パウパー
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Pauperとは、貧困者・[[持たざる者の檻/Paupers' Cage|持たざる者]]という意味。コモンデッキ(またの名を[[貧乏デッキ]])構築であることに由来する。発音は「パウパー」よりも「ポーパー」に近い。 | Pauperとは、貧困者・[[持たざる者の檻/Paupers' Cage|持たざる者]]という意味。コモンデッキ(またの名を[[貧乏デッキ]])構築であることに由来する。発音は「パウパー」よりも「ポーパー」に近い。 | ||
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*[[カジュアルプレイ|カジュアルルーム]]等で、さらに[[スタンダード]][[環境]]のコモンのみに限定して遊ばれる事も少なくなかったため、後に「Standard Pauper」というフォーマットも追加された。賞品の出る大会等がなく、認定フォーマットという形ではないものの、パウパー以上に手軽にデッキが組めるため、一定の需要がある。 | *[[カジュアルプレイ|カジュアルルーム]]等で、さらに[[スタンダード]][[環境]]のコモンのみに限定して遊ばれる事も少なくなかったため、後に「Standard Pauper」というフォーマットも追加された。賞品の出る大会等がなく、認定フォーマットという形ではないものの、パウパー以上に手軽にデッキが組めるため、一定の需要がある。 | ||
**[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。 | **[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。 | ||
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==参考== | ==参考== |
2022年1月22日 (土) 15:19時点における版
パウパー/Pauperは、公式フォーマットの1つ。元々はMagic Online上でコモンとして収録されたことがあるカードのみを使用できるコモンデッキ構築で非公式フォーマットあったが、2019年6月28日より公式化される形で紙のカードでもプレイできるようにルール制定が行なわれた。
Pauperとは、貧困者・持たざる者という意味。コモンデッキ(またの名を貧乏デッキ)構築であることに由来する。発音は「パウパー」よりも「ポーパー」に近い。
目次 |
ルール
テーブルトップ(紙のカード)とデジタル(Magic Online)のいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。
コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。
- 例:対抗呪文/Counterspellは第7版等でコモンとして収録されているため、パウパーで使用できる。Masters Edition版の対抗呪文はアンコモンであるが、それを使用してもよい。
Mystery BoosterのR&D Playtest cardsを除く、各特殊セットや構築済みデッキにおいてコモンで収録されたカードも使用できる。
- 例:木立を歩むもの/Walker of the Groveは通常セットでコモンとして収録されたことはないが、Modern Mastersでコモンであるため、使用できる。
- 例:ゴリラのシャーマン/Gorilla ShamanはブースターパックのあるセットにおいてはMasters Edition 2と(Magic Onlineではリリースされていないが)アライアンスのみの収録で、これらのセットではいずれもアンコモンであるが、コールドスナップのテーマデッキであるオーロクス暴走/Aurochs Stampedeにおいてコモンとして収録されているため、使用できる。当然、オーロクス暴走版だけでなく、Masters Edition 2版を使用してもよい。
Magic Onlineにおける収録状況は実際の紙のカードとは若干異なっていることがある。特に第6版までの基本セットとアライアンスまでのセットはMagic Onlineではリリースされておらず、Masters Editionに統合された形で収録されているため、大幅な変更が加えられている。
- 例:尊大なワーム/Arrogant Wurmは通常セットでコモンとして収録されたことはないが、Vintage Mastersでコモンであるため、使用できる。
その他は通常の構築ルールに順ずる。
禁止カード
- アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe
- エイトグ/Atog
- 眷者の装飾品/Bonder's Ornament
- 騒鳴の嵐/Chatterstorm
- フェアリーの大群/Cloud of Faeries
- 雲上の座/Cloudpost
- 頭蓋囲い/Cranial Plating
- 目くらまし/Daze
- 巣穴からの総出/Empty the Warrens
- 探検の地図/Expedition Map
- 失墜/Fall from Favor
- 大あわての捜索/Frantic Search
- ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
- ぶどう弾/Grapeshot
- 噴出/Gush
- High Tide
- トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach
- 激励/Invigorate
- 神秘の聖域/Mystic Sanctuary
- 流浪のドレイク/Peregrine Drake
- 予言のプリズム/Prophetic Prism
- 陥没孔/Sinkhole
- 滞留者の相棒/Sojourner's Companion
- 時間の亀裂/Temporal Fissure
- 宝船の巡航/Treasure Cruise
- 人種または文化に対し攻撃的なカード
傾向
全体としてのカードバランスは、他の構築環境に比べ極端に劣るわけではない。むしろ過去から現在までの数多の強力なコモンが使用できるため、本格的なパーミッションから、数ターンの決着を目指すビートダウンやコンボデッキなど、多彩なデッキが構築可能であり、時にはエターナル環境でも勝負に持ち込めるほどの完成度とデッキパワーに仕上げることも可能。
しかし一方で大型クリーチャー、多色土地、全体除去など、コモンには基本的に収録されないカードも多く、それらは環境全体で不足している。それにより各アーキタイプに少なからず影響が与えられる。例えばコントロール・デッキでは、全体除去で防御しつつアドバンテージを稼いでフィニッシャーに繋ぐヘビー・コントロール戦術は(不可能ではないが)取りづらいため、ドローと小型クリーチャーに重点を置いたクロック・パーミッションの形が主流になる。
特に目立って差があるのは土地だろう。2色以上の色マナを供給できる、使用に値するカードはタップインであるか、もしくはマナフィルターによる供給しかできないものであるため、1ターン目から土地だけで2色以上の色マナを供給することは事実上不可能である。この点は特に速攻系のデッキを組む際にネックとなっている。
また強力な多色カードはアンコモン以上のものが多いため、多色デッキであっても、単色カードで占められる割合が非常に大きい。
そういった特殊な環境であることから、ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpactやウラモグの破壊者/Ulamog's Crusherなど、ブロック構築でも日の目を見なかったような意外なカードの活躍が日常茶飯事となる。
解説
コモンのみとはいえ、様々なデッキタイプや複雑なメタゲームは、通常のフォーマットと同様に存在する。ほとんどのデッキがクリーチャーに頼らざるを得ないことから、他のフォーマットよりもクリーチャーのサイズや除去が重要になる。
- ビートダウン
- コモンにもビートダウン向けの優秀なクリーチャーが存在するため、単色であればアグロデッキは問題無く組むことができる。土地の関係から、ステロイドのような2色以上のビートダウンデッキは簡単には組めないが、中には親和やアグロドメイン、緑白呪禁などといった2色以上のビートダウンデッキも存在する。
- コントロール
- 対抗呪文/Counterspellを初めとする基本的かつ優秀な打ち消し呪文はコモンに多く、バウンスも比較的充実していることから、パーミッションも多い。なお、リセット型のクリーチャー全体除去は存在しない(あっても1~2点の全体火力)が、単体除去は火力も含めて非常に充実しており、ETB能力に強力なものを持つクリーチャーも多いことから、黒単信心コントロールのようなボードコントロールを中心としたデッキを組むことも可能。またパウパーでのウルザトロンは緑青を中心としたコントロールデッキの形を取ることが多く、大量のマナとマナフィルターを使ってカード・アドバンテージを得るものが多い。
- クロック・パーミッション
- 秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsやグルマグのアンコウ/Gurmag Anglerといった、クロック・パーミッション向けのクリーチャーが存在し、打ち消し呪文と組み合わせたフェアリーや青黒アンコウデルバーといったデッキが存在する。
- コンボデッキ
- コモンをキーカードとするコンボデッキは少ないがいくつか存在しており、無限コンボを構成することも可能。ただし、あまりに強力なものについてはキーカードが禁止されてしまっている。禁止により消滅したデッキとしては、ストームデッキや、無限マナコンボのFamiliar Combo、その後継のドレイク・フリッカーなど。不屈の部族シュートやウィー=ゼロックスは禁止により弱体化した後も一部結果を残している。
- バーン
- 大会で使われるような1マナ3点火力や優良火力である焼尽の猛火/Searing Blaze、火炎破/Fireblast、ケルドの匪賊/Keldon Maraudersなどが軒並みコモンであることからバーンデッキは比較的組みやすい。
主なデッキ・その他
- パウパーの変遷およびカテゴリ:パウパーデッキを参照。
公認フォーマットへの動き
長年Magic Onlineやカジュアルゲームでのみ扱われていたパウパーだが、2019年6月28日に正式に公式フォーマットとして展開されると発表された。紙とMagic Onlineにおけるコモン扱いの差異が生じていたカードについても、「デジタル版・テーブルトップ版両方を統一」することで移行する。そこで以下のように制定されている。
- 認定大会や店舗での催しでも公式イベントとして扱われる。
- 2019年7月9日より公式データベース「Gatherer」でパウパー使用可能かの検索が可能に。
- パウパーで使用可能なカードの範囲を、「テーブルトップとデジタルのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるカード」に拡大。収録されたセットは問わず、「Gatherer」にコモンとして掲載されていればパウパーで使用可能に。
また公認フォーマット認定の際、以下の3枚が新たに禁止カードに指定された。
その後、7月3日に基本セット2020のリリースと同時にMagic Onlineでカードプールの更新が行なわれた。
その他
- 公認フォーマット前からMagic Online上のみでなく、実際の紙のカードで遊ばれる事も多かった。過去の非公認期にはMagic Onlineでの構築ルールをそのまま使用する例もあれば、「現実にコモンとして印刷されたことがあるカードすべて」と解釈する例もあった。
- 後者のルールにする場合、トーラックへの賛歌/Hymn to Tourachや尊大なワーム/Arrogant Wurmなどをどのように扱うのかが問題だったため、トラブルにならないよう事前にはっきり定めておく必要があった。
- グランプリのサイドイベントなどでパウパーのイベントが開催される場合、Magic Onlineのルールをそのまま使用する事が多かった。なお、グランプリロサンゼルス19内のミシックチャンピオンシップ予選はこのフォーマットが採用された。
- カジュアルルーム等で、さらにスタンダード環境のコモンのみに限定して遊ばれる事も少なくなかったため、後に「Standard Pauper」というフォーマットも追加された。賞品の出る大会等がなく、認定フォーマットという形ではないものの、パウパー以上に手軽にデッキが組めるため、一定の需要がある。
- Magic: The Gathering Arenaでもスタンダードやヒストリック環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。アンコモンまで範囲を広げた「職工/Artisan」フォーマットも存在する。
- 2022年以降、禁止カードの指定についてはパウパーフォーマット委員と呼ばれる有識者委員会の助言を参考に行なわれるようになった。
参考
- コモン
- コモンデッキ
- フォーマット
- PAUPER FORMAT/パウパー
- PDCMagic.com | Competitive Commons Only Magic: the Gathering
- 第39回:赤青上陸/Pauper/コモン限定構築(高橋優太の「このデッキを使え!」から)
- 第11回:深遠なるコモン構築の世界~Pauper その1・ビートダウン編(高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」から)
- 第12回:深遠なるコモン構築の世界~Pauper その2・コンボデッキ編(同上)
- 第13回:深遠なるコモン構築の世界~Pauper その3・コントロール編(同上)
- 第18回:番外編その3・「Magic OnlineのPauperデッキを構築するまで」をリプレイ!?( 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」から)
- 第19回:Pauper面白デッキ+「新たなるファイレクシア」特集(高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」から)
- 第26回:嵐が去りて何が吹く~最新「Pauper」研究(同上)
- 行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第1回:Pauper(コモン構築)
- 行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第8回:Pauper(コモン構築)メタゲーム編
- Pauper Comes to Paper/パウパーがペーパーにやって来る
- Announcing the Pauper Format Panel/「パウパーフォーマット委員」発足のお知らせ(News 2022年1月10日 Gavin Verhey著)