プレインズウォーカー (カード・タイプ)
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**例外的に、戦闘のみでならあなたの身代わりのように攻撃を引き受けてくれる[[能力]]を持つ者もいる。(→[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]など) | **例外的に、戦闘のみでならあなたの身代わりのように攻撃を引き受けてくれる[[能力]]を持つ者もいる。(→[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]など) | ||
*[[時のらせんブロック]]以前のプレインズウォーカーは神の如き力を持っており、カード1枚の能力として表現するには不適切であったため、カード化されなかった。しかし、[[大修復/The Mending]]によってプレインズウォーカーが大きく力を失ったため、カード化する事が可能になった。 | *[[時のらせんブロック]]以前のプレインズウォーカーは神の如き力を持っており、カード1枚の能力として表現するには不適切であったため、カード化されなかった。しかし、[[大修復/The Mending]]によってプレインズウォーカーが大きく力を失ったため、カード化する事が可能になった。 | ||
− | **さらに時を経て、[[統率者2014]]のデザインにおいて「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、助けを求めた魔術師(コントローラー)を助けようという意志の分だけの力を描いたものである」と定義し直された<ref>[ | + | **さらに時を経て、[[統率者2014]]のデザインにおいて「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、助けを求めた魔術師(コントローラー)を助けようという意志の分だけの力を描いたものである」と定義し直された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/fate-ful-stories-part-2-2015-01-19 Fate-ful Stories, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0012009/ 運命的な話 その2](Making Magic 2015年1月19日 Mark Rosewater著)</ref>。これによって、大修復以前の旧世代プレインズウォーカーをカード化する事も可能となった。 |
==プレインズウォーカーのデザイン== | ==プレインズウォーカーのデザイン== | ||
− | + | マジックの顔役となる存在のため、プレインズウォーカーのデザインには厳しい制約が課せられている。 | |
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;収録枚数 | ;収録枚数 | ||
:基本的に、各[[基本セット]]にはプレインズウォーカーが各色1枚の計5枚(多色カードとして6枚目のプレインズウォーカーが収録される場合もある)、[[エキスパンション]]か新規カードを含めた[[カードセット一覧#特殊セット|特殊セット]]には2~3枚のプレインズウォーカーが収録される。プレインズウォーカーは収録セットだけでなく、[[スタンダード]]全体の[[環境]]を考慮に入れて色や性能のバランスが考慮される事になる。 | :基本的に、各[[基本セット]]にはプレインズウォーカーが各色1枚の計5枚(多色カードとして6枚目のプレインズウォーカーが収録される場合もある)、[[エキスパンション]]か新規カードを含めた[[カードセット一覧#特殊セット|特殊セット]]には2~3枚のプレインズウォーカーが収録される。プレインズウォーカーは収録セットだけでなく、[[スタンダード]]全体の[[環境]]を考慮に入れて色や性能のバランスが考慮される事になる。 | ||
+ | :*灯争大戦では、過去最多の37枚([[BOX特典カード]]を含む)ものプレインズウォーカー・カードが一度に収録された。 | ||
;[[忠誠度能力]]のデザイン | ;[[忠誠度能力]]のデザイン | ||
− | :プレインズウォーカーのデザインは色だけでなくそのキャラクターによっても制限される。[[開発部]]は各キャラクターの同一性を維持するため、各キャラクターがやっていいことと、やってはいけないことのリストを保持している<ref>[ | + | :プレインズウォーカーのデザインは色だけでなくそのキャラクターによっても制限される。[[開発部]]は各キャラクターの同一性を維持するため、各キャラクターがやっていいことと、やってはいけないことのリストを保持している<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/play-design/designing-rivals-ixalan-planeswalkers-2018-01-19 Designing Rivals of Ixalan Planeswalkers]/[https://mtg-jp.com/reading/pd/0030174/ 『イクサランの相克』のプレインズウォーカーをデザインする](Play Design 2018年1月19日 [[Melissa DeTora]]著)</ref>。これは[[基本セット2013]]の[[闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realms]]が非常に不評だったことに起因している<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/storming-gatecrash-part-1-2013-01-21 Storming the Gatecrash, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004214/ ギルド門侵犯の嵐 その1](Making Magic 2013年1月21日)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-2015-wrap-2014-07-04 Magic 2015 Wrap-Up]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0010816/ よくわかる『基本セット2015』](Latest Developments 2014年7月4日 [[Sam Stoddard]]著)</ref>。 |
;プレインズウォーカーへ言及したカード | ;プレインズウォーカーへ言及したカード | ||
− | :[[ルール文章]]で特にプレインズウォーカーに言及しているカードも[[稀少度]]が高く設定される。これは「複雑なカードほど稀少度を高くする」というデザイン方針による。また「プレインズウォーカーに直接手出しするのは特別なことである」というフレイバー性も含んでいる<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004199/ ラヴニカがやって来る!ヤァ!ヤァ!ヤァ!](Making Magic | + | :[[ルール文章]]で特にプレインズウォーカーに言及しているカードも[[稀少度]]が高く設定される。これは「複雑なカードほど稀少度を高くする」というデザイン方針による。また「プレインズウォーカーに直接手出しするのは特別なことである」というフレイバー性も含んでいる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/card-days-night-2012-09-24 Card Day's Night]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004199/ ラヴニカがやって来る!ヤァ!ヤァ!ヤァ!](Making Magic 2012年9月24日 Mark Rosewater著) - [[戦慄掘り/Dreadbore]]の項目</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/theroses-are-red-and-white-blue-black-and-green-part-1-2013-09-23 Theroses Are Red (and White, Blue, Black, and Green), Part 1 ]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004245/ テーロス、それは赤き者(とか白とか青とか黒とか緑とか) その1](Making Magic 2013年9月23日 Mark Rosewater著) - [[英雄の破滅/Hero's Downfall]]の項目</ref>。 |
:*ただし、日本語版では「[[任意の対象]]」の対訳が存在しない都合上、稀少度に関係なくプレインズウォーカーの単語が見られる。詳細は[[任意の対象]]の項を参照。 | :*ただし、日本語版では「[[任意の対象]]」の対訳が存在しない都合上、稀少度に関係なくプレインズウォーカーの単語が見られる。詳細は[[任意の対象]]の項を参照。 | ||
+ | :*灯争大戦では、稀少度に関係なくプレインズウォーカーへ言及した効果が多数登場している。 | ||
;[[プレインズウォーカーデッキ]] | ;[[プレインズウォーカーデッキ]] | ||
− | :プレインズウォーカーはマジックの華とも言えるものであり、特別なものであることを意図する一方、初心者プレイヤーの手に行き渡らないことは問題であった。それを解決するため、[[カラデシュ]]からは[[プレインズウォーカーデッキ]]が発売されることとなった。プレインズウォーカーデッキのプレインズウォーカーは初心者が好きになるような派手な強さを持つ一方、[[トーナメント]]で必須にはならないようにデザインされ、前述のスタンダード環境のバランスの制約を受けない<ref>[ | + | :プレインズウォーカーはマジックの華とも言えるものであり、特別なものであることを意図する一方、初心者プレイヤーの手に行き渡らないことは問題であった。それを解決するため、[[カラデシュ]]からは[[プレインズウォーカーデッキ]]が発売されることとなった。プレインズウォーカーデッキのプレインズウォーカーは初心者が好きになるような派手な強さを持つ一方、[[トーナメント]]で必須にはならないようにデザインされ、前述のスタンダード環境のバランスの制約を受けない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/ramp-approval-2016-05-16 Ramp of Approval]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016971/ 試供品の次は] (Making Magic 2016年5月16日 [[Mark Rosewater]]著) </ref><ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/146769102073/starting-with-kaladesh-were-going-to-have-those Blogatog](Mark RosewaterのBlog 2016年6月1日)</ref>。 |
==その他== | ==その他== | ||
*すべてのプレインズウォーカー・カードは他の[[タイプ]]を持たない。例えば[[黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane]]は[[レオニン/Leonin]](猫族)という設定だが[[猫]]の[[クリーチャー・タイプ]]を持たないし、[[求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker]]は[[エーテリウム/Etherium]]を含んだ[[人間]]だがエーテリウム生物の特徴である[[アーティファクト]]のカード・タイプを持たない。 | *すべてのプレインズウォーカー・カードは他の[[タイプ]]を持たない。例えば[[黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane]]は[[レオニン/Leonin]](猫族)という設定だが[[猫]]の[[クリーチャー・タイプ]]を持たないし、[[求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker]]は[[エーテリウム/Etherium]]を含んだ[[人間]]だがエーテリウム生物の特徴である[[アーティファクト]]のカード・タイプを持たない。 | ||
− | **「伝説の[[部族]]・プレインズウォーカー ― 猫・アジャニ」だと語感が悪いことや、他のカード・タイプに関連する様々な[[シナジー]]が生まれると悪用手段が増えてしまうため、[[カードパワー]]の調整が困難になることが理由として挙げられている<ref>[ | + | **「伝説の[[部族]]・プレインズウォーカー ― 猫・アジャニ」だと語感が悪いことや、他のカード・タイプに関連する様々な[[シナジー]]が生まれると悪用手段が増えてしまうため、[[カードパワー]]の調整が困難になることが理由として挙げられている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/cards-alara-2008-09-26 Cards of Alara](Making Magic 2008年9月26日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/angels-eye-view-bant-2008-10-08 An Angel's Eye View of Bant](Savor of Flavor 2008年10月8日 [[Doug Beyer]]著)</ref>。 |
− | **背景ストーリーにおける「プレインズウォーカーとして目覚めることで、[[次元/Plane]]の制約から解放され、[[多元宇宙/Multiverse]]の理を学べる神話的存在になる」という設定も反映されている<ref>[ | + | **背景ストーリーにおける「プレインズウォーカーとして目覚めることで、[[次元/Plane]]の制約から解放され、[[多元宇宙/Multiverse]]の理を学べる神話的存在になる」という設定も反映されている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-ends-amonkhet-part-2-2017-05-29 Odds & Ends: Amonkhet, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018990/ こぼれ話:『アモンケット』 その2](Making Magic 2017年5月29日 Mark Rosewater著)</ref>。 |
**なんらかの[[効果]]によって他のカード・タイプを得ることはありうる。[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]などは自身の[[忠誠度能力]]で[[クリーチャー化]]するし、[[液鋼の塗膜/Liquimetal Coating]]で[[アーティファクト化]]したりもできる。 | **なんらかの[[効果]]によって他のカード・タイプを得ることはありうる。[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]などは自身の[[忠誠度能力]]で[[クリーチャー化]]するし、[[液鋼の塗膜/Liquimetal Coating]]で[[アーティファクト化]]したりもできる。 | ||
*背景ストーリーにおいて、「主役」と呼べる人物(達)は[[ブロック (総称)|ブロック]]ごとに異なる場合が多かったが、[[マジック・オリジン]]以降の背景ストーリーでは[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]、[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]、[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]、[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]、[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]の5人(後の[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]])が務めることが多くなった。同セット以降、この5人のプレインズウォーカー・カードが常に[[スタンダード]]に存在するようになっていた。[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]]も参照。 | *背景ストーリーにおいて、「主役」と呼べる人物(達)は[[ブロック (総称)|ブロック]]ごとに異なる場合が多かったが、[[マジック・オリジン]]以降の背景ストーリーでは[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]、[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]、[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]、[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]、[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]の5人(後の[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]])が務めることが多くなった。同セット以降、この5人のプレインズウォーカー・カードが常に[[スタンダード]]に存在するようになっていた。[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]]も参照。 |
2019年4月20日 (土) 04:08時点における版
プレインズウォーカー/Planeswalkerは、カード・タイプの1つ。
伝説のプレインズウォーカー — アジャニ(Ajani)
[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒を得る。
[-6]:白のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。
目次 |
解説
ローウィンから新たに追加されたカード・タイプ。プレイヤーと同等のプレインズウォーカー/Planeswalkerであるキャラクターを表している。アラーラの断片ブロックからストーリー、ゲーム環境、広報などマジック:ザ・ギャザリングを象徴するものとして扱われるようになった。
忠誠度というプレイヤーでライフに当たる値を持ち、それを足し引きすることで各キャラクターが得意とする魔法を表した忠誠度能力を使うことができる。
カードデザインは他のカード・タイプと全く異なる物が用いられ、イラストに描かれたプレインズウォーカーがイラストの枠から(わずかではあるが)はみ出ている物が過半数を超えている(カード画像)。
- なお、イラストが枠からはみ出しているのは銀枠では日常茶飯事だが、銀枠以外では極めて珍しい。
- フレイバー・テキストを除く文章欄に初めて登場したのは、未来予知のフューチャーシフト、タルモゴイフ/Tarmogoyfの注釈文である。
- カード・タイプが追加されたのは、通常のマジックでは14年目にして初。1997年に登場したヴァンガードから数えても10年ぶりである。同時に登場した部族も同様。
ルール
アクティブ・プレイヤーは、そのメイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、プレインズウォーカー呪文を唱えることができる。プレインズウォーカー呪文が解決される時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で、右下に書いてある忠誠度に等しい数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出す。
すべてのプレインズウォーカー・カードは特殊タイプ「伝説の」を持っており、レジェンド・ルールの適用を受ける。イクサランより前に印刷されたプレインズウォーカー・カードには伝説と書かれていないが、オラクルの変更によって伝説の特殊タイプを持っている。
プレインズウォーカー・タイプ
プレインズウォーカーとしてのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。これはクリーチャー・タイプとは異なる。これ自体にルール上の意味はないが、他から参照されることがある。
- かつてはプレインズウォーカー・タイプを参照するルールが存在した。詳細はプレインズウォーカーの唯一性ルールの項を参照。
忠誠度
プレインズウォーカーは忠誠度という独自の特性を持ち、カードの右下に記載されている数値がその基準である。プレインズウォーカーは戦場に出るに際し、その数値と同数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。戦場にある間はその上に乗っている忠誠カウンターの数が忠誠度である。状況起因処理の1つとして、忠誠度が0であるプレインズウォーカーは、そのオーナーの墓地に置かれる。
詳しいルールは忠誠度の項目を参照。
忠誠度能力
プレインズウォーカーは忠誠度能力と呼ばれる、忠誠シンボルをコストに含む起動型能力を持っている。忠誠度能力には通常の起動型能力とは異なる特別なルールが存在する。
詳しいルールは忠誠度能力の項目を参照。
戦闘やダメージに関するルール
プレインズウォーカーと戦闘やダメージに関するルールは以下の通りである。
- プレインズウォーカーはクリーチャーではない。それ自身は攻撃にもブロックにも参加できない。
- プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、その値に等しい数の忠誠カウンターが取り除かれる。その結果、忠誠カウンターが0個になったならば、状況起因処理により墓地に置かれる。
- プレインズウォーカーをコントロールするプレイヤーに攻撃をする場合、攻撃側はプレインズウォーカーかプレイヤーのどちらを攻撃するかを選ぶ。戦闘に関しては通常通りの処理を行うが、ブロックされなかった場合は「選んだ攻撃先へ戦闘ダメージを割り振る」ことになる。
- プレインズウォーカーが攻撃されているとき、そのプレインズウォーカーが戦場を離れたり、コントローラーが変わったりした場合、そのプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。しかし、それを攻撃しているクリーチャーは依然として攻撃クリーチャーのままである。この場合、それら攻撃クリーチャーはブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを与えるが、攻撃していたプレインズウォーカーがいないため、それに与えるはずだったダメージは発生しない。
旧ルール
マジック:ザ・ギャザリングに後から追加されたまったく新しいルールを持つカード・タイプであり、そのルールは登場後から何度か変更されている。その都度デッキ構築やプレイングに少なくない影響を及ぼしてきた。
プレインズウォーカーの唯一性ルール(廃止)
プレインズウォーカーが初めて登場したときのルールでは、戦場に共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーが2体以上存在した場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因処理である。
2013年7月の基本セット2014発売に伴うルール変更により、レジェンド・ルールと同じく、1人のプレイヤーが共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーを2体以上コントロールしている場合、そのプレイヤーがその中から選んだ1体だけ戦場に残り、残りはオーナーの墓地に置かれるように変更された。
2017年9月のイクサラン発売に伴うルール変更とオラクル変更により、プレインズウォーカーの唯一性ルールは廃止され、すべてのプレインズウォーカーは「伝説の」特殊タイプを持つようになった。
プレインズウォーカーへのダメージの移し替え(廃止)
初めて登場したときのルールでは、プレインズウォーカーへ戦闘ダメージ以外のダメージを与えるためには、専用のルールによってプレイヤーからプレインズウォーカーにダメージを移し替える手順が必要だった。プレイヤーへ混乱を招くとして、2018年4月のドミナリア発売に伴う総合ルール変更により廃止された。
この変更によって、「プレイヤー(対戦相手)1人を対象とする」ダメージを与える能力の対象先は、「プレイヤー(対戦相手)1人かプレインズウォーカー1体を対象とする」に変更された。一方、激情の薬瓶砕き/Vial Smasher the Fierceを除いて、「対象のプレイヤーの情報を参照して与えるダメージ量が決まる」ものと「対象を取らずダメージを与える」ものはこのエラッタを受けないため、プレインズウォーカーへダメージを与えられなくなった。
プレインズウォーカーへのダメージの移し替えルール廃止前のルールは移し変え効果を参照。
ストーリー
マジックのプレイヤーはプレインズウォーカー/Planeswalkerという設定である。プレインズウォーカーを唱えるということは、そのプレインズウォーカーに協力を要請するということであり、プレインズウォーカーをコントロールしているということは、一緒に戦っているということである。
- 戦闘やダメージに関するルールも、この設定に準じたものになっている。彼らは基本的にあなたの要求に従い力を貸してくれるが、対戦相手がそのプレインズウォーカーを直接狙ってきた場合でもなければ、わざわざあなたの身代わりになってはくれないのである。
- 逆に、あなたの意思であなたがプレインズウォーカーの身代わりになることもできないので、そもそもプレインズウォーカー同士が身を護ること自体が難しいのかもしれない。
- 例外的に、戦闘のみでならあなたの身代わりのように攻撃を引き受けてくれる能力を持つ者もいる。(→ギデオン・ジュラ/Gideon Juraなど)
- 時のらせんブロック以前のプレインズウォーカーは神の如き力を持っており、カード1枚の能力として表現するには不適切であったため、カード化されなかった。しかし、大修復/The Mendingによってプレインズウォーカーが大きく力を失ったため、カード化する事が可能になった。
プレインズウォーカーのデザイン
マジックの顔役となる存在のため、プレインズウォーカーのデザインには厳しい制約が課せられている。
- 収録枚数
- 基本的に、各基本セットにはプレインズウォーカーが各色1枚の計5枚(多色カードとして6枚目のプレインズウォーカーが収録される場合もある)、エキスパンションか新規カードを含めた特殊セットには2~3枚のプレインズウォーカーが収録される。プレインズウォーカーは収録セットだけでなく、スタンダード全体の環境を考慮に入れて色や性能のバランスが考慮される事になる。
- 灯争大戦では、過去最多の37枚(BOX特典カードを含む)ものプレインズウォーカー・カードが一度に収録された。
- 忠誠度能力のデザイン
- プレインズウォーカーのデザインは色だけでなくそのキャラクターによっても制限される。開発部は各キャラクターの同一性を維持するため、各キャラクターがやっていいことと、やってはいけないことのリストを保持している[2]。これは基本セット2013の闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realmsが非常に不評だったことに起因している[3][4]。
- プレインズウォーカーへ言及したカード
- ルール文章で特にプレインズウォーカーに言及しているカードも稀少度が高く設定される。これは「複雑なカードほど稀少度を高くする」というデザイン方針による。また「プレインズウォーカーに直接手出しするのは特別なことである」というフレイバー性も含んでいる[5][6]。
- プレインズウォーカーデッキ
- プレインズウォーカーはマジックの華とも言えるものであり、特別なものであることを意図する一方、初心者プレイヤーの手に行き渡らないことは問題であった。それを解決するため、カラデシュからはプレインズウォーカーデッキが発売されることとなった。プレインズウォーカーデッキのプレインズウォーカーは初心者が好きになるような派手な強さを持つ一方、トーナメントで必須にはならないようにデザインされ、前述のスタンダード環境のバランスの制約を受けない[7][8]。
その他
- すべてのプレインズウォーカー・カードは他のタイプを持たない。例えば黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmaneはレオニン/Leonin(猫族)という設定だが猫のクリーチャー・タイプを持たないし、求道者テゼレット/Tezzeret the Seekerはエーテリウム/Etheriumを含んだ人間だがエーテリウム生物の特徴であるアーティファクトのカード・タイプを持たない。
- 「伝説の部族・プレインズウォーカー ― 猫・アジャニ」だと語感が悪いことや、他のカード・タイプに関連する様々なシナジーが生まれると悪用手段が増えてしまうため、カードパワーの調整が困難になることが理由として挙げられている[9][10]。
- 背景ストーリーにおける「プレインズウォーカーとして目覚めることで、次元/Planeの制約から解放され、多元宇宙/Multiverseの理を学べる神話的存在になる」という設定も反映されている[11]。
- なんらかの効果によって他のカード・タイプを得ることはありうる。ギデオン・ジュラ/Gideon Juraなどは自身の忠誠度能力でクリーチャー化するし、液鋼の塗膜/Liquimetal Coatingでアーティファクト化したりもできる。
- 背景ストーリーにおいて、「主役」と呼べる人物(達)はブロックごとに異なる場合が多かったが、マジック・オリジン以降の背景ストーリーではギデオン・ジュラ/Gideon Jura、ジェイス・ベレレン/Jace Beleren、リリアナ・ヴェス/Liliana Vess、チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar、ニッサ・レヴェイン/Nissa Revaneの5人(後のゲートウォッチ/The Gatewatch)が務めることが多くなった。同セット以降、この5人のプレインズウォーカー・カードが常にスタンダードに存在するようになっていた。ゲートウォッチ/The Gatewatchも参照。
- 英語では発音が同じ平地(Plain)と間違えないように。Plainswalkerでは平地渡り(をする者)になりフレーバーが台無しである。
脚注
- ↑ Fate-ful Stories, Part 2/運命的な話 その2(Making Magic 2015年1月19日 Mark Rosewater著)
- ↑ Designing Rivals of Ixalan Planeswalkers/『イクサランの相克』のプレインズウォーカーをデザインする(Play Design 2018年1月19日 Melissa DeTora著)
- ↑ Storming the Gatecrash, Part 1/ギルド門侵犯の嵐 その1(Making Magic 2013年1月21日)
- ↑ Magic 2015 Wrap-Up/よくわかる『基本セット2015』(Latest Developments 2014年7月4日 Sam Stoddard著)
- ↑ Card Day's Night/ラヴニカがやって来る!ヤァ!ヤァ!ヤァ!(Making Magic 2012年9月24日 Mark Rosewater著) - 戦慄掘り/Dreadboreの項目
- ↑ Theroses Are Red (and White, Blue, Black, and Green), Part 1 /テーロス、それは赤き者(とか白とか青とか黒とか緑とか) その1(Making Magic 2013年9月23日 Mark Rosewater著) - 英雄の破滅/Hero's Downfallの項目
- ↑ Ramp of Approval/試供品の次は (Making Magic 2016年5月16日 Mark Rosewater著)
- ↑ Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2016年6月1日)
- ↑ Cards of Alara(Making Magic 2008年9月26日 Mark Rosewater著)
- ↑ An Angel's Eye View of Bant(Savor of Flavor 2008年10月8日 Doug Beyer著)
- ↑ Odds & Ends: Amonkhet, Part 2/こぼれ話:『アモンケット』 その2(Making Magic 2017年5月29日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 3 カード・タイプ
- 306 プレインズウォーカー
- 306.1 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
- 306.2 プレインズウォーカー・呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
- 306.3 プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ/planeswalker type」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカー・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
- 306.4 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーがコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカー・カードはオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。
- 306.5 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
- 306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカー・カードの忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。
- 306.5b プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。
- 306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカーの忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。
- 306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコストに忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。」という特殊なルールが適用される。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
- 306.6 プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
- 306.7 以前は、プレインズウォーカーはプレイヤーに、対戦相手に与える戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手のコントロールしているプレインズウォーカーに与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードはオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーにダメージを与えるようになった。
- 306.8 プレインズウォーカーがダメージを受けた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
- 306.9 プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
- 306 プレインズウォーカー