パウパー

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(3人の利用者による、間の7版が非表示)
6行: 6行:
 
テーブルトップ([[紙]]のカード)と[[Magic Online]]のいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。
 
テーブルトップ([[紙]]のカード)と[[Magic Online]]のいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。
 
*ただし[[禁止カード]]も存在する([[#禁止カード|禁止カード]]参照)。
 
*ただし[[禁止カード]]も存在する([[#禁止カード|禁止カード]]参照)。
*'''[[Magic: The Gathering Arena]]にのみコモン版が存在するカードは使用できない'''ので注意<ref>[https://twitter.com/GavinVerhey/status/1550516375860326400 @GavinVerhey](Twitter [[2022年]]7月23日 [[Gavin Verhey]])</ref>。ただし[[2022年]]7月25日現在、[[Gatherer]]ではパウパーで使用可能と表示されてしまっている。
+
*'''[[Magic: The Gathering Arena]]にのみコモン版が存在するカードは使用できない'''ので注意<ref>[https://twitter.com/GavinVerhey/status/1550516375860326400 @GavinVerhey](Twitter [[2022年]]7月23日 [[Gavin Verhey]])</ref>
 +
**一部のカードは[[Gatherer]]ではパウパーで使用可能と表示されてしまっている。[[2021年]]に[[無限の秘本/Tome of the Infinite]]の影響で誤表記され問題となった<ref>[https://twitter.com/GavinVerhey/status/1442626036261285890 @Gavinverhey](Twitter 2021年9月28日 [[Gavin Verhey]])</ref>[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]は修正されたが、[[アイアン・ゴーレム/Iron Golem]]など[[アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート]]でコモンになったカードは未修正である。
  
 
コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。
 
コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。
 
*例:[[対抗呪文/Counterspell]]は[[第7版]]等でコモンとして収録されているため、パウパーで使用できる。[[Masters Edition]]版の対抗呪文は[[アンコモン]]であるが、それを使用してもよい。
 
*例:[[対抗呪文/Counterspell]]は[[第7版]]等でコモンとして収録されているため、パウパーで使用できる。[[Masters Edition]]版の対抗呪文は[[アンコモン]]であるが、それを使用してもよい。
  
[[Mystery Booster]]の[[Mystery Booster#R&D Playtest cards|R&D Playtest cards]]を除く、各[[カードセット一覧#特殊セット|特殊セット]]や[[構築済みデッキ]]においてコモンで収録されたカードも使用できる。
+
[[Mystery Booster]]の[[Mystery Booster#R&D Playtest cards|R&D Playtest cards]]を除く、各[[サプリメント・セット]]や[[構築済みデッキ]]においてコモンで収録されたカードも使用できる。
 
*例:[[木立を歩むもの/Walker of the Grove]]は通常セットでコモンとして収録されたことはないが、[[Modern Masters]]でコモンであるため、使用できる。
 
*例:[[木立を歩むもの/Walker of the Grove]]は通常セットでコモンとして収録されたことはないが、[[Modern Masters]]でコモンであるため、使用できる。
 
*例:[[ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman]]は[[ブースターパック]]のあるセットにおいては[[Masters Edition 2]]と(Magic Onlineではリリースされていないが)[[アライアンス]]のみの収録で、これらのセットではいずれもアンコモンであるが、[[コールドスナップ]]の[[テーマデッキ]]である[[オーロクス暴走/Aurochs Stampede]]においてコモンとして収録されているため、使用できる。当然、オーロクス暴走版だけでなく、Masters Edition 2版を使用してもよい。
 
*例:[[ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman]]は[[ブースターパック]]のあるセットにおいては[[Masters Edition 2]]と(Magic Onlineではリリースされていないが)[[アライアンス]]のみの収録で、これらのセットではいずれもアンコモンであるが、[[コールドスナップ]]の[[テーマデッキ]]である[[オーロクス暴走/Aurochs Stampede]]においてコモンとして収録されているため、使用できる。当然、オーロクス暴走版だけでなく、Masters Edition 2版を使用してもよい。
27行: 28行:
  
 
==禁止カード==
 
==禁止カード==
 +
*[[アーラコクラの隠密/Aarakocra Sneak]]
 
*[[アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe]]
 
*[[アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe]]
 
*[[エイトグ/Atog]]
 
*[[エイトグ/Atog]]
43行: 45行:
 
*[[ぶどう弾/Grapeshot]]
 
*[[ぶどう弾/Grapeshot]]
 
*[[噴出/Gush]]
 
*[[噴出/Gush]]
*[[High Tide]]
+
*[[満潮/High Tide]]
 
*[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]
 
*[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]
 
*[[激励/Invigorate]]
 
*[[激励/Invigorate]]
 +
*[[僧院の速槍/Monastery Swiftspear]]
 
*[[神秘の聖域/Mystic Sanctuary]]
 
*[[神秘の聖域/Mystic Sanctuary]]
 
*[[流浪のドレイク/Peregrine Drake]]
 
*[[流浪のドレイク/Peregrine Drake]]
51行: 54行:
 
*[[陥没孔/Sinkhole]]
 
*[[陥没孔/Sinkhole]]
 
*[[滞留者の相棒/Sojourner's Companion]]
 
*[[滞留者の相棒/Sojourner's Companion]]
 +
*[[奮起させるバード/Stirring Bard]]
 +
*[[アンダーダークの探検者/Underdark Explorer]]
 
*[[時間の亀裂/Temporal Fissure]]
 
*[[時間の亀裂/Temporal Fissure]]
 
*[[宝船の巡航/Treasure Cruise]]
 
*[[宝船の巡航/Treasure Cruise]]
 +
*[[物騒なバトルレイジャー/Vicious Battlerager]]
 
*人種または文化に対し攻撃的なカード
 
*人種または文化に対し攻撃的なカード
 
**[[プラデッシュの漂泊民/Pradesh Gypsies]]
 
**[[プラデッシュの漂泊民/Pradesh Gypsies]]
107行: 113行:
 
*[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]
 
*[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]
 
*[[陥没孔/Sinkhole]]
 
*[[陥没孔/Sinkhole]]
*[[High Tide]]
+
*[[満潮/High Tide]]
  
 
その後、7月3日に[[基本セット2020]]のリリースと同時にMagic Onlineでカードプールの更新が行なわれた。
 
その後、7月3日に[[基本セット2020]]のリリースと同時にMagic Onlineでカードプールの更新が行なわれた。
  
 
==その他==
 
==その他==
*公認フォーマット前からMagic Online上のみでなく、実際の紙のカードで遊ばれる事も多かった。過去の非公認期にはMagic Onlineでの構築ルールをそのまま使用する例もあれば、「現実にコモンとして印刷されたことがあるカードすべて」と解釈する例もあった。
+
*公認フォーマット前から[[Magic Online]]上のみでなく、実際の紙のカードで遊ばれる事も多かった。過去の非公認期にはMagic Onlineでの構築ルールをそのまま使用する例もあれば、「現実に[[コモン]]として印刷されたことがあるカードすべて」と解釈する例もあった。
 
**後者のルールにする場合、[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]や[[尊大なワーム/Arrogant Wurm]]などをどのように扱うのかが問題だったため、トラブルにならないよう事前にはっきり定めておく必要があった。
 
**後者のルールにする場合、[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]や[[尊大なワーム/Arrogant Wurm]]などをどのように扱うのかが問題だったため、トラブルにならないよう事前にはっきり定めておく必要があった。
 
**[[グランプリ]]の[[サイドイベント]]などでパウパーのイベントが開催される場合、Magic Onlineのルールをそのまま使用する事が多かった。なお、[[グランプリロサンゼルス19]]内の[[ミシックチャンピオンシップ予選]]はこのフォーマットが採用された。
 
**[[グランプリ]]の[[サイドイベント]]などでパウパーのイベントが開催される場合、Magic Onlineのルールをそのまま使用する事が多かった。なお、[[グランプリロサンゼルス19]]内の[[ミシックチャンピオンシップ予選]]はこのフォーマットが採用された。
 
*[[カジュアルプレイ|カジュアルルーム]]等で、さらに[[スタンダード]][[環境]]のコモンのみに限定して遊ばれる事も少なくなかったため、後に「Standard Pauper」というフォーマットも追加された。賞品の出る大会等がなく、認定フォーマットという形ではないものの、パウパー以上に手軽にデッキが組めるため、一定の需要がある。
 
*[[カジュアルプレイ|カジュアルルーム]]等で、さらに[[スタンダード]][[環境]]のコモンのみに限定して遊ばれる事も少なくなかったため、後に「Standard Pauper」というフォーマットも追加された。賞品の出る大会等がなく、認定フォーマットという形ではないものの、パウパー以上に手軽にデッキが組めるため、一定の需要がある。
**[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。
+
**[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。これらにおいてはArena内で該当レアリティが存在するカードのみ使用できる。
*[[2022年]]以降、[[禁止カード]]の指定については[[パウパー・フォーマット委員会]]と呼ばれる有識者委員会の助言を参考に行なわれるようになった。
+
*[[2022年]]以降、[[禁止カード]]の指定については[[パウパー・フォーマット委員会]]と呼ばれる有識者委員会の助言を参考に行なわれるようになった。このため、他の[[2人対戦]]の公認フォーマットとは禁止改定の時期が異なる<ref>[https://twitter.com/emmadpartlow/status/1688559111556714496 @emmadpartlow](パウパー・フォーマット委員会 [[Emma Partlow]]のTwitter 2023年8月7日)</ref>。
 +
*前記のとおり、一度でもコモンで再録されれば使用できるため、特にレアリティが下がって再録されやすい[[マスターズ・シリーズ]]などによって使用できるカードが増え、環境が変わることが多い。[[モダンマスターズ2017]]の[[炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary]]や[[ボーラスの占い師/Augur of Bolas]]など。
 +
 
 
==脚注==
 
==脚注==
 
<references />
 
<references />

2024年1月6日 (土) 15:28時点における最新版

パウパー/Pauperは、公式フォーマットの1つ。元々はMagic Online上でコモンとして収録されたことがあるカードのみを使用できるコモンデッキ構築非公式フォーマットであったが、2019年6月28日より公式化される形でのカードでもプレイできるようにルール制定が行なわれた。

Pauperとは、貧困者・持たざる者という意味。コモンデッキ(またの名を貧乏デッキ)構築であることに由来する。発音は「パウパー」よりも「ポーパー」に近い。

目次

[編集] ルール

テーブルトップ(のカード)とMagic Onlineのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。

コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。

Mystery BoosterR&D Playtest cardsを除く、各サプリメント・セット構築済みデッキにおいてコモンで収録されたカードも使用できる。

Magic Onlineにおける収録状況は実際の紙のカードとは若干異なっていることがある。特に第6版までの基本セットアライアンスまでのセットはMagic Onlineではリリースされておらず、Masters Editionに統合された形で収録されているため、大幅な変更が加えられている。

その他は通常の構築ルールに順ずる。

[編集] 禁止カード

禁止カードリストの変遷については、パウパーの変遷を参照。

[編集] 傾向

全体としてのカードバランスは、他の構築環境に比べ極端に劣るわけではない。むしろ過去から現在までの数多の強力なコモンが使用できるため、本格的なパーミッションから、数ターンの決着を目指すビートダウンコンボデッキなど、多彩なデッキが構築可能であり、時にはエターナル環境でも勝負に持ち込めるほどの完成度とデッキパワーに仕上げることも可能。

しかし一方で大型クリーチャー多色土地全体除去など、コモンには基本的に収録されないカードも多く、それらは環境全体で不足している。それにより各アーキタイプに少なからず影響が与えられる。例えばコントロールデッキでは、全体除去で防御しつつアドバンテージを稼いでフィニッシャーに繋ぐヘビー・コントロール戦術は(不可能ではないが)取りづらいため、ドロー小型クリーチャーに重点を置いたクロック・パーミッションの形が主流になる。

特に目立って差があるのは土地だろう。2色以上の色マナを供給できる、使用に値するカードはタップインであるか、もしくはマナフィルターによる供給しかできないものであるため、1ターン目から土地だけで2色以上の色マナを供給することは事実上不可能である。この点は特に速攻系のデッキを組む際にネックとなっている。

また強力な多色カードアンコモン以上のものが多いため、多色デッキであっても、単色カードで占められる割合が非常に大きい。

そういった特殊な環境であることから、ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpactウラモグの破壊者/Ulamog's Crusherなど、ブロック構築でも日の目を見なかったような意外なカードの活躍が日常茶飯事となる。

[編集] 解説

コモンのみとはいえ、様々なデッキタイプや複雑なメタゲームは、通常のフォーマットと同様に存在する。ほとんどのデッキがクリーチャーに頼らざるを得ないことから、他のフォーマットよりもクリーチャーのサイズ除去が重要になる。

ビートダウン
コモンにもビートダウン向けの優秀なクリーチャーが存在するため、単色であればアグロデッキは問題無く組むことができる。土地の関係から、ステロイドのような2色以上のビートダウンデッキは簡単には組めないが、中には親和アグロドメイン緑白呪禁などといった2色以上のビートダウンデッキも存在する。
コントロール
対抗呪文/Counterspellを初めとする基本的かつ優秀な打ち消し呪文はコモンに多く、バウンスも比較的充実していることから、パーミッションも多い。なお、リセット型のクリーチャー全体除去は存在しない(あっても1~2点の全体火力)が、単体除去火力も含めて非常に充実しており、ETB能力に強力なものを持つクリーチャーも多いことから、黒単信心コントロールのようなボードコントロールを中心としたデッキを組むことも可能。またパウパーでのウルザトロン緑青を中心としたコントロールデッキの形を取ることが多く、大量のマナマナフィルターを使ってカード・アドバンテージを得るものが多い。
クロック・パーミッション
秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsグルマグのアンコウ/Gurmag Anglerといった、クロック・パーミッション向けのクリーチャーが存在し、打ち消し呪文と組み合わせたフェアリー青黒アンコウデルバーといったデッキが存在する。
コンボデッキ
コモンをキーカードとするコンボデッキは少ないがいくつか存在しており、無限コンボを構成することも可能。ただし、あまりに強力なものについてはキーカードが禁止されてしまっている。禁止により消滅したデッキとしては、ストームデッキや、無限マナコンボのFamiliar Combo、その後継のドレイク・フリッカーなど。不屈の部族シュートウィー=ゼロックスは禁止により弱体化した後も一部結果を残している。
バーン
大会で使われるような1マナ3点火力や優良火力である焼尽の猛火/Searing Blaze火炎破/Fireblastケルドの匪賊/Keldon Maraudersなどが軒並みコモンであることからバーンデッキは比較的組みやすい。
部族デッキ
ゴブリンエルフスリヴァーといった、コモンに優秀なカードを多く含む部族はいくつかあり、それらで固めたデッキが一定の活躍を見せている。

[編集] 主なデッキ・その他

[編集] 公認フォーマットへの動き

長年Magic Onlineやカジュアルゲームでのみ扱われていたパウパーだが、2019年6月28日に正式に公式フォーマットとして展開されると発表された。紙とMagic Onlineにおけるコモン扱いの差異が生じていたカードについても、「デジタル版・テーブルトップ版両方を統一」することで移行する。そこで以下のように制定されている。

  • 認定大会や店舗での催しでも公式イベントとして扱われる。
  • 2019年7月9日より公式データベース「Gatherer」でパウパー使用可能かの検索が可能に。
  • パウパーで使用可能なカードの範囲を、「テーブルトップとデジタルのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるカード」に拡大。収録されたセットは問わず、「Gatherer」にコモンとして掲載されていればパウパーで使用可能に。

また公認フォーマット認定の際、以下の3枚が新たに禁止カードに指定された。

その後、7月3日に基本セット2020のリリースと同時にMagic Onlineでカードプールの更新が行なわれた。

[編集] その他

[編集] 脚注

  1. @GavinVerhey(Twitter 2022年7月23日 Gavin Verhey
  2. @Gavinverhey(Twitter 2021年9月28日 Gavin Verhey
  3. @emmadpartlow(パウパー・フォーマット委員会 Emma PartlowのTwitter 2023年8月7日)

[編集] 参考

QR Code.gif