大群マジック
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大群マジック/Horde Magicとは、多人数戦の変種ルールの1つ。プレイヤーが1つのチームを組み『大群/Horde』と呼ばれるデッキに挑むものである。
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ルール
- プレイヤーは最大4人のチームで行い、それぞれ自分のデッキを組む。
- 共用ライフの初期値は20×人数とし、チームの進行は共有チーム・ターンで行う。
- 最初にプレイヤー側のターンを3ターン分行い、その後、大群側とプレイヤー側と交互に行う。
『大群』
大群マジックは『大群』と呼ばれる、60枚の同一の名前のトークンの入った100枚デッキが必要となる。プレイヤーが3人以下の場合、1人ならば55枚、2人ならば40枚、3人ならば25枚を、ゲーム開始時に無作為に取り除く。
- 上記以外に、4人を下回る一人につき25枚をランダムに取り除く(3人なら75枚、2人なら50枚)方法もある。
- 参考リンクにあるデッキは55枚の同名トークンのものと55枚と5枚の2種類で60枚にしたものとがあり、必ずしも60枚ですべて同名トークンでなくてもいいようだ。またトークンのクリーチャー・タイプ、サイズ、能力などは自由に設定することができる。公式に存在しないトークン・カードでもよい。
- 数十枚のトークンを公式のトークン・カードで用意するのは厳しいので、別のカードをトークンとして代用することになるだろう。その場合、複数のトークンをデッキに入れていると区別がつきにくいので現実的には1-2種類に抑えるのがいいだろう。
- 仮に大群デッキを60枚デッキで構築する場合、トークン・カードを36枚(33枚+3枚)、通常カードを24枚使用する。シャッフル後はここから、プレイヤーが1人ならば33枚、2人ならば24枚、3人ならば15枚を、あるいは4人を下回る一人につき15枚取り除けばよい。
- 大群デッキにおいては、トークン・カードを通常のマジックのカードと同じように扱う。
- 大群デッキをプレイするプレイヤーはいない。それは自動的にプレイされる。
- 大群のターンの開始時にトークン以外のカードが出るまでライブラリーの一番上から順に公開する。そのあと、公開されたすべてのトークンを唱え(それらのコストは0である)、最後に公開したカードを唱える。
- 大群は必要なマナは保っているものとして扱い、いくらでも追加コストに必要なマナを払える(プロパガンダ/Propagandaなど)。
- 大群は常にプレイヤー・チームのプレイヤー全員に対して攻撃する。誰か1人を選んで攻撃する訳ではない。
- プレイヤー・チームが大群側から攻撃を受けた場合、各プレイヤーは自由に自身のコントロールするクリーチャーをブロック・クリーチャーに選び、大群側の攻撃クリーチャーをブロックできる。
- 大群側のクリーチャーは速攻と攻撃強制を持つ(可能な限り攻撃に参加する)。
- ブロック強制も持つ、とするのが望ましい。
- プレイヤーが大群にダメージを与えた場合、大群のライブラリーのカードを上からダメージの値に等しい枚数墓地に置く(ダメージ以外のライフ損失も含む)。
- ライブラリーがライフの代わりなので、大群側の初期ライフは0である。大群がライフを得たとしても、それにより大群側のライブラリーは回復する事はない。
- たとえば、プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしていて大群のクリーチャーが攻撃できる場合など、大群に選択肢が持つ場合、その選択は可能な限り無作為に選ぶ。
勝敗
- 大群側のライブラリーと手札、戦場にいるクリーチャーをすべて排斥すればプレイヤーの勝利となる。
- つまり、大群側のライブラリーが空になっても、大群側の手札や戦場のクリーチャーが残っている限り大群側は敗北しない。
- プレイヤー側のライフが0になると敗北となる。
統率者戦用変種ルールその1
統率者戦向けとして射場本正巳から、以下のような追加ルールが提案されている(参考)。
- 参加するプレイヤーの人数に関係なく、プレイヤー側の共用ライフは合計で100であり、大群デッキの枚数は100枚である。
- プレイヤーは一人で大群と戦うとき、準備ターンとして5ターンを得る。人数が一人増えるごとに得られるターンは1少なくなる。
- 大群デッキに入れられるトークンの上限は50体。トークン以外にクリーチャーを40体以上、クリーチャー以外の呪文は10枚まで。
- 大群は、呪文を本来のコストで唱えるとき、およびクリーチャーの維持や攻撃制限を解除する目的でのみ、マナによる制限を受けない。
- マナに関してプレイヤー側が不利になることがないよう、戦場にあるプレイヤーの土地は保護される。いかなる効果でもプレイヤー側の土地が破壊されたり取り除かれることはない。
- 大群にとって大群デッキそのものが手札でもあるかのように扱うこととする為、大群デッキから唱えられたカードは手札から唱えられたものとみなす。
- 大群側の攻撃時、いずれかのプレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしていたとしても、常に大群はプレイヤーを攻撃する。
- 大群が対象を選ぶ際、その能力や呪文が負の効果を与える場合(ダメージを与える、パーマネントを破壊するなど)、対象の優先順位を以下のようにする。
統率者戦用変種ルールその2
その1の記事の後に、統率者戦向けとして射場本正巳から、ふたたび以下のような追加ルールが提案されている(参考)。
- その他詳細ルール
禁止カード
Peter Knudsonはプレイヤー側への禁止カードを設けている{参考}。
- 上天の閃光/AEther Flash
- 黄金化/Aurification
- 刺草/Barbed Foliage
- 鉄びし/Caltrops
- 狭い空間/Crawlspace
- 果たし合いの場/Dueling Grounds
- 戦慄/Dread
- 大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite
- 罠の橋/Ensnaring Bridge
- 撲滅/Eradicate
- 丸砥石/Grindstone
- 消えないこだま/Haunting Echoes
- 孤島の聖域/Island Sanctuary
- 致死の蒸気/Lethal Vapors
- 不同の力線/Leyline of Singularity
- 濠の大魔術師/Magus of the Moat
- 精神の葬送/Mind Funeral
- Moat
- 無慈悲/No Mercy
- 白金の帝像/Platinum Emperion
- 白金の天使/Platinum Angel
- 沈黙の調停者/Silent Arbiter
- 独房監禁/Solitary Confinement
- 嵐潮のリバイアサン/Stormtide Leviathan
- 外科的摘出/Surgical Extraction
- 上天のしみ/Tainted AEther
- テフェリーの濠/Teferi's Moat
- 時間の伸長/Time Stretch
- 穿孔の刃/Trepanation Blade
- 隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden
禁止したほうがいいトークン
- 1/1の暗殺者(見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen)
- 「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはゲームに敗北する。」の能力が強すぎる。極端な話、200体入れたらブロッカーが追いつかなくてまず勝てない。
- */*のエレメンタル(復活の声/Voice of Resurgence)
- 「このクリーチャーのパワーとタフネスは、あなたがコントロールするクリーチャーの総数に等しい。」の能力が強すぎる。点数で見たパワーが0なのでたくさん入る点でも強すぎる。
- 2/2のウーズ(分裂するスライム/Mitotic Slime)
- 「このクリーチャーが死亡したとき、緑の1/1のウーズ・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。」の能力が強すぎる。
- 6/12の構築物(石の偶像の罠/Stone Idol Trap)
- 6/12トランプルが33体もいると強すぎるかも知れない。
- 3/3のワーム(ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine)、1/1の狼(情け知らずのガラク/Garruk Relentless)
- 接死が強すぎるかも知れない。
- 1/1の昆虫(感染の三角護符/Trigon of Infestationなど)
- 感染が強すぎるかも知れない。
その他
後に、これを基にしてチャレンジ・デッキのシリーズが作られた。特に大群との戦いでは、チャレンジ・デッキ側を大群と呼ぶなど、実際の大群マジックのデッキに近いデザインになっている。
サンプルレシピ
その1(参考)
その2(参考)
その3(参考)
射場本正巳の統率者戦用追加ルールその1に沿って作られたデッキ。
その4(参考)
射場本正巳の統率者戦用追加ルールその2に沿って作られたデッキ。
参考リンク
- Horde Magic: A New Way to Play Magic and Survive Zombie Invasions(Quiet Speculation、文:Peter Knudson)
- Up Up Down Down Left Right Left Right B A Shuffle/上上下下左右左右BAシャッフル!(WotC、文:Adam Styborski)
- Hording all the Fun(WotC、文:Adam Styborski)
- 塚本樹詩のデッキ構築劇場・押し寄せる何か(MTG-JP.com)
- 射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第3回:新しい遊び方を探そう!(MTG-JP.com)
- Then We Will Fight in the Shade!(WotC、文:Adam Styborski)
- ハイドラのできるまで/Building a Hydra(Latest Development、Sam Stoddard著)