透かし
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透かし/Watermarkとは、一部のカードの文章欄の背景に大きく印刷されるマークである。目次 |
解説
通常のゲームにおいて、透かしの有無や種類がルールや効果で参照されることはない。例えばタルキール覇王譚収録の透かしがある砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel(カード画像)と、統率者2016などで再録された透かしがない砂草原の城塞(カード画像)でゲーム上の差異が生じることはない。ただし、ミラディンの傷跡のゲームデーにおける陣営デッキ構築ルールのように、透かしを参照する特別なルールが用いられることはある。
セット個別のストーリー性が強く反映されている要素であるため(後述)、前述した砂草原の城塞のように再録に際して透かしは削除される事が多い。しかし、再録先でも共通の世界観を持っていた場合(ラヴニカ/Ravnicaを舞台とした各種セットなど)や、一部の特殊セット(Modern Event Deckなど)ではその限りではない。
銀枠のUnstableでは黒枠では実現不可能なメカニズムとして、透かしを参照するカードがテーマの1つになっている。
透かしの用途は様々だが、特に複数の勢力が存在する次元/Planeを舞台とするブロックにおいて、そのカードがどの勢力に所属しているのかを分かりやすく示すために用いられることが多い。その場合、基本的に以下の原則に従う。
- 各勢力が色の組み合わせに対応している場合、「カードの色」と「ルール文章に含まれるマナ・シンボルの色」を合わせたものがその色の組み合わせになるカードは、対応する勢力の透かしを持つ。
- 各勢力に固有のメカニズム(キーワード能力、キーワード処理、能力語など)が与えられている場合、そのメカニズムを用いるカードは対応する勢力の透かしを持つ。
- 上記のいずれに該当しない場合でも、いずれかの勢力に所属していると設定されている場合、対応する勢力の透かしを持つ。
なおプレインズウォーカー・カードは、それが上記の原則に該当していても、あるいはストーリー上で特定の勢力に所属しているキャラクターのものであっても、透かしを持たない。特定の次元に縛られることのないプレインズウォーカー/Planeswalkerは、本質的にはその勢力に所属しているとは言えないからである。彼らはその気になればその勢力を見捨てて次元を去ることもできる。Doug Beyerはこの問題について、「プレインズウォーカーは本質的にはそれぞれが一つの勢力である」と述べている[1]。
- 例1:評議会の急使/Senate Courierは青単色のカードだが、ルール文章に白マナ・シンボルを含むため、白青のギルド/Guildであるアゾリウス評議会/The Azorius Senateの透かしを持つ(カード画像)。
- 例2:聖なる鋳造所/Sacred Foundryは無色のカードだが、基本土地タイプのルール(CR:305.6)によりルール文章に赤と白のマナ・シンボルを持つものとして扱うため、赤白のギルドであるボロス軍/Boros Legionの透かしを持つ(カード画像)。
- 例3:2色+2色の分割カードである肉体+血流/Flesh+Bloodはそれぞれの半分に異なる透かしが描かれている。肉体は黒緑であるためゴルガリ団/The Golgariの透かしを、血流は赤緑であるためグルール一族/The Gruul Clansの透かしを持つ(カード画像)。
- 例4:宝船の巡航/Treasure Cruiseはタルキール覇王譚ブロックにおいてスゥルタイ群/The Sultai Broodの固有メカニズムとなっている探査を持つため、スゥルタイの透かしを持つ(カード画像)。
- 例5:ドロモカの戦士/Dromoka Warriorは白単色かつ能力を持たないバニラだが、カード名やイラスト、フレイバー・テキストからドロモカ氏族/The Dromoka clanに属していることがわかるため、ドロモカ氏族の透かしを持つ(カード画像)。
- 例6:卓絶のナーセット/Narset Transcendentはストーリー上オジュタイ氏族/The Ojutai clanの出身であり、白青であり、オジュタイ氏族の固有メカニズムである反復に関する能力を持っているが、プレインズウォーカーであるため透かしは持たない(カード画像)。
透かし一覧
モダンホライゾン2
モダンに初めて再録されるカードにはマスターズ25thと同じく初出セットのエキスパンション・シンボルの透かしが入っている。
ストリクスヘイヴン:魔法学院&統率者2021
多色のカード、特定のモードを持つ両面カード、2色土地、マスコット・トークンを生成するカードにストリクスヘイヴン/Strixhavenの各大学のシンボルの透かしが入っている。
カルドハイム&カルドハイム統率者デッキ
予顕を持つカードに、アールンド/Alrundの使者である鴉とシュタルンハイムの光/The Light of Starnheimを象った透かしが入っている。
マスターズ25th
プレインズウォーカーである精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorを除くすべてのカードに、初出セットのエキスパンション・シンボルの透かしが入っている。ただしエキスパンション・シンボルが存在しないアルファ版が初出のカードは、代わりにマジックの旧ロゴの「M」の透かしが入っている。
バブロヴィア/Bablovia
それぞれのカードが所属する組織のシンボル。
- 小型装置団/Order of the Widget(検索)
- S.N.E.A.K.職員/Agents of S.N.E.A.K.(検索)
- 卑怯な破滅軍団/League of Dastardly Doom(検索)
- ゴブリンの爆発屋/Goblin Explosioneers(検索)
- 交配研究所/Crossbreed Labs(検索)
- 登場セット
タルキール/Tarkir
それぞれのカードが所属する氏族/Clanのシンボル。
- アブザン家/The Abzan Houses(検索)
- ジェスカイ道/The Jeskai Way(検索)
- スゥルタイ群/The Sultai Brood(検索)
- マルドゥ族/The Mardu Horde(検索)
- ティムール境/The Temur Frontier(検索)
- ドロモカ氏族/The Dromoka clan(検索)
- オジュタイ氏族/The Ojutai clan(検索)
- シルムガル氏族/The Silumgar clan(検索)
- コラガン氏族/The Kolaghan clan(検索)
- アタルカ氏族/The Atarka clan(検索)
運命再編における運命の選択を暗示するカードのプレミアム・カード版には、見る角度によってエキスパンション・シンボルが変わる特殊なホログラム仕様の透かしが印刷されている。
- 登場セット
ドラフト用の能力を持ったカード
策略カード他、一部のドラフト中に機能する能力を持ったカード。
- 封蝋シンボル(カード画像)
- 登場セット
ファイレクシア/Phyrexia、新ファイレクシア/New Phyrexia
ファイレクシア/Phyrexia、新ファイレクシア/New Phyrexia陣営に属するカード。
- 登場セット
ミラディン/Mirrodin
ミラディン/Mirrodin陣営に属するカード。
- ミラディン人のシンボル(検索)
- 登場セット
ラヴニカ/Ravnica
それぞれのカードが所属するギルド/Guildのシンボル。
ラヴニカへの回帰ブロックでは、その多くが見直されリメイクされた[2]。
- アゾリウス評議会/The Azorius Senate(検索)
- ディミーア家/House Dimir(検索)
- ラクドス教団/The Cult of Rakdos(検索)
- グルール一族/The Gruul Clans(検索)
- セレズニア議事会/The Selesnya Conclave(検索)
- オルゾフ組/The Orzhov Syndicate(検索)
- イゼット団/The Izzet(検索)
- ゴルガリ団/The Golgari(検索)
- ボロス軍/Boros Legion(検索)
- シミック連合/The Simic Combine(検索)
- 登場セット
アンヒンジド
プレミアム・カードの一部に、様々な透かしが印刷されている。
- ペン(カード画像)
- 手(カード画像)
- 地中のボルト(カード画像)
- m(カード画像)
- ∞(カード画像)
- ?(カード画像)
- 靴(カード画像)
- ウサギ(カード画像)
プロモーション・カード
イベント名のロゴ(「FNM」など)や流星マークなど多岐にわたる。
土地
ポータル系列、第6版以降の基本セット、メルカディアン・マスクス以降のエキスパンションの、主に基本土地。
透かしとは若干異なるが、マナ・シンボルが大きく印刷されている。
- 白マナ・シンボル
- 青マナ・シンボル
- 黒マナ・シンボル
- 赤マナ・シンボル
- 緑マナ・シンボル
- 森/Forest
- 冠雪の森/Snow-Covered Forest
- ドライアドの東屋/Dryad Arbor(From the Vault:Realms版)
- つぶやき林/Murmuring Bosk(From the Vault:Realms版)
- 無色マナ・シンボル
注目のストーリー
詳細は注目のストーリーの項を参照。
脚注
- ↑ Spreading the Infection/感染拡大(Daily MTG、Savor the Flavor、文:Doug Beyer、訳:若月繭子、翻訳版はサイト消失によりInternet Archive)
- ↑ The Look of Return to Ravnica/ラヴニカへの回帰の眺め(Daily MTG、Feature、文:Jeremy Jarvis、訳:若月繭子)