コードネーム
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2024年10月26日 (土) 15:20時点における版
コードネーム(Code Names)とは、製作段階にあるカード・セットの仮称で、開発部で主に用いるためにある。
コードネームに用いられている言葉と、そのセットの正式名称や内容は基本的に無関係である。
アライアンス
アライアンス - Quack(クワック)
- Mac OSのファイルフォルダを開いた時の音に由来[1]。本来はアヒルの鳴き声を示す。
ミラージュ・ブロック
ミラージュ - Sosumi
- Mac OSのシステムビープ音が由来。
ビジョンズ - Mirage Jr.(ミラージュジュニア)
- ミラージュを分割したために「ミラージュの子」という意味。最初から構想が定まっていたために当初はコードネームがなかった[1]。
ウェザーライト - Mochalatte(モカラテ)
- 本来存在しないコーヒーの名。開発会議がスターバックスで多く行われていたことに由来[1]。
テンペスト・ブロック
テンペスト - Bogavhati(ボガヴァティ)
- 本来は毒カウンターを用いる土地の名であったが、没になった後、「有毒沼」というコンセプトがテンペストの概念としてピッタリだとして名づけられた[1]。
- なお、ヴァティ・イル=ダル/Vhati il-Dalの名はこのコードネームから取られている。
ストロングホールド - Rachimulot(レイチムロート)
- 開発中に脱稿したダンジョンズ&ドラゴンズの同名のカードの写真から[1]。
エクソダス - Gorgonzola(ゴルゴンゾーラ)
- 開発部の「ゴルゴンゾーラ・チーズのような拡大をしよう」という冗談が由来[1]。
- このセットから初めてただの語感やジョーク的意味でコードネームを選び始めた。
ウルザ・ブロック
ウルザズ・サーガ - Armadillo(アルマジロ)
ウルザズ・レガシー - Guacamole(グアカモーレ)
ウルザズ・デスティニー - Chimichanga(チミチャンガ)
- いずれもメキシコの名物料理。アルマジロの肉に、グアカモーレはアボガドのディップ、チミチャンガは揚げたブリトーのこと。
- 語感の良さからArmadilloを思いつき、後の2セットもそれに倣った[1]。
マスクス・ブロック
メルカディアン・マスクス - Archimedes(アルキメデス、古代ギリシャの数学者・物理学者・発明家)
ネメシス - Euripides(エウリピデス、古代ギリシャの悲劇詩人)
プロフェシー - Dionysius(ディオニシオス、古代ギリシャの軍人)
- ArchimedesはMark Rosewaterの恋人(後の妻)Loraが提案。それに倣い古代ギリシャの著名人の名前がつけられた[1]。
インベイジョン・ブロック
インベイジョン - Beijing(北京)
プレーンシフト - Hong Kong(香港)
アポカリプス - Shanghai(上海)
- 中国の都市名から(恐らくは開発部スタッフMike Elliottが)選択。当初は別の都市名がつけられていたが、アメリカ人には発音が難しい物があり変更されたとのこと[1]。
オデッセイ・ブロック
オデッセイ - Argon(アルゴン)
トーメント - Boron(ホウ素)
ジャッジメント - Carbon(炭素)
- ABC順に名前をつけることで各セットの順序が感覚的にわかりやすくなるということで、元素名からABC順に選ばれた名前がつけられた[1]。
オンスロート・ブロック
オンスロート - Manny(マニー)
レギオン - Moe(モー)
スカージ - Jack(ジャック)
- ABC順のコードネームが好評だったことから、単語の並びから順番が自然にわかるものをコードネームに採用することになった。開発部主任Bill Roseが自動車用品店「Pep Boys」の宣伝用キャラクターの名前から命名[1]。
- 「Pep Boys」のない地域で育った人間には逆に順番がわかりにくいと不評だった[1]。
ミラディン・ブロック
ミラディン - Bacon(ベーコン)
ダークスティール - Lettuce(レタス)
フィフス・ドーン - Tomato(トマト)
- 「BLTサンド(上記3つの具を挟んだ定番サンドイッチ)」から命名された。
神河ブロック
神河物語 - Earth(土)
神河謀叛 - Wind(風)
神河救済 - Fire(火)
- 70年代にヒットしたソウル・バンド、Earth, Wind & Fireから。
- 当初は"Blood," "Sweat," and "Tears"(血と汗と涙)と名付けられていたが、連続する大型エキスパンションがどちらも「B」から始まるのを避けるために変更された[1]。
- こちらはその後戦乱のゼンディカー・ブロックのコードネームに採用された。
ラヴニカ・ブロック
ラヴニカ:ギルドの都 - Ctrl(コントロール)
ギルドパクト - Alt(オルト)
ディセンション - Delete(デリート)
- ウィンドウズの強制終了ショートカットキー。
- Ctrlがゲーム用語のコントロールと紛らわしいとされた。後述する時のらせんのコードネームにも紛らわしさがあったことから、以降のコードネームのつけ方には気を使うようになった[2]。
コールドスナップ
コールドスナップ - Splat(スプレィト)
- 水が落ちたときのパシャッというただの擬音。
- 時のらせんのコードネームを擬音で表すに際して統一した。
時のらせんブロック
時のらせん - Snap(スナップ)
次元の混乱 - Crackle(クラックル)
未来予知 - Pop(ポップ)
- シリアルで有名なケロッグ社のマスコットキャラクター。当時のCMでは三人の名前がリズム良く呼ばれるのが定番だったという。
- Snapが直前のセットの正式名であるコールドスナップと紛らわしいとされた[2]。
ローウィン・ブロック
ローウィン - Peanut(ピーナツ)
モーニングタイド - Butter(バター)
- 次の小ブロックの大型エキスパンションjellyとセットで、お決まりの三連句、とでも言うもの。
シャドウムーア・ブロック
シャドウムーア - Jelly(ゼリー)
イーブンタイド - Doughnut(ドーナッツ)
アラーラの断片ブロック
アラーラの断片 - Rock(石)
コンフラックス - Paper(紙)
アラーラ再誕 - Scissors(ハサミ)
- じゃんけんの手から。
ゼンディカー・ブロック
ゼンディカー - Live
ワールドウェイク - Long
エルドラージ覚醒 - Prosper
- 「Live long and Prosper」で「長寿と繁栄を」という挨拶文。アメリカのTVドラマ『スタートレック』シリーズに出てくる有名な台詞。
ミラディンの傷跡ブロック
ミラディンの傷跡 - Lights
ミラディン包囲戦 - Camera
新たなるファイレクシア - Action
- 映画の撮影を開始する際のお決まりの三連句、「Lights, Camera, Action!」から。
- ミラディンの傷跡ブロックの企画の一部として、第3セットの情報公開の際、このセットの仮称は「Action」、正式名称は「清純なるミラディン」と「新たなるファイレクシア」のいずれかであるという形で発表された[3]。
イニストラード・ブロック
イニストラード - Shake
闇の隆盛 - Rattle
アヴァシンの帰還 - Roll
- エルビス・プレスリーの楽曲から。
ラヴニカへの回帰ブロック
ラヴニカへの回帰 - Hook(釣り針)
ギルド門侵犯 - Line(釣り糸)
ドラゴンの迷路 - Sinker(おもり)
- 「hook, line, and sinker」で「鵜呑みにする」という慣用句。由来は「魚が針も糸もおもりも飲み込んでしまう」という意味から。
テーロス・ブロック
テーロス - Friends
神々の軍勢 - Romans
ニクスへの旅 - Countrymen
- シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」からの引用。
タルキール覇王譚ブロック
タルキール覇王譚 - Huey(ヒューイ)
運命再編 - Dewey(デューイ)
タルキール龍紀伝 - Louie(ルーイ)
- ディズニーのキャラクター、アヒルの三つ子ヒューイ・デューイ・ルーイから。
- 発音が韻を踏んでいる上に綴りがバラバラであること、ディズニーに詳しくない人間にとっては3つの順番が分かりにくいことから、Mark Rosewaterは問題のあるコードネームだったと述べている[4]。
- 熊異(2マナ2/2版の変異)の実験のため、タルキール覇王譚をコピーしたもう1つのセットがテストされていた。このセットのコードネームは、第4のアヒル(ヒューイ・デューイ・ルーイは誤って4匹で描かれることがあった)の俗称に因んで「Phooey」とされた[4]。
戦乱のゼンディカー・ブロック
戦乱のゼンディカー - Blood(血)
ゲートウォッチの誓い - Sweat(汗)
- アメリカの音楽アーティスト、ジョニー・キャッシュのアルバム「Blood, Sweat and Tears」、あるいはそれをそのまま拝借したアメリカのロック・バンド、Blood, Sweat & Tearsから。
- これらは神河ブロックのコードネーム候補でもあった。
- 1ブロック2セット制移行に伴い、Tearsは次のブロックへと移動した。
イニストラードを覆う影ブロック
イニストラードを覆う影 - Tears(涙)
異界月 - Fears(恐怖)
- イギリスのバンド、Tears for Fearsから。
カラデシュ・ブロック
カラデシュ - Lock
霊気紛争 - Stock
- 「lock, stock, and barrel」で「どれもこれも」「一切合切」という意味の成句。lockは装薬の点火装置、stockは銃床、barrelは銃身で、「銃のどのパーツも」の意から。
- 1ブロック2セット制移行に伴い、Barrelは次のブロックへと移動した。
アモンケット・ブロック
アモンケット - Barrel(樽)
破滅の刻 - Laughs(笑い、楽しみ)
- 第2セットのコードネームは当初Monkeys(猿)だったが、変更された。
- 「a barrel of laughs」で「面白い人」「面白いこと」の意。現代では文字通りの意味ではなく、皮肉として使われることが多い。
- 「more fun than a barrel of monkeys」で「最高に楽しい」という意味の成句。または樽の中に入った猿を繋げて遊ぶおもちゃ、Barrel of Monkeysから。
イクサラン・ブロック
イクサラン - Ham(ハム)
イクサランの相克 - Eggs(卵)
- ham and eggsで、ハムを添えた卵料理のこと。日本語のハムエッグ(ハム付きの目玉焼き)のほか、ハム付きの炒り卵を含む。
ドミナリア〜灯争大戦
ドミナリア - Soup(スープ)
2018年夏(開発中止) - Salad(サラダ)
ラヴニカのギルド - Spaghetti(スパゲッティ)
ラヴニカの献身 - Meatballs(ミートボール)
灯争大戦 - Milk(牛乳)
2019年夏(開発中止) - Cookies(クッキー)
- イクサラン・ブロックと合わせて、2つずつがそれぞれ朝食・昼食・夕食・夜食の定番メニューとなっている[5]。
- ブロック制の廃止と基本セットの復活に伴い、SaladとCookiesは開発中止になった。
- spaghetti and meatballsもしくはspaghetti with meatballsで、ミートボールの入ったスパゲッティのこと(参考)。
エルドレインの王権〜
エルドレインの王権 - Archery(アーチェリー)
テーロス還魂記 - Baseball(野球)
イコリア:巨獣の棲処 - Cricket(クリケット)
ゼンディカーの夜明け - Diving(ダイビング)
カルドハイム - Equestrian(馬術)
ストリクスヘイヴン:魔法学院 - Fencing(フェンシング)
フォーゴトン・レルム探訪 - Zebra(シマウマ)[6]
イニストラード:真夜中の狩り - Golf(ゴルフ)
イニストラード:真紅の契り - Clubs(クラブ)[6]
神河:輝ける世界 - Hockey(ホッケー)
ニューカペナの街角 - Ice Skating(アイススケート)
団結のドミナリア - Judo(柔道)
兄弟戦争 - Kayaking(カヤック)
ファイレクシア:完全なる統一 - Lacrosse(ラクロス)
機械兵団の進軍 - Marathon(マラソン)
機械兵団の進軍:決戦の後に - Marathon Epilogue(マラソン)[7]
イクサラン:失われし洞窟 - Offroading(オフロード走行)[8]
サンダー・ジャンクションの無法者 - Quilting(キルト刺繍)
ダスクモーン:戦慄の館 - Swimming(水泳)
久遠の終端 - Volleyball(バレーボール)
未発表 - Wrestling(レスリング)[11]
未発表 - Yachting(ヨット)[12]
未発表 - Ziplining(ジップライン) [12]
未発表 - Amsterdam (アムステルダム)
未発表 - Berlin (ベルリン)
未発表 - Cairo (カイロ)
未発表 - Dublin(ダブリン) [16]
- スポーツ頭文字の次のテーマは都市名(あるいは首都名)[17]。
サプリメント・セット
統率者 - Bedlam(大混乱、大騒ぎ)
Modern Masters - Picasso(ピカソ)
モダンホライゾン - Decadence(退廃)
Mystery Booster - Whirlpool(渦巻)
統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い - Pentagon(五角形)
指輪物語:中つ国の伝承 - Anvil (金床)[19]
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 Codename of the Game(Making Magic 2002年8月12日 Mark Rosewater著)
- ↑ 2.0 2.1 Coldsnap Q&A/コールドスナップのQ&A(Internet Archive)(Feature Article 2005年10月26日 Randy Buehler著)
- ↑ Announcing Action/"Action"の告知(Internet Archive)(Magic Arcana 2010年12月9日 Monty Ashley著)
- ↑ 4.0 4.1 Phooey/フーイ(Making Magic 2015年5月11日 Mark Rosewater著)
- ↑ It's been a while since we last learned new code...(Blogatog 2016年5月31日)
- ↑ 6.0 6.1 Hi Mark, what were the codenames for the...(Blogatog 2021年4月18日)
- ↑ For the next Magic year starting from Dominaria...(Blogatog 2022年5月13日)
- ↑ How far ahead are you working on projects compared...(Blogatog 2021年4月18日)
- ↑ With the 4+ sets we get each year, along with the...(Blogatog 2022年1月19日)
- ↑ What's something you worked on today that you can...(Blogatog 2022年3月24日)
- ↑ How far is Wizard working on standard now? Have...(Blogatog 2022年10月11日)
- ↑ 12.0 12.1 Magic: The Gathering 30th Anniversary Panel at GenCon – A Recap of MTG's Past, Present & Future(マジック米国公式Youtubeチャンネル 2023年8月6日)
- ↑ New Codenames(Blogatog 2017年4月30日)
- ↑ Strixhaven Vision Design Handoff Document, Part 1/『ストリクスヘイヴン』展望デザイン提出文書 その1(Making Magic 2021年4月19日 Mark Rosewater著)
- ↑ Wait. Quilting is a sport?(Blogatog 2022年3月24日)
- ↑ こぼれ話2024 その1(Making Magic 2024年9月30日)
- ↑ Bogatog(Blogatog 2024年2月15日)
- ↑ The Unfinity Gauntlet, Part 2/『Unfinity』ガントレット その2(Making Magic 2022年2022年10月11日 Mark Rosewater著)
- ↑ 『エルドレインの森』展望デザイン提出文書 その1(Making Magic 2023年8月28日)