オデッセイ
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2018年12月15日 (土) 07:28時点における版
オデッセイ/Odyssey | |
シンボル | ミラーリ/Mirari |
略号 | OD, ODY |
コードネーム | Argon |
発売日 | 日:2001年10月1日 |
セット枚数 | 全350種類 |
オデッセイ/Odysseyは、オデッセイ・ブロックの大型エキスパンション。日本では2001年10月1日に発売された。意味は「長い冒険」。
目次 |
概要
アポカリプスから100年後、ドミナリア/Dominariaの他の大陸から隔絶されたオタリア大陸を舞台とする。
テーマは墓地で、新キーワード能力として、墓地の枚数を参照する能力スレッショルドと、墓地からもプレイできるフラッシュバックが登場した(スレッショルドは、後に能力語に変更された)。墓地で機能するカードには墓地で目立つよう左上に墓石アイコンが付いている。また、手札を捨てることで強化される共鳴者も多数登場した。
フィルターランドや、古参プレイヤーには懐かしいエイトグやルアゴイフのサイクルが登場し、一部はトーナメントシーンでも活躍した。他にも猟犬や噴出カード、祭殿のサイクルなどがある。
- オデッセイ以降はカウンター呪文が弱くなったといわれる。中略/Syncopateなども収録されていたが、低コストでの確定カウンターをもとめる当時の「パーミッション」にはあまり採用されなかった。
- 直前のブロックであるインベイジョン・ブロックが多色を推していたのに対し、このセットではトリプルシンボル以上のカードが比較的多く見られ、単色を推すような傾向が見られる。
特筆するカード
カードリスト公開時には低評価だったが、高評価へ逆転したカードとして以下の例が挙げられる。
- サイカトグ/Psychatog - パーマネントの生け贄が必要なサイクルの他のカードと違い、豊富に存在するリソースである手札と墓地の組み合わせによる爆発力、継戦能力が評価され、エクステンデッドまで活躍するサイカトグデッキの主力となった。
- 野生の雑種犬/Wild Mongrel - 手札1枚に対して割りに合わない効果と考えられていたが、牽制やプロテクションの回避として有用であり、トーメントのマッドネスとのシナジーによって一線級のクリーチャーとなった。
- 獣群の呼び声/Call of the Herd:ソーサリーである点で獣の襲撃/Beast Attackより低く見られていたが、マナカーブに沿って運用できることが評価されてトップレアにまで昇り詰めた。
- 炎の稲妻/Firebolt:やはりソーサリーである点で火力として実戦レベルかは疑問視されていたが、単純にアドバンテージがとれる点でフラッシュバックの代表格になった。
- 激動/Upheaval:プロプレイヤーからも完全なネタカードとみられていたが、激動サイカトグの強烈なリセットカードとして環境を席巻した。
逆に、Jon Finkelのインビテーショナルカードである影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltratorは当初、ゲームぎゃざに「私がオデッセイのトップレアです」と話すイラストが掲載されるほど、はっきりとしたトップレアであったが、使用率の高いサイカトグ、野生の雑種犬に弱かったため、使用率は徐々に下がっていった。
同様に発売前に高評価を得ながら凋落していったカードとして以下の例が挙げられる。
- 秘教の十字軍/Mystic Crusader:往年の名カード、ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vecのリメイク。このカード自体は高性能だが、白ウィニーを組みづらい当時のスタンダード環境に合わなかった。
- 死を食うもの/Mortivore:ルアゴイフ/Lhurgoyfのリメイク。発売前にプロプレイヤーからも高評価を得ていたが、実際はほとんど使用されなかった。
- 行き詰まり/Standstill:限定的ながら2マナで3枚引けるエンチャント。スタンダード環境では徐々に使用率を下げていった。ただし、レガシー環境でのランドスティルなどでは活躍した。
- 心の傷跡/Traumatize:消えないこだま/Haunting Echoesとのコンボで相手のライブラリーをほとんど吹き飛ばせると発売前に話題に上ったが、現実にはあまり使用されなかった。
またデッキのコンセプトとなるカードも多く収録され、新環境に影響を与えた。
- ゾンビの横行/Zombie Infestation:「ベンツォ」「ワイルドゾンビ」「ゾンビプリズン」などを多くのメジャー大会で上位入賞へ導いた。ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin NabobやKrovikan Horrorを生き埋め/Buried Aliveによって墓地に集め、際限なくあふれるゾンビ・トークンがエクステンデッド環境で暴れまわった。
- 納墓/Entomb:オデッセイで最も価格の高いカード(2014年8月現在)。死体発掘/Exhume、再活性/Reanimateとのコンボでレガシー環境の「リアニメイト」の必須パーツとなった。
- ワームの咆哮/Roar of the Wurm:4マナで破格の6/6ワーム・トークンが出せるマナレシオを評価され、物静かな思索/Quiet Speculationとのコンボで「クワイエット・ロアー」をスタンダード環境およびエクステンデッド環境で活躍させた。
- リスの巣/Squirrel Nest:トークン量産からロックにつなげる「リス対立」のキーカード。対立/Opposition、静態の宝珠/Static Orbとのコンボで場を制圧した。
- 敏捷なマングース/Nimble Mongoose:スレッショルドの代表カード。限定的ながら1マナ3/3の被覆クリーチャーとしてスタンダードで「8Man」や「ターボバランス」などで活躍し、レガシーでも「Canadian Threshold」に採用された。
- 熊人間/Werebear:スレッショルドの代表カードその2。秘教の処罰者/Mystic Enforcerとともに「スーパーグロウ」の必須パーツとしてエクステンデッド環境に強い影響を与えた。
- 機知の戦い/Battle of Wits:ライブラリー枚数が240枚を超える「バベル」のキーカード。笹沼希予志氏によって実戦レベルであることが証明された。
- 平等化/Balancing Act:リメイクされた天秤/Balance。コンボデッキ「ターボバランス」で土を食うもの/Terravoreおよびインベイジョンのサクリファイスランドとの相性は抜群であった。
- ミラーリ/Mirari:発売後しばらく使用されずに放置されていた伝説のアーティファクト。後に爆発的なマナを産む「ウェイク」のキーカードとなり世界選手権03で優勝した。
- 陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion:いやがらせのお手本のような伝説のクリーチャー。黒系ビート・コントロール「ノワール」の中心カードとして日本選手権02で準優勝した。
テーマデッキ
パッケージ・イラスト
- 陰謀団の総帥/Cabal Patriarch (トーナメントパック)
- ミラーリ/Mirari
- セファリッドの皇帝アボシャン/Aboshan, Cephalid Emperor
- クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector
デザイン
デザイン・チーム | Mark Rosewater (lead) |
Mike Donais | |
Richard Garfield | |
William Jockusch | |
Henry Stern | |
デベロップ・チーム | Randy Buehler (lead) |
Michael Donais | |
Mike Elliott | |
William Jockusch | |
Henry Stern | |
アート・ディレクター | Dana Knutson |
Ron Spears |
公式特集ページ
マジックの小ネタを紹介するミニコラム。Arcana
- Odyssey logos(Arcana 2002年1月9日) - オデッセイのロゴ案
- "What If?" with Odyssey art(Arcana 2002年1月11日) - 元の発注とは別のカードに使われたイラスト達
- Odyssey Spheres Arcana 2002年1月15日) - 領域サイクルのイラストについて
- [Almost Reprinted(Arcana 2002年1月16日) - オデッセイへ再録が検討されていたカード達
- The Dwarves(Arcana 2001年1月21日) - ドワーフのスケッチ
- Bearscape of the Dead(Arcana 2001年1月22日) - 熊の谷/Bearscapeと死者の夜明け/Dawn of the Deadの関係
- Getting 2-for-1(Arcana 2001年1月24日) - 悔悟せる吸血鬼/Repentant Vampireと勇敢な行為/Gallantryのイラスト
- Lavamancer's Buddy(Arcana 2001年1月25日) - 片意地な使い魔/Obstinate Familiarと渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerの関係
- Odyssey Artifacts(Arcana 2002年1月28日)- プレイテスト中アーティファクトだったカード