親和 (デッキ)
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− | おもに[[金属ガエル/Frogmite]]、[[マイアの処罰者/Myr Enforcer]]、[[物読み/Thoughtcast]]等の[[親和]]([[アーティファクト]])持ちと、[[アーティファクト・土地]]等による基盤となる[[軽い|軽量]][[アーティファクト]] | + | おもに[[金属ガエル/Frogmite]]、[[マイアの処罰者/Myr Enforcer]]、[[物読み/Thoughtcast]]等の[[親和]]([[アーティファクト]])持ちと、[[アーティファクト・土地]]等による基盤となる[[軽い|軽量]][[アーティファクト]]群、そして主力としてこれらの[[展開]]を最大限使い倒す[[カード]]群で構成される。主力となるカードはタイプによって異なってくる。 |
[[ウルザ・ブロック]]期以来の[[禁止カード]]大量輩出の原因となった悪名高い[[デッキ]]であるが、弱点も多く、それを突かれると一気に瓦解してしまう部分がある。ざっと挙げてみても | [[ウルザ・ブロック]]期以来の[[禁止カード]]大量輩出の原因となった悪名高い[[デッキ]]であるが、弱点も多く、それを突かれると一気に瓦解してしまう部分がある。ざっと挙げてみても | ||
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− | それでもその圧倒的な速度と展開力は魅力であり、[[アーティファクト]]を主力とする[[ビートダウン]]としては古えの[[5/3]]や[[MUD]]などと並び、代表格といえる。 | + | それでもその圧倒的な速度と展開力は魅力であり、[[アーティファクト]]を主力とする[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]としては古えの[[5/3]]や[[MUD]]などと並び、代表格といえる。 |
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− | [[ミラディン・ブロック]]期の[[スタンダード]]の当初は、[[ | + | [[ミラディン・ブロック]]期の[[スタンダード]]の当初は、[[青単色デッキ|青単]]で[[構築]]され[[ブルードスター/Broodstar]]を投入する[[ブルード親和]]が主流だった。 |
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2005年3月20日をもって、[[スタンダード]]で[[ミラディン・ブロック]]に含まれる全ての[[アーティファクト・土地]]群と、主力である[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]、[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]が[[禁止カード]]になる。これにより、親和はキーパーツをことごとく失い、スタンダードから引き摺り下ろされる形となった。 | 2005年3月20日をもって、[[スタンダード]]で[[ミラディン・ブロック]]に含まれる全ての[[アーティファクト・土地]]群と、主力である[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]、[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]が[[禁止カード]]になる。これにより、親和はキーパーツをことごとく失い、スタンダードから引き摺り下ろされる形となった。 | ||
− | *さらに2006年3月20日、これら8枚と[[霊気の薬瓶/AEther Vial]]は[[ミラディン・ブロック構築]] | + | *さらに2006年3月20日、これら8枚と[[霊気の薬瓶/AEther Vial]]は[[ミラディン・ブロック構築]]でも禁止される。最新ブロックでないブロック構築において、禁止カードが出されたのは異例のことである。 |
− | ** | + | **禁止後のスタンダードでは[[メタゲーム]]の間隙を縫うように、親和持ちの[[クリーチャー]]と頭蓋囲いで殴り倒すデッキが少数登場したが、結局大成しなかった(→[[磁石親和]])。 |
==エクステンデッド== | ==エクステンデッド== | ||
[[エクステンデッド]]では、[[スタンダード]]初期の頃と本質的に変わらず。[[彩色の星/Chromatic Star]]や[[テラリオン/Terrarion]]などの優秀な[[マナフィルター]]が採用される。 | [[エクステンデッド]]では、[[スタンダード]]初期の頃と本質的に変わらず。[[彩色の星/Chromatic Star]]や[[テラリオン/Terrarion]]などの優秀な[[マナフィルター]]が採用される。 | ||
− | [[ローテーション]]以前のテンペスト期は非常に[[メタ]]が多様であり、またよく回っていたため、安定性と応用を効かせ易い[[薬瓶親和]]型が好まれた。 | + | [[ローテーション]]以前のテンペスト期は非常に[[メタゲーム|メタ]]が多様であり、またよく回っていたため、安定性と応用を効かせ易い[[薬瓶親和]]型が好まれた。 |
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− | 当初はそれほど注目されていなかったが、[[Pierre Canali]]が[[プロツアーコロンバス04]]を[[タッチ]][[白]] | + | 当初はそれほど注目されていなかったが、[[Pierre Canali]]が[[プロツアーコロンバス04]]を[[タッチ]][[白]]の薬瓶親和で制したことにより、エクステンデッドにも親和あり、とその力を見せつけた。 |
− | これにより一躍[[メタゲーム]]に踊り出たものの、[[スタンダード]]と違い[[溶融/Meltdown]]や[[破滅的な行為/Pernicious Deed]]、[[魔力流出/Energy Flux]] | + | これにより一躍[[メタゲーム]]に踊り出たものの、[[スタンダード]]と違い[[溶融/Meltdown]]や[[破滅的な行為/Pernicious Deed]]、[[魔力流出/Energy Flux]]などの即投了級なカードも多かったため、それ以降はメタを読みながらの戦いであった。 |
− | [[ローテーション]] | + | [[ローテーション]]後の新エクステンデッド[[環境]]でも、主力である[[ミラディン・ブロック]]は残り、その力は健在であるかに見えたが、2005年9月20日より[[霊気の薬瓶/AEther Vial]]と[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]が禁止となり、薬瓶型は消滅。そのため、打撃戦1本で戦うことを余儀なくされた。 |
− | この時期は[[コントロール]] | + | この時期は[[コントロール (デッキ)|コントロール]]寄りのメタだったことから、[[メインデッキ]]から[[真髄の針/Pithing Needle]]を採用したものが多い。 |
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− | [[ローウィン]]以降は[[バネ葉の太鼓/Springleaf Drum]]を採用し、最序盤の[[展開]] | + | [[ローウィン]]以降は[[バネ葉の太鼓/Springleaf Drum]]を採用し、最序盤の[[展開]]力を重視するようになる(→[[太鼓親和]])。また、[[アラーラの断片]]では強力な[[アタッカー]]となる[[エーテリウムの達人/Master of Etherium]]を獲得し、再びメタゲームの前線に現れた。 |
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− | !colspan="2"| | + | !colspan="2" style="background-color:#dddddd"|メインデッキ (60) |
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|3||[[トーモッドの墓所/Tormod's Crypt]] | |3||[[トーモッドの墓所/Tormod's Crypt]] | ||
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− | !colspan="2" style="background:#ddffee"| | + | !colspan="2" style="background-color:#ddffee"|土地 (19) |
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|4||[[ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus]] | |4||[[ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus]] | ||
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|4||[[囁きの大霊堂/Vault of Whispers]] | |4||[[囁きの大霊堂/Vault of Whispers]] | ||
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− | !colspan="2" style="background:#ddeeff"| | + | !colspan="2" style="background-color:#ddeeff"|サイドボード |
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[[頭蓋骨絞め/Skullclamp]]がないため息切れを起こしやすく、そのためスピードに特化する傾向にある。[[フィフス・ドーン]]以降標準搭載されるようになった[[頭蓋囲い/Cranial Plating]]はもちろんのこと、[[爆片破/Shrapnel Blast]]をはじめ、[[エイトグ/Atog]]や[[投げ飛ばし/Fling]]を投入して爆発力を高める構成のものが多い。 | [[頭蓋骨絞め/Skullclamp]]がないため息切れを起こしやすく、そのためスピードに特化する傾向にある。[[フィフス・ドーン]]以降標準搭載されるようになった[[頭蓋囲い/Cranial Plating]]はもちろんのこと、[[爆片破/Shrapnel Blast]]をはじめ、[[エイトグ/Atog]]や[[投げ飛ばし/Fling]]を投入して爆発力を高める構成のものが多い。 | ||
− | また少数ながら、[[青]]の[[カード]] | + | また少数ながら、[[青]]の[[カード]]を多く採用して[[Force of Will]]を使用可能にした、俗に'''AfFOWnity'''などと表記されるタイプも存在する。Force of Will以外は、追加の[[引く|ドロー]]に[[知識の渇望/Thirst for Knowledge]]、[[ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought]]と[[もみ消し/Stifle]]や[[幻視の魔除け/Vision Charm]]とのコンボ、青い親和持ちである[[厳粛な空護り/Somber Hoverguard]]などが採用される。 |
レガシー開始からしばらくの間は強化されることが無かった。しかし[[ローウィン]]で[[バネ葉の太鼓/Springleaf Drum]]を獲得し展開力と色マナの安定度を高めた[[太鼓親和]]が登場し、レガシーにおいての親和の基本形となる。 | レガシー開始からしばらくの間は強化されることが無かった。しかし[[ローウィン]]で[[バネ葉の太鼓/Springleaf Drum]]を獲得し展開力と色マナの安定度を高めた[[太鼓親和]]が登場し、レガシーにおいての親和の基本形となる。 | ||
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レガシーは[[コンボ]]を除き[[クリーチャー]]主体のデッキが多いため、[[ヴィダルケンのセルターチ/Vedalken Certarch]]が用いられることが多い。他にも[[感電破/Galvanic Blast]]で最後の数点を削れるようにしたり、[[石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic]]で[[頭蓋囲い/Cranial Plating]]を水増ししつつ応用力を高めるといった構成が見られる。 | レガシーは[[コンボ]]を除き[[クリーチャー]]主体のデッキが多いため、[[ヴィダルケンのセルターチ/Vedalken Certarch]]が用いられることが多い。他にも[[感電破/Galvanic Blast]]で最後の数点を削れるようにしたり、[[石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic]]で[[頭蓋囲い/Cranial Plating]]を水増ししつつ応用力を高めるといった構成が見られる。 | ||
− | + | メタが混沌としているレガシーの性質上、かつての[[エクステンデッド]]ほど強烈に対策されることは少ない。しかし、対策自体もエクステンデッドより簡単に出来るため、その点で風当たりは強い。 | |
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{{#card:Erayo, Soratami Ascendant}} | {{#card:Erayo, Soratami Ascendant}} | ||
− | + | [[メタゲーム]]により頭蓋骨絞めが[[サイドボード|サイド]]アウトされているものも少数だが存在し、そちらは[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]を最大限に生かす構成で、[[羽ばたき飛行機械/Ornithopter]]と[[電結のとげ刺し/Arcbound Stinger]]が4枚ずつ投入されている。親和デッキにおいては[[Mox]]が[[アーティファクト・土地]]の上位互換のように機能し、Mox他[[軽い]][[マナ・アーティファクト]]との相性は抜群である。 | |
また、[[仕組まれた爆薬/Engineered Explosives]]を多数搭載し、速度を稼ぐと共に[[コントロール (ゲーム用語)|コントロール]]能力を高めたものも多い。この[[環境]]には親和にとって致命的なパーマネントが多いため、それへの対策も兼ねられている。 | また、[[仕組まれた爆薬/Engineered Explosives]]を多数搭載し、速度を稼ぐと共に[[コントロール (ゲーム用語)|コントロール]]能力を高めたものも多い。この[[環境]]には親和にとって致命的なパーマネントが多いため、それへの対策も兼ねられている。 | ||
それでもアーティファクトへの風当たりが厳しいことに変わりは無く、絶対数は多いとは言えず、さらに減少している。 | それでもアーティファクトへの風当たりが厳しいことに変わりは無く、絶対数は多いとは言えず、さらに減少している。 | ||
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==Pauper== | ==Pauper== |
2011年8月23日 (火) 11:43時点における版
親和(Affinity)は、キーワード能力の親和(アーティファクト)を持つカードを多く投入することにより、高速展開を可能にした速攻デッキ。
目次 |
概要
アーティファクト クリーチャー — カエル(Frog)
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
2/2ソーサリー
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
カードを2枚引く。
おもに金属ガエル/Frogmite、マイアの処罰者/Myr Enforcer、物読み/Thoughtcast等の親和(アーティファクト)持ちと、アーティファクト・土地等による基盤となる軽量アーティファクト群、そして主力としてこれらの展開を最大限使い倒すカード群で構成される。主力となるカードはタイプによって異なってくる。
ウルザ・ブロック期以来の禁止カード大量輩出の原因となった悪名高いデッキであるが、弱点も多く、それを突かれると一気に瓦解してしまう部分がある。ざっと挙げてみても
- 1枚の対アーティファクト・カードで完封されてしまう可能性
- マナ基盤が攻められやすい、また色事故も起きやすい
- 序盤の展開とシナジーを重視した結果、カードパワーが低いカードが多いため、トップデッキ勝負に弱い
などといったものがある。
それでもその圧倒的な速度と展開力は魅力であり、アーティファクトを主力とするビートダウンとしては古えの5/3やMUDなどと並び、代表格といえる。
ミラディン・ブロック期
ミラディン・ブロック期のスタンダードの当初は、青単で構築されブルードスター/Broodstarを投入するブルード親和が主流だった。
クリーチャー — ビースト(Beast)
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
飛行
ブルードスターのパワーとタフネスは、あなたがコントロールするアーティファクトの数に等しい。
その後グレ神話など多くの亜種が登場し、特にダークスティール以降は電結の荒廃者/Arcbound Ravagerを主力に据えた、電結親和とその亜種である薬瓶親和がメタゲームのド真ん中を突っ走った。
アーティファクト クリーチャー — ビースト(Beast)
アーティファクト1つを生け贄に捧げる:電結の荒廃者の上に+1/+1カウンターを1個置く。
接合1(このクリーチャーは+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。これが死亡したとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはこれの+1/+1カウンターをすべてそれの上に置いてもよい。)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
アーティファクトが1つ戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、対戦相手1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーは1点のライフを失う」ことを選んでもよい。
1/1アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/-1の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが死亡するたび、カードを2枚引く。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)
親和の持つ爆発的な展開力に加え、
- 頭蓋骨絞め/Skullclampと電結の荒廃者/Arcbound Ravagerにより除去での対処がし辛い
- 大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultの様な軸をずらした攻撃手段があるため攻撃を止め難い
- 上記の頭蓋骨絞めや物読み/Thoughtcast、彩色の宝球/Chromatic Sphereなどのドロー手段により息切れもしにくい
といった特徴を持つ、非常に強力なデッキとなった。
間もなくキーカードの1つである頭蓋骨絞めを禁止カード指定により失ったものの、直近のフィフス・ドーンで得た頭蓋囲い/Cranial Platingが後釜としてそのスロットに入り込む。これにより多少の安定性は失ったものの、代わりに圧倒的な爆発力を入手し、依然として凶悪なまま君臨し続けた。
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき+1/+0の修整を受ける。
(黒)(黒):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それに頭蓋囲いをつける。
装備(1)
あまりにも強力だったため徹底的にメタられ、いくつかのアンチデッキも生み出されたほど。カード・プールの狭いブロック構築ではよりそれが顕著であった。
誕生と共に徹底的に目の敵にされながら、常にスタンダードを支配し続けた親和。だがそれがあだとなり、その命脈も遂に絶たれることになる。
2005年3月20日をもって、スタンダードでミラディン・ブロックに含まれる全てのアーティファクト・土地群と、主力である電結の荒廃者/Arcbound Ravager、大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultが禁止カードになる。これにより、親和はキーパーツをことごとく失い、スタンダードから引き摺り下ろされる形となった。
- さらに2006年3月20日、これら8枚と霊気の薬瓶/AEther Vialはミラディン・ブロック構築でも禁止される。最新ブロックでないブロック構築において、禁止カードが出されたのは異例のことである。
エクステンデッド
エクステンデッドでは、スタンダード初期の頃と本質的に変わらず。彩色の星/Chromatic Starやテラリオン/Terrarionなどの優秀なマナフィルターが採用される。
ローテーション以前のテンペスト期は非常にメタが多様であり、またよく回っていたため、安定性と応用を効かせ易い薬瓶親和型が好まれた。
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたは霊気の薬瓶の上に蓄積(charge)カウンターを1個置いてもよい。
(T):あなたの手札にある、マナ総量が霊気の薬瓶の上に置かれている蓄積カウンターの数に等しいクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。
当初はそれほど注目されていなかったが、Pierre Canaliがプロツアーコロンバス04をタッチ白の薬瓶親和で制したことにより、エクステンデッドにも親和あり、とその力を見せつけた。
これにより一躍メタゲームに踊り出たものの、スタンダードと違い溶融/Meltdownや破滅的な行為/Pernicious Deed、魔力流出/Energy Fluxなどの即投了級なカードも多かったため、それ以降はメタを読みながらの戦いであった。
ローテーション後の新エクステンデッド環境でも、主力であるミラディン・ブロックは残り、その力は健在であるかに見えたが、2005年9月20日より霊気の薬瓶/AEther Vialと大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultが禁止となり、薬瓶型は消滅。そのため、打撃戦1本で戦うことを余儀なくされた。
この時期はコントロール寄りのメタだったことから、メインデッキから真髄の針/Pithing Needleを採用したものが多い。
アーティファクト
真髄の針が戦場に出るに際し、カードの名前1つを選ぶ。
その選ばれた名前を持つ発生源の起動型能力は、それがマナ能力でないかぎり起動できない。
神河救済以降は上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendantによるソフトロックを掛けるエラヨウ親和も登場した。
ただ神河ブロック以後にも戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wageなど、いわゆる「対親和カード」が多く登場したこともあって、支配力はいまひとつといったところであった。
ローウィン以降はバネ葉の太鼓/Springleaf Drumを採用し、最序盤の展開力を重視するようになる(→太鼓親和)。また、アラーラの断片では強力なアタッカーとなるエーテリウムの達人/Master of Etheriumを獲得し、再びメタゲームの前線に現れた。
アーティファクト クリーチャー — ヴィダルケン(Vedalken) ウィザード(Wizard)
エーテリウムの達人のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールするアーティファクトの総数に等しい。
あなたがコントロールする他のアーティファクト・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
サンプルレシピ
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (23) | |
4 | 電結の荒廃者/Arcbound Ravager |
4 | 電結の働き手/Arcbound Worker |
4 | マイアの処罰者/Myr Enforcer |
4 | 金属ガエル/Frogmite |
4 | 羽ばたき飛行機械/Ornithopter |
3 | タルモゴイフ/Tarmogoyf |
呪文 (18) | |
4 | 物読み/Thoughtcast |
4 | 彩色の星/Chromatic Star |
4 | 頭蓋囲い/Cranial Plating |
3 | 真髄の針/Pithing Needle |
3 | トーモッドの墓所/Tormod's Crypt |
土地 (19) | |
4 | ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus |
1 | ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel |
2 | 空僻地/Glimmervoid |
4 | 教議会の座席/Seat of the Synod |
4 | 伝承の樹/Tree of Tales |
4 | 囁きの大霊堂/Vault of Whispers |
サイドボード | |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
3 | 原基の印章/Seal of Primordium |
3 | 燻し/Smother |
3 | 呪文嵌め/Spell Snare |
1 | タルモゴイフ/Tarmogoyf |
1 | トーモッドの墓所/Tormod's Crypt |
- 未来予知参入後のもの。アタッカーにタルモゴイフ/Tarmogoyfが採用されている。アーティファクトを生け贄に捧げる手段が豊富なため巨大化しやすく、戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wageなどの「対親和カード」の影響も受けずにすむ。
レガシー
レガシーにも開始期から存在している。
インスタント
この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。投げ飛ばしはそれに、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。
頭蓋骨絞め/Skullclampがないため息切れを起こしやすく、そのためスピードに特化する傾向にある。フィフス・ドーン以降標準搭載されるようになった頭蓋囲い/Cranial Platingはもちろんのこと、爆片破/Shrapnel Blastをはじめ、エイトグ/Atogや投げ飛ばし/Flingを投入して爆発力を高める構成のものが多い。
また少数ながら、青のカードを多く採用してForce of Willを使用可能にした、俗にAfFOWnityなどと表記されるタイプも存在する。Force of Will以外は、追加のドローに知識の渇望/Thirst for Knowledge、ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtともみ消し/Stifleや幻視の魔除け/Vision Charmとのコンボ、青い親和持ちである厳粛な空護り/Somber Hoverguardなどが採用される。
レガシー開始からしばらくの間は強化されることが無かった。しかしローウィンでバネ葉の太鼓/Springleaf Drumを獲得し展開力と色マナの安定度を高めた太鼓親和が登場し、レガシーにおいての親和の基本形となる。
その後はアラーラの断片からエーテリウムの達人/Master of Etheriumとエーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonistを加えた程度だったが、アーティファクトをテーマにしたミラディンの傷跡でオパールのモックス/Mox Opal、刻まれた勇者/Etched Champion、メムナイト/Memniteと、金属術系のものを始めとした有用なカードを次々に獲得する。
伝説のアーティファクト
金属術 ― (T):好きな色1色のマナ1点を加える。あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしているときにのみ起動できる。
これらによって安定性と速度を同時に高めることに成功し、中には往年の主力だった電結の荒廃者/Arcbound Ravagerが削られるタイプすら出てきた。
レガシーはコンボを除きクリーチャー主体のデッキが多いため、ヴィダルケンのセルターチ/Vedalken Certarchが用いられることが多い。他にも感電破/Galvanic Blastで最後の数点を削れるようにしたり、石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticで頭蓋囲い/Cranial Platingを水増ししつつ応用力を高めるといった構成が見られる。
メタが混沌としているレガシーの性質上、かつてのエクステンデッドほど強烈に対策されることは少ない。しかし、対策自体もエクステンデッドより簡単に出来るため、その点で風当たりは強い。
ヴィンテージ
ヴィンテージでは、頭蓋骨絞め/Skullclampを最大限に生かした構成が特長。必ずと言って良いほどマイアの苦役者/Myr Servitorが4枚採用されている。また、エラヨウ親和が主流であると言って良い。
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/-1の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが死亡するたび、カードを2枚引く。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)
アーティファクト クリーチャー — マイア(Myr)
あなたのアップキープの開始時に、マイアの苦役者が戦場に出ている場合、各プレイヤーは自分の墓地にある名前が《マイアの苦役者/Myr Servitor》であるすべてのカードを戦場に戻す。
1/1伝説のクリーチャー — ムーンフォーク(Moonfolk) モンク(Monk)
飛行
いずれかのターンに4つ目の呪文が唱えられるたび、上位の空民、エラヨウを反転する。
Erayo's Essence / エラヨウの本質 (1)(青)
伝説のエンチャント
対戦相手1人が各ターンの最初の呪文を唱えるたび、その呪文を打ち消す。
メタゲームにより頭蓋骨絞めがサイドアウトされているものも少数だが存在し、そちらは電結の荒廃者/Arcbound Ravagerを最大限に生かす構成で、羽ばたき飛行機械/Ornithopterと電結のとげ刺し/Arcbound Stingerが4枚ずつ投入されている。親和デッキにおいてはMoxがアーティファクト・土地の上位互換のように機能し、Mox他軽いマナ・アーティファクトとの相性は抜群である。
また、仕組まれた爆薬/Engineered Explosivesを多数搭載し、速度を稼ぐと共にコントロール能力を高めたものも多い。この環境には親和にとって致命的なパーマネントが多いため、それへの対策も兼ねられている。
それでもアーティファクトへの風当たりが厳しいことに変わりは無く、絶対数は多いとは言えず、さらに減少している。
Pauper
親和持ちのカードはコモンにも多いため、Pauperでも充分に成立する。なお頭蓋囲い/Cranial Platingは禁止カードである。
クリーチャー — ドローン(Drone)
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
飛行
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) シャーマン(Shaman)
アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:クラーク族のシャーマンは、すべての飛行を持たないクリーチャーに1点のダメージを与える。
1/1太鼓親和と同じように、バネ葉の太鼓/Springleaf Drumや彩色の星/Chromatic Starを並べて一気に親和持ちのクリーチャーを展開する。アタッカーとして厳粛な空護り/Somber Hoverguardが採用され、また、クリーチャーのサイズが直接アドバンテージに繋がりやすいことから水銀のビヒモス/Quicksilver Behemothまで投入された。
特筆すべき点としては、Pauperに存在する数少ない全体除去であるクラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shamanを採用することができ、さらにクラーク族のシャーマン自身が大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultとのギミックでフィニッシャーにもなれることが挙げられる。
その他の部分は様々なタイプがあり、親和カードと相性の良い流れ込む知識/Rush of Knowledge、展開力を更に高める水蓮の花びら/Lotus Petal、親和に貢献できる除去黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb、追加のアタッカーとして霞の悪鬼/Glaze Fiendなどが選択され採用された。また、多色デッキである上にマナフィルターを多く採用することから、各色の対策カードをサイドボードに積むことができる。
開始当初はメタゲームの一角を担い、その後も常に一定数存在してきた。
しばらくはそれ以上強化されることがなかったが、2010年の末頃、ミラディンの傷跡で金属術カードを、Masters Edition 4でエイトグ/Atogを得たことで強化された。
クリーチャー — エルフ(Elf) 工匠(Artificer)
金属術 ― 甲殻の鍛冶工は、あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしているかぎり+2/+2の修整を受ける。
2/2インスタント
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。感電破はそれに2点のダメージを与える。
金属術 ― あなたがアーティファクトを3つ以上コントロールしているなら、感電破は代わりに4点のダメージを与える。
親和デッキではアーティファクト・土地により金属術の達成が容易であり、甲殻の鍛冶工/Carapace Forgerは実質2マナ4/4のファッティ、感電破/Galvanic Blastは実質1マナ4点火力として機能する。金属術カードの中でもこの2枚の影響が特に強く、ほとんどのデッキに採用されている。また、これまでMagic Onlineではアンコモンでしか収録されていなかったエイトグがMasters Edition 4でコモンで収録されたことで、大霊堂の信奉者と組み合わせたグレ神話の動きが可能になり、攻撃力が一気に高まった。
その他ミラディンの傷跡ブロックで、ファッティと相性の良い飛行の呪文爆弾/Flight Spellbomb、追加のアタッカーとしてオーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaserなどの選択肢を得た。(ただしミラディンの傷跡ブロックには、鋼の妨害/Steel Sabotage、ファングレンの匪賊/Fangren Marauderなどのアンチアーティファクトカードも同時に収録されているため、対策もされやすくなっている。)
これらの強化により再びメタの前線に復帰した。