放逐する僧侶/Banisher Priest
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− | *[[2014年]]3月の[[フライデー・ナイト・マジック]]で新規[[絵|イラスト]]版の[[プロモーション・カード]] | + | |
+ | *[[ナイトメア能力]]、あるいは[[忘却の輪/Oblivion Ring]]能力に代わる「持続期間を持つ[[領域]]変更」能力を持った初めての[[カード]]。[[基本セット2014]]には他に[[壮大な鯨/Colossal Whale]]も収録されている。 | ||
+ | **ナイトメア能力は、[[戦場に出る]]時の[[誘発型能力]]が[[スタック]]に置かれている間にそのカードを[[戦場を離れる|戦場から離れ]]させることで、[[対象]]のカードを永久に追放できる裏技的なテクニックがあった。[[開発部]]は、これをマジックの複雑なルールの相互作用として楽しむファンも存在することはわかっていたが、カードが意図している以外の働きをするのは良くないことであり、プレイヤーを混乱させゲームを楽しませるものではないとして、この新しい能力とルールが作られた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/magic-2014-update-bulletin-2013-07-12 Magic 2014 Update Bulletin](Feature 2013年7月12日)</ref>。 | ||
+ | **この効果は、このカードを元に「放逐する僧侶能力/Banisher Priest-like effects」、あるいは「放逐/Banishing」と呼ばれる<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019007/ メカニズム的カラー・パイ 2017年版](Making Magic 2017年6月5日</ref><ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019078/ 『破滅』の情報 その1](Making Magic 2017年7月3日)</ref>。 | ||
+ | *[[2014年]]3月の[[フライデー・ナイト・マジック]]で新規[[絵|イラスト]]版の[[プロモーション・カード]]が配布された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/march-through-may-fnm-promo-update-2014-03-03 March Through May FNM Promo Update]/[http://mtg-jp.com/publicity/0008618/ 3月、4月、5月のフライデー・ナイト・マジック プロモカード](Feature 2014年3月3日)</ref>。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
*能力の[[解決]]時に放逐する僧侶が既に[[戦場を離れる|戦場を離れて]]いた場合、クリーチャーは追放されない。 | *能力の[[解決]]時に放逐する僧侶が既に[[戦場を離れる|戦場を離れて]]いた場合、クリーチャーは追放されない。 | ||
− | * | + | *これは「戦場を離れるまで追放する」で1つの効果である。放逐する僧侶の能力を解決してクリーチャーを追放したなら、その後なんらかの効果で放逐する僧侶が能力を失った状態で戦場を離れても、追放したクリーチャーは戦場に戻る。 |
− | ** | + | *追放したクリーチャーが戦場に戻る処理は、放逐する僧侶が戦場を離れる際に、放逐する僧侶が戦場を離れるのと完全に同時に行われる。これは[[誘発型能力]]でも[[状況起因処理]]でもなく、呪文や能力の解決中でも即座に行われる。 |
− | *[[ | + | **例:[[時の一掃/Time Wipe]]で自分の放逐する僧侶を手札に戻したなら、それと同時に、追放されていたクリーチャーは戦場に戻り、そのまま時の一掃によって[[破壊]]される。 |
+ | *戦場に戻るクリーチャーが放逐する僧侶と同時に戦場に存在するタイミングはない。たとえば、戦場に戻されるクリーチャーが[[クローン/Clone]]であった場合、それは放逐する僧侶のコピーとして戦場に戻ることはできない。 | ||
+ | *[[多人数戦]]で放逐する僧侶の[[オーナー]]が[[ゲーム]]を離れた場合も、追放されたクリーチャーは戦場に戻る。追放していたカードを戻す処理は[[スタック]]に置かれる能力ではないため、オーナーがゲームを離れることによって消滅することもない。 | ||
+ | *[[統率者]]であるクリーチャーを追放した場合、それのオーナーは、次の状況起因処理でそれを追放領域から[[統率]]領域へ移動させることができるが、そうした場合、放逐する僧侶が戦場を離れても統率者は戦場に戻らない(統率領域に留まる)。追放領域に移動したあとでさらに領域を移動したため、[[オブジェクト]]を見失うからである。[[領域変更誘発]]の項も参照。統率領域に移動させなかった場合は、通常通り戦場に戻る。 | ||
+ | **これは[[基本セット2021]]発売に伴うルール変更によるものである。以前は状況起因処理ではなく[[置換効果]]によって統率領域へ移動させていたため、放逐する僧侶が戦場を離れれば、そのカードが一度も統率領域から移動していなかったなら戦場に戻っていた。 | ||
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+ | 「放逐」能力を持つクリーチャー。特筆しない限り[[ETB]]誘発で対戦相手のクリーチャー1体を追放し、能力は強制。 | ||
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+ | 同様の能力を持つ[[エンチャント]]は[[払拭の光/Banishing Light]]を参照。 | ||
+ | *[[束縛スリヴァー/Constricting Sliver]] - 6マナ3/3。放逐する僧侶の能力を共有する[[スリヴァー]]。([[基本セット2015]]) | ||
+ | *[[牢獄の管理人、ヒクサス/Hixus, Prison Warden]] - 5マナ4/4。これが戦場に出たターン中にあなたに[[戦闘ダメージ]]を[[与える|与えた]]全クリーチャーを追放。[[瞬速]]持ち。([[マジック・オリジン]]) | ||
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+ | *[[雑集家、ラグレーラ/Lagrella, the Magpie]] - [[緑白青]]3マナ2/3。互いに[[コントローラー]]が別なら望む数を対象にできる。それがあなたのコントロール下で戦場に戻ると+1/+1カウンターが2個乗る。([[ニューカペナの街角]]) | ||
+ | *[[別館の歩哨/Annex Sentry]] - 3マナ1/4。有色[[アーティファクト・クリーチャー]]。[[マナ総量]]3以下しか追放できないが、アーティファクトも対象にできる。[[毒性]]1持ち。([[ファイレクシア:完全なる統一]]) | ||
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+ | *[[人狐のボディガード/Werefox Bodyguard]] - 3マナ2/2。あなたのクリーチャーも対象できる。(1)(白)でこれを生け贄に捧げると2点[[回復]]。瞬速持ち。([[エルドレインの森]]) | ||
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==参考== | ==参考== | ||
*[[一時的に追放するカード]] | *[[一時的に追放するカード]] | ||
*[[カード個別評価:基本セット2014]] - [[アンコモン]] | *[[カード個別評価:基本セット2014]] - [[アンコモン]] | ||
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2024年8月28日 (水) 16:40時点における最新版
Banisher Priest / 放逐する僧侶 (1)(白)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
放逐する僧侶が戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、放逐する僧侶が戦場を離れるまでそれを追放する。(そのクリーチャーはオーナーのコントロール下で戦場に戻る。)
2/2悪鬼の狩人/Fiend Hunterと比べると、自分がコントロールするクリーチャーを追放できない点や明滅による確定除去コンボができない点で劣るが、強力な能力であることには変わりない。ビートダウンデッキに組み込みやすい擬似除去としての活躍が期待できる。パワーが1しかない悪鬼の狩人とは異なり、アタッカーとして最低限のパワーを持つことも嬉しい要素だろう。
- ナイトメア能力、あるいは忘却の輪/Oblivion Ring能力に代わる「持続期間を持つ領域変更」能力を持った初めてのカード。基本セット2014には他に壮大な鯨/Colossal Whaleも収録されている。
- 2014年3月のフライデー・ナイト・マジックで新規イラスト版のプロモーション・カードが配布された[4]。
[編集] ルール
- 能力の解決時に放逐する僧侶が既に戦場を離れていた場合、クリーチャーは追放されない。
- これは「戦場を離れるまで追放する」で1つの効果である。放逐する僧侶の能力を解決してクリーチャーを追放したなら、その後なんらかの効果で放逐する僧侶が能力を失った状態で戦場を離れても、追放したクリーチャーは戦場に戻る。
- 追放したクリーチャーが戦場に戻る処理は、放逐する僧侶が戦場を離れる際に、放逐する僧侶が戦場を離れるのと完全に同時に行われる。これは誘発型能力でも状況起因処理でもなく、呪文や能力の解決中でも即座に行われる。
- 例:時の一掃/Time Wipeで自分の放逐する僧侶を手札に戻したなら、それと同時に、追放されていたクリーチャーは戦場に戻り、そのまま時の一掃によって破壊される。
- 戦場に戻るクリーチャーが放逐する僧侶と同時に戦場に存在するタイミングはない。たとえば、戦場に戻されるクリーチャーがクローン/Cloneであった場合、それは放逐する僧侶のコピーとして戦場に戻ることはできない。
- 多人数戦で放逐する僧侶のオーナーがゲームを離れた場合も、追放されたクリーチャーは戦場に戻る。追放していたカードを戻す処理はスタックに置かれる能力ではないため、オーナーがゲームを離れることによって消滅することもない。
- 統率者であるクリーチャーを追放した場合、それのオーナーは、次の状況起因処理でそれを追放領域から統率領域へ移動させることができるが、そうした場合、放逐する僧侶が戦場を離れても統率者は戦場に戻らない(統率領域に留まる)。追放領域に移動したあとでさらに領域を移動したため、オブジェクトを見失うからである。領域変更誘発の項も参照。統率領域に移動させなかった場合は、通常通り戦場に戻る。
[編集] 関連カード
「放逐」能力を持つクリーチャー。特筆しない限りETB誘発で対戦相手のクリーチャー1体を追放し、能力は強制。
同様の能力を持つエンチャントは払拭の光/Banishing Lightを参照。
- 束縛スリヴァー/Constricting Sliver - 6マナ3/3。放逐する僧侶の能力を共有するスリヴァー。(基本セット2015)
- 牢獄の管理人、ヒクサス/Hixus, Prison Warden - 5マナ4/4。これが戦場に出たターン中にあなたに戦闘ダメージを与えた全クリーチャーを追放。瞬速持ち。(マジック・オリジン)
- アヴァシン教の宣教師/Avacynian Missionaries - 4マナ3/3。ETBでなく変身時に追放効果が誘発。あなたのクリーチャーも対象に選べ、追放は任意。(イニストラードを覆う影)
- 粗暴な聖戦士/Brutal Cathar - 3マナ2/2。ETB時の他に第1面へと変身する度にも追放効果が誘発する日暮クリーチャー。(イニストラード:真夜中の狩り)
- 宮殿の看守/Palace Jailer - 4マナ2/2。ETBで統治者になるとともに、対戦相手が統治者になるまで追放する。(コンスピラシー:王位争奪)
- 博覧会場の警備員/Fairgrounds Warden - 3マナ1/3。放逐する僧侶と同じ能力を持つ。(カラデシュ)
- 賞罰の天使/Angel of Sanctions - 5マナ3/4。土地でないパーマネント1つを追放する。飛行と不朽(5)(白)持ち。(アモンケット)
- 糾弾の天使/Angel of Condemnation - 4マナ3/3。ETBでなくタップ能力。あなたのクリーチャーも対象に選べる。飛行持ち。(破滅の刻)
- 人質取り/Hostage Taker - 青黒の多色4マナ2/3。追放されている限り、それを色マナを無視してあなたが唱えてよい。アーティファクトまたはあなたのクリーチャーも対象に選べる。(イクサラン)
- ゼラチナス・キューブ/Gelatinous Cube - 黒4マナ4/3。ウーズのみ不可。追放されている限り、それのマナ総量分の不特定マナに黒マナ1点を加えた起動コストでそれを墓地に送れる。(フォーゴトン・レルム探訪)
- 青銅嘴の餌あさり/Bronzebeak Foragers - 白いゼラチナス・キューブ。4マナ3/4で、土地でないパーマネントを各対戦相手から1つずつ追放できる。(イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ)
- 束縛の司教/Bishop of Binding - 4マナ1/1。追放したカードのパワー分の修整を与える能力と飛行も持つ。(イクサランの相克)
- 罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant - 5マナ5/5。ETBでなくダメージを与えられる度に誘発する激昂能力。(イクサランの相克)
- 拘留代理人/Deputy of Detention - 青白3マナ1/3。土地でないパーマネント1つと、それと同名の対戦相手のパーマネントを全て追放。(ラヴニカの献身)
- 神に愛された者、シグリッド/Sigrid, God-Favored - 3マナ2/2。攻撃かブロックしているクリーチャーのみ。瞬速、先制攻撃、プロテクション(神)持ち。(カルドハイム)
- 王国の治安官/Constable of the Realm - 5マナ3/3。ETBでなくこれに+1/+1カウンターが乗ると誘発。あなたのものも含め、他の土地でないパーマネント1つ。高名2持ち。(モダンホライゾン2)
- オリバクの救済者/Savior of Ollenbock - 3マナ1/2。ETBでなくこれが訓練するたび誘発。墓地のクリーチャー・カードを対象にしてもよい。(イニストラード:真紅の契り)
- 雑集家、ラグレーラ/Lagrella, the Magpie - 緑白青3マナ2/3。互いにコントローラーが別なら望む数を対象にできる。それがあなたのコントロール下で戦場に戻ると+1/+1カウンターが2個乗る。(ニューカペナの街角)
- 別館の歩哨/Annex Sentry - 3マナ1/4。有色アーティファクト・クリーチャー。マナ総量3以下しか追放できないが、アーティファクトも対象にできる。毒性1持ち。(ファイレクシア:完全なる統一)
- 雪花石の徒党の仲裁者/Alabaster Host Intercessor - 6マナ3/4。平地サイクリング(2)持ち。(機械兵団の進軍)
- ホビット庄の庄察/Shire Shirriff - 2マナ2/2。あなたのトークンを1つ生け贄に捧げる必要がある。警戒持ち。(指輪物語:中つ国の伝承)
- 人狐のボディガード/Werefox Bodyguard - 3マナ2/2。あなたのクリーチャーも対象できる。(1)(白)でこれを生け贄に捧げると2点回復。瞬速持ち。(エルドレインの森)
- ヘイザム・ケンウェイ/Haytham Kenway - 青白4マナ3/3。各対戦相手から1体ずつ追放できる。プロテクション(暗殺者)を持ち、他の騎士もプロテクション(暗殺者)と+2/+2修整を得る。(アサシンクリード)
- 漂い影のコヨーテ/Driftgloom Coyote - 5マナ3/4。対象のパワーが2以下なら+1/+1カウンターを1個得る。(ブルームバロウ)
[編集] 注釈
- ↑ Magic 2014 Update Bulletin(Feature 2013年7月12日)
- ↑ メカニズム的カラー・パイ 2017年版(Making Magic 2017年6月5日
- ↑ 『破滅』の情報 その1(Making Magic 2017年7月3日)
- ↑ March Through May FNM Promo Update/3月、4月、5月のフライデー・ナイト・マジック プロモカード(Feature 2014年3月3日)
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 610 単発的効果
- 610.3 単発的効果の中には、特定のイベントが発生する「まで/until」オブジェクトの領域を移動させるものがある。その特定のイベントの直後に作られる2つ目の単発的効果によって、そのオブジェクトは元あった領域に戻る。
- 610.3a 解決中の呪文や起動型能力が、オブジェクトの領域を変更する最初の単発的効果を生成し、その特定のイベントが、その呪文や能力がスタックに置かれた後、その単発的効果が発生するよりも前に発生していた場合、そのオブジェクトは動かない。
- 610.3b 解決中の誘発型能力が、オブジェクトの領域を変更する最初の単発的効果を生成し、その特定のイベントが、その能力が誘発した後、その単発的効果が発生するよりも前に発生していた場合、そのオブジェクトは動かない。
- 610.3c この方法で戦場に戻ったオブジェクトは、特に指定されていない限りオーナーのコントロール下で戻る。
- 610.3d この方法で、1つ以上の同時のイベントの直後に複数の単発的効果が発生した場合、それらの単発的効果もまた同時である。
- 610.3 単発的効果の中には、特定のイベントが発生する「まで/until」オブジェクトの領域を移動させるものがある。その特定のイベントの直後に作られる2つ目の単発的効果によって、そのオブジェクトは元あった領域に戻る。
- 610 単発的効果