セラの天使/Serra Angel

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Serra Angel / セラの天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)

飛行、警戒

4/4

飛行警戒を持った大型クリーチャーマジック:ザ・ギャザリング初の天使であり、マジックを象徴する顔となるカードの1つ。

目次

セット収録と利用、人気

リミテッド・エディション第4版

基本セットの常連という立ち位置であった。回避能力の飛行に加え警戒を生かすのに十分な4/4というサイズがあるため攻防両面で活躍でき、リミテッド・エディション時代からの同期である大気の精霊/Air Elementalと比べても明らかに優れている。比較的集めやすいアンコモンなのも魅力の1つだった。白のフィニッシャーとしてもてはやされ、グッドスタッフ的なThe Deckセラマゲドン戦略などで結果を残した。高いカードパワーも相まってキャラクターとしての人気も高く、マジックを象徴するカードとしてイラストを用いた関連商品やフィギュアが発売されたり、公式記事でも話題が取り上げられ、Rebecca Guayのイラストによるコミック版セラの天使の発刊を始めとして、掌編などにも度々登場した。ホームランドでは、この天使の創造主であるセラ/Serraが設定された。

第5版第6版での不在

第5版ではカードパワーの高さが問題として取り上げられることになり、「白の能力としてはあまりにも低コスト」「深刻なデザイン上の制約とプレイバランスの問題を発生させる」という理由で[1]収録されなかった。第5版のカードリストが発表された際にはウィザーズ社に対する猛烈な反発の声が寄せられ、多くのプレイヤーがセラの天使不在を受け入れられなかったという[2]。Duelist誌25号では「第5版でセラの天使たちに何が起きたのか」という質問に対し「彼女たちは今でもどこかで悪党を懲らしめている」と回答するくだりがあった。

ウルザ・ブロックでは設定上のセラの天使が複数カード化あるいはイラストに登場し、故郷であるセラの領土/Serra's Realmが物語の舞台のひとつとして大きくクローズアップされたが、このカード自体は登場しなかった。第6版でもやはり再録はなされなかった。

第7版第10版

セラの天使の退場を惜しいと考えていたマジックのブランド部門は、第7版開発時にR&Dに対して復活を強く要望した。R&Dは初めは躊躇したものの、その頃の環境の見直しを行った上で、カードパワーの問題はすでにないとして再録を決定。稀少度レアに格上げされ、基本セットに再び返り咲いた[2]。第7版の広告では新規イラストに「彼女が帰ってくる。」のキャッチコピーが打たれて大きく宣伝され、朱鷺田祐介デュエリスト・ジャパンVol.14に『帰還せし「彼女」~天使の伝説』を寄稿して解説を行っている[3]。ただし全体的にクリーチャーの質が向上しており、直前のプレーンシフトに収録されていた火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuに対抗できないこともあってかつてほどの採用頻度には至らなかった。その後も白コントロールなどのフィニッシャーとしては賛美されし天使/Exalted Angel正義の命令/Decree of Justiceといった優秀なカードの陰に隠れたままだった。

基本セット2010基本セット2014

基本セット2010では稀少度がアンコモンに戻って収録。同時に神話レアとして悪斬の天使/Baneslayer Angelが登場しており、警戒があるぶん下位互換ではないとはいえカードパワーでは明らかに劣るためやはり構築での活躍には恵まれなかった。もっともこの同時収録は「リミテッドでは依然として強力」「構築ではすでに力不足であり、似たデザインでよりよい性能のカードを作らないことにこだわる必要はない」といった意図に基づくものである[4]。これ以降もアンコモンで再録され続けた。

基本セット2015以降

基本セット2015マジック・オリジンでは番外カードとしての収録に留まり、リミテッドでの活躍の機会を失った。代わりに、白のアンコモンにはその基本セットにおけるテーマに沿った天使である衆生の熾天使/Seraph of the Masses(基本セット2015)や勇者の守護神/Patron of the Valiant(マジック・オリジン)が収録されている。以降もウェルカム・デッキでの収録が続き、リミテッド向けの製品には中々収録されなかった。

ドミナリアで再録。初めてとなるエキスパンションへの収録であり、久々にリミテッドでの日の目を浴びた。

2019年10月、エルドレインの王権発売と同時にドミナリアローテーション落ちを迎える。精神腐敗/Mind Rotと並んで基本土地を除いて最も長くスタンダードに現存していたこのカードだったが、この際に8年6ヵ月のスタンダード在籍を終えた。

その後5年の月日を経てファウンデーションズで再録。やはり構築では力不足だが、いまだにリミテッドではフィニッシャーとして採用できる性能。

開発秘話

セラの天使開発にはいくつかの逸話がある。

女性の戦天使
セラの天使が女性の姿なのには訳がある。聖書における天使は性別がないとされるものの男性名がつけられていることから、典型的な戦天使は男性イメージであった。しかし、リチャード・ガーフィールドは既成イメージと異なる女性的な戦う天使を望んだため、マジック初のセットであるリミテッド・エディションにセラの天使が誕生することになった。北欧神話のヴァルキリーのような女性戦士の影響もあったとされる[2]
プレイテストカード
開発初期は単に「Angel」と名付けられ、テストカードではコミック「X-メン」のスーパーヒーローの1人、エンジェルのイラスト切抜きを代用した。この時点ですでにマナ・コストが3WW、サイズは4/4、空を飛び、攻撃時にタップしない(not tapped on the attack)能力を備えていた[5]
「セラ」という名前
リチャード・ガーフィールドは当初、タフな女戦士のイメージを強めるため、イラストでは「serrated sword(鋸状の、ギザギザの剣)」を持たせることを思い描いた。カード名に含まれる「セラ/Serra」とは、この"serrated"に由来する命名である。この名前の由来は、雑誌や公式サイトなどで繰り返し語られている有名な話である。
製品版では「ギザギザの剣」を持っていないが、Douglas ShulerDuelist誌14号の記事Serra Angelにおいて、イラストを指定されたときには単に「Angel」と呼ばれていただけで「ギザギザの剣」に関する部分は後から聞かされたと語っている。
また、セラの天使を「セラ」と略して呼ぶことは定着している。ホームランドでセラがプレインズウォーカー/Planeswalkerの名前と設定された後でも使い分けられており、基本セット2010現在の公式記事でも「Serra = セラの天使」は珍しくはない。

その他

関連カード

主な亜種

ストーリー

詳細はセラの天使/Serra Angel (ストーリー)を参照。

脚注

  1. Taming the Flames(Duelist誌17号)
  2. 2.0 2.1 2.2 Que Serra, Serra - Wayback Machine(2004年7月4日アーカイブ分)(Making Magic 2004年6月21日 Mark Rosewater著)
  3. ただし解説には「セラは地名」など誤情報が含まれるので注意
  4. Magic 2010, the New Player, and You - Wayback Machine(2009年7月30日アーカイブ分)(Feature 2009年7月27日 Aaron Forsythe著)
  5. The Making of Arabian NightsDaily MTG 2002年8月5日 Richard Garfield著、マナ・コストに5WWと記載されているがこれは製品版の3WWと同じ意味を持つ)
  6. A Few Words From R&D(Making Magic 2005年1月24日 Mark Rosewater著)
  7. 戦いは白焔の舞台へ『ロード オブ ヴァーミリオンII』(ファミ通.com)
  8. カーンにチャンドラ、ニコルも登場!? パズル&ドラゴンズ×マジックコラボ、6月25日(月)より始動!(こちらマジック広報室!! 2018年6月25日)
  9. 25th Anniversary マジック:ザ・ギャザリング展
  10. 《セラの天使》 - デュエル・マスターズ Wiki
  11. まさかの逆輸入コラボ!9~12月はFNMでスタンダードを遊んで「マジック×デュエマプロモ」をゲットしよう(マジック日本公式サイト 2023年8月10日)

参考

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