Zoo
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Zoo(ズー/動物園)とは、緑のクリーチャーと赤の火力をベースに他の色のサポートを加えた多色型のウィニーデッキの総称。
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概要
大元をたどればいにしえのエターナル環境に存在したウィニーデッキまでさかのぼることのできる、由緒正しいデッキタイプである。
デッキ名は、主力クリーチャーが犬や猿といった動物であることに由来する。
ただし近年では、赤緑白というデッキカラーのビートダウンの総称として用いられることも多い。白・緑の優秀なクリーチャーに赤の火力、白のサポートと安定性は非常に高い。
攻めに特化した前のめりなデッキだが、森の知恵/Sylvan Libraryを採用する場合がある。息切れ防止のほか、コントロールデッキなど相手には、一気に攻める手段として爆発的なアドバンテージを得られるため。
目立ったバリエーションというのは少ないが、妨害能力を持ったクリーチャーを優先的に採用し、マナ漏出/Mana Leakなども投入されたデッキが公式コラムで紹介された。また、通常のZooでもサイドボードに軽量カウンターを搭載する場合はある(→参考:高橋優太の「このデッキを使え!」第7回:Zoo(エクステンデッド))。
ラヴニカ・ブロック構築
ショックランドが登場したラヴニカ・ブロックでは、多色化が容易であり、ビートダウンデッキの一つとして成立している。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーチャールストン06 準優勝 (参考)
- 使用者:Willy Edel
- フォーマット
Edel Zoo [1] | |||||||||||||||||||||||||||
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- チーム戦+ラヴニカ・ブロック構築のデッキリストで、太陽打ちの槌/Sunforgerが印象的なレシピ。
- フォーマットの関係上サバンナ・ライオン/Savannah Lionsなどを使用できないため、若干重めの構成になっている。
スタンダード
ギルドパクトの参入により、Three Deuceがスタンダードおよびラヴニカ・ブロック構築に復帰した。
土地 — 山(Mountain) 森(Forest)
((T):(赤)か(緑)を加える)
踏み鳴らされる地が戦場に出るに際し、あなたは2点のライフを支払ってもよい。そうしないなら、これはタップ状態で戦場に出る。
旧来からのメインアタッカーである密林の猿人/Kird Apeが第9版で再録され、またギルドパクトで赤緑が強化されたことを機にスタンダードで華々しい復活を遂げる。
前述の密林の猿人や、サバンナ・ライオン/Savannah Lions、番狼/Watchwolfといった優秀な軽量クリーチャーを展開しつつ、火力で相手クリーチャーを排除する構成は昔と同じ。
Three Deuce同様非常に色拘束がきついため、土地はショックランドが全力投入されており、土地のダメージによりある意味スーサイドっぽくなっている。
タフネス3が比較的多いので、ウィニーの天敵である紅蓮地獄/Pyroclasmに耐性がある。また、サイドボードの古の法の神/Kami of Ancient Lawやブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan等により、アネックス・ワイルドファイアに若干有利である。
しかし、序盤の攻勢を凌がれるともろいので、神の怒り/Wrath of Godやロクソドンの教主/Loxodon Hierarchを擁するよりよい品物などには不利。
神河ブロック落ちにより主力となる今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Kondaを失ったことで徐々にボロスウィニーなどに押され始め、第10版入りで密林の猿人やサバンナ・ライオンを失い消滅した。
後期型
- こちらは時のらせん参入直後のもの。
- 巻物の大魔術師/Magus of the Scroll・獣群の呼び声/Call of the Herdなどが新規戦力として加わっている。
初期型
- 備考
- プロツアーホノルル06 準優勝 (参考)
- 使用者:Craig Jones
- フォーマット
Jones Zoo [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- スタンダード型のデッキで、最初に実績を挙げたタイプ。
- バニラクリーチャーが非常に多く、全部で12体。なんとデッキの5枚に1枚の割合であり、「バニラと火力とマナバランス」というキャッチフレーズが付いた。
エクステンデッド
オンスロート期のエクステンデッドでは、「ナヤズー(ナヤZoo、Naya Zoo)」「ナヤバーン(Naya Burn)」と呼ばれる純粋な赤緑白ビートダウン型と、アグロドメインの要素を組み込んだ「ドメイン・ズー(Domain Zoo)」の2種類が存在している。イーオスのレインジャー/Ranger of Eosを加えたものは「レンジャー・ズー(Ranger Zoo)」とも呼ばれる。
ソーサリー
版図 ― クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。部族の炎は、それにX点のダメージを与える。Xは、あなたがコントロールする土地の中の基本土地タイプの数に等しい。
フェッチランドを駆使し高速でショックランドを掻き集め、強力なウィニークリーチャーで対戦相手のライフを削る。ドメイン・ズーでは部族の炎/Tribal Flames・ガイアの力/Gaea's Mightなどの高効率ダメージ源も用いられる。
オンスロート・ブロックが抜けゼンディカーが入った時期に開催されたプロツアーオースティン09ではトップ8の中に4人がZooを採用した。罰する火/Punishing Fire+燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillowsのコンボを導入し優勝した「ルビンZoo/Rubin ZooもしくはパニッシングZoo/Punishing Zoo」を筆頭に、幽体の行列/Spectral Processionを加えた「幽体Zoo/Spectral Zoo」、溶鉄の雨/Molten Rainを加えた「溶鉄Zoo/Molten Zoo」が新種としてベスト8に入った。
ドメイン・ズー型の詳細はアグロドメインを参照。
サンプルレシピ1
ナヤバーン [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- ドメイン要素を投入しない純正赤緑白ビートダウンタイプ。
- 使用者の斎藤友晴は、グランプリシンガポール09終了後に自身のBlogで詳しいデッキ解説を公開した(NayaZoo特集!)。公開後、プロツアー予選やグランプリ・トライアルでのZooの使用率が一気に上昇するほどの影響力があったようだ(参考)。
サンプルレシピ2
- 備考
- プロツアーオースティン09 優勝、初日全勝(参考)
- 使用者:Brian Kibler
- デザイナー:Ben Rubin
- フォーマット
Rubin Zoo [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- こちらはローテーション後の後期型。罰する火/Punishing Fire+燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillowsのコンボを導入した物。デッキデザイナーの名を取って「ルビンZoo/Rubin Zoo」、もしくは罰する火エンジンから名を取って「パニッシングZoo/Punishing Zoo」とも呼ばれるタイプで、見事優勝を飾った。
- WotCの特集記事「Video Deck Tech: Grove Zoo with Brian Kibler」も参照のこと。
モダン
赤緑白の優秀なクリーチャー陣営、高効率の火力、対抗色フェッチランドによるマナ基盤の安定性によりモダン環境の発足時から有力なアーキタイプとして成立していた。
クリーチャー — 猫(Cat) 戦士(Warrior)
野生のナカティルは、あなたが山(Mountain)をコントロールしているかぎり+1/+1の修整を受ける。
野生のナカティルは、あなたが平地(Plains)をコントロールしているかぎり+1/+1の修整を受ける。
ソーサリー
あなたのライブラリーからマナ総量がX以下の緑のクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。緑の太陽の頂点をオーナーのライブラリーに加えて切り直す。
動きは旧エクステンデッドやレガシーのそれとほぼ同じであり、優秀なクリーチャーに火力を織り交ぜた典型的なビートダウンである。
速度と安定性の高さは随一な半面、ビートダウンゆえのコンボデッキへの脆さを持つため、カウンターを搭載してクロック・パーミッション的な立ち回りをするものもある(→*1)。また、緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenithで主力や必要なクリーチャーをサーチするシルバーバレット戦略をとるものが多かったが、その採用率の高さゆえに緑の太陽の頂点は2011年10月1日よりモダンの禁止カードに指定されてしまった。それでもZooの隆盛が止まらなかったため、さらに野生のナカティル/Wild Nacatlも2012年1月1日より禁止された。
2014年2月7日に野生のナカティルが解禁され大きな注目を集めた。解禁直後のプロツアー「神々の軍勢」では最大勢力だったものの、勝率はかなり悪く(参考/翻訳)トップ8には1人も残れなかった。その後も、コンボデッキとの相性の悪さが影響して芳しい結果を残せていない。
タッチ青
- 備考
- プロツアーフィラデルフィア11 ベスト8 (参考)
- 使用者:Josh Utter-Leyton
- フォーマット
Counter Cats [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- チーム「Channel Fireball」が構築したタッチ青のCounter-Catsと呼ばれるデッキ。
- バントの魔除け/Bant Charmなどを採用してコンボデッキへの耐性を高めている。
野生のナカティル禁止後
- 備考
- プロツアー「ラヴニカへの回帰」 24位、モダン部門8-2 (参考)
- 使用者:Marco Camilluzzi
- フォーマット
Bloody Zoo (Modern) [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- メインデッキから多色デッキへのキラーカードである血染めの月/Blood Moonを搭載した、BloodyZooと呼ばれるタイプ。自分はマナ・クリーチャーや基本土地を多めに採用することで、被害を最小限に留めている。
- 血染めの月との相性の悪さから、定番除去である流刑への道/Path to Exileは不採用(もしくは数枚)となることが多い。また、血編み髪のエルフの続唱との相互作用から、爆裂+破綻/Boom+Bustが採用されたものもある。
野生のナカティル解禁後
- 備考
- グランプリオマハ15 ベスト8 (参考)
- 使用者:Zac Roorda
- フォーマット
4c Zoo(Modern) [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 野生のナカティル解禁後の黒赤緑白4色デッキ。
レガシー
レガシーにも存在するデッキタイプである。詳細はZoo/レガシーを参照。
黎明期
元来は黎明期のエターナルに存在した多色デッキ型ウィニーを指す表現であった。
密林の猿人/Kird Apeなどのクリーチャーによるビートダウンを稲妻/Lightning Boltやチャネル/Channel+火の玉/Fireballなどの大量の火力でサポートする。
デュアルランドによりマナ基盤の安定性も高いうえ、多色デッキの利点を活かし黎明期らしくパワー9などの強力な制限カードをフルに使うことができる。
サンプルレシピ
メインデッキ (61) | |
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クリーチャー (12) | |
3 | アルゴスのピクシー/Argothian Pixies |
3 | 極楽鳥/Birds of Paradise |
2 | 疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish |
4 | 密林の猿人/Kird Ape |
インスタント・ソーサリー (20) | |
1 | チャネル/Channel |
1 | 新たな芽吹き/Regrowth |
4 | Chain Lightning |
4 | 稲妻/Lightning Bolt |
4 | 火の玉/Fireball |
1 | Demonic Tutor |
1 | 精神錯乱/Mind Twist |
1 | Ancestral Recall |
2 | 心霊破/Psionic Blast |
1 | Time Walk |
エンチャント・アーティファクト (9) | |
1 | 森の知恵/Sylvan Library |
1 | 支配魔法/Control Magic |
1 | Black Lotus |
1 | Chaos Orb |
1 | 氷の干渉器/Icy Manipulator |
1 | Mox Ruby |
1 | Mox Emerald |
1 | Mox Sapphire |
1 | Mox Jet |
土地 (20) | |
2 | Bayou |
2 | 真鍮の都/City of Brass |
4 | ミシュラの工廠/Mishra's Factory |
4 | Taiga |
4 | Tropical Island |
4 | Volcanic Island |
- 最初の世界選手権で活躍したタイプ。
- Type1(現エターナル)とType2(現スタンダード)が分離する以前のため、フォーマットは公認構築の一種類しかなかった。
- 青と黒の強力な制限カードが多数詰め込まれている。