ストリオン共鳴体/Strionic Resonator

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
1行: 1行:
 
{{#card:Strionic Resonator}}
 
{{#card:Strionic Resonator}}
  
[[ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth]][[誘発型能力]]版。あちらが[[起動型能力]][[コピー]]する[[誘発型能力]]だったのに対し、こちらは誘発型能力をコピーする起動型能力となっている。
+
[[誘発型能力]][[コピー]]する[[アーティファクト]][[スタック]]上の[[呪文]]や[[起動型能力]]をコピーする[[カード]]はいくつか存在するが、誘発型能力をコピーするものはこれが初。
  
様々な[[カード]]との[[シナジー]]が考えられるが、これ自体は単体では仕事しないカードであり、ちょっとしたシナジーがある程度ならばわざわざこれを採用する必要はない。決まれば[[勝利]]できるかそれに準ずるほどの強力な[[コンボ]]が組めるか、[[ブリンク]]や[[出産の殻]]のように誘発型能力を持つカードが多く存在する[[デッキ]]ならば採用する価値はあるか。
+
様々なカードとの[[シナジー]]が考えられるが、これ自体は単体では何の仕事もしないカードであり、ちょっとしたシナジーがある程度ならばわざわざこれを採用する必要はない。決まれば[[勝利]]できるかそれに準ずるほどの強力な[[コンボ]]が組めるか、[[ブリンク]]や[[出産の殻]]のように誘発型能力を持つカードが多く存在する[[デッキ]]ならば採用する価値はあるか。
 +
 
 +
[[スタンダード]]では[[ボロスの反攻者/Boros Reckoner]]+[[冒涜の行動/Blasphemous Act]]の13点[[ダメージ]]を倍化する使い方が考えられる。[[モダン]]以下の[[環境]]では[[ストーム]]との組み合わせが有力。
 +
 
 +
*[[ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth]]とは対のようなデザイン。あちらが2[[マナ]]で起動型能力をコピーする誘発型能力を持つのに対し、こちらは2マナで誘発型能力をコピーする起動型能力を持つ。ただし、[[マナ・コスト]]は異なる。
  
 
==無限コンボの例==
 
==無限コンボの例==
*[[見えざる糸/Hidden Strings]]の[[暗号]][[戦闘ダメージ]]を[[与える|与えた]]ときの誘発型能力)をストリオン共鳴体でコピーし、見えざる糸のコピーでストリオン共鳴体と[[金粉の水蓮/Gilded Lotus]](その他3[[マナ]]以上生み出せるパーマネント)を[[アンタップ]]する。同じ操作を繰り返すことで[[無限マナ]]を生み出せる。登場直後の[[スタンダード]]でも(3か月程度ではあるが)成立するコンボ。
+
*[[見えざる糸/Hidden Strings]]の[[暗号]]によって[[クリーチャー]]に付与された「[[戦闘ダメージ]]を[[与える|与えた]]ときの誘発型能力」をストリオン共鳴体でコピーし、生成された見えざる糸のコピーでストリオン共鳴体と[[金粉の水蓮/Gilded Lotus]](他の[[タップ]]で3マナ以上生み出せる[[パーマネント]]でも可)を[[アンタップ]]する。同じ操作を繰り返すことで[[無限マナ]]を生み出せる。登場直後のスタンダードでも(3か月程度ではあるが)成立するコンボ。
**マナは[[戦闘ダメージ・ステップ]]中にしか使えないのでその間に決める必要があるが、無限マナを生み出した後は金粉の水蓮をアンタップする必要はなくなるため、見えざる糸の対象を[[剃刀式鞭/Razortip Whip]]や[[石臼/Millstone]]などに切り替えれば勝利できる。
+
**マナは[[戦闘ダメージ・ステップ]]中にしか使えないのでその間に決める必要があるが、無限マナを生み出した後は金粉の水蓮をアンタップする必要はなくなるため、見えざる糸の[[対象]]を[[剃刀式鞭/Razortip Whip]]や[[石臼/Millstone]]などに切り替えれば勝利できる。
*[[時の砂/Sands of Time]]の誘発型能力をストリオン共鳴体でコピーすることで、他に[[土地]]などで2マナ以上生み出せれば[[無限ループ]]を形成できる。
+
*[[時の砂/Sands of Time]]の誘発型能力をストリオン共鳴体でコピーすることで、[[土地]]などで2マナ以上生み出せる状況であればアーティファクト、クリーチャー、土地のアンタップを[[無限]]回行うことができる。他に土地が1枚でもあれば無限マナ。
**こちらも[[アップキープ・ステップ]]中に[[ゲーム]]を決める必要があるが、同時に他の[[アーティファクト]][[クリーチャー]]、土地がすべてアンタップされるため、無限マナなど[[エンドカード]]はいくらでも考えられる。
+
**こちらも[[アップキープ・ステップ]]中に[[ゲーム]]を決める必要があるが、[[ティム]]なり[[インスタント]]の[[X火力]]なり、[[エンドカード]]はいくらでも考えられる。
  
 
==ルール==
 
==ルール==
*誘発型能力が[[関連している能力]]を持っていた場合、コピーもそれらの能力と関連する。関連している能力が「追放されたカード」を参照する場合、能力は追放された各カードを参照する。能力が「追放されたカード」の情報を参照する場合、それらは追放された各カードの情報の総和が使用される。能力が「追放されたカード」に何かしようとする場合、それは追放された各カードに対して行われる。
+
[[ルール文章]]に書かれていることはシンプルだが、実際に使用するとなると結構ややこしいカード。特に[[関連している能力]]に関する[[ルール]]({{CR|607}})は、このカードの登場に合わせて改訂されているので注意。
**[[金属モックス/Chrome Mox]]は追放された各カードが持つ色の総和の中から1つ選ぶ事ができる。
+
 
 +
;基本ルール
 +
*[[注釈文]]にもある通り、基本的には「~とき/when」「~たび/whenever」「~時に/at」のいずれかの語を含むものが誘発型能力である。ただし、誘発型能力である(あるいは誘発型能力を含む)[[キーワード能力]]も存在する。
 +
*これはスタック上に存在する[[オブジェクト]]としての誘発型能力をコピーする。パーマネントのルール文章に書かれた誘発型能力そのものを倍化するようなことはできない。
 +
**[[地獄乗り/Hellrider]]を含む5体のクリーチャーで[[攻撃]]した場合、1点ダメージを与える誘発型能力5個がスタックに置かれる。このカードを使っても、ダメージ量は1点しか増やすことはできない。
 +
*どのような誘発型能力が「[[あなた]]が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]する誘発型能力」となるのかについては[[コントローラー#誘発型能力のコントローラー|コントローラー]]を参照。
 +
*誘発型能力の持つ情報のうち、具体的に何がコピーされるのかについては[[コピー可能な値]]を参照。
 +
*コピーの[[発生源]]は、元となった誘発型能力の発生源と同一である。
 +
 
 +
;個別の事例
 +
*[[遅延誘発型能力]]も誘発型能力の一種であるため、コピーできる。ただし、単に生成されただけの遅延誘発型能力をコピーすることはできない。コピー可能なのは、あくまで[[誘発]]してスタックに置かれた遅延誘発型能力である。
 +
*[[マナ能力]]である誘発型能力([[ザル=ターの古きもの/Zhur-Taa Ancient]]など)は、スタックを用いず直ちに[[解決]]されるため、コピーすることはできない。
 +
*[[モード]]や複数の対象に対する[[割り振る|割り振り]]はコピーされ変更できないが、[[能力]]の解決時に行われる選択はコピーされない。
 +
**[[天使の散兵/Angelic Skirmisher]]の誘発型能力はモードの書式ではないので、キーワード能力は解決時に選ぶ。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なるキーワード能力を選択することができる。
 +
**[[巨森のハイドラ/Vastwood Hydra]]の誘発型能力は対象を取らないので、[[カウンター (目印)|カウンター]]の割り振りは解決時に決定する。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なる分配をすることができる。[[昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star]]との違いに注意。
 +
**「~とき/たび/時に、あなたは~してもよい。そうした場合、~する。」の書式で書かれた誘発型能力([[強請]]など)は、解決時に[[コスト]]の[[支払う|支払い]]を行う。そのような能力をコピーした場合、元の能力だけでなくコピーについても、[[効果]]を得たければ別途コストを支払う必要がある。
 +
*一度[[領域]]を離れたオブジェクトは、再びその領域に[[戻す|戻って]]きても別のオブジェクトとして扱われる点に注意。
 +
**[[スラーグ牙/Thragtusk]]を対象とした[[修復の天使/Restoration Angel]]の[[CIP]]能力をコピーし、対象を[[対象の変更|変更]]しなかった場合、コピーのCIP能力によって[[明滅]]したスラーグ牙は別のオブジェクトとなっており、元々のCIP能力は[[不正な対象|対象不適正]]で[[立ち消え|立ち消える]]。
 +
**[[絡み根の霊/Strangleroot Geist]]の[[不死]]をコピーし、コピーの不死の解決後に、[[戦場]]に戻った絡み根の霊を[[破滅の刃/Doom Blade]]で再び[[墓地に置く|墓地に置いた]]場合、その後解決される元々の不死は絡み根の霊を戦場に戻すことはできない。
 +
*[[両面カード]]を[[変身]]させる誘発型能力をコピーした場合、その両面カードは2度変身し、元の面に戻る。
 +
**[[無謀な浮浪者/Reckless Waif]]の「無謀な浮浪者を変身させる」能力をコピーした場合、まずコピーが解決されて無謀な浮浪者は[[無謀な浮浪者/Reckless Waif|無慈悲な捕食者/Merciless Predator]]に変身する。このケースでの「無謀な浮浪者」はそのオブジェクト自身のことを指しており、また両面カードは変身しても同一のオブジェクトとして扱うことから、元々の変身能力は「無慈悲な捕食者を変身させる」こととなり、無慈悲な捕食者は無謀な浮浪者に戻る。
 +
**[[状況誘発]]である[[情け知らずのガラク/Garruk Relentless]]の場合は、2度変身した後、状況に変化がなければ再度誘発し、[[夜の面]]になる。
 +
 
 +
;関連している能力
 +
*誘発型能力が関連している能力を持っていた場合、コピーもそれらの能力と関連する。関連している能力が「[[追放]]されたカード」を参照する場合、能力は追放された各カードを参照する。能力が「追放されたカード」の情報を参照する場合、それらは追放された各カードの情報の総和を使用する。能力が「追放されたカード」に何かしようとする場合、それは追放された各カードに対して行われる。
 +
**[[金属モックス/Chrome Mox]]は追放された各カードが持つ[[色]]の総和の中から1つ選ぶことができる。
 
**[[鏡のゴーレム/Mirror Golem]]は追放された各カードの[[カード・タイプ]]に対する[[プロテクション]]を持つ。
 
**[[鏡のゴーレム/Mirror Golem]]は追放された各カードの[[カード・タイプ]]に対する[[プロテクション]]を持つ。
**[[等時の王笏/Isochron Scepter]]は1回の起動で、追放された各カードそれぞれについて「コピーを作って唱える」かを選ぶ。
+
**[[等時の王笏/Isochron Scepter]]は1回の起動で、追放された各カードそれぞれについて「コピーを作って[[唱える]]」かどうかを選ぶ。
**[[忘却の輪/Oblivion Ring]]は追放されたカードはすべて同時に戦場に戻ってくる。
+
**[[忘却の輪/Oblivion Ring]]の場合、追放されたカードはすべて同時に戦場に戻ってくる。
**[[排他の儀式/Exclusion Ritual]]は追放された各カードすべてを唱える事を禁止する。
+
**[[排他の儀式/Exclusion Ritual]]の場合、追放されたどのカードも唱えることができなくなる。
**[[精鋭秘儀術師/Elite Arcanist]]の起動コストは追放されている各カードの点数で見たマナ・コストの総和となる。解決時に追放された各カードそれぞれについて、好きな順番でそのコピーを唱えるかどうか選ぶ。1つのカードを選んでその分の起動コストだけ[[支払う]]ことはできない。
+
**[[精鋭秘儀術師/Elite Arcanist]]の[[起動コスト]]は追放されている各カードの[[点数で見たマナ・コスト]]の総和となる。解決時に追放された各カードそれぞれについて、好きな順番でそのコピーを唱えるかどうかを選ぶ。1つのカードを選んでその分の起動コストだけ支払うことはできない。
  
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ftl/255 Resonant Frequency]([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Default.aspx Daily MTG]、From the Lab、文:[[Mike Cannon]])
 +
*[[コピーカード]]
 
*[[カード個別評価:基本セット2014]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:基本セット2014]] - [[レア]]

2013年7月14日 (日) 16:08時点における版


Strionic Resonator / ストリオン共鳴体 (2)
アーティファクト

(2),(T):あなたがコントロールする誘発型能力1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。(誘発型能力には「~とき」「~たび」「~時に」のいずれかが書かれている。)


誘発型能力コピーするアーティファクトスタック上の呪文起動型能力をコピーするカードはいくつか存在するが、誘発型能力をコピーするものはこれが初。

様々なカードとのシナジーが考えられるが、これ自体は単体では何の仕事もしないカードであり、ちょっとしたシナジーがある程度ならばわざわざこれを採用する必要はない。決まれば勝利できるかそれに準ずるほどの強力なコンボが組めるか、ブリンク出産の殻のように誘発型能力を持つカードが多く存在するデッキならば採用する価値はあるか。

スタンダードではボロスの反攻者/Boros Reckoner冒涜の行動/Blasphemous Actの13点ダメージを倍化する使い方が考えられる。モダン以下の環境ではストームとの組み合わせが有力。

無限コンボの例

ルール

ルール文章に書かれていることはシンプルだが、実際に使用するとなると結構ややこしいカード。特に関連している能力に関するルールCR:607)は、このカードの登場に合わせて改訂されているので注意。

基本ルール
  • 注釈文にもある通り、基本的には「~とき/when」「~たび/whenever」「~時に/at」のいずれかの語を含むものが誘発型能力である。ただし、誘発型能力である(あるいは誘発型能力を含む)キーワード能力も存在する。
  • これはスタック上に存在するオブジェクトとしての誘発型能力をコピーする。パーマネントのルール文章に書かれた誘発型能力そのものを倍化するようなことはできない。
    • 地獄乗り/Hellriderを含む5体のクリーチャーで攻撃した場合、1点ダメージを与える誘発型能力5個がスタックに置かれる。このカードを使っても、ダメージ量は1点しか増やすことはできない。
  • どのような誘発型能力が「あなたコントロールする誘発型能力」となるのかについてはコントローラーを参照。
  • 誘発型能力の持つ情報のうち、具体的に何がコピーされるのかについてはコピー可能な値を参照。
  • コピーの発生源は、元となった誘発型能力の発生源と同一である。
個別の事例
  • 遅延誘発型能力も誘発型能力の一種であるため、コピーできる。ただし、単に生成されただけの遅延誘発型能力をコピーすることはできない。コピー可能なのは、あくまで誘発してスタックに置かれた遅延誘発型能力である。
  • マナ能力である誘発型能力(ザル=ターの古きもの/Zhur-Taa Ancientなど)は、スタックを用いず直ちに解決されるため、コピーすることはできない。
  • モードや複数の対象に対する割り振りはコピーされ変更できないが、能力の解決時に行われる選択はコピーされない。
    • 天使の散兵/Angelic Skirmisherの誘発型能力はモードの書式ではないので、キーワード能力は解決時に選ぶ。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なるキーワード能力を選択することができる。
    • 巨森のハイドラ/Vastwood Hydraの誘発型能力は対象を取らないので、カウンターの割り振りは解決時に決定する。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なる分配をすることができる。昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Starとの違いに注意。
    • 「~とき/たび/時に、あなたは~してもよい。そうした場合、~する。」の書式で書かれた誘発型能力(強請など)は、解決時にコスト支払いを行う。そのような能力をコピーした場合、元の能力だけでなくコピーについても、効果を得たければ別途コストを支払う必要がある。
  • 一度領域を離れたオブジェクトは、再びその領域に戻ってきても別のオブジェクトとして扱われる点に注意。
  • 両面カード変身させる誘発型能力をコピーした場合、その両面カードは2度変身し、元の面に戻る。
    • 無謀な浮浪者/Reckless Waifの「無謀な浮浪者を変身させる」能力をコピーした場合、まずコピーが解決されて無謀な浮浪者は無慈悲な捕食者/Merciless Predatorに変身する。このケースでの「無謀な浮浪者」はそのオブジェクト自身のことを指しており、また両面カードは変身しても同一のオブジェクトとして扱うことから、元々の変身能力は「無慈悲な捕食者を変身させる」こととなり、無慈悲な捕食者は無謀な浮浪者に戻る。
    • 状況誘発である情け知らずのガラク/Garruk Relentlessの場合は、2度変身した後、状況に変化がなければ再度誘発し、夜の面になる。
関連している能力
  • 誘発型能力が関連している能力を持っていた場合、コピーもそれらの能力と関連する。関連している能力が「追放されたカード」を参照する場合、能力は追放された各カードを参照する。能力が「追放されたカード」の情報を参照する場合、それらは追放された各カードの情報の総和を使用する。能力が「追放されたカード」に何かしようとする場合、それは追放された各カードに対して行われる。

参考

QR Code.gif