精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
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− | [[ワールドウェイク]] | + | [[ワールドウェイク]]で再登場した[[ジェイス]]。[[忠誠度能力]]は[[ライブラリー操作]]、[[引く|ドロー]]、[[バウンス]]、[[ライブラリー破壊]]。 |
− | [[ | + | 忠誠度能力を4つ持つ初の[[プレインズウォーカー]]であり、[[忠誠度]]±0の忠誠度能力も史上初である。 |
− | + | 強力な[[能力]]を複数備え、高い汎用性を持つ類稀なる[[パワーカード]]。あらゆる[[フォーマット]]で使われる、ワールドウェイクの[[トップレア]]である。 | |
− | + | ==解説== | |
+ | ;+2能力 | ||
+ | :[[占術]]1か[[消術]]1。 | ||
+ | :潜在的な[[アドバンテージ]]を得つつ忠誠度を上げられる。実戦的には[[対戦相手]]を[[対象]]に連打し、[[火力]]などの自身に対する[[除去]]を弾いたり、[[コントロール (ゲーム用語)|コントロール]]を確立した後に[[トップデッキ]]を阻害してソフト[[ロック]]を生み出したりといった利用が一般的である。[[手札]]と[[戦場]]の状況によっては、これが回りだした段階で相手はほぼ[[詰み]]である。 | ||
+ | :[[あなた|自分]]に使えば、[[ライブラリーの一番上]]の不要な[[土地]]を弾くなどしてドローの質を高めることができるが、この場合は2つ目の能力との選択になる。忠誠度が上がる点が大きな差別点であろう。特に[[赤]]相手だと、出してから即座にこちらを[[起動]]すれば[[稲妻/Lightning Bolt]]を始めとするほとんどの[[火力]]に対して、撃たれる前に逃れられるので、いずれを起動するかは重要な選択となる。 | ||
− | + | ;±0能力 | |
+ | :[[渦まく知識/Brainstorm]]。 | ||
+ | :忠誠度能力の特性上[[インスタント・タイミング]]という強みは失われたが、毎[[ターン]]何の[[リソース]]の消費もなしに手札を補充できるのは実に強力。劣勢の時でも反撃の糸口を探しに行けることもあり、この[[カード]]の中核的な能力である。[[ゼンディカー]]の[[フェッチランド]]など、各種[[切り直す|シャッフル]]手段との相性も良好。 | ||
+ | :単なる手札の増強、有効なカードを手に入れる手段としても強力であることに加え、様々な[[シナジー]]がある。 | ||
+ | :*手札に来てしまった[[サーチ]]対象を[[ライブラリー]]に[[戻す]]ことができる。[[徴兵バント]]における[[エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription]]や[[青白コントロール/スタンダード/ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期|青白コントロール]]における[[戦隊の鷹/Squadron Hawk]]など。 | ||
+ | :*ライブラリーの一番上を参照するカードとの組み合わせ。同[[エキスパンション]]の[[宝物探し/Treasure Hunt]]やゼンディカーの[[ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya]]は圧倒的なアドバンテージを稼いでくれる。[[輝く根本原理/Brilliant Ultimatum]]などのための[[積み込み]]にも使える。 | ||
− | + | ;-1能力 | |
+ | :[[送還/Unsummon]]。 | ||
+ | :非常に軽い忠誠度の消費で[[戦場]]に干渉できる強力な能力。[[対戦相手]]の[[テンポ]]を大きく崩すことができ、特に[[戦場]]に相手の[[クリーチャー]]が1体しかいない場合に強力であり、簡単に[[戦場]]にジェイスしかいない状態を作ってしまう。その後は再展開されたクリーチャーを再び戻すもよし、±0能力で[[除去]]を探しに行くもよしとゲームの主導権を握りやすい。 | ||
+ | :自身の[[コントロール]]するクリーチャーを戻し、[[ETB]]能力を何度も利用するといった使い方もできる。[[霧縛りの徒党/Mistbind Clique]]などがよい相方。なお、ただの[[キャントリップ]]持ちでは2つ目の能力に劣ることに注意。 | ||
− | + | ;-12能力 | |
+ | :[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren|ローウィン版ジェイス]]の-10能力と同様に[[ライブラリー破壊]]だが実態は大きく違う。簡単に言えば対象の[[プレイヤー]]の手札がライブラリーになってしまうというもの。 | ||
+ | :[[起動コスト]]はかなり[[重い|重く]]、基本的に+2能力を連打した後にしか[[起動]]できない。だがその状態ではほとんどコントロールを確立できていることが多く、対戦相手は数ターンで[[ライブラリーアウト]]を起こしてしまい[[敗北]]するであろう。起動すれば[[勝利]]と言っても過言ではない能力である。 | ||
− | + | ==利用== | |
+ | [[ハンド・アドバンテージ]]と[[ボードコントロール]]の両面に優れ、かつ[[フィニッシャー]]にもなれる万能カードであるため、[[ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築]]から[[エターナル]]に至るまで、[[青]]系[[コントロールデッキ]]を中心に高い採用率を誇る。 | ||
− | *[[ワールドウェイク]] | + | ===[[ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築]]=== |
+ | 下記の[[スタンダード]]同様、[[青白コントロール/ブロック構築/ゼンディカー=エルドラージ覚醒|青白コントロール]]、[[青赤緑コントロール#ゼンディカー・ブロック期|青赤緑ターボランド]]の重要なパーツである。 | ||
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+ | ===[[スタンダード]]=== | ||
+ | ====[[アラーラの断片ブロック]]+[[ゼンディカー・ブロック]]期==== | ||
+ | スタンダードで割と冷遇な状態にあった青の復権を大きく支え、[[ジャンドコントロール#アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期|ジャンド]]一強体制を揺るがした張本人である。[[青白コントロール/スタンダード/アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期|青白タップアウトコントロール]]はもちろん、[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]である[[バントアグロ#アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期|バント]]でも他のプレインズウォーカーと共に使われていた。 | ||
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+ | ====ゼンディカー・ブロック+[[ミラディンの傷跡ブロック]]期==== | ||
+ | 万能[[パーマネント]]対策である[[忘却の輪/Oblivion Ring]]、[[大渦の脈動/Maelstrom Pulse]]、[[真髄の針/Pithing Needle]]が揃って[[落ちる|落ちて]]しまったため、前[[環境]]より対処されにくくなっている。特に[[荒廃稲妻/Blightning]]や[[血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf]]といった、返しに出されることで除去された上アドバンテージで損をするような天敵が軒並み退場し、早い段階から強気に出すことが容易になった上、[[続唱]]が消えたことで+2能力によるドロー妨害を避けることが難しくなるなど、このカードを使う上で抑止力となっていた要素が消え、本格的な環境の支配が始まった。[[青白コントロール/スタンダード/ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期|青白]]・[[青黒コントロール#ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期|青黒コントロール]]の[[ミラーマッチ]]での鍵を握るカードと言え、ジェイスの[[打ち消す|打ち消し]]、[[対消滅]]を巡るゲームになることも多い。そのためこのカードの4枚[[積む|積み]]に加えて[[メインデッキ]]から[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]まで採用されることも。 | ||
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+ | [[戦隊の鷹/Squadron Hawk ]]で手札を稼ぎ、二番目の能力で2枚をライブラリーに戻しハンド・アドバンテージを増大させる[[Caw-Go]]、[[石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic]]と装備品の[[シルバーバレット]]を追加した[[Caw-Blade]]が生まれた。どちらのカードもライブラリーを切り直す手段を持ち、二番目の能力が最大限活きる構築がなされている。また[[デッキ圧縮]]の必要も色の偏りも少ない2色デッキには珍しくライブラリーを切り直す為だけに[[フェッチランド]]を採用する事もしばしば見受けられる。 | ||
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+ | また[[緑青|青緑]]系の[[ターボランド (用語)|ターボランドデッキ]]でも使われる。上述のようにムル・ダヤの巫女との相性もよい。 | ||
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+ | *[[グランプリダラス11]]において、とうとうベスト8全員がこのカード(と相性がよい[[定業/Preordain]])をメインデッキから4枚積みしたデッキという結果となり、大きな話題を呼んだ。これを受けて書かれた公式記事<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/about-jace-2011-04-15 About Jace]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003952/ ジェイスの話](Latest Developments [[2011年]]4月15日 [[Tom LaPille]]著)</ref>では、このカードを強く作り過ぎたことを公式的に認めた上で、緊急[[禁止カード|禁止]]措置を取る可能性を否定した。 | ||
+ | *その後[[グランプリシンガポール11]]でもベスト8中7名計26枚が投入、加えて対消滅要員の[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]までもが計9枚投入されるに至る。 | ||
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+ | [[2011年]]6月20日、ついに翌7月1日発効として[[石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic]]とともにスタンダードで禁止となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/standard-bannings-explained-2011-06-20 Standard Bannings Explained]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003964/ スタンダードの禁止に関する声明](Feature [[2011年]]6月20日 [[Aaron Forsythe]]著)</ref>。これは、[[ミラディン・ブロック]]時から実に6年3ヶ月ぶりのスタンダードの禁止である。 | ||
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+ | ===[[エクステンデッド]]=== | ||
+ | ====[[時のらせん]]期~[[ローウィン]]期==== | ||
+ | [[フェアリー (デッキ)#エクステンデッド(ミラディン以降)|青黒フェアリー]]や[[オーメン・ヴァラクート]]、[[残酷コントロール#エクステンデッド|残酷コントロール]]など様々な[[デッキ]]で採用されている。ただし、同環境の青の4[[マナ]]域にはほぼ4枚積み確定の[[謎めいた命令/Cryptic Command]]が存在するため、枚数は抑えられがちである。 | ||
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+ | 「[[スタンダード]]で最強だったデッキがそのまま[[エクステンデッド]]でも最強」という状況を防止するため、2011年10月1日より[[禁止カード]]に。 | ||
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+ | ===[[モダン]]=== | ||
+ | [[モダン]]では公式フォーマット化と同時に[[禁止カード]]に指定された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/welcome-modern-world-2011-08-12 Welcome To The Modern World]/[https://mtg-jp.com/coverage/ptphi11/prepost/0000458/ (翻訳記事)モダンの世界へようこそ](Latest Developments [[2011年]]8月12日 [[Tom LaPille]]著)</ref>が、2018年2月19日([[Magic Online]]では2018年2月14日)より禁止解除された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/february-12-2018-banned-and-restricted-announcement-2018-02-12 February 12, 2018 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0030292/ 2018年2月12日 禁止制限告知](News [[2018年]]2月12日 [[Ian Duke]]著)</ref>。モダンで高速かつ攻撃的なデッキが増え、4マナの呪文を[[メイン・フェイズ]]に唱えるためのハードルが高くなっていることから、コントロールデッキの選択肢として適正であると判断されたためである。 | ||
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+ | 解禁当初は環境の高速化によりあまり見かけないカードであり、[[ドミナリア]]発売後もこのカードよりも相手ターンに[[マナ]]を残しておける[[ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria]]の方が優先されることも多かった。しかし「[[墓地]]に送らない[[全体除去]]」「[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]対策に[[全体除去]]の種類を散らす」といった理由から[[終末/Terminus]]が採用され始めると、相性の良いこのカードの採用数も増えていった。 | ||
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+ | 2018年末のコラムでは「ちょうど良いカード」「禁止解除は大英断」と評されている<ref>[https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0031632/ 今年のデッキ2018](岩SHOWの「デイリー・デッキ」 [[2018年]]12月28日 [[岩SHOW]]著)</ref>。 | ||
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+ | [[青白コントロール#モダン|青白コントロール]]や[[トリコロール#モダン|ジェスカイコントロール]]では、それぞれ採用枚数や優先度は異なるが[[ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria]]と同居していることが多い。 | ||
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+ | ===[[レガシー]]=== | ||
+ | [[メタゲーム|メタ]]が多様な環境であるため、他の環境ほど支配的な地位ではないが、[[CTG]]や[[青白奇跡コントロール]]などの青が入るコントロール、[[クロック・パーミッション]]にはよく採用されており、環境の一角として存在感を示している。 | ||
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+ | ===[[ヴィンテージ]]=== | ||
+ | 4マナの重さに加え長期戦向けの性能でありながら、[[ヴィンテージ]]でも使われる。クリーチャーや火力の少ない環境であるため生き残りやすく、環境特有の[[マナ加速]]で一度出してしまえば一方的に手札を増強し続けることのできるアドバンテージカードとなる。[[Tezzeret's Vault]]において、[[求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker]]より優先して採用されることが多く、このチューンを施したデッキが[[ヴィンテージ選手権10]]優勝・準優勝を占めたのを契機に実力が一気に周知され、青の主力カードの1枚となった。 | ||
+ | *[[ドルイドの誓い/Oath of Druids]]や[[修繕/Tinker]]に対し、-1能力が非常に効くのも無視できない。 | ||
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+ | ===リミテッド=== | ||
+ | [[リミテッド]]においても1枚でゲームを制する力があるので極めて強力である。 | ||
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+ | ==その他== | ||
+ | *[[ワールドウェイク]]の特別先行プレビュー企画<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/worldwake-planeswalker-chase-2009-12-14 Worldwake Planeswalker Chase](Arcana [[2009年]]12月14日 [[WotC]]著)</ref>に使われたカード。世界8箇所に断片を分布する企画だった。日本でもアメニティドリーム新宿店に配布された。 | ||
+ | *「もの」が漢字かひらがなかの違いこそあるものの、日本語名の一部が[[精神を刻むもの/Mindslicer]]と同じ。だが、英語のslicerが切り刻むものという意味なのに対して、Sculptorは彫刻家という意味である。単にバラバラに破壊するのではなく、望む形に彫刻してしまうという点がプレインズウォーカーの強大さを表している。 | ||
+ | *当然のごとく、[[シングルカード]]価格も恐ろしく高騰。一時期1枚1万円以上の取引もあった。スタンダードでシングルカードが1枚1万円を超えるのは史上初の事である。かの[[デュアルランド]]とすら1:1[[トレード]]できるレベルまで至ったことから、古参プレイヤーもこぞってワールドウェイクを買いあさったという逸話もある。スタンダードから去った後も当時の値段を上回っており、このカードの強さ、人気ぶりが窺えていた。現在では複数回の再録を経ていることもあり、全盛期と比べれば価格は幾分落ち着いている。 | ||
+ | *[[中村修平]]曰く「恐らく[[頭蓋骨絞め/Skullclamp]]以来のぶっ[[壊れ]]カード」<ref>[https://web.archive.org/web/20160708071602/http://archive.mtg-jp.com/reading/006654/ 日本語公式サイト (Internet Archive)](日本語公式サイト 2010年7月9日 [[中村修平]]著)</ref>。 | ||
+ | *その神の如き強さとカード名の精「神」を刻む者から、[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]からみて新しいという意味の「新(shin)」と掛けて、「神ジェイス」と呼ばれる事が多い。<ref>[https://mtg-jp.com/reading/special/0014531/ 『タルキール龍紀伝』みんなが選ぶトップ3!]</ref> <ref>[https://mtg-jp.com/coverage/gpkyo18/article/0030445/ グランプリ・京都2018 トップ4チームプレイヤープロフィール]</ref> | ||
+ | **さらに略して「神」と呼ばれることも。 | ||
+ | **スタンダード当時は使用率の高いこちらを単に「ジェイス」、ジェイス・ベレレンを「ベレレン」と呼ぶこともあった。 | ||
+ | *[[2013年]]4月27日~28日に開催された『ニコニコ超会議2』において、[[2010年]]を代表するカードとして展示された<ref>[https://www.facebook.com/media/set/?set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=1#!/photo.php?fbid=588329304518076&set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=3&theater ニコニコ超会議2 マジック:ザ・ギャザリング展示ブース](マジック日本公式Facebook)</ref>。 | ||
+ | **[[From the Vault:Twenty]]にも2010年を代表する1枚として収録され、同セットの目玉カードとして話題を呼んだ。 | ||
+ | *[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト]]の[[トレーディングカードゲーム]]である[[デュエル・マスターズ]]との[[コラボレーション]]の一環として、同名のカードが作成された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/special/0016318/ コラボ企画!マジック vs. デュエマ!!最強の兄弟戦争!?~融解編~](日本語公式サイト [[塚本 樹詩]]著)</ref>。なお、そちらのカードの能力は、このカードの±0能力と-1能力を再現したものとなっている。 | ||
==関連カード== | ==関連カード== | ||
− | + | {{キャラクターを表すカード/ジェイス・ベレレン}} | |
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+ | ===サイクル=== | ||
+ | {{サイクル/ゼンディカー・ブロックのプレインズウォーカー}} | ||
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+ | ==ストーリー== | ||
+ | 詳細は[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)]]を参照。 | ||
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+ | ==脚注== | ||
+ | <references/> | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/wallpapers-week-goblin-bushwhacker-and-jace-mind-sculptor-2009-12-18 壁紙] |
− | + | ||
*[[カード個別評価:ワールドウェイク]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:ワールドウェイク]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ブルームバロウ統率者デッキ#イマジン:勇敢なる生き物たち]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ダブルマスターズ]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:マスターズ25th]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[神話レア]] | ||
+ | *[[From the Vault:Twenty]] | ||
+ | *[[War of the Spark Mythic Edition]] | ||
+ | |||
+ | [[Category:俗称のあるカード|せいしんおきさむものしえいす]] |
2024年7月18日 (木) 20:51時点における最新版
伝説のプレインズウォーカー — ジェイス(Jace)
[+2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードを、そのプレイヤーのライブラリーの一番下に置いてもよい。
[0]:カードを3枚引く。その後、あなたの手札のカード2枚をあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
[-1]:クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
[-12]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからすべてのカードを追放する。その後、そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。
ワールドウェイクで再登場したジェイス。忠誠度能力はライブラリー操作、ドロー、バウンス、ライブラリー破壊。
忠誠度能力を4つ持つ初のプレインズウォーカーであり、忠誠度±0の忠誠度能力も史上初である。
強力な能力を複数備え、高い汎用性を持つ類稀なるパワーカード。あらゆるフォーマットで使われる、ワールドウェイクのトップレアである。
目次 |
[編集] 解説
- +2能力
- 占術1か消術1。
- 潜在的なアドバンテージを得つつ忠誠度を上げられる。実戦的には対戦相手を対象に連打し、火力などの自身に対する除去を弾いたり、コントロールを確立した後にトップデッキを阻害してソフトロックを生み出したりといった利用が一般的である。手札と戦場の状況によっては、これが回りだした段階で相手はほぼ詰みである。
- 自分に使えば、ライブラリーの一番上の不要な土地を弾くなどしてドローの質を高めることができるが、この場合は2つ目の能力との選択になる。忠誠度が上がる点が大きな差別点であろう。特に赤相手だと、出してから即座にこちらを起動すれば稲妻/Lightning Boltを始めとするほとんどの火力に対して、撃たれる前に逃れられるので、いずれを起動するかは重要な選択となる。
- ±0能力
- 渦まく知識/Brainstorm。
- 忠誠度能力の特性上インスタント・タイミングという強みは失われたが、毎ターン何のリソースの消費もなしに手札を補充できるのは実に強力。劣勢の時でも反撃の糸口を探しに行けることもあり、このカードの中核的な能力である。ゼンディカーのフェッチランドなど、各種シャッフル手段との相性も良好。
- 単なる手札の増強、有効なカードを手に入れる手段としても強力であることに加え、様々なシナジーがある。
- 手札に来てしまったサーチ対象をライブラリーに戻すことができる。徴兵バントにおけるエルドラージの徴兵/Eldrazi Conscriptionや青白コントロールにおける戦隊の鷹/Squadron Hawkなど。
- ライブラリーの一番上を参照するカードとの組み合わせ。同エキスパンションの宝物探し/Treasure Huntやゼンディカーのムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Dayaは圧倒的なアドバンテージを稼いでくれる。輝く根本原理/Brilliant Ultimatumなどのための積み込みにも使える。
- -1能力
- 送還/Unsummon。
- 非常に軽い忠誠度の消費で戦場に干渉できる強力な能力。対戦相手のテンポを大きく崩すことができ、特に戦場に相手のクリーチャーが1体しかいない場合に強力であり、簡単に戦場にジェイスしかいない状態を作ってしまう。その後は再展開されたクリーチャーを再び戻すもよし、±0能力で除去を探しに行くもよしとゲームの主導権を握りやすい。
- 自身のコントロールするクリーチャーを戻し、ETB能力を何度も利用するといった使い方もできる。霧縛りの徒党/Mistbind Cliqueなどがよい相方。なお、ただのキャントリップ持ちでは2つ目の能力に劣ることに注意。
- -12能力
- ローウィン版ジェイスの-10能力と同様にライブラリー破壊だが実態は大きく違う。簡単に言えば対象のプレイヤーの手札がライブラリーになってしまうというもの。
- 起動コストはかなり重く、基本的に+2能力を連打した後にしか起動できない。だがその状態ではほとんどコントロールを確立できていることが多く、対戦相手は数ターンでライブラリーアウトを起こしてしまい敗北するであろう。起動すれば勝利と言っても過言ではない能力である。
[編集] 利用
ハンド・アドバンテージとボードコントロールの両面に優れ、かつフィニッシャーにもなれる万能カードであるため、ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築からエターナルに至るまで、青系コントロールデッキを中心に高い採用率を誇る。
[編集] ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
下記のスタンダード同様、青白コントロール、青赤緑ターボランドの重要なパーツである。
[編集] スタンダード
[編集] アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
スタンダードで割と冷遇な状態にあった青の復権を大きく支え、ジャンド一強体制を揺るがした張本人である。青白タップアウトコントロールはもちろん、ビートダウンであるバントでも他のプレインズウォーカーと共に使われていた。
[編集] ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
万能パーマネント対策である忘却の輪/Oblivion Ring、大渦の脈動/Maelstrom Pulse、真髄の針/Pithing Needleが揃って落ちてしまったため、前環境より対処されにくくなっている。特に荒廃稲妻/Blightningや血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elfといった、返しに出されることで除去された上アドバンテージで損をするような天敵が軒並み退場し、早い段階から強気に出すことが容易になった上、続唱が消えたことで+2能力によるドロー妨害を避けることが難しくなるなど、このカードを使う上で抑止力となっていた要素が消え、本格的な環境の支配が始まった。青白・青黒コントロールのミラーマッチでの鍵を握るカードと言え、ジェイスの打ち消し、対消滅を巡るゲームになることも多い。そのためこのカードの4枚積みに加えてメインデッキからジェイス・ベレレン/Jace Belerenまで採用されることも。
戦隊の鷹/Squadron Hawk で手札を稼ぎ、二番目の能力で2枚をライブラリーに戻しハンド・アドバンテージを増大させるCaw-Go、石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticと装備品のシルバーバレットを追加したCaw-Bladeが生まれた。どちらのカードもライブラリーを切り直す手段を持ち、二番目の能力が最大限活きる構築がなされている。またデッキ圧縮の必要も色の偏りも少ない2色デッキには珍しくライブラリーを切り直す為だけにフェッチランドを採用する事もしばしば見受けられる。
また青緑系のターボランドデッキでも使われる。上述のようにムル・ダヤの巫女との相性もよい。
- グランプリダラス11において、とうとうベスト8全員がこのカード(と相性がよい定業/Preordain)をメインデッキから4枚積みしたデッキという結果となり、大きな話題を呼んだ。これを受けて書かれた公式記事[1]では、このカードを強く作り過ぎたことを公式的に認めた上で、緊急禁止措置を取る可能性を否定した。
- その後グランプリシンガポール11でもベスト8中7名計26枚が投入、加えて対消滅要員のジェイス・ベレレン/Jace Belerenまでもが計9枚投入されるに至る。
2011年6月20日、ついに翌7月1日発効として石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticとともにスタンダードで禁止となった[2]。これは、ミラディン・ブロック時から実に6年3ヶ月ぶりのスタンダードの禁止である。
[編集] エクステンデッド
[編集] 時のらせん期~ローウィン期
青黒フェアリーやオーメン・ヴァラクート、残酷コントロールなど様々なデッキで採用されている。ただし、同環境の青の4マナ域にはほぼ4枚積み確定の謎めいた命令/Cryptic Commandが存在するため、枚数は抑えられがちである。
「スタンダードで最強だったデッキがそのままエクステンデッドでも最強」という状況を防止するため、2011年10月1日より禁止カードに。
[編集] モダン
モダンでは公式フォーマット化と同時に禁止カードに指定された[3]が、2018年2月19日(Magic Onlineでは2018年2月14日)より禁止解除された[4]。モダンで高速かつ攻撃的なデッキが増え、4マナの呪文をメイン・フェイズに唱えるためのハードルが高くなっていることから、コントロールデッキの選択肢として適正であると判断されたためである。
解禁当初は環境の高速化によりあまり見かけないカードであり、ドミナリア発売後もこのカードよりも相手ターンにマナを残しておけるドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaの方が優先されることも多かった。しかし「墓地に送らない全体除去」「翻弄する魔道士/Meddling Mage対策に全体除去の種類を散らす」といった理由から終末/Terminusが採用され始めると、相性の良いこのカードの採用数も増えていった。
2018年末のコラムでは「ちょうど良いカード」「禁止解除は大英断」と評されている[5]。
青白コントロールやジェスカイコントロールでは、それぞれ採用枚数や優先度は異なるがドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaと同居していることが多い。
[編集] レガシー
メタが多様な環境であるため、他の環境ほど支配的な地位ではないが、CTGや青白奇跡コントロールなどの青が入るコントロール、クロック・パーミッションにはよく採用されており、環境の一角として存在感を示している。
[編集] ヴィンテージ
4マナの重さに加え長期戦向けの性能でありながら、ヴィンテージでも使われる。クリーチャーや火力の少ない環境であるため生き残りやすく、環境特有のマナ加速で一度出してしまえば一方的に手札を増強し続けることのできるアドバンテージカードとなる。Tezzeret's Vaultにおいて、求道者テゼレット/Tezzeret the Seekerより優先して採用されることが多く、このチューンを施したデッキがヴィンテージ選手権10優勝・準優勝を占めたのを契機に実力が一気に周知され、青の主力カードの1枚となった。
- ドルイドの誓い/Oath of Druidsや修繕/Tinkerに対し、-1能力が非常に効くのも無視できない。
[編集] リミテッド
リミテッドにおいても1枚でゲームを制する力があるので極めて強力である。
[編集] その他
- ワールドウェイクの特別先行プレビュー企画[6]に使われたカード。世界8箇所に断片を分布する企画だった。日本でもアメニティドリーム新宿店に配布された。
- 「もの」が漢字かひらがなかの違いこそあるものの、日本語名の一部が精神を刻むもの/Mindslicerと同じ。だが、英語のslicerが切り刻むものという意味なのに対して、Sculptorは彫刻家という意味である。単にバラバラに破壊するのではなく、望む形に彫刻してしまうという点がプレインズウォーカーの強大さを表している。
- 当然のごとく、シングルカード価格も恐ろしく高騰。一時期1枚1万円以上の取引もあった。スタンダードでシングルカードが1枚1万円を超えるのは史上初の事である。かのデュアルランドとすら1:1トレードできるレベルまで至ったことから、古参プレイヤーもこぞってワールドウェイクを買いあさったという逸話もある。スタンダードから去った後も当時の値段を上回っており、このカードの強さ、人気ぶりが窺えていた。現在では複数回の再録を経ていることもあり、全盛期と比べれば価格は幾分落ち着いている。
- 中村修平曰く「恐らく頭蓋骨絞め/Skullclamp以来のぶっ壊れカード」[7]。
- その神の如き強さとカード名の精「神」を刻む者から、ジェイス・ベレレン/Jace Belerenからみて新しいという意味の「新(shin)」と掛けて、「神ジェイス」と呼ばれる事が多い。[8] [9]
- さらに略して「神」と呼ばれることも。
- スタンダード当時は使用率の高いこちらを単に「ジェイス」、ジェイス・ベレレンを「ベレレン」と呼ぶこともあった。
- 2013年4月27日~28日に開催された『ニコニコ超会議2』において、2010年を代表するカードとして展示された[10]。
- From the Vault:Twentyにも2010年を代表する1枚として収録され、同セットの目玉カードとして話題を呼んだ。
- ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのトレーディングカードゲームであるデュエル・マスターズとのコラボレーションの一環として、同名のカードが作成された[11]。なお、そちらのカードの能力は、このカードの±0能力と-1能力を再現したものとなっている。
[編集] 関連カード
- ジェイス・ベレレン/Jace Beleren
- 精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
- 記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept
- 思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought
- ギルドパクトの体現者、ジェイス/Jace, the Living Guildpact
- ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy - 束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound
- 秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets
- 狡猾な漂流者、ジェイス/Jace, Cunning Castaway
- 巧妙な精神魔道士、ジェイス/Jace, Ingenious Mind-Mage
- 神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries
- 秘儀の策士、ジェイス/Jace, Arcane Strategist
- 鏡映魔道士、ジェイス/Jace, Mirror Mage
- スペースベレレン/Space Beleren
- 完成化した精神、ジェイス/Jace, the Perfected Mind
- 再覚醒したジェイス/Jace Reawakened
[編集] サイクル
ゼンディカー・ブロックのプレインズウォーカーのメガサイクル。ブロック全体を通して各色に1人ずつ収録された。
- ギデオン・ジュラ/Gideon Jura
- 精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
- ソリン・マルコフ/Sorin Markov
- 燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze
- ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane
その他、黒赤のプレインズウォーカーとして狂乱のサルカン/Sarkhan the Madが存在している。
[編集] ストーリー
詳細はジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)を参照。
[編集] 脚注
- ↑ About Jace/ジェイスの話(Latest Developments 2011年4月15日 Tom LaPille著)
- ↑ Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明(Feature 2011年6月20日 Aaron Forsythe著)
- ↑ Welcome To The Modern World/(翻訳記事)モダンの世界へようこそ(Latest Developments 2011年8月12日 Tom LaPille著)
- ↑ February 12, 2018 Banned and Restricted Announcement/2018年2月12日 禁止制限告知(News 2018年2月12日 Ian Duke著)
- ↑ 今年のデッキ2018(岩SHOWの「デイリー・デッキ」 2018年12月28日 岩SHOW著)
- ↑ Worldwake Planeswalker Chase(Arcana 2009年12月14日 WotC著)
- ↑ 日本語公式サイト (Internet Archive)(日本語公式サイト 2010年7月9日 中村修平著)
- ↑ 『タルキール龍紀伝』みんなが選ぶトップ3!
- ↑ グランプリ・京都2018 トップ4チームプレイヤープロフィール
- ↑ ニコニコ超会議2 マジック:ザ・ギャザリング展示ブース(マジック日本公式Facebook)
- ↑ コラボ企画!マジック vs. デュエマ!!最強の兄弟戦争!?~融解編~(日本語公式サイト 塚本 樹詩著)
[編集] 参考
- 壁紙
- カード個別評価:ワールドウェイク - 神話レア
- カード個別評価:ブルームバロウ統率者デッキ#イマジン:勇敢なる生き物たち - 神話レア
- カード個別評価:ダブルマスターズ - 神話レア
- カード個別評価:マスターズ25th - 神話レア
- カード個別評価:エターナルマスターズ - 神話レア
- カード個別評価:Vintage Masters - 神話レア
- From the Vault:Twenty
- War of the Spark Mythic Edition