分割カード
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分割カード/Split Cardとは、インベイジョン初出のカード群の総称。
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概要
インスタント
1つか2つのクリーチャーとプレインズウォーカーとプレイヤーの組み合わせを対象とする。火は、それらに2点のダメージを望むように割り振って与える。
Ice / 氷 (1)(青)インスタント
パーマネント1つを対象とし、それをタップする。
カードを1枚引く。
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードを8枚切削する。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)
ソーサリー
いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたのコントロール下で戦場に出す。それはターン終了時まで速攻を得る。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)
ソーサリー
パワーが3以上のクリーチャーをすべて破壊する。
Dawn / 払暁 (3)(白)(白)ソーサリー
余波(この呪文はあなたの墓地からのみ唱えられる。その後、これを追放する。)
あなたの墓地からパワーが2以下のクリーチャー・カードをすべてあなたの手札に戻す。
1枚のカードに小さな2枚のカードが並べて印刷されており、唱える際にはどちらかを選び、選んだ方の特性を持ってスタックに乗る。
インベイジョンでは友好色の組み合わせの5種類、アポカリプスでは対抗色の組み合わせの5種類が登場。
アンヒンジドでは破天荒な見た目の5分割カードが登場した(3分割以上の分割カードは総合ルールで定義されていないが、銀枠だからいいのだ)。
ディセンションでは3色カードとして友好色の組み合わせの5種類(アンコモン)、対抗色の組み合わせの5種類(レア)が登場した。
次元の混乱では、両方とも同じ色の分割カードが、赤のみに稀少度別のサイクルで登場した。
ドラゴンの迷路では、両方の半分を手札から唱えられるキーワード能力・融合を持つ分割カードが登場した。
アモンケットでは、半分が墓地からのみ唱えられる余波を持つ分割カードが登場した。
ルーリング
基本
スタック上では選ばれたカードの性質のみを持つ。スタック以外の領域では中に含まれているカード全ての性質を足し合わせた性質を持つ。
- インベイジョン・ブロックやアンヒンジドの分割カードは、スタック上では単色だが、スタック以外では多色である。同様に、ディセンションの分割カードは、スタック上では2色だが、スタック以外では3色である。
カード名を指定する場合、どちらかの半分の名前を指定する。名前、翻弄する魔道士/Meddling Mageを参照。
スタック上にある場合
分割カードがスタック上にある場合、色や点数で見たマナ・コストは唱えている側の特性のみが参照される。ただし融合した分割呪文は、色やカード名などは両方の特性を持ち、点数で見たマナ・コストは両方の値を合計した値となる。
- 例:禁制/Prohibitで暴行+殴打/Assault+Batteryの「暴行」を打ち消すにはキッカーは不要だが、「殴打」を打ち消すにはキッカーしなければならない。
- 例:遠隔+不在/Far+Awayを融合して唱えた場合、禁制ではキッカーしても打ち消すことはできない。
分割カードを唱える場合、まず「どちらの側で唱えるか」を選択してから唱え始める。ある特性を持った呪文を唱えることを許可したり禁止したりする効果は、唱える側の特性のみを見て適用する。
- 例:ガドック・ティーグ/Gaddock Teegが戦場にいる場合、暴行+殴打/Assault+Batteryのうち、「殴打」を唱えることは禁止されるが、「暴行」を唱えることはできる。
- ワールドウェイクでのルール更新の前は、許可・禁止の効果は後述の「スタック上にない場合」と同様に論理和で適用されていた。
スタック上にない場合
分割カードがスタック以外の領域にある場合、カード・タイプや色、点数で見たマナ・コストは両方の和として扱う。
- 例:腹背+面従/Failure+Complyがスタック以外の領域にある場合
- 例:虚空/Voidは指定した値の点数で見たマナ・コストに該当するカードを捨てさせる。対象のプレイヤーの手札に腹背+面従があった場合、これの点数で見たマナ・コストは3なので、指定が「3」であれば捨てさせる事ができる。「1」「2」では捨てさせられない。
- 例:撹乱する群れ/Disrupting Shoalの代替コストとして腹背+面従を追放する場合、「点数で見たマナ・コストがXである青のカード1枚」と指定されているので、Xの適正な指定は「3」だけである。「1」「2」は指定できない。
旧ルール
スタック上にない分割カードは、それぞれの半分に基づく2組の特性を同時に持つとされていた。
- 例:腹背+面従/Failure+Complyがスタック以外の領域にある場合。(腹背+面従はルール変更後に登場しているが、新旧ルールの対比のためここで例示する。)
- カード・タイプは、腹背が「インスタント」、面従が「ソーサリー」であるため、「インスタント・ソーサリー」である。
- 色は、腹背が「白」、面従が「青」であるため、「白青」である。
- 点数で見たマナ・コストは、腹背が「2」、面従が「1」であるため、「2」かつ「1」である。
- 点数で見たマナ・コストを参照することと色を参照することはお互いに「関連」してはいない。
カードの特性が参照される場合、以下のように処理された。
- 分割カードの特性を参照して何かする効果は、2つの特性の組み合わせを答えとして参照する。点数で見たマナ・コストは各部分のマナ・コストの和となる。
- 生き返りの蒸気/Reviving Vaporsは手札に加えたカードの点数で見たマナ・コストによって得るライフの量を決定する。ここで腹背+面従を手札に加えた場合、これの点数で見たマナ・コストは「2」と「1」なので、2点と1点のライフを得る=3点のライフを得る。
- きらめく願い/Glittering Wishはゲームの外部から多色のカード1枚を手札に加える。腹背+面従が持っている色は白と青の2つなので、多色のカードであり、よってこれにより手札に加えることができる。
- 分割カードの特性がある条件に当てはまるかそうでないかを問う効果は、2つの特性に対しての答えの論理和を回答とする。すなわち、どちらかが「はい」なら全体の答えも「はい」である。
- 虚空/Voidを解決するに際し、対象のプレイヤーの手札に腹背+面従があった場合、これの点数で見たマナ・コストは「1」と「2」なので、指定が「1」「2」であれば捨てさせる事ができる。「3」では捨てさせられない。
- 撹乱する群れ/Disrupting Shoalの代替コストとして腹背+面従を追放する場合、Xの適正な指定は「1」と「2」のどちらかである。「3」は指定できない。
- 「1」の側である「面従」は青ではないが、カードとして「青である」という特性を備えているため問題はない。
ルール上は矛盾なく取り扱うことができるが、複雑で特に初心者にとって理解が難しいことからアモンケットの発売に合わせ現在のルールに変更された。
- 旧ルールでは分割カードの「複数のコストを持っている」ことを生かせたものの、新ルールでその利点が失われたカードとしては、上記の撹乱する群れのほか、相殺/Counterbalanceや等時の王笏/Isochron Scepterなどが挙げられる。
カード名
- 2枚のカードの名前が、友好色のインベイジョンでは類義語、対抗色のアポカリプスでは対義語の組になっている。ただし、増進+衰退/Wax+Waneだけは友好色だが対義語。
- インベイジョン、ディセンション、次元の混乱、ドラゴンの迷路の分割カードの名前は、「"名前A" and "名前B"」でひとつの熟語になっている。例えば「assault and battery」には「暴力行為」、「wax and wane」には「(月の)満ち欠け」という意味がある。
- アモンケットの分割カードの名前は、「"名前A" to "名前B"」でひとつの熟語になっている。(参考/翻訳)
- アンヒンジドの分割カードは文章構成の基本、「5W1H」より。
その他
- パーマネントになる分割カードは存在しない。また、アモンケットまでの分割カードはすべて「両方インスタント」か「両方ソーサリー」だったが、アモンケットにて「インスタント+ソーサリー」の分割カードが登場した。
- 分割カードのアイディア自体はお蔵入りとなったアングルード2用に出されたものだった。
- アングルードにはB.F.M.(Big Furry Monster)という1つのクリーチャーが2枚のカードに分割されているカードが存在するが、それと逆の発想で作られたのが分割カードである。(参考/翻訳)
- 横置きのカードとしてはBurning Cinder Fury of Crimson Chaos Fire以来。エラーカードだと思ってネットオークションに出品してしまった人や切り離してしまった人もいた。
- 分割カードのおかげでカードを横向きにおく場合どちらが上なのかはっきりした。キッチリ整頓したい人には意外とありがたいことである。
- インベイジョンの友好色分割カードは、左から白→青→黒→赤→緑→白と色の順に並べられているが、アポカリプスの対抗色分割カードは白→赤→青→緑→黒→白と本来の並びとは逆順である。
- 慣れていないとカードを横向きにしてテキストを読みたくなるが、分割カードを持っているとバレるのでやめておこう。もちろん、自分の顔を傾けるのもよくない。
- アモンケットの分割カードは余波を持つ側だけが横向きであり、手札では上半分をそのまま読める・墓地では右半分だけはみ出させて置けばその存在を忘れずにすむ、というフラッシュバックの反省も活かしたデザインになっている。
分割カード一覧
インベイジョン
アポカリプス
ディセンション
- 隠匿+探求/Hide+Seek
- 研究+開発/Research+Development
- 罪+罰/Crime+Punishment
- 確率+結末/Odds+Ends
- 拘束+決心/Bound+Determined
次元の混乱
ドラゴンの迷路
- 遠隔+不在/Far+Away
- 生存+存命/Alive+Well
- 投与+享受/Give+Take
- 保安+奉仕/Protect+Serve
- 武装+物騒/Armed+Dangerous
- 変化+点火/Turn+Burn
- 摩耗+損耗/Wear+Tear
- 有害+不潔/Down+Dirty
- 労苦+苦難/Toil+Trouble
- 利得+損失/Profit+Loss
- 唯々+諾々/Beck+Call
- 覚悟+意欲/Ready+Willing
- 強行+突入/Breaking+Entering
- 肉体+血流/Flesh+Blood
- 捕獲+放流/Catch+Release
アモンケット
- 黄昏+払暁/Dusk+Dawn
- 暗記+記憶/Commit+Memory
- 不帰+回帰/Never+Return
- 嘲笑+負傷/Insult+Injury
- 食餌+給餌/Mouth+Feed
- 枕戈+待旦/Prepare+Fight
- 腹背+面従/Failure+Comply
- 貧窮+裕福/Rags+Riches
- 木端+微塵/Cut+Ribbons
- 驚天+動地/Heaven+Earth
- 徹頭+徹尾/Start+Finish
- 粉骨+砕身/Reduce+Rubble
- 天導+先導/Destined+Lead
- 先手+必勝/Onward+Victory
- 開拓+精神/Spring+Mind
その他(銀枠)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 708 裏向きの呪文やパーマネント
- 708.1 カードによって、呪文やパーマネントが裏向き になることがある。
- 708.2 スタック上にある裏向きの呪文や裏向きで戦場に出ているパーマネントは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照。
- 708.2a オモテ向きのパーマネントが、そのオブジェクトの特性を列記していない呪文や能力によって裏向き になった場合、それは裏向きで2/2の、文章、名前、クリーチャー・タイプ、マナ・コストを持たないクリーチャー になる。裏向きで戦場に出たパーマネントは、それを裏向きで戦場に出したり裏向きで唱えられるようにしたりする効果に他に記述されていない限り、上記の特性を持つ。これらの特性はコピー可能な値である。
- 708.2b 裏向きのパーマネントを裏向きにすることはできない。呪文や能力が裏向きのパーマネントを裏向きにしようとしたなら、何も起こらず、その効果によってそれの特性やコピー可能な値が変化することはない。
- 708.3 裏向きに戦場に出るオブジェクトは、それが戦場に出るよりも前に裏向き になるので、そのパーマネントの戦場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。
- 708.4 裏向きで唱えられるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向き になるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。(そのカードのオモテ向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つオブジェクトを唱えることに適用される効果や禁止は、このオブジェクトを唱える際に適用される。その呪文が解決されてなるパーマネントは、裏向きである。
- 708.5 スタックにある裏向きの呪文、戦場にある(フェイズ・アウトしているものも含む)裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらのオモテをいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている呪文やパーマネントのオモテを見ることは、できない。
- 708.6 スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、戦場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければならない。これには、どの能力やルールによってそのパーマネントが裏向き になっているのか、呪文を唱えた順番、裏向きのパーマネントが戦場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが戦場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。
- 708.7 パーマネントを裏向きにする能力やルールの中には、オモテ向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文をオモテ向きにすることはできない。
- 708.8 裏向きのパーマネントがオモテ向き になるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を及ぼしていた効果は、そのままオモテ向きのパーマネントにも影響を及ぼす。パーマネントがオモテ向き になったときには、そのパーマネントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに戦場に出ていたからである。
- 708.9 裏向きのパーマネントや合同パーマネントの裏向きの部品が戦場から他の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。裏向きの呪文がスタックから戦場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。プレイヤーがゲームから離れる場合、そのプレイヤーがオーナーであるすべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。各ゲームの終了時には、すべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。
- 708.10 裏向きのパーマネントが他のパーマネントのコピーとなる場合、そのコピー可能な値は、コピーするパーマネントのコピー可能な値となり、それに裏向きの位相であることによる変更が加えられる。従ってその特性値は、裏向きにできるようにした能力やルールによって定められている、元の特性値と同じになる。ただし、オモテ向き になった場合には、そのコピー可能な値は、コピーされている値となる。rule 707.3 参照。
- 708.11 裏向きのパーマネントが「[このパーマネント]がオモテ向き になるに際し~/As [this permanent] is turned face up ...」という能力を持つことになる場合、その能力はそのパーマネントがオモテ向き になる間に適用される。オモテになったあとで適用されるわけではない。
- 708 裏向きの呪文やパーマネント