ヴァラクート
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2020年11月17日 (火) 11:16時点における最新版
ヴァラクート(Valakut)は、その名の通り溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleを中心としたデッキである。ゼンディカー後のエクステンデッドに登場した風景の変容/Scapeshiftとのコンボデッキが発祥だが、のちにスタンダードでも同種のデッキが現れた。
目次 |
[編集] 概要
土地
溶鉄の尖峰、ヴァラクートはタップ状態で戦場に出る。
山(Mountain)が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが他に少なくとも5つの山をコントロールしている場合、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。あなたは「溶鉄の尖峰、ヴァラクートはそれに3点のダメージを与える」ことを選んでもよい。
(T):(赤)を加える。
緑のマナ加速により土地を高速で並べ、なんらかの手段で溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleで対戦相手に致死量のダメージを与える。
このデッキの土地によるマナ加速は、「山5つというヴァラクートの条件達成」「山を戦場に出すことによるダメージ」「勝ち手段を早く撃つためのマナ加速」の三役を兼ねており、さらに基本でない土地をサーチできるものはヴァラクート自体のサーチにもなる。
[編集] スタンダード
スタンダードでは、赤緑コントロールに近い形で組まれる。特に基本セット2011で強力なフィニッシャーの原始のタイタン/Primeval Titanが加わったことが大きく、Titan Rampと称される。
クリーチャー — 巨人(Giant)
トランプル
原始のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、あなたは「あなたのライブラリーから土地カードを最大2枚まで探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
エンチャント
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはカルニの心臓の探検の上に探索(quest)カウンターを1個置いてもよい。
カルニの心臓の探検から探索カウンターを3個取り除くとともに、それを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カードを最大2枚まで探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。
探検/Exploreや耕作/Cultivate、カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expeditionで大量に土地を並べ、デッキの核となる原始のタイタンを高速で戦場に出す。
原始のタイタンは、キーカードの溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleをサーチできる数少ないカードというだけではない。戦場に出た時にヴァラクートを2枚サーチ、次のターンの攻撃時に山が4枚以上あれば山2枚サーチで合計12点ダメージが入る。さらに自身が6/6トランプルのアタッカーであり、このターンに山をもう1枚出せばさらに6点ダメージなので、「出して1ターン生き残ったら勝ち」に限りなく近いカードであると言える。
原始のタイタンに除去を撃ってもすでにヴァラクートを出されているので完全な対処とは言えず、打ち消しても召喚の罠/Summoning Trapから第二のタイタンを出される恐れがある。もちろん、手札のヴァラクートをプレイして土地を並べるだけで、あるいはファッティの攻撃のみで勝つこともある。以上のように対処の難しいデッキであり、一躍環境のトップメタとなった。
- 同時にリセット手段として破壊的な力/Destructive Forceを採用するタイプもある。
- 原始のタイタンの登場以前にも探検の地図/Expedition Mapを用いてヴァラクートをサーチするバージョンが存在した(→参考)が、広がりゆく海/Spreading Seasなどが環境に蔓延していたこともあってあまり活躍できなかった。
- 基本セット2011以降は上記原始のタイタンや耕作を使用したターボランドタイプのデッキがいくつか登場したが、このデッキはそれらの中でも主流にあり、基本セット2011以降のスタンダードのメタゲームの中心を担っている。
[編集] 初期型
- 備考
- ドイツ選手権10 優勝 (参考)
- 使用者:Dennis Johannsen
- フォーマット
RG Valakut [1] | |||||||||||||||||||||||||||
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- 原始のタイタン/Primeval Titan参入直後のもの。
[編集] 後期型
- 備考
- The Finals10 準優勝 (参考)
- 使用者:後藤祐征
- フォーマット
Valakut [2] | |
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- ミラディンの傷跡参入後の後期型。
[編集] エクステンデッド
[編集] 時のらせん期~ローウィン期
ラヴニカ・ブロックの退場によりショックランドを失うも、基本ギミックは健在。基本セット2011の原始のタイタン/Primeval Titan登場後は大きく2つのタイプに分かれた。
一つはスタンダードの原始のタイタンデッキをベースに風景の変容/Scapeshiftと虹色の前兆/Prismatic Omenを足したタイプであり、スタンダード同様赤緑ヴァラクート(RG Valakut)と呼ばれる。
もう一つは山をほとんど採用せず、虹色の前兆に依存する代わりに青のカードを用いて対応力を上げたオーメン・ヴァラクートと呼ばれるタイプである。
詳細はオーメン・ヴァラクートを参照。
[編集] サンプルレシピ
- 備考
- グランプリアトランタ11 準優勝 (参考)
- 使用者:Ben Stark
- フォーマット
RG Valakut [3] | |
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- 赤緑のデッキ。
[編集] ミラディン期
ソーサリー
望む数の土地を生け贄に捧げる。あなたのライブラリーから、その数以下の枚数の土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。
土地 — 山(Mountain) 森(Forest)
((T):(赤)か(緑)を加える)
踏み鳴らされる地が戦場に出るに際し、あなたは2点のライフを支払ってもよい。そうしないなら、これはタップ状態で戦場に出る。
最初に登場したヴァラクートデッキであり、風景の変容/Scapeshiftとのコンボデッキとして組まれる。ヴァラクートでなく、風景の変容(Scapeshift)の名前で呼ばれることも多い。
まずは土地サーチを連打して土地を7~8枚にまで伸ばし、そして風景の変容を唱える。一度に溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleと山数枚に変換できるため、ヴァラクートによって対戦相手に20点程度のダメージを与えて勝利する。
[編集] サンプルレシピ
[編集] モダン
モダンではフォーマット制定当初から溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleが禁止カードになっていたが、2012/10/1から禁止指定が解除され、このデッキタイプも環境に姿を現すようになった。
ソーサリー
望む数の土地を生け贄に捧げる。あなたのライブラリーから、その数以下の枚数の土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。
メイン色に青を含むかどうかで大きく2種類に分かれる。
緑青タッチ赤のタイプは、ミラディン期のエクステンデッドバージョンの後継に当たる。動きもほぼ同じで、緑のマナ加速で土地を伸ばし、青の呪文で時間を稼ぎながらライブラリーを掘り進め、呼び込んだ風景の変容/Scapeshiftによって勝負を決める。イニストラード参入後は瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageを獲得した。ドローや土地サーチの重ねがけ兼ブロッカーという基本的な役割に加え、打ち消された風景の変容を撃ち直したり、土地7枚からの18点ダメージと合わせてライフをぴったり削り切ったりと、デッキの性質とうまく噛み合った優秀なパーツである。
- 風景の変容/Scapeshiftが鍵となることから、スケープシフト (Scapeshift) 、更に略されてスケシの名で呼ばれることも多い。
緑赤のタイプは基本的にスタンダードバージョンの後継に当たるが、風景の変容と虹色の前兆も追加して殺傷力を高めているものが多い。また、風景の変容を減らすもしくは採用せずに裂け目の突破/Through the Breachや召喚の罠/Summoning Trapで原始のタイタンを出すことに特化したタイプも有り、こちらはブリーチ・ヴァラクート、タイタン・ブリーチ、ブリーチ・スケープなどと呼ばれる。 いずれのタイプでも原始のタイタンは4枚採用される。スロットに余裕があるため大祖始の遺産/Relic of Progenitusや虚空の杯/Chalice of the Void等の妨害系カードをメインデッキから採用していることもある。
戦乱のゼンディカーでは追加の山・森である燃えがらの林間地/Cinder Gladeを、破滅の刻では3種類目のヴァラクートサーチである約束の刻/Hour of Promiseを獲得し、安定性が大きく向上した。
また基本セット2020では死者の原野/Field of the Deadを手に入れた。これにより今までとは違う勝ち筋を手に入れることに成功し、勢力を大きく盛り返した。
[編集] 青赤緑
- 備考
- プロツアー「ラヴニカへの回帰」 ベスト4 (参考/参考)
- 使用者:Lee Shi Tian
- フォーマット
URG Scapeshift [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 主流となっている青赤緑3色のタイプ。
[編集] ブリーチ・スケープ
- 備考
- グランプリオマハ15 ベスト8 (参考)
- 使用者:Scott Lipp
- フォーマット
Breach Scape(Modern) [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 原始のタイタン/Primeval Titanと相性の良い裂け目の突破/Through the Breachや召喚の罠/Summoning Trapを採用したブリーチ・スケープ (Breach Scape) と呼ばれるタイプ。
[編集] 赤緑
- 備考
- グランプリピッツバーグ15 ベスト8 (参考)
- 使用者:Thien Nguyen
- フォーマット
Titan Scapeshift(Modern) [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 原始のタイタンなど土地サーチを多く採用した赤緑2色のタイプ。
[編集] 赤緑白青
- 備考
- グランプリシャーロット16 ベスト8 (参考)
- 使用者:Jack Wang
- フォーマット
Scapeshift [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 青緑t赤系をベースに白をタッチし、白日の下に/Bring to Lightを採用した赤緑白青のタイプ。
[編集] 参考
- Extended Dechtech:三原 槙仁:《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》(WotC、文:三原槙仁+川崎大輔)
- 高橋優太の「このデッキを使え!」第11回: 《風景の変容》デッキ(エクステンデッド)(WotC、文:高橋優太)
- デッキ集