闇の腹心/Dark Confidant
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クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上のカードを1枚公開し、そのカードをあなたの手札に加える。あなたは、そのマナ総量に等しい点数のライフを失う。
2/1Bob Maherがデザインした超強力クリーチャー(#インビテーショナルカード)。追加のマナ無しで毎ターン追加で手札を入手できる破格の能力を持つ。
2マナでパワー2というのもウィニーとして及第点であり、コスト・パフォーマンスが非常によい。
かつてあらゆるフォーマットで使われていた、ラヴニカ:ギルドの都のトップレアである。
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解説
言うまでもなく、恒久的なカード・アドバンテージを得られるのならば多少のライフなど些細な代償。失うライフ量がマナ総量に連動するため、場合によっては手痛い代償となることもあるが、逆に見れば軽いカードであれば代償は低く抑えられるということでもある。特に土地や0マナカードならば代償なしでカードを入手できる。システムクリーチャーでありながら、2マナパワー2のクリーチャーなので普通にダメージクロックになるのも大きなポイントである。
ビートダウンの息切れ防止、テンポ系パーミッションなどのコントロールデッキのアドバンテージ獲得源、コンボデッキの手札補充など、使用可能なフォーマットではデッキタイプを問わず幅広く活躍を見せる。さらに黒絡みのデッキのみならず、Dark CALのようにこのカードのために黒をタッチするものまである。その活躍っぷりは「土地がめくれたら宇宙ですよ」という流行語を生むほど。上記デッキタイプはマナカーブの関係から自然とデッキ全体のマナ・コストが低く抑えられやすいことから代償が小さくなりやすく、さらにライフロスのリカバリーもできるため相性がよい。
カード・プールが広くなるほど強力になるカードでもある。これはカード・プールが広がるほど軽くて強力な呪文が増えるため。
ただし、あくまでもタフネスが1のクリーチャーであるため、除去されやすい。強さが知れ渡った今では、ほとんどの場合、序盤に出すとアップキープを迎えるまでもなく除去されてしまう。特に、同じラヴニカ:ギルドの都に収録された暗黒破/Darkblastは天敵である。一方で、「除去されやすい」という欠点は同時に「不要になったときに始末しやすい」という利点とも言え、地上アグロ相手の際は「適当なところで相打ちブロックする」、コントロールなどが相手の際は「腐っているクリーチャー除去で除去する」と言ったプレイングもしばしば行われる。
- 愛称はデザイナーの名にちなんで「ボブ」。ライフロスで自滅してしまうことを「ボブ死」と呼ぶなど、派生語も数多い。
- モミール・ベーシックではデッキが基本土地のみで構成されるため、ライブラリー操作に頼らずともライフロスする確率がゼロとなる。
- ラヴニカ:ギルドの都初出時はレアだったが、Modern Masters再録時に神話レアに変更された。この際、新規イラストが用意された。
- スタンダードからエターナルまでの構築環境の使用率の高さから石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic、 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage、タルモゴイフ/Tarmogoyfと合わせて「壊れた」2マナのクリーチャーサイクルと呼ばれていた[1][2]。
- ラヴニカ:ギルドの都版イラストで隣にいる異形の生物は死した後、幽霊議員に加入待ちの状態にあるオルゾフ組の重鎮である[3]。
- 2022年7月9日~17日に開催されたストアチャンピオンシップの優勝賞品としてテキストレス(プレイヤー褒賞プログラムプロモと同仕様)のプロモーション・カードが配布された[4]。
- こちらではニューカペナ/New Capennaの常夜会一家/The Obscuraに属するウィザードを描いており[5]、イラストではラフィーンの導き/Raffine's Guidance(イラスト)を受けている。
他のカードとの相性
失うライフの値はマナ総量を参照するため、端的にカード単体・デッキ傾向ともに軽いものほど相性がよく、重いものほど悪い。ただしカードのマナ総量と「実用上の軽さ」は必ずしも一致しないため、「(実用上)重いカードであっても相性がよい」もの、またその逆も存在する。
具体的には、分割カード(左右の合計分のライフを失う)、ピッチスペル・待機・想起など、軽めの代替コストで使用することが多いカード、召集・探査などコスト軽減を前提にデザインされているカードなどは、実際の使用感が軽いものであってもマナ総量は大きくなりがちであり、相性が悪い。逆に、X呪文、複製やキッカーなどの追加コスト、あるいは契約サイクルなどのように効果としてマナを要求するカードなどは、マナ総量が小さくなるため相性がよい。
いくらカード・アドバンテージを得ても毎ターン大量のライフを失っていると先に自分が死んでしまうので、カード選択はデッキ構築の段階で気にする必要がある。逆に、墓忍び/Tombstalkerを使って素早く攻めることを考えたTeam Americaのように、闇の腹心の方が抜けていくこともある。
ただし、時には上記のようなセオリーを無視して、リスクを承知で併用することも多い。実際、デッキ全体で数枚程度であれば当たってしまう確率もさほど高くはないため、案外なんとかなる(もちろん当たるときは当たるものだが)。
- 分割カードでも隆盛+下落/Rise+Fallあたりはカードパワー重視で採用されていることがあった。
- スタンダードの大いなるガルガドン/Greater Gargadonと共に4枚ずつフル投入したデッキがアメリカ選手権07でトップ8入りしてしまったこともある。→ラクドス・アグロ
- エターナルの意志の力/Force of Willや目くらまし/Dazeはピッチスペルだが頻繁に併用される。多少割高なライフを失うディスシナジーよりも、返しの除去に弱い闇の腹心とその隙を守れるピッチカウンター、意志の力の激しい手札消費を補う闇の腹心のシナジーの方が大きい。
ライブラリーの一番上を操作できるライブラリー操作カードを使って、積極的にライフロスを減らすことも考えられる。特に師範の占い独楽/Sensei's Divining Topは優秀な相棒で、ライブラリーの上から3枚以内に土地がなかったとしても、独楽をライブラリーの一番上に戻すことでライフの損失を1点に抑えられる。ただし、実際は上記の通りデッキ構成自体をこのクリーチャーに合わせる場合が多いので、相殺/Counterbalanceや占術の岩床/Scrying Sheetsなどと併用する場合を除けば独楽まで投入されることは少ない(→相殺コントロール、氷雪コントロール)。一方でヴィンテージでは、このカードと共にティンカー戦略や意志の力/Force of Will等の重いカードが入ることも珍しくなく、師範の占い独楽が挿されているケースが散見される。
いくら気を遣っても時には自滅に追い込まれる、それもこのカードの一側面であり、醍醐味でもある。
ルーリング(誘発忘れ)
- 2007年改正前のルールでは公開せずに手札に加えた場合、ジャッジが手札の中で最も大きいマナ総量を持つカード1枚を公開させ、その点数のライフを失わせていた。現在は闇の腹心の能力を忘れた場合、(ほかに考えるべき状況がなければ)それはドロー・ステップのドローと考えることができる。忘れてしまった能力はターンサイクル内で気づいたときにスタックに置かれる。その上でドロー・ステップのドローをしてしまった場合過剰なカードを引いたものとする。
- 腹心が既に除去されているのを忘れて、ついライブラリーをめくってしまうというミスにも気をつけたい。アップキープ・ステップは落ち着いてプレイするように。これと似たような現象は師範の占い独楽/Sensei's Divining Topにおいても多く見られる。
- ライブラリーの上に何らかのマーカーを置くことが許されているので、心配なら目印を置いておこう。
インビテーショナルカード
このカードはインビテーショナル04優勝者、Bob Maherによってデザインされたインビテーショナルカードである。
Bob Maherの最初のデザイン案は以下のような感じであった。
非公式/非実在カード
Asp's Grasp (緑)ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは毒カウンターを9個得る。
毒カウンターは当時お払い箱扱いだったし、それでなくても1ターンキルの確率が非常に高いため当然却下。もちろんこれは、自分が優勝するとは思っていなかったため、適当に作って提出しただけであった。
関連カード
- コルフェノールの若木/Sapling of Colfenor - 3(B/G)(B/G)。2/5破壊不能で、攻撃時に誘発。クリーチャーしか加えられないがマナ・コストでなくパワー分ライフロスし、タフネス分回復。(イーブンタイド)
- むかつき/Ad Nauseam - 3BB。闇の腹心の能力を望むだけ繰り返せるインスタント。(アラーラの断片)
主な亜種
毎ターンライブラリーの一番上のカードを手札に加え、それのマナ総量に等しい点数のライフを失う効果を持つパーマネント。特筆無ければクリーチャーでアップキープに誘発する。ライフロスが1点固定のタイプはファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaを、何度でも起動できるタイプはネクロポーテンス/Necropotenceを参照。逆に、あなたのライブラリーの一番上に応じたライフロスを相手が受けるものはうつろう爆発/Erratic Explosionを参照。
- 狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad - 3BRのプレインズウォーカーの±0忠誠度能力。プレイヤーでなくこれ自身がダメージを受ける。(エルドラージ覚醒)
- 闇の後見/Dark Tutelage - 2B。全く同じ能力のエンチャント。(基本セット2011)
- ダスクマントルの予見者/Duskmantle Seer - 2UB。4/4飛行。相手にも同じ能力が誘発する。(ギルド門侵犯)
- 苦痛の予見者/Pain Seer - 1B。2/2。神啓で同じ能力が誘発する。(神々の軍勢)
- 遺跡の略奪者/Ruin Raider - 2B。3/2。強襲達成で終了ステップの開始時に同じ能力が誘発する。(イクサラン)
- 鏡映魔道士、ジェイス/Jace, Mirror Mage - 1UUのプレインズウォーカーの±0忠誠度能力。ライフでなくこれ自身の忠誠カウンターを失う。(ゼンディカーの夜明け)
- 不笑のソリン/Sorin the Mirthless - 2BBのプレインズウォーカーの+1忠誠度能力。事前に見て手札に加えないことを選ぶこともできる。(イニストラード:真紅の契り)
- 契約武器/Pact Weapon - 3Bの装備品。これを装備したクリーチャーが攻撃するたびに誘発し、そのマナ総量分のプラス修整を受ける。(統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い)
- 腐食の荒馬/Caustic Bronco - 1B。2/2。攻撃で同じ能力が誘発する。騎乗3した場合は自分ではなく対戦相手がライフを失う。(サンダー・ジャンクションの無法者)
- 暗黒星の占い師/Darkstar Augur - 2B。2/3飛行。全く同じ能力を持つ。新生も持つ。(ブルームバロウ)
- ずるいスパイ/Sly Spy - 2B。2/2。アン・カード。サボタージュ能力で相手のライブラリーから手札に加える。(Unstable)
- 思考糸の分析者/Thought-String Analyst - UB。2/2。MTGアリーナ限定カード。相手のライブラリーから追放しプレイ可能にする。(アルケミー:カルロフ邸)
手札に加えるのではなく、マナ総量分のライフを代替コストにしてプレイできる亜種
- ボーラスの城塞/Bolas's Citadel - 3BBB。ライブラリーの一番上をプレイできるアーティファクト。(灯争大戦)
- 月の賢者の養子、ナシ/Nashi, Moon Sage's Scion - 1BB、忍術3B。3/2。サボタージュ能力で全員のライブラリーの一番上を追放し、そのうち1枚をこのターンプレイできる。(神河:輝ける世界)
- ザンダーの契約/Xander's Pact - 4BB。各対戦相手のライブラリーの一番上を追放しこのターンプレイできる。犠牲2。(ニューカペナの街角統率者デッキ)
脚注
- ↑ マジック的一問一答(Latest Developments 2015年12月11日)
- ↑ おしえてあなたの望むこと(Making Magic 2016年3月7日)
- ↑ あなたの隣のプレインズウォーカー ~第11回 ギルドの都へおかえりなさい~(晴れる屋 2012年8月31日)
- ↑ Your Sneak Peek at Double Masters 2022, Dominaria United, and Beyond/『ダブルマスターズ2022』および『団結のドミナリア』の最新情報とその他の発表(News 2022年5月12日 Wizards of the Coast著)
- ↑ dopaprime(担当アーティストLivia PrimaのInstagram 2022年5月13日)
参考
- 壁紙 (Modern Masters) (Daily MTG [[2013年::6月5日)
- Dark Confidant/闇の腹心(Daily MTG 2013年5月20日 文:Bob Maher)
- カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都 - レア
- カード個別評価:ラヴニカ・リマスター - 神話レア
- カード個別評価:ダブルマスターズ - 神話レア
- カード個別評価:モダンマスターズ2015 - 神話レア
- カード個別評価:Modern Masters - 神話レア