モード

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モード(Mode)とは、「以下からNつを選ぶ」などの表現で複数の選択肢を提示する呪文能力における、箇条書きで示された1つ1つの選択肢のこと。


Defiant Ogre / 反抗するオーガ (5)(赤)
クリーチャー — オーガ(Ogre) 戦士(Warrior)

反抗するオーガが戦場に出たとき、以下から1つを選ぶ。
・反抗するオーガの上に+1/+1カウンターを1個置く。
・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。

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Casualties of War / 戦争の犠牲 (2)(黒)(黒)(緑)(緑)
ソーサリー

以下から1つ以上を選ぶ。
・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
・クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
・エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
・土地1つを対象とし、それを破壊する。
・プレインズウォーカー1体を対象とし、それを破壊する。



Mystic Confluence / 神秘の合流点 (3)(青)(青)
インスタント

以下から3つを選ぶ。同じモードを2回以上選んでもよい。
・呪文1つを対象とする。それのコントローラーが(3)を支払わないかぎり、それを打ち消す。
・クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
・カードを1枚引く。


目次

[編集] 解説

効果を選択できる呪文や能力に用いられるルール治癒の軟膏/Healing Salveをはじめリミテッド・エディションの時代から存在するが、当時はルールや書式が未整備であり、現在の書式が確立したのはミラージュ魔除けサイクルから。1枚で複数の役割を担える高い柔軟性から人気が高く、様々なカード・セットで登場しており、関連メカニズムサイクルも豊富に存在する(後述)。また、開発部は「ニッチな効果を扱うカードをプレイアブルにするためのツール」としてもモードを用いている[1][2]

[編集] ルール

  • ルール・テキストで以下のような表現が使われていて、その後に箇条書きで示された選択肢が続く呪文や能力は「モードを持つ(Modal)」という。
    • 「以下から1つを選ぶ ─/Choose one -」
    • 「以下から2つを選ぶ ─/Choose two -」
    • 「以下から1つまたは両方を選ぶ ─/Choose one or both -」
    • 「以下から1つ以上を選ぶ(以下から1つまたは複数を選ぶ) ─/Choose one or more -」
    • 「[特定のプレイヤー]は以下から1つを選ぶ ─ /[特定のプレイヤー] chooses one -」

[編集] 唱える際、モードの選択

  • ある呪文や能力がモードを持つ場合、どのモードをいくつ選択するかは唱える(あるいは誘発起動する)際の最初の手順で決定する。呪文や能力をスタックに乗せた直後、コスト支払いよりも前(誘発型能力の場合はスタックに乗る際)に何らかのモードを選択しなければならず、あとからモードを変更したり、解決時に1つのモードの処理を見てから別のモードを選ぶといったことはできない。置換効果がモードを持つ場合、そのモードは置換されるときに選択する。詳細は唱えるの項を参照。
  • 複数のモードを選択できる場合であっても、許可されていない限り、同じモードを2回以上選ぶことはできない。
  • モードを持つ呪文や能力をコピーした場合、どのモードがいくつ選択されたかもコピーされ、変更できない。対象に関しては、対象の変更が許可されているなら変更できる。詳細はコピー可能な値の項を参照。
  • 対戦相手にモードを選ばせる呪文が存在する(→Fatal Loreラト・ナムの図書館/Library of Lat-NamMisfortune)。
    • 対戦相手が選んだ場合でも、あくまでルール・テキスト内の「あなた」はその呪文のコントローラーのことである。直感的ではないため注意。
    • どの対戦相手に選ばせるかは、あなたが決める。対象とするわけではないので、象牙の仮面/Ivory Maskなどをコントロールしているプレイヤーを指定してもよい。

[編集] 対象の選択、解決

  • 対象を必要とするモードは、適正な対象を選択できる場合にのみ選ぶことができる。あるモードが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。呪文や起動型能力のモードを1つも選べないなら、それらを唱えたり起動することはできない。誘発型能力のモードを1つも選べないなら、その能力はスタックから取り除かれる。
  • 命令合流点など、複数のモードを選択したり、同じモードを複数回選択できるものがある。これらはモードごとに異なる対象を選択してもよいし、同じ対象を選択してもよい。
  • 複数のモードを選択する呪文や能力において、対象を取るモードと取らないモードがある場合、モードの選択の仕方によっては呪文全体が取る対象の数が変わることがある。解決時に対象の一部が不正な対象になっていたとしても、その不正な対象に対する処理のみが無視され、ほかは通常通り処理される。しかし、対象がすべて不正な対象であったなら、対象を取らないモードも含めて呪文全体が立ち消えする。ルールの詳細については不正な対象を、具体例については謎めいた命令/Cryptic Commandの項を参照。
    • ローウィンの命令サイクルでこのような混乱が多数生じたためか、タルキール龍紀伝以降の複数のモードを選択できる呪文や能力はその多くが「全モードが対象を取る」「全モードが対象を取らない」のどちらかになっており、立ち消えに関する問題をあらかじめ防いでいる。また、これらに当てはまらないカードも別のアプローチで立ち消えが起こりづらいデザインとなっている。集団的努力/Collective Effortの3番目のモードなど、一見すると不自然な書式になっているものはこのためである。
  • 解決に際し、どのモードを選択したかにかかわらず、ルール・テキストに書いてある順番通りに処理を行う。対象を取る同一のモードを複数回選択した場合、それら同じモードを処理する順番を唱える際に選ぶ。
  • 解決に際し、各モードはそれぞれ独立のイベントとして処理される。
  • 呪文の解決中に優先権は発生しない。複数のモードを選択していた際、モードとモードの間にはどのプレイヤーも対応して呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。

[編集] モードを持たない呪文との違い

帰化/Naturalizeはモードを持つ呪文ではない。ただ単に、アーティファクトエンチャントのいずれも対象に取れるというだけである。モードを持つ呪文である自然への回帰/Return to Natureのテキストと比較すれば違いは明らか。


Naturalize / 帰化 (1)(緑)
インスタント

アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。



Return to Nature / 自然への回帰 (1)(緑)
インスタント

以下から1つを選ぶ。
・アーティファクト1つを対象とする。それを破壊する。
・エンチャント1つを対象とする。それを破壊する。
・墓地にあるカード1枚を対象とする。それを追放する。


例えば、アーティファクトを対象にして帰化を唱えた場合、解決時までにそのアーティファクトが(アーティファクトでない)エンチャントに変化しても、対象の条件(「アーティファクトかエンチャントである」)に合致しているので、帰化はそれを破壊する。一方、「アーティファクト1つを対象とする。それを破壊する。」モードを選択した自然への回帰はエンチャントを対象とできないので、上記の場合は立ち消えになる。

同様に、対象を変更する呪文や能力において、前者の場合はアーティファクトからエンチャントへ(あるいはその逆へ)対象を変更できるのに対し、後者ではそれをさせることができない。

[編集] 脚注

  1. More Zendikar Rising Stars/さらなる『ゼンディカーの夜明け』の明星Making Magic -マジック開発秘話- 2020年9月21日 Mark Rosewater著)
  2. Nuts & Bolts #16: Play Boosters/基本根本 #16:プレイ・ブースター(Making Magic -マジック開発秘話- 2024年3月4日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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