増殖

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'''増殖'''(ぞうしょく)/''Proliferate''は、[[ミラディンの傷跡ブロック]]で登場し、[[統率者2016]]で再登場した[[キーワード処理]]
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| align="center" style="margin: 0 0 1em 1em; border: 1px solid #000;" |[[ミラディンの傷跡]]<br>[[ミラディン包囲戦]]<br>[[新たなるファイレクシア]]<br>[[統率者2016]]<br>[[灯争大戦]]<br>[[モダンホライゾン]]<br>[[モダンホライゾン2]]<br>[[ニューカペナの街角統率者デッキ]]<br>[[Unfinity]]<br>[[ファイレクシア:完全なる統一]]<br>[[ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ]]<br>[[機械兵団の進軍統率者デッキ]]<br>[[イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ]]<br>[[Fallout統率者デッキ]]
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'''増殖'''(ぞうしょく)/''Proliferate''[[キーワード処理]]の1つ。
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{{#card:Contentious Plan}}
  
 
==定義==
 
==定義==
「増殖を行う/Proliferate」とは、[[パーマネント]]や[[プレイヤー]]のうちで[[カウンター (目印)|カウンター]]を持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているものと同種のカウンターを1つ追加で置くことである。
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「増殖を行う/Proliferate」とは、[[パーマネント]]や[[プレイヤー]]のうちで[[カウンター (目印)|カウンター]]を持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているカウンターを各種類ごとに追加で1個ずつ置くことである。
  
[[双頭巨人戦]]の場合は上記の「プレイヤー」を「[[チーム]]」に読み替える。
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[[双頭巨人戦]]では、[[毒カウンター]]は[[チーム]]で共有されている。チームの複数のプレイヤーについてこれが選ばれた場合、それらのプレイヤーのうち1人だけに追加の毒カウンターが置かれる。増殖を行なったプレイヤーは、どのプレイヤーに置くのかを選ぶ。
  
 
==解説==
 
==解説==
===ルール===
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[[ミラディンの傷跡ブロック]]では、[[ミラディン/Mirrodin]]の世界に侵食した[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil]]の広がりをイメージしたデザインになっており、[[-1/-1カウンター]][[感染]]による[[毒カウンター]]を増やすことができる。[[ミラディンの傷跡]]の時点では、増殖を持つのはファイレクシア陣営のカードのみであり、いずれも[[]][[アーティファクト]]である。続く[[ミラディン包囲戦]]ではそれらに加え[[]]や[[緑]]のファイレクシア陣営のカードに増殖を持つものが登場し、さらに[[新たなるファイレクシア]]では[[赤]]にも増殖を持つ[[ファイレクシア/Phyrexia|ファイレクシア]]陣営のカードが登場した。
*流し読みすると勘違いしてしまいがちだが、増殖は1体だけではなく、望む数のプレイヤーとパーマネントを選ぶことができる。
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**「望む数」には「0」も含まれるため、パーマネントやプレイヤーを一切選ばないことも適正である。
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*選んだパーマネントに複数の種類のカウンターが置かれている場合、増やせるのはそのうちの1種類のみである。また、どの種類のカウンターを増やすかは、パーマネント/プレイヤーごとに選べる。
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*増殖は、カウンターを増やす[[オブジェクト]][[対象]]としているわけではない。よって、[[被覆]][[プロテクション]]などには妨害されない。
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*カウンターを増やすオブジェクトを選ぶのは増殖の実行時(能力・呪文の解決時)であり、増殖を[[効果]]に含む[[呪文]][[唱える]]ときや[[起動型能力]][[起動]]するときではない。
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*パーマネントやプレイヤー以外のオブジェクトに置かれたカウンターは増やすことができない。例えば[[待機]]状態の[[カード]]や[[スタック]]上の[[稲妻の嵐/Lightning Storm]]など。
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===その他===
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[[モダンマスターズ2015]]では主要[[メカニズム]]の1つとして増殖を持つカードが多く[[再録]]された。また、[[統率者2016]]では[[緑白青黒]][[法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice]]が増殖能力を持っている。
[[感染]]とともに、[[ミラディン/Mirrodin]]の世界に侵食した[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil]]の広がりをイメージしたデザインになっている。
+
  
[[ミラディンの傷跡]]の時点では、増殖を持つのはファイレクシア陣営のカードのみであり、いずれも[[青]]か[[アーティファクト]]である。続く[[ミラディン包囲戦]]ではそれらに加え[[黒]]や[[緑]]のファイレクシア陣営のカードに増殖を持つものが登場し、さらに[[新たなるファイレクシア]]では[[]]にも増殖を持つファイレクシア陣営のカードが登場した。
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灯争大戦では特に背景設定に紐づけられたメカニズムでは無い。[[]]と青と緑に割り当てられ、セットのテーマである[[プレインズウォーカー]]や[[動員]][[シナジー]]を持つ。
  
[[モダンマスターズ2015]]では主要メカニズムの1つとして増殖を持つカードが多く[[再録]]された。[[カラデシュ]]では[[エネルギー・カウンター]][[+1/+1カウンター]]との相互作用を期待して再録メカニズムとして検討されたが、調整が難航し取り除かれた<ref>*[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017687/ 「賭けてみるか、エーテルパンク?」 その1](Making Magic [[2016年]]9月26日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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[[ファイレクシア:完全なる統一]]では再びファイレクシア陣営の能力として採用され、毒カウンターに加え、[[油カウンター]]とのシナジーも形成している。白以外の4色に割り当てられているが、[[]][[]]に特に多く、[[]]に少ない。増殖を2倍にする[[尋問のドミヌス、テクータル/Tekuthal, Inquiry Dominus]]や、増殖を行うことを[[誘発条件]]とする[[誘発型能力]]を持つカードが複数登場した。[[サプリメント・セット]]の[[ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ]]では白のカードも登場している。機械兵団の進軍統率者デッキでもファイレクシア陣営の能力として使われ、[[培養]]とシナジーする。
  
[[統率者2016]]では赤抜き4色の[[法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice]]が増殖能力を持っている。
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*[[Unfinity]]では[[ステッカー]]の[[Carnival Elephant Meteor]]が増殖を行う能力を与える。
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==ルール==
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*増殖を行うことそのものは[[対象]]を選ばない。あなたがどのパーマネントやプレイヤーの上にあるカウンターを増やすかは増殖を行う[[呪文]]か[[能力]]の[[解決]]時に選ぶ。
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*増殖を行う呪文か能力が他に対象を選ぶ[[効果]]を持っており、それが解決時にすべて[[不正な対象]]であったなら、その呪文や能力は[[立ち消え]]増殖も行われない。
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*[[キーワード・カウンター]]も増殖できる。[[無情な行動/Heartless Act]]や[[噛掌の忍者/Biting-Palm Ninja]]などで参照されるため、きちんと数を記録しておかなければならない。
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*流し読みすると勘違いしてしまいがちだが、増殖は1体だけではなく、望む数のプレイヤーとパーマネントを選ぶことができる。
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**「望む数」には「0」も含まれるため、パーマネントやプレイヤーを一切選ばないことも適正である。
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*「あなたが増殖を行うたび」に[[誘発]]する能力は、あなたがどのパーマネントやプレイヤーにもカウンターを与えないことを選択しても誘発する。
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*パーマネント以外の[[オブジェクト]]に置かれたカウンターは増やすことができない。例えば[[待機]]状態の[[カード]]や[[スタック]]上の[[稲妻の嵐/Lightning Storm]]など。
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*[[伝染病エンジン/Contagion Engine]]など、一度に複数回の増殖を行う[[効果]]が存在する。これらは1回目と2回目の増殖の間に[[優先権]]が発生せず、それぞれの増殖で選ぶパーマネントやプレイヤーを変えてもよい。
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===ルールの変遷===
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灯争大戦で[[ルール]]が変更されるまでは、選んだパーマネントやプレイヤーが複数の種類のカウンターを持っている場合、増やせるのはそのうちの1種類のみであった。例えば、毒カウンターと[[エネルギー・カウンター]]を持つプレイヤーを選んだ場合、毒カウンターのみを増やすことが可能だった。
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==その他==
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*ユーザーからの人気が高い一方で、あらゆる種類のカウンターに影響することから調整が難しく、幾度も再録を試みられながら断念されているメカニズムである。[[ストーム値]]は5<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/storm-scale-mirrodin-and-scars-mirrodin-blocks-2018-06-11 Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030689/ ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック]([[Making Magic]] [[2018年]]6月11日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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**[[カラデシュ]]では[[エネルギー・カウンター]]や[[+1/+1カウンター]]([[製造]])との相互作用を期待して再録することが検討されたが、+1/+1カウンターとの相性が良すぎる一方でエネルギーとの相性があまり良くなく、[[カード・セット|セット]]を曲げる結果になったため取り除かれた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/do-you-feel-lucky-aetherpunk-part-1-2016-09-26 "Do You Feel Lucky, Aetherpunk?" Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017687/ 「賭けてみるか、エーテルパンク?」 その1](Making Magic [[2016年]]9月26日 Mark Rosewater著)</ref>。
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**続く[[霊気紛争]]でも再録が検討されたが上手く行かず、代わりに[[航空船の略取者/Skyship Plunderer]]など少数のカードで増殖に似た能力が使われることになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/aether-way-part-3-2017-01-30 Aether Way, Part 3]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018284/ 霊気の道 その3](Making Magic [[2017年]]1月30日 Mark Rosewater著)</ref>。
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**[[ラヴニカの献身]]では+1/+1カウンターを多用する[[シミック連合/The Simic Combine]]のメカニズムとして再録が検討されたが、シミック内での[[シナジー]]や[[暴動]]など他ギルドのメカニズムとのシナジーが強すぎ、バランスを取るのが難しかったためボツになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/building-allegiances-part-1-2019-01-02 Building Allegiances, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0031637/ 献身の作り方 その1](Making Magic [[2019年]]1月2日 Mark Rosewater著)</ref><ref name="a" />。
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**灯争大戦では、これまでの問題を振り返ったうえで問題が無いと判断され、ようやく[[本流のセット]]への再録が実現した<ref name="a">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/waging-war-spark-part-2-2019-04-08 Waging War of the Spark, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032307/ 『灯争大戦』の遂行 その2](Making Magic [[2019年]]4月8日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032990/ 忍耐]([[Making Magic]] 2019年9月2日)</ref>。
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**その後の[[神河:輝ける世界]]では、[[ファイレクシアン]]・[[プレインズウォーカー]]を表現するため[[完成化した賢者、タミヨウ/Tamiyo, Compleated Sage]]の[[忠誠度能力]]にのみ採用する案があったが、単独ではファイレクシアらしさを表現するのに不十分であったため[[ファイレクシア・マナ]]に置き換えられた<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/phyrexia-all-will-be-one-direction-part-2 Elements of Neon]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035817/ 『輝ける』要素](Making Magic [[2022年]]1月21日 Mark Rosewater著)</ref>。
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*上記の通り全色に存在するメカニズムではあるが、[[色の評議会]]としては[[カラーパイ]]の観点から[[赤]]の[[色の役割]]にはふさわしくないとしている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/phyrexia-all-will-be-one-direction-part-2 Phyrexia: All Will Be One Direction, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036633/ 『ファイレクシア:完全なる統一』方的な話 その2](Making Magic [[2023年]]1月23日 Mark Rosewater著)</ref>。
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*増殖を2回行う効果の[[テンプレート]]は、[[灯争大戦]]までは「増殖を行い、その後再び(もう一度)増殖を行う/''proliferate, then proliferate again''」であったが、[[ファイレクシア:完全なる統一]]では「増殖を2回行う/''proliferate twice''」に変更となっている。
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==類似カード==
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増殖以外にも既にカウンターが置かれているパーマネントにのみカウンターを追加できるカードは頻繁にデザインされている。以下、特記しない限り+1/+1カウンターが置かれた各クリーチャーに+1/+1カウンターのみ1個ずつ置く。+1/+1カウンターを置く際に数を1つ増やすカードは[[硬化した鱗/Hardened Scales]]の項を参照。
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*[[鱗の祝福/Scale Blessing]] - (3)(白)[[インスタント]]。先に[[鼓舞]]1を行う。([[タルキール龍紀伝]])
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**[[造命師の贈り物/Lifecrafter's Gift]] - (3)(緑)インスタント。鼓舞でなく対象を選べる鱗の祝福。([[霊気紛争]])
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*[[勇者の守護神/Patron of the Valiant]] - (3)(白)(白)4/4[[飛行]]クリーチャーの[[ETB]]能力。([[マジック・オリジン]])
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*[[活性機構/Animation Module]] - (1)[[アーティファクト]]の起動コスト(3)の[[タップ能力]]。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネントもプレイヤーも対象にできる。([[カラデシュ]])
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**[[航空船の略取者/Skyship Plunderer]] - (1)(青)2/1飛行クリーチャー。[[サボタージュ能力]]が活性機構。(霊気紛争)
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**[[襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary]] - (1)(緑)(緑)3/3[[トランプル]]クリーチャーのETB能力と[[PIG]]能力が活性機構。(霊気紛争)
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*[[採石場の運び屋/Quarry Hauler]] - (3)(緑)4/3クリーチャーのETB能力。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネント全般対象で、1個取り除く事も選べる。([[アモンケット]])
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**[[劇作家の人形/Dramatist's Puppet]] - (4)2/4の[[アーティファクト・クリーチャー]]になった採石場の運び屋。([[神河:輝ける世界]])
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*[[すべてを取り込むもの、スラーク/Slurrk, All-Ingesting]] - (5)(緑)[[共闘]]+1/+1カウンターを5つ乗せて戦場に出るクリーチャーのPIG能力。他の+1/+1カウンターを乗せたクリーチャーの[[死亡]]時にも誘発。([[統率者レジェンズ]])
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*[[オラン=リーフの軟泥/Oran-Rief Ooze]] - (2)(緑)2/2クリーチャーの[[攻撃]]時誘発型能力。ただし攻撃していないクリーチャーには乗らない。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。([[ゼンディカーの夜明け]])
 +
*[[決闘の指導者/Dueling Coach]] - (3)(白)2/2クリーチャーの起動コスト(4)(白)のタップ能力。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。([[ストリクスヘイヴン:魔法学院]])
 +
*[[折れ刃のちし郎/Chishiro, the Shattered Blade]] - (2)(赤)(緑)4/4クリーチャー。あなたの終了ステップごとに誘発。[[改善]]されたクリーチャー全般に乗せる。([[神河:輝ける世界統率者デッキ]])
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また、対象の上のカウンター数を倍にするカードも、元手のカウンターが必要な構造としては増殖に近い。以下特記しない限り対象1体の+1/+1カウンター数のみ倍に増やすカード。
 +
*[[光らせの子/Gilder Bairn]] - (1)(緑/青)(緑/青)2/2クリーチャーの起動コスト(2)(緑/青)の[[アンタップ能力]]。パーマネント全般対象かつカウンター全般を倍にする。([[イーブンタイド]])
 +
**[[育殻組のヴォレル/Vorel of the Hull Clade]] - (1)(緑)(青)1/4クリーチャーのタップ能力が光らせの子。ただし対象は土地とクリーチャーとアーティファクト限定。([[ドラゴンの迷路]])
 +
*[[カロニアのハイドラ/Kalonian Hydra]] - (3)(緑)(緑)トランプル+1/+1カウンターを4つ乗せて戦場に出る。攻撃するたび各クリーチャーの+1/+1カウンターを倍にする。([[基本セット2014]])
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*[[英雄たちの結束/Solidarity of Heroes]] - (1)(緑)[[奮励]]インスタント。([[ニクスへの旅]])
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*[[深輝エイ/Deepglow Skate]] - (4)(青)3/3クリーチャーのETB能力。望む数のパーマネント全般対象かつカウンター全般を倍にする。([[統率者2016]])
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*[[生体性改造/Biogenic Upgrade]] - (4)(緑)(緑)[[ソーサリー]]。3体までを対象に先に+1/+1カウンター3つを割り振って置いてから、それらの+1/+1カウンターを倍にする。([[ラヴニカの献身]])
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**[[活性化のうねり/Invigorating Surge]] - (2)(緑)インスタント。1体対象で、先に乗せるカウンターも1つだけになった生体性改造。([[基本セット2021]])
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**[[威圧の光景/Visions of Dominance]] - (2)(緑)[[フラッシュバック]](8)(緑)(緑)ソーサリーになった活性化のうねり。フラッシュバックコストは統率者のマナ総量分軽くなる。([[イニストラード:真夜中の狩り統率者デッキ]])
 +
*[[ハイドラの成長/Hydra's Growth]] - (2)(緑)オーラ。あなたの[[アップキープ]]ごとに誘発。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。([[テーロス還魂記]])
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*[[ターナジール・クアンドリクス/Tanazir Quandrix]] - (3)(緑)(青)4/4飛行トランプルクリーチャーのETB能力。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
 +
*[[フラクタルの装具/Fractal Harness]] - (X)(2)(緑)[[装備]]コスト(2)の[[装備品]]。+1/+1カウンターをX個乗せた[[トークン]]を[[生成]]する[[生体武器]]。装備先が攻撃するたび誘発。([[統率者2021]])
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*[[時の剣/Sword of Hours]] - (2)装備コスト(2)の装備品。装備先が攻撃するたび+1/+1カウンターが乗り、[[戦闘ダメージ]]を与えるたび12面[[ダイス]]の出目がダメージより上なら倍にする。([[フォーゴトン・レルム探訪統率者デッキ]])
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*[[第一次ティラン戦役/The First Tyrannic War]] - (2)(緑)(青)(赤)[[英雄譚]]エンチャントの第II、III章能力。カウンター全般を倍にする。([[ウォーハンマー40,000統率者デッキ]])
 +
*[[ギャレンブリグの宮廷/Court of Garenbrig]] - (1)(緑)(緑)エンチャント。あなたのアップキープごとに誘発。先に+1/+1カウンターを2個割り振って置き、あなたの各クリーチャーの+1/+1カウンターを倍にする。ただしあなたが[[統治者]]であることが条件。([[エルドレインの森統率者デッキ]])
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==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*{{WHISPER検索/英語オラクル|Proliferate|増殖(Proliferate)}}
 
*{{WHISPER検索/英語オラクル|Proliferate|増殖(Proliferate)}}
*[https://web.archive.org/web/20130411082238/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010063/ 狂える夜よ増殖せよ]/[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/111 Proliferate Crazy Nights](文:[[Mark Rosewater]]
+
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/proliferate-crazy-nights-2010-10-04 Proliferate Crazy Nights]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/狂える夜よ増殖せよ-2010-10-04 狂える夜よ増殖せよ](Making Magic [[2010年]]10月4日 Mark Rosewater著)
<references />
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*[[キーワード処理]]
 
*[[キーワード処理]]
 
*[[ルーリング#キーワード処理|ルーリング]]
 
*[[ルーリング#キーワード処理|ルーリング]]
 
 
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__NOTOC__
 

2024年3月11日 (月) 21:55時点における版

登場セット
ミラディンの傷跡
ミラディン包囲戦
新たなるファイレクシア
統率者2016
灯争大戦
モダンホライゾン
モダンホライゾン2
ニューカペナの街角統率者デッキ
Unfinity
ファイレクシア:完全なる統一
ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ
機械兵団の進軍統率者デッキ
イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ
Fallout統率者デッキ

増殖(ぞうしょく)/Proliferateキーワード処理の1つ。


Contentious Plan / 論議を呼ぶ計画 (1)(青)
ソーサリー

増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)
カードを1枚引く。


目次

定義

「増殖を行う/Proliferate」とは、パーマネントプレイヤーのうちでカウンターを持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているカウンターを各種類ごとに追加で1個ずつ置くことである。

双頭巨人戦では、毒カウンターチームで共有されている。チームの複数のプレイヤーについてこれが選ばれた場合、それらのプレイヤーのうち1人だけに追加の毒カウンターが置かれる。増殖を行なったプレイヤーは、どのプレイヤーに置くのかを選ぶ。

解説

ミラディンの傷跡ブロックでは、ミラディン/Mirrodinの世界に侵食したファイレクシアの油/Phyrexian oilの広がりをイメージしたデザインになっており、-1/-1カウンター感染による毒カウンターを増やすことができる。ミラディンの傷跡の時点では、増殖を持つのはファイレクシア陣営のカードのみであり、いずれもアーティファクトである。続くミラディン包囲戦ではそれらに加えのファイレクシア陣営のカードに増殖を持つものが登場し、さらに新たなるファイレクシアではにも増殖を持つファイレクシア陣営のカードが登場した。

モダンマスターズ2015では主要メカニズムの1つとして増殖を持つカードが多く再録された。また、統率者2016では緑白青黒法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voiceが増殖能力を持っている。

灯争大戦では特に背景設定に紐づけられたメカニズムでは無い。と青と緑に割り当てられ、セットのテーマであるプレインズウォーカー動員シナジーを持つ。

ファイレクシア:完全なる統一では再びファイレクシア陣営の能力として採用され、毒カウンターに加え、油カウンターとのシナジーも形成している。白以外の4色に割り当てられているが、に特に多く、に少ない。増殖を2倍にする尋問のドミヌス、テクータル/Tekuthal, Inquiry Dominusや、増殖を行うことを誘発条件とする誘発型能力を持つカードが複数登場した。サプリメント・セットファイレクシア:完全なる統一統率者デッキでは白のカードも登場している。機械兵団の進軍統率者デッキでもファイレクシア陣営の能力として使われ、培養とシナジーする。

ルール

  • 増殖を行うことそのものは対象を選ばない。あなたがどのパーマネントやプレイヤーの上にあるカウンターを増やすかは増殖を行う呪文能力解決時に選ぶ。
  • 増殖を行う呪文か能力が他に対象を選ぶ効果を持っており、それが解決時にすべて不正な対象であったなら、その呪文や能力は立ち消え増殖も行われない。
  • キーワード・カウンターも増殖できる。無情な行動/Heartless Act噛掌の忍者/Biting-Palm Ninjaなどで参照されるため、きちんと数を記録しておかなければならない。
  • 流し読みすると勘違いしてしまいがちだが、増殖は1体だけではなく、望む数のプレイヤーとパーマネントを選ぶことができる。
    • 「望む数」には「0」も含まれるため、パーマネントやプレイヤーを一切選ばないことも適正である。
  • 「あなたが増殖を行うたび」に誘発する能力は、あなたがどのパーマネントやプレイヤーにもカウンターを与えないことを選択しても誘発する。
  • パーマネント以外のオブジェクトに置かれたカウンターは増やすことができない。例えば待機状態のカードスタック上の稲妻の嵐/Lightning Stormなど。
  • 伝染病エンジン/Contagion Engineなど、一度に複数回の増殖を行う効果が存在する。これらは1回目と2回目の増殖の間に優先権が発生せず、それぞれの増殖で選ぶパーマネントやプレイヤーを変えてもよい。

ルールの変遷

灯争大戦でルールが変更されるまでは、選んだパーマネントやプレイヤーが複数の種類のカウンターを持っている場合、増やせるのはそのうちの1種類のみであった。例えば、毒カウンターとエネルギー・カウンターを持つプレイヤーを選んだ場合、毒カウンターのみを増やすことが可能だった。

その他

類似カード

増殖以外にも既にカウンターが置かれているパーマネントにのみカウンターを追加できるカードは頻繁にデザインされている。以下、特記しない限り+1/+1カウンターが置かれた各クリーチャーに+1/+1カウンターのみ1個ずつ置く。+1/+1カウンターを置く際に数を1つ増やすカードは硬化した鱗/Hardened Scalesの項を参照。

また、対象の上のカウンター数を倍にするカードも、元手のカウンターが必要な構造としては増殖に近い。以下特記しない限り対象1体の+1/+1カウンター数のみ倍に増やすカード。

脚注

  1. Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks/ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロックMaking Magic 2018年6月11日 Mark Rosewater著)
  2. "Do You Feel Lucky, Aetherpunk?" Part 1/「賭けてみるか、エーテルパンク?」 その1(Making Magic 2016年9月26日 Mark Rosewater著)
  3. Aether Way, Part 3/霊気の道 その3(Making Magic 2017年1月30日 Mark Rosewater著)
  4. Building Allegiances, Part 1/献身の作り方 その1(Making Magic 2019年1月2日 Mark Rosewater著)
  5. 5.0 5.1 Waging War of the Spark, Part 2/『灯争大戦』の遂行 その2(Making Magic 2019年4月8日 Mark Rosewater著)
  6. 忍耐(Making Magic 2019年9月2日)
  7. Elements of Neon/『輝ける』要素(Making Magic 2022年1月21日 Mark Rosewater著)
  8. Phyrexia: All Will Be One Direction, Part 2/『ファイレクシア:完全なる統一』方的な話 その2(Making Magic 2023年1月23日 Mark Rosewater著)

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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