪文を示している間にその呪文の性質を変える選択ができ、それにより効果が適用されるようになるなら、その呪文を瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3b)。
- 例:機を見た護法/Timely Wardは「統率者を対象とするなら、瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」という能力を持つため、統率者であるクリーチャーを対象にすることで瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
- このルールは元々授与とシガルダの助け/Sigarda's Aidとの相互作用のために制定されたが、授与のルール変更によって授与は該当しなくなった。総合ルールの例示は古いルールのままなので注意。
- 例:機を見た護法/Timely Wardは「統率者を対象とするなら、瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」という能力を持つため、統率者であるクリーチャーを対象にすることで瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
- プレイヤーが代替コストや追加コストを支払った場合に瞬速を持つかのように呪文を唱えることが効果によって認められている場合、瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3c)。
- 例:総くずれ/Routは、瞬速を持つかのように唱え始めることができる。これは、総くずれの効果が、追加コストを支払えば瞬速を持つかのように唱えることを認めているからである。
- 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3d)。
- 例:粉砕する潮流/Crashing Tideは、マーフォークをコントロールしているなら瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
代替の特性があるカードの扱い
カードの中には、代替の特性(別の特性)/Alternative characteristicで唱えることができるものがある。具体的には、分割カード、変異能力を持つカード、授与を持つカード、一部の変身する両面カード(降霊や見た目以上のもの等)、モードを持つ両面カード、当事者カード、試作カード、変装を持つカードがある。
ルールや効果が「[特性]の呪文を唱えてもよい」と書いてある場合(イコリア:巨獣の棲処より前は「[特性]のカードを唱えてもよい」と書かれているため最新オラクルを確認すること)、代替の特性を用いて呪文を唱えることが適正かどうかは、本来の特性では無く代替の特性に置き換えて判断される(CR:601.3e)。
- 例:ガラクの大軍/Garruk's Hordeは「あなたのライブラリーの一番上からクリーチャー呪文を唱えてもよい。」という能力を持つ。あなたのライブラリーの一番上のカードが変異を持っていてクリーチャーでないカードである場合、あなたは変異能力を用いてクリーチャーとしてそれを唱えてもよい(CR:708.4)。
- 例:イゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragonは「あなたは、あなたのライブラリーの一番上からインスタント呪文とソーサリー呪文を唱えてもよい。」という能力を持つ。あなたのライブラリーの一番上にあるカードが当事者カードの巨人落とし/Giant Killerだった場合、あなたはそれを巨人落としとして唱えることはできないが、インスタントである切り落とし/Chop Downとして唱えることはできる。
「カードが[特性]であるなら唱えてもよい」という書き方は唱える選択以前の、そのカードの現在の特性から判断されるため上記のルールとは関係ないため注意。逆に唱える際の選択でその特性以外の代替の特性で唱える事は可能。
- 例:碑出告と開璃/Hidetsugu and Kairiは「それがインスタントやソーサリーであるカードなら、それをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」という効果を持つ。これによってパーマネント・カードである当事者カードや、第1面がパーマネントであるモードを持つ両面カードを唱えることは、代替の特性としてインスタントやソーサリーにする事があってもできない。
- 例:勝負服纏い、チャンドラ/Chandra, Dressed to Killは「それが赤であるなら、このターン、あなたはそれを唱えてもよい。」という効果を持つ。そのカードがモードを持つ両面カードの火花の学者、ローアン/Rowan, Scholar of Sparksであるなら、それを青の霜の学者、ウィル/Will, Scholar of Frostで唱えてもよい。
そのオブジェクトが代替の特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。これにより直感的には不可能であるかのような挙動も発生する。また、これらに関してはMTGアリーナで相互作用がサポートされていなかったり、不明瞭な場合が多い。
- 例:溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drownedは「あなたの墓地にありインスタントやソーサリーであるすべてのカードはフラッシュバックを持つ。そのフラッシュバック・コストは、そのカードのマナ・コストに等しい。」を持つ。あなたの墓地に巨人落としがある場合、あなたはそれを巨人落としとして唱えることはできないが、切り落としとして唱える場合はリーアの継続的効果によりフラッシュバックを持つので、唱えることができる。
- 例:至高の者、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Supremeは「あなたの墓地にありちょうど2色でありインスタントやソーサリーであるすべてのカードは再活を持つ。」という能力を持つ。あなたの墓地に火+氷/Fire+Iceがある場合、それは唱える際に単色になるためニヴ=ミゼットの継続的効果を適用することができないため再活を持たず、唱えることはできない。墓地に罪+罰/Crime+Punishmentがある場合、それは唱える際にちょうど2色になるためニヴ=ミゼットの継続的効果を適用でき、再活を持つ呪文として唱えることができる。
その他
追放領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えることを許可する効果が存在する。プレイヤーは、追放領域にあるその裏向きのカードを見ることができる場合にのみ、その種の呪文を唱え始めることができる(CR:601.3f)。
- 例:情け無用のケイヤ/Kaya the Inexorableは「あなたのアップキープの開始時に、あなたは、あなたの手札からかあなたの墓地からか追放領域にありあなたがオーナーであるカードの中から、伝説の呪文1つを、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」という紋章を与える。あなたは秘匿や豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxuryによって追放しているカードを(それが伝説であるなら)唱えてもよい。ボーマットの急使/Bomat Courierのように表面を見ることができない状態で追放されている裏向きのカードは、例え何らかの理由でそれが伝説である事を知っていたとしても唱えることはできない。
その他のルール
- 必要なコストが支払える限り、1ターンに唱えることができる呪文の数にルール上の制限はない。
- 呪文を唱える一連の手順の間に優先権は発生せず、どのプレイヤーも呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。ただし、マナ能力に限り#定義の手順6で唱えるプレイヤーのみが起動できる。
- CR:601.2の手順を踏まずにスタックや戦場に置かれたものは「唱えられた」とは言わない。
- 例:浄火明神/Myojin of Cleansing Fireは、手札から唱えられることで機能する常在型能力を持つ。これを歯と爪/Tooth and Nailなどの効果で手札から戦場に直接出した場合は、「唱えられた」とはみなされない。結果、能力は機能せず、神性カウンターは置かれない。
- 例:ミラーリ/Mirariのように、呪文のコピーを直接スタックに置く効果がある。この場合は、呪文を唱えられたとはみなされない。ストーム能力がこれを数えることも無い。
- 「カードを唱える」は、そのカードを呪文として唱えることである。
ルールの変遷
ある呪文が唱え始めることができるかの判定について、何度かルールが変更されている。
- 基本セット2010で制定された当時は「601.5. プレイヤーは、唱えることが禁止されている呪文を唱え始めることはできない。」によって唱え始める前(上記定義の1の前)にのみチェックしていた。裏向きの呪文のみ例外がかけられていた。
- テーロスで唱えている間にカード・タイプが変りうる授与が登場したことによりその扱いに問題が生じた。そのため2015年7月の総合ルール更新で旧601.5を廃止し、呪文を唱えることが適正かどうかを現在の#定義の手順5のみでチェックするように変更された[1]。
- だがこれにより、例えば「対戦相手のライブラリーの上から4枚目を唱える宣言をしてスタックに置き内容を確認する(その後、唱えることが不可能なので巻き戻される)」といった行動も許容することになってしまった。そこで、2015年10月に、プレイヤーは適正な方法に従って呪文を唱え始めなければならないが「その呪文を示している間の情報に基づいて唱えられなくする効果」は無視できる(それは手順5の段階でのみチェックされる)というルールに変更された[2]。
- 追加コストを支払うことで瞬速を持つかのように唱えられる呪文や、シガルダの助け/Sigarda's Aidの下で授与を適用して唱える場合など、実際に唱えられるかどうかは唱え始めた後に適正になる場合の矛盾を解消するために2016年7月に現在のCR:601.3が追加された[3]。
- イクサランの束縛/Ixalan's Bindingと不死身、スクイー/Squee, the Immortalがスタンダードで同居したことで、イクサランの束縛と追放領域から唱えられるカードとの相互作用とその裁定が話題になった。イクサランの束縛でスクイーを追放しても、イクサランの束縛の効果は「その呪文を示している間の情報に基づいて唱えられなくする効果」なので唱え始めることができ、スクイーが追放領域からスタックに移動するため手順5のチェックでイクサランの束縛の唱えられなくする能力の適用外になる。これは奇妙で直感に反し、ルール的に意図したものでも無かったため、2018年6月に改めて「ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。」とした上で601.3でそれを回避できる条件を明記するルールとなり、スクイーはこの例外に当てはまらないため唱えられなくなった[4]。
その他
- 基本セット2010で制定されたキーワード処理。Castという概念は、リミテッド・エディションから存在したものの、第6版で土地と同じくプレイに統合されたため、長年の間廃語となっていた。なお、その時の日本語訳は「かける」であった。第6版ルールでは土地のプレイ、起動型能力の起動を含めてすべて「プレイ」と呼んでいた。
- スタックに乗る時点を勘違いしやすいため、注意が必要。
- ソーサリー呪文またはインスタント呪文を唱えることを、俗に「(呪文を)撃つ」とも表現する。
脚注
- ↑ Magic Origins Update Bulletin—Comprehensive Rules Change(Internet Archive)(Daily MTG 2015年7月16日)
- ↑ Battle for Zendikar Update Bulletin—Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2015年10月9日)
- ↑ Eldritch Moon Update Bulletin—Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2016年7月28日)
- ↑ Core Set 2019 Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2018年7月6日) - 特殊セット発売時の総合ルール更新は記事にされないため基本セット2019発売に合わせた発表になっている
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 601 呪文を唱えること
- 601.1 かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
- 601.2 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文の提示(rule 601.2a-d)と、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。下記に列記されている手順の実行中にその手順で必要なことができなかったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が提示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)。
- 601.2a 呪文を唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードのコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。あなたがその呪文を唱え始めるに際してその特性を修整する継続的効果は、それがスタックに置かれるに際して始まる(rule 611.2f 参照)。呪文は、解決されるか打ち消されるか、あるいはルールや効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
- 601.2b 呪文がモードを持つ場合、プレイヤーはモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋(rule 702.47 参照)したい場合、そのカードを手札から公開する。その呪文が、バイバックやキッカーと言った、代替コストや追加コスト(rule 118.8、rule 118.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払うコストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバックで呪文を唱えることを選んだ、変異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。
- 601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーやオブジェクトを選んで宣言する。代替コストや追加コスト(キッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定のモードを選んだときにのみ対象を取りうる呪文は、それ以外の場合には対象を取りえないものとして唱えられる。同様に、代替コストや追加コストが選択された場合にだけ他の対象を取りえることがある。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤーは対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言する。対象の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対象の数が決定されたら、その対象の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」」「[性質]や[別の性質]のうちM個」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤーやオブジェクトを(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトやプレイヤーを対象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。選ばれたプレイヤーやオブジェクトはその呪文の対象となる。(それらが呪文の対象となったときに誘発する能力はこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、その能力はスタックには積まれない。)
- 601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトやプレイヤーにダメージやカウンターなどの効果を分割したり分配したりするとき、そのプレイヤーは、選ばれたプレイヤーやオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。
- 601.2e ゲームは提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが提示される直前の瞬間に戻る(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)。
- 601.2f プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コストや代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
- 601.2g 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会(rule 605〔マナ能力〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払う前に起動する必要がある。
- 601.2h プレイヤーはその総コストを支払う。まず、無作為の要素やライブラリーから公開領域にオブジェクトを動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。
- 601.2i rule 601.2a-h で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
- 601.3 プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を提示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを提示する直前の瞬間に戻る(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)。
- 601.3a 効果によって特定の性質を持つ呪文を唱えることが禁止されている場合も、プレイヤーが呪文を提示している間に行われる選択によってその呪文の性質が変わり、その効果が適用されなくなるなら、そのプレイヤーはその効果を無視してその呪文を唱え始めてもよい。
- 601.3b 効果によって特定の性質を持つ呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーは、その呪文の性質を変えうるような選択をその呪文を提示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果が適用されるようになるなら、そのプレイヤーはそれが瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めてもよい。
- 601.3c 効果によって、プレイヤーが代替コストや追加コストを支払った場合に呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文が瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
- 601.3d 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら、そのコントローラーは瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
- 601.3e ルールや効果が、カードやカードのコピーを唱えるのが適正かどうかを判断するのに代替の特性群あるいは特性群の一部だけを参照することがある。その判断のためには、代替の特性でそのオブジェクトの特性を置き換える。そのオブジェクトがそれらの特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。
- 601.3f 効果の中に、プレイヤーが追放 領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えられるようにするものがある。プレイヤーは、追放 領域にあるその裏向きのカードを見ることができる場合にのみその種の呪文を唱え始めることができる。
- 601.4 rule 601.2bにあるモード、代替コスト、追加コストの選択の宣言中に、そのルールの指示に従うと後で行なわれることになる他の選択によって可能になる選択肢がある場合がある。その場合、その呪文のコントローラーはその段階でそれらの選択がされると考えてもよい。それらの選択によって特定のモードや代替コストや追加コストが選べるようになるなら、選んでもよい。
- 601.5 プレイヤーが、呪文の提示が終わったあとでその呪文を唱えることができない場合(rule 601.2a-d 参照)、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることが提示される前の瞬間まで巻き戻る(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)。その呪文のコストを決定して支払う間(rule 601.2f-h 参照)や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。
- 601.6 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
- 601.7 コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
- 601 呪文を唱えること