ストンピィ
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ストンピィ(Stompy)
高速ビートダウンデッキ。 狭義では緑単色やそれに準じたのもの、広義には、多色や赤単なども含めて、 パワーの高いクリーチャーを高速で展開して殴り切るウィニーデッキ全般を呼ぶ。
ただし、エルフ・ビートなどの部族デッキは構造が特殊なためこの名では呼ばない。
この項目では緑単色のものを紹介する。
極端にマナレシオの良いクリーチャーを使用するか、或いはマナ加速を併用して一気にビートダウンする。 巨大化/Giant Growth系の強化呪文を多用し、本体へのダメージを強く追い求める構成が多い。 コントロールカードは、メインデッキには数枚程度しか入っていない事が多い。
- デッキ名の由来は英語の"stomp"から。
象などの大きな生き物が何かを踏みつける擬音語であり、初期のキークリーチャーの一つ、はぐれ象/Rogue Elephantをイメージしている。
比較的安価で作れることから初心者にも構築しやすく、根強い人気を誇るデッキタイプである。 1ターン目にマナ・クリーチャーを出すかデメリット付きの中堅クリーチャーを出すかの見極めが付けば脱初心者も近いだろう。
- 主にレガシーで活躍する、古えの墳墓/Ancient Tombによるマナ加速から展開するデッキのことも「〜ストンピィ」というが、本項の緑単ストンピィとはほとんど別物である。→エンジェル・ストンピィ、フェアリー・ストンピィ
- また、神河〜ラヴニカ期のスタンダードにはスノウ・ストンピィ、シー・ストンピィと呼ばれるグッドスタッフ系クロック・パーミッションデッキが存在するが、それも緑単ストンピィとは異なる。(これらの「ストンピィ」の名の由来についてはスノウ・ストンピィの名を参照のこと。)
時のらせんブロック期
次元の混乱で多くの優秀クリーチャーを獲得したことで復活を果たす。
軽量クリーチャーを並べて押し切る従来のコンセプトからやや外れ、地壊し/Groundbreakerやティンバーメア/Timbermareなどの高性能速攻クリーチャーを火力呪文のように叩き付けるタイプのビートダウンが登場した。 環境が大量のクリーチャーを並べることに逆風のため、単体の質と即効性を上げることでコントロールへの耐性を得た点が大きな違いである。 また、環境にクァーグノス/Quagnothという非常に除去もしづらい、カウンターもできないクリーチャーがいることも追い風になった。 動きが噛み合ったときのスピードもあるが、速攻クリーチャーの大半が+αの回避能力を持つため、最後の数点をもぎ取る能力も緑ビートダウンとして優秀な部類に入る。
こういった速攻クリーチャーが低コスト、高パワー、元々使い捨てである点を利用しよりよい品物/Greater Goodで息切れを防ぐバージョンや、 速攻と相性が良く、マナカーブ的にも投入しやすい原初の腕力魔道士/Primal Forcemageを利用したバージョンもある。特に次元の混乱で得たウークタビー・ドレイク/Uktabi Drakeとのシナジーが強力。
スタンダードでも活躍を見せつつある。
サンプルレシピ
- 速攻クリーチャーを多数抱えているが使い捨て的な物を極力削った従来のストンピィに近いタイプ。
12体もの敵からの呪文を受け付けないクリーチャー群が単体除去を強くメタった構造になっている。 それに対してアドバンテージを得やすいが除去自体はされ易い獣群の呼び声/Call of the Herdは不採用となっている。
ミラディン・ブロック+神河ブロック期
親和全盛期はアーティファクト破壊メインの緑コントロールが中心だったが、禁止カードによる親和消滅後は装備品などを使ったビートダウンタイプのデッキが登場した。
軽いウィニークリーチャーを高速で展開しブランチウッドの鎧/Blanchwood Armorなどでサポートしつつ殴り殺す。
桜族の長老/Sakura-Tribe Elderのランドブーストから創造の標/Beacon of Creationやブランチウッドの鎧/Blanchwood Armorに繋ぐシナジーも盛り込まれている。
サンプルレシピ
- 備考
- オランダ選手権05 ベスト8(参考)
- 使用者:Rudy Meijer
- フォーマット
ミラディン・ブロック構築
親和メタの緑コントロールが主体の環境において、ビートダウンにシフトしたアグレッシブなデッキも登場した。
トロールの苦行者/Troll Asceticなどのクリーチャーを展開しつつ、アーティファクト破壊で相手の足を止めて殴り殺す。 いわゆるウィニーよりもかなり重めの構成になっている。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリチューリッヒ04 ベスト8(参考)
- 使用者:Charles Delvaux
- フォーマット
オデッセイ・ブロック構築
オデッセイ・ブロックの強力な緑クリーチャーをベースにしたビートダウンデッキ。
野生の雑種犬/Wild Mongrelや獣群の呼び声/Call of the Herdなどの優秀なクリーチャーを展開し、最後は踏み荒らし/Overrunで押し潰す。
クリーチャーの質自体は他の時期のものと比べても遜色ないが、環境に黒コントロールなどのマス・デストラクション系コントロールデッキが溢れており、またデッキパワーの点でも他のデッキに劣っていたためほとんど活躍を上げることはできなかった。
ウルザ・ブロック期
野生の犬/Wild Dogs、飛びかかるジャガー/Pouncing Jaguar、アルビノ・トロール/Albino Trollなどを高速展開するデッキ。
上記の優秀なウィニークリーチャーに加え、ウルザズ・レガシー当時で最強の緑カードと謳われた怨恨/Rancorの存在が大きい。 同時期のスタンダードやウルザ・ブロック構築などで活躍した。
ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradleによるマナ加速を生かして非常に強力なマスティコア/Masticoreの除去を活用する場合もある。 (ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradleは1999年7月1日付けでウルザ・ブロック構築の禁止カードに指定されている。)
ネメシス参入後はからみつく鉄線/Tangle Wireで相手の動きを妨害するタングルストンピィというデッキも現れた。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーニューヨーク99 ベスト8(参考)
- 使用者:Christian Lührs
- フォーマット
- ウルザ・ブロック構築のバージョン。
スタンダードのものは、World Championship Decks 1999を参照のこと。
ミラージュ・ブロック期
冬の宝珠/Winter Orbによるマナロックをクウィリーオン・レインジャー/Quirion Rangerとマナ・クリーチャーで維持しながら殴り殺すセニョールストンピィと呼ばれるデッキが登場。
詳細はセニョールストンピィのページを参照のこと。
サンプルレシピ
- 備考
- The Finals97 ベスト8
- 使用者:景山太郎
- フォーマット
旧エクステンデッド
2002年ローテーション前のエクステンデッドにはクレイジーグリーンというデッキが存在していた。
土地譲渡/Land Grantを生かすために土地を切り詰めて超軽量構造に仕上げたデッキ。 最後は怨恨/Rancorのカードパワーで押し切る。
こちらも詳細はクレイジーグリーンのページを参照のこと。
レガシー
レガシーでも、少数ではあるが存在する。 その中でも「バーサクストンピィ」という超高速型が主流。
まず、スクリブ・スプライト/Scryb Sprites、スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk、シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalkerといった、ブロックされづらい特性のクリーチャーを展開する。
さらにそれらを、怨恨/Rancor、古きクローサの力/Might of Old Krosa、力の印章/Seal of Strengthなどで強化し、そのパワーをBerserkによって爆発させトドメをさす。
また、カヴーの捕食者/Kavu Predatorと激励/Invigorateのシナジーも同時に搭載される事が多い。