対抗呪文/Counterspell
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アルファから存在する、初代打ち消しカード。「呪文を無効化する」という概念を生みだした元祖であり、パーミッションという青の最も代表的な戦術の中核を成し、青いカードの代表格として多くのエキスパンションに収録された。
どんな強力な呪文であろうともいともあっさりと無効化してしまう。アドバンテージの観点から言っても、確実に1対1交換となるためカード枚数で損はなく、3マナ以上の呪文を打ち消せばテンポ面で得をするという、非常に優秀なカードである。
既に戦場にパーマネントとして出てしまっているカードには対処できないという欠点はあるが、青にはもうひとつの基本戦術としてバウンスが存在するため「手札に戻して、再び唱えられたところを打ち消す」というテクニックもある。カード・アドバンテージは失ってしまうが、対戦相手からすれば「一度通しても安心できない」というプレッシャーとして機能する。
強いて欠点を挙げるなら、1対1交換しかできないためカード・アドバンテージ面で得はできないことと、2マナのダブルシンボルと色拘束が強いこと。前者に関しては青お得意のドローによって補えるが、後者に関してはデッキによっては重大な欠点になる。実際、多色デッキ、特に色マナが圧迫されるウルザトロンなどではマナ漏出/Mana Leakを優先することも多い。
スタンダード現役時代は大部分の青デッキにフル投入される等、極めて高い採用率を誇った。青使いデビューにはまず対抗呪文を4枚入手するところから、が常識とされるほどであった。
第8版で再録されずスタンダード落ち。再録されなかったことを嘆く人は多く、特に当時「青好き」として知られていた日本人にはそのようなプレイヤーが多かったとか。また同時に、これを手放しで喜んだプレイヤーが多かったことも事実である。
その後第10版には、このカードの後継者としてデザインされた取り消し/Cancelが収録された。これにより、今後再録される可能性の低いカードとみなされており、現在はエターナルでしか使えなくなっている。様々な人に好かれ嫌われ、そして見送られた、本当に恵まれたカードである。
現在のところ、ヴィンテージでは、意志の力/Force of WillとMana Drainの2大カウンター呪文の後塵を拝するといった立ち位置だが、レガシーではランドスティルをはじめとする低速デッキを中心として依然活躍を見せている。また、青単がトップメタの一角を占めるPauperでは「まずは対抗呪文4枚」というデッキ構築が今でも見られる。
- 略称は「カンスペ」など。
- その強さと歴史の長さにより、多くのイラストレーターの手によって様々なイラストが描かれた。プロモーション・カードやそのプレミアム・カードまで登場しているところを見るに、いかに人気が高かったかをも証明している。
- 「最強カード」候補にもよく挙げられる。
- 第4版まではアンコモンだったが、需要の多さのためか第5版でコモンに格下げされた。スターターやMasters Edition 2ではアンコモンであったが、Masters Edition 4ではコモンとなっている。
- カウンター呪文の父とも言える存在で、後の多くのカウンター呪文のコスト設定は、だいたいこのカードを基礎としている(→コラム「対抗注文」)。
- 強力ではあるが、使い手の腕が問われるカードでもある。特に初心者プレイヤーは、便利だからと手当たり次第に使ってしまうことが多く、あっさり弾切れして肝心なマストカウンターを通してしまう、というパターンが多い。
関連カード
主な亜種
上記の通り、ほぼすべての打ち消し系カードはたどっていけばこれの亜種と言える。ここではキーワード能力やメカニズム関連で青単色の確定カウンターであるものを挙げる。いずれもダブルシンボルである。
- Mana Drain - 次の自分のメイン・フェイズに一定のマナを得る。マナバーン廃止により上位互換となった。(レジェンド)
- 意志の力/Force of Will - 手札の青のカード1枚追放と1点ライフの代替コストを持つピッチスペル。5マナ。(アライアンス)
- 雲散霧消/Dissipate - 打ち消した呪文を追放する。3マナ。(ミラージュ)
- 権威の確立/Assert Authority - 親和(アーティファクト)付きの雲散霧消。7マナ。(ミラディン)
- 虚空の粉砕/Void Shatter - 欠色付きの雲散霧消。3マナ。(ゲートウォッチの誓い)
- 放逐/Dismiss - キャントリップ付き。4マナ。(テンペスト)
- 禁止/Forbid - カードを2枚捨てるバイバック付き。3マナ。(エクソダス)
- 巻き直し/Rewind - フリースペル版。4マナ。(ウルザズ・サーガ)
- 妨害/Thwart - 島3つを手札に戻す代替コストを持つピッチスペル。4マナ。(メルカディアン・マスクス)
- 撃退/Foil - 島ともう1枚カードを捨てる代替コストを持つピッチスペル。4マナ。(プロフェシー)
- 全面否定/Fervent Denial - フラッシュバック(5)(青)(青)付き。5マナ。(オデッセイ)
- 最後の言葉/Last Word - 打ち消されない対抗呪文。4マナ。(ダークスティール)
- 水面院の翻弄/Minamo's Meddling - 打ち消した後で、連繋されたカードをすべて捨てさせる。4マナ。(神河謀叛)
- 妄想の誘導/Induce Paranoia - (黒)が支払われていると、打ち消した呪文の点数で見たマナ・コスト分ライブラリーを削る向上呪文。4マナ。(ラヴニカ:ギルドの都)
- 論駁/Controvert - 復活(2)(青)(青)付き。4マナ。(コールドスナップ)
- 取り消し/Cancel - 1マナ重い調整版。(時のらせん)
- 使い魔の策略/Familiar's Ruse - 追加コストとしてクリーチャーを戻す。2マナ。(ローウィン)
- 衝撃的な幻視/Traumatic Visions - 基本土地サイクリング(1)(青)付き。5マナ。(コンフラックス)
- 剥奪/Deprive - 追加コストとして土地を戻す。2マナ。(エルドラージ覚醒)
- 冷静な反論/Stoic Rebuttal - 金属術で対抗呪文と同じ2マナになる。3マナ。(ミラディンの傷跡)
- 目的のための燃料/Fuel for the Cause - 増殖を行う。4マナ。(ミラディン包囲戦)
- 解消/Dissolve - 占術1を行う。3マナ。(テーロス)
- シルムガルの嘲笑/Silumgar's Scorn そのままでは魔力の乱れ/Force Spikeだが、ドラゴンが手札か戦場にあれば対抗呪文になる。(タルキール龍紀伝)
- 風への散乱/Scatter to the Winds - 覚醒3-(4)(青)(青)付き。3マナ。(戦乱のゼンディカー)
- Spell Counter - ゴチ付き。4マナ。(アンヒンジド)
参考
- Counterspell Conundrum(Wizards社;英語)
- 確定カウンターカード
- カード個別評価:メルカディアン・マスクス - コモン
- カード個別評価:テンペスト - コモン
- カード個別評価:アイスエイジ - コモン
- カード個別評価:第7版 - コモン
- カード個別評価:第6版 - コモン
- カード個別評価:第5版 - コモン
- カード個別評価:第4版 - アンコモン
- カード個別評価:リバイズド - アンコモン
- カード個別評価:アンリミテッド - アンコモン
- カード個別評価:スターター - アンコモン
- カード個別評価:Tempest Remastered - アンコモン
- カード個別評価:Vintage Masters - コモン
- カード個別評価:Masters Edition 4 - コモン
- カード個別評価:Masters Edition 2 - アンコモン