唱える

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(唱えた呪文はスタックで解決中の上に置かれる(608.2g)、制限や「できない」という言葉を使いたくないため記述変更)
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*[[無謀なる衝動/Reckless Impulse]]は「あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。」という[[効果]]を持つ。あなたは無謀なる衝動の解決時に追放されたカードを唱えるのではなく、解決された後、通常と同じタイミングで追放領域からそれらを唱えられる。
 
*[[無謀なる衝動/Reckless Impulse]]は「あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。」という[[効果]]を持つ。あなたは無謀なる衝動の解決時に追放されたカードを唱えるのではなく、解決された後、通常と同じタイミングで追放領域からそれらを唱えられる。
  
呪文や能力の[[解決]]の中で唱える期間が指定されず唱えてもよいと指示されたなら({{CR|608.2g}})、優先権の有無や[[フェイズ]]に関係なく、その呪文や能力の解決の一環として呪文を唱えることができる。唱えた呪文は即解決されるわけではなく、現在解決中の呪文や能力の解決が終了した後にスタックに積まれ、通常通りプレイヤーの優先権のやり取りを経て解決に入ることになる。詳細については[[解決中に呪文を唱える]]の項を参照。
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呪文や能力の[[解決]]の中で唱える期間が指定されず唱えてもよいと指示されたなら、優先権の有無や[[フェイズ]]に関係なく、その呪文や能力の解決の一環として呪文を唱えることができる({{CR|608.2g}})。唱えた呪文は即解決されるわけではなく、唱えた呪文は即解決されるわけではなく、現在解決中の呪文や能力の解決が終了した後に通常通りプレイヤーの対応のやり取りを経て解決に入ることになる。詳細については[[解決中に呪文を唱える]]の項を参照。
*キーワード能力の[[続唱]]は、その能力の解決中に呪文を唱えることを指示する[[誘発型能力]]である。あなたはこれにより呪文を続唱能力の解決中に唱えることになる。ソーサリーやクリーチャーなど、本来[[ソーサリー・タイミング]]でしか唱えられないカードであっても、これにより唱えることができる。
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*キーワード能力の[[続唱]]は、その能力の解決中に呪文を唱えることを指示する[[誘発型能力]]である。これにより呪文を唱えるなら、カード・タイプ毎の唱えるタイミングとは関係なく唱えてもよい。自分のターンのメイン・フェイズ以外であっても、ソーサリーやクリーチャーなどを唱えることもできる。
  
 
===呪文を唱えることの制限===
 
===呪文を唱えることの制限===

2024年7月5日 (金) 14:43時点における版

唱える/Castは、キーワード処理の1つ。呪文を使うときに行われる処理である。

目次

定義

呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、その呪文を現在ある場所からスタックに置き、コスト支払うことを意味する。呪文を唱えるためには、以下の一連の手順を踏む必要がある。手順はおおまかに呪文の提示(1-5)とコストの支払い(6-8)にわかれる。手順を完了できない場合、それは不正な処理として巻き戻される

  1. 呪文を唱えることを宣言し、カードを元ある領域からスタックの一番上に乗せる。
  2. モード代替コスト追加コストマナ・コストXの値など、その呪文を唱える際に必要な選択を宣言する。
  3. 対象の数を宣言したのち、対象を宣言する。
  4. 対象への割り振りがある場合は、それをどう割り振るかを宣言する。
  5. ここまでの宣言や選択を考慮し、呪文が適正に唱えられるかどうか判定する。不正であった場合は唱えることを宣言する直前まで巻き戻される。
  6. 総コストが決定される。これ以降、総コストは固定される。
  7. 総コストにマナの支払いが含まれる場合、マナ能力を起動する機会を得る。
  8. すべてのコストを好きな順で支払う。

これらの手順を完了することで、呪文は唱えられたことになる。この条件で誘発する能力はその時点で誘発する。

解説

1.呪文をスタックに置く

呪文を唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。通常、いつ、どこから呪文を唱えられるかはカード・タイプごとにルールによって許可されているが、ルールや効果によってそれが拡張されることがある(#唱えてもよい)。あるいはルールや効果によって呪文を唱えることが制限されることもある(#呪文を唱えることの制限)。分割カード当事者カードなど唱える際に特性を選択する必要がある場合、それはカードをスタックに移動させる前に選択する(#代替の特性があるカードの扱い)。

2.呪文の選択を行う

対象割り振り以外の、呪文を唱えるときに行う選択を行う。逆にここに書かれていない項目は、すべて解決時に行う選択である。

  • モードを持つ呪文の場合、プレイヤーはモードの選択を行う。
  • プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋したい場合、そのカードを手札から公開する。
  • そのカードがバイバックキッカーといった選択式の追加コストや、フラッシュバックマッドネスなど代替コストを持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(CR:601.2f)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。
  • マナ・コストに含まれる(X)など、その呪文が、唱える間に支払う可変のコストを持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。
  • その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。
  • その呪文を唱える間に支払うコストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。

これらの宣言は順番は決まっているものの、後の選択次第で前の選択肢が増えるなら適用してもよいなど例外があるのでそこまで気にする必要は無い(CR:601.4)。

  • 豊穣の碑文/Inscription of Abundanceは、キッカーとモードを持つ呪文で、「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」と書かれている。この呪文で選んだモードを宣言するとき、キッカー・コストの支払いの選択は宣言の手順上それよりも後であるが、コントローラーは望む数のモードを選び、後でキッカー・コストを支払うことを選択することができる。
  • 道具箱、ヘンジー・トーリ/Henzie "Toolbox" Torreは、「マナ総量が4以上でありあなたが唱えるすべてのクリーチャー呪文は奇襲を持つ。奇襲コストはそれのマナ・コストに等しい。」という能力を持つ。クラキリン/Krakilinマナ・コストが(X)(緑)(緑)の呪文で、代替コストの選択時点ではマナ総量2の呪文であるが、Xを2以上にするならマナ総量が4以上になるので、奇襲の代替コストを支払うことを選択してもよい。

3.対象を選ぶ

プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーオブジェクトを選んで宣言する。詳しいルールは対象のページも参照のこと。

単に「1つを対象とする。」などと性質が書かれてない場合、その適正な対象はプレイヤークリーチャープレインズウォーカーバトルである(任意の対象)。

「クリーチャー最大2体を対象とする。」など呪文が可変の対象を取っていた場合、プレイヤーはその数を宣言し対象を選ぶ。0を選ぶのも適正である。

「クリーチャー2体を対象とする。」など同じ「対象/Target」の語で示される中で同じ対象を複数回選ぶことはできない。「クリーチャー1体を対象とし、クリーチャー1体を対象とする。」などと書かれている場合は、同じクリーチャーを対象に選んでもよい。

スタック上の呪文は、それ自身を対象に選ぶことはできない。

対象として適正であれば、解決時に効果が発揮されないとしても対象として選ぶことができる。

  • 例:「クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。」という効果を持つ圧点/Pressure Pointを既にタップ状態のクリーチャーに唱えてもよいし、「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。」という効果を持つ精神腐敗/Mind Rotを手札が1枚以下のプレイヤーに唱えてもよい。

4.割り振りを選ぶ

呪文が対象を選び、その対象にダメージやカウンター割り振る場合、それをどのように割り振るのか選ぶ。対象に選ばれたプレイヤーやオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。

  • 割り振るダメージやカウンターよりも多く対象の数を選んでいた場合などは、適正に選べるよう処理を巻き戻すこと。

5.呪文の提示

ゲームは提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが提示される直前の瞬間に戻る。

具体的にはある方法で唱えるなら必要な追加コストや代替コストを支払わないことを選んだり、特定の性質の呪文を唱えてもよい効果を利用し、唱える際の選択でその特定の性質でなくなったりする場合がある。

  • 総くずれ/Routは「あなたが総くずれを唱えるためにさらに(2)を支払うなら、あなたは総くずれを、瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」を持つ。あなたはインスタント・タイミングで総くずれを唱え始めたが、追加コストを支払うことを選ばなかった。その呪文の提示は不正となる。
  • 夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denは「あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地からマナ総量が2以下のパーマネント呪文を1つ唱えてもよい。」という能力を持つ。あなたはこの効果でマナ・コストが(X)の石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpentを墓地から唱えることを宣言した。唱え始める時点では石とぐろの海蛇のマナ総量は0なので適正だが、Xを3以上に指定すると「マナ総量が2以下のパーマネント呪文」ではなくなるため、その呪文の提示は不正となる。

この段階で適正な呪文だと判断されたなら、その呪文のコストを決定して支払う間や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。(CR:601.5)。

6.総コストの決定

プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常は総コスト=マナ・コストである。追加コスト代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させたり、代替コストを使えるようにする効果によって、総コストは変化する。

総コストは

  1. マナ・コスト、あるいは#2で決めた代替コストに、すべての追加コストを加えたもの
  2. コストを増加する効果(久遠への消失/Vanish into Eternityコスト増加カード)を適用する。
  3. コストを減少する効果(原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hungerコスト減少カード)を適用する。
  4. 総コストを直接変更する効果(三なる宝球/Trinisphere)を適用する。

コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは(0)として扱う。(0)未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。

  • 総コストがどうであろうと、マナ総量はその呪文のマナ・コストを数値化したものである事に変わりは無い。

7.マナ能力の起動

総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力起動する機会を得る。

8.コストの支払い

プレイヤーはその総コストを支払う。まず、無作為の要素やライブラリーから公開領域にオブジェクトを動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。

コストの支払いの順番は適正にプレイしているなら通常は気にする必要は無いが、召集などコストの支払い方を変える能力を呪文に与える常在型能力を持つパーマネントが絡むと問題がある場合があるので注意。

  • 例:マナ・コストが(1)(黒)でクリーチャー1体を生け贄に捧げる追加コストを持つ祭壇の刈り取り/Altar's Reapを唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを(1)減らす効果を持つ雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiarをこのコストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは#6の時点で「固定」されているので、祭壇の刈り取りのコストは(1)(黒)になることはなく、(黒)となったままである。
  • 例:同様に祭壇の刈り取りを唱える。「あなたが唱えてクリーチャーでないすべての呪文は召集を持つ。」効果を持つセゴビアの海暴君、カエトス/Caetus, Sea Tyrant of Segoviaをこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、祭壇の刈り取りは召集を持たないので(1)(黒)をクリーチャーのタップで支払うことはできない。先にマナのコストをクリーチャーのタップで支払ってから、カエトスを生け贄に捧げることは可能である。

9.唱える手順の完了

#1から#8で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。

唱えてもよい

ルール効果が「唱えてもよい(プレイしてもよい)」と指示している場合、手札以外の領域からや、通常のカード・タイプ毎に決められたルール以外のタイミングで呪文を唱えることができる。

唱えるタイミング

常在型能力による「あなたは(領域)から呪文を唱えてもよい」という継続的効果や、呪文能力の解決時に発生する効果で「このターン、それらのカードを唱えてもよい」「このカードが追放されている限り唱えてもよい」など期間が設けられているなら、通常その呪文を唱えられるタイミングのときにのみその呪文を唱えることができる。つまり、インスタントまたは瞬速を持つ呪文ならあなたが優先権を持っているときに唱えることができ、そうでない呪文なら、あなたが優先権を持っていてあなたのメイン・フェイズの間でスタックが空であるときにのみ唱えられる。

  • 未来予知/Future Sightは「あなたは、あなたのライブラリーの一番上から土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。」という能力を持つ。ライブラリーの一番上がクリーチャー・カードであったなら、あなたは通常クリーチャー・呪文を唱えられるときにそれを唱えられる。
  • 無謀なる衝動/Reckless Impulseは「あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。」という効果を持つ。あなたは無謀なる衝動の解決時に追放されたカードを唱えるのではなく、解決された後、通常と同じタイミングで追放領域からそれらを唱えられる。

呪文や能力の解決の中で唱える期間が指定されず唱えてもよいと指示されたなら、優先権の有無やフェイズに関係なく、その呪文や能力の解決の一環として呪文を唱えることができる(CR:608.2g)。唱えた呪文は即解決されるわけではなく、唱えた呪文は即解決されるわけではなく、現在解決中の呪文や能力の解決が終了した後に通常通りプレイヤーの対応のやり取りを経て解決に入ることになる。詳細については解決中に呪文を唱えるの項を参照。

  • キーワード能力の続唱は、その能力の解決中に呪文を唱えることを指示する誘発型能力である。これにより呪文を唱えるなら、カード・タイプ毎の唱えるタイミングとは関係なく唱えてもよい。自分のターンのメイン・フェイズ以外であっても、ソーサリーやクリーチャーなどを唱えることもできる。

呪文を唱えることの制限

マジックの黄金律により、「できない」は「できる」に勝つ。ある効果が呪文を唱えることを「できない」としているなら、呪文を唱える事を許可するルールや効果があっても唱えることは出来ない。ただし、特定の性質を持つ呪文を唱えることが効果によって禁止されている場合でも、その呪文を示している間にその性質を変える選択ができ、それにより唱えることが禁止されなくなるなら、唱え始めることができる(CR:601.3a)。

  • 例:時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerは「各対戦相手はそれぞれ、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。」という能力を持つ。対戦相手は、カードが瞬速を持っていてもそれをソーサリーを唱えられる時にしか唱えることができない。また雷電支配/Electrodominanceなどによって解決中に呪文を唱えるよう許可されても、それを唱えることはできない。
  • 例:虚空の選別者/Void Winnowerは「あなたの対戦相手はマナ総量が偶数の呪文を唱えられない。」という能力を持つ。その場合でも、対戦相手はマナ・コストが(X)(赤)(赤)でありマナ総量が2であるとどろく雷鳴/Rolling Thunderを唱え始めることができる。これはXの値の選択によっては、その呪文のマナ総量が奇数に変わることがありうるからである。マナ総量が偶数になるような選択をしたなら、不正な呪文の提示として巻き戻される。

「瞬速を持っているかのように」の扱い

カードによっては、その呪文を提示しなければ瞬速を持っているのかのように唱える事が出来るか分からないものがある。それらは例外として唱え始めることができる。呪文を提示し終えた後に適正な選択をしなかったら、不正な呪文として巻き戻される。

  • 特定の性質を持つ呪文を瞬速を持つかのように唱えることが効果によって認められている場合、呪文を示している間にその呪文の性質を変える選択ができ、それにより効果が適用されるようになるなら、その呪文を瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3b)。
    • 例:機を見た護法/Timely Wardは「統率者を対象とするなら、瞬速を持っているかのように唱えてもよい。」という能力を持つため、統率者であるクリーチャーを対象にすることで瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
      • このルールは元々授与シガルダの助け/Sigarda's Aidとの相互作用のために制定されたが、授与のルール変更によって授与は該当しなくなった。総合ルールの例示は古いルールのままなので注意。
  • プレイヤーが代替コスト追加コストを支払った場合に瞬速を持つかのように呪文を唱えることが効果によって認められている場合、瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3c)。
    • 例:総くずれ/Routは、瞬速を持つかのように唱え始めることができる。これは、総くずれの効果が、追加コストを支払えば瞬速を持つかのように唱えることを認めているからである。
  • 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら瞬速を持つかのように唱え始めることができる(CR:601.3d)。

代替の特性があるカードの扱い

カードの中には、代替の特性(別の特性)/Alternative characteristicで唱えることができるものがある。具体的には、分割カード変異能力を持つカード、授与を持つカード、一部の変身する両面カード(降霊見た目以上のもの等)、モードを持つ両面カード当事者カード試作カード変装を持つカードがある。

ルールや効果が「[特性]の呪文を唱えてもよい」と書いてある場合(イコリア:巨獣の棲処より前は「[特性]のカードを唱えてもよい」と書かれているため最新オラクルを確認すること)、代替の特性を用いて呪文を唱えることが適正かどうかは、本来の特性では無く代替の特性に置き換えて判断される(CR:601.3e)。

「カードが[特性]であるなら唱えてもよい」という書き方は唱える選択以前の、そのカードの現在の特性から判断されるため上記のルールとは関係ないため注意。逆に唱える際の選択でその特性以外の代替の特性で唱える事は可能。

そのオブジェクトが代替の特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。これにより直感的には不可能であるかのような挙動も発生する。また、これらに関してはMTGアリーナで相互作用がサポートされていなかったり、不明瞭な場合が多い。

  • 例:溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drownedは「あなたの墓地にありインスタントやソーサリーであるすべてのカードはフラッシュバックを持つ。そのフラッシュバック・コストは、そのカードのマナ・コストに等しい。」を持つ。あなたの墓地に巨人落としがある場合、あなたはそれを巨人落としとして唱えることはできないが、切り落としとして唱える場合はリーアの継続的効果によりフラッシュバックを持つので、唱えることができる。
    • MTGアリーナでは溺神の信奉者、リーア登場の2021年9月では不可能だったが、2022年3月7日に実装。
  • 例:至高の者、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Supremeは「あなたの墓地にありちょうど2色でありインスタントやソーサリーであるすべてのカードは再活を持つ。」という能力を持つ。あなたの墓地に火+氷/Fire+Iceがある場合、それは唱える際に単色になるためニヴ=ミゼットの継続的効果を適用することができないため再活を持たず、唱えることはできない。墓地に罪+罰/Crime+Punishmentがある場合、それは唱える際にちょうど2色になるためニヴ=ミゼットの継続的効果を適用でき、再活を持つ呪文として唱えることができる。
    • MTGアリーナでは2024年2月時点ではこの相互作用はサポートされていない。各半分が単色の2色の分割カードは双方とも再活で唱えることができ、各半分が2色の3色の分割カードは再活で唱えることができない。

その他

追放領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えることを許可する効果が存在する。プレイヤーは、追放領域にあるその裏向きのカードを見ることができる場合にのみ、その種の呪文を唱え始めることができる(CR:601.3f)。

  • 例:情け無用のケイヤ/Kaya the Inexorableは「あなたのアップキープの開始時に、あなたは、あなたの手札からかあなたの墓地からか追放領域にありあなたがオーナーであるカードの中から、伝説の呪文1つを、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」という紋章を与える。あなたは秘匿豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxuryによって追放しているカードを(それが伝説であるなら)唱えてもよい。ボーマットの急使/Bomat Courierのように表面を見ることができない状態で追放されている裏向きのカードは、例え何らかの理由でそれが伝説である事を知っていたとしても唱えることはできない。

その他のルール

  • 必要なコストが支払える限り、1ターンに唱えることができる呪文の数にルール上の制限はない。
  • 呪文を唱える一連の手順の間に優先権は発生せず、どのプレイヤーも呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。ただし、マナ能力に限り#定義の手順6で唱えるプレイヤーのみが起動できる。
  • CR:601.2の手順を踏まずにスタックや戦場に置かれたものは「唱えられた」とは言わない。
  • 「カードを唱える」は、そのカードを呪文として唱えることである。

ルールの変遷

ある呪文が唱え始めることができるかの判定について、何度かルールが変更されている。

  • 基本セット2010で制定された当時は「601.5. プレイヤーは、唱えることが禁止されている呪文を唱え始めることはできない。」によって唱え始める前(上記定義の1の前)にのみチェックしていた。裏向きの呪文のみ例外がかけられていた。
  • テーロスで唱えている間にカード・タイプが変りうる授与が登場したことによりその扱いに問題が生じた。そのため2015年7月の総合ルール更新で旧601.5を廃止し、呪文を唱えることが適正かどうかを現在の#定義の手順5のみでチェックするように変更された[1]
  • だがこれにより、例えば「対戦相手のライブラリーの上から4枚目を唱える宣言をしてスタックに置き内容を確認する(その後、唱えることが不可能なので巻き戻される)」といった行動も許容することになってしまった。そこで、2015年10月に、プレイヤーは適正な方法に従って呪文を唱え始めなければならないが「その呪文を示している間の情報に基づいて唱えられなくする効果」は無視できる(それは手順5の段階でのみチェックされる)というルールに変更された[2]
  • 追加コストを支払うことで瞬速を持つかのように唱えられる呪文や、シガルダの助け/Sigarda's Aidの下で授与を適用して唱える場合など、実際に唱えられるかどうかは唱え始めた後に適正になる場合の矛盾を解消するために2016年7月に現在のCR:601.3が追加された[3]
  • イクサランの束縛/Ixalan's Binding不死身、スクイー/Squee, the Immortalスタンダードで同居したことで、イクサランの束縛と追放領域から唱えられるカードとの相互作用とその裁定が話題になった。イクサランの束縛でスクイーを追放しても、イクサランの束縛の効果は「その呪文を示している間の情報に基づいて唱えられなくする効果」なので唱え始めることができ、スクイーが追放領域からスタックに移動するため手順5のチェックでイクサランの束縛の唱えられなくする能力の適用外になる。これは奇妙で直感に反し、ルール的に意図したものでも無かったため、2018年6月に改めて「ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。」とした上で601.3でそれを回避できる条件を明記するルールとなり、スクイーはこの例外に当てはまらないため唱えられなくなった[4]

その他

脚注

  1. Magic Origins Update Bulletin—Comprehensive Rules Change(Internet Archive)(Daily MTG 2015年7月16日)
  2. Battle for Zendikar Update Bulletin—Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2015年10月9日)
  3. Eldritch Moon Update Bulletin—Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2016年7月28日)
  4. Core Set 2019 Comprehensive Rules Changes(Internet Archive)(Daily MTG 2018年7月6日) - 特殊セット発売時の総合ルール更新は記事にされないため基本セット2019発売に合わせた発表になっている

参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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