授与

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(今後クリーチャーでない授与カードが出る可能性はあるが判りやすさを考えて「クリーチャーかオーラか」として説明)
 
 
(18人の利用者による、間の33版が非表示)
3行: 3行:
 
|英名=Bestow
 
|英名=Bestow
 
|種別=[[常在型能力]]
 
|種別=[[常在型能力]]
|登場セット=[[テーロス]]
+
|登場セット=[[テーロス]]<br>[[神々の軍勢]]<br>[[ニクスへの旅]]<br>[[統率者2018]]<br>[[モダンホライゾン3]]
 
|リーガル=legal
 
|リーガル=legal
 
}}
 
}}
'''授与'''/''Bestow''は、[[テーロス]]で登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[カード]][[スタック]]領域にある間と、[[スタック]]と[[戦場]]の両方で機能する2つの[[常在型能力]]を表す。
+
'''授与'''(じゅよ)/''Bestow''は、[[テーロス]]で初登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[カード]][[プレイ]]できるあらゆる[[領域]]にある間に働く[[常在型能力]]を表す。
 +
 
 +
{{#card:Observant Alseid}}
 +
{{#card:Nighthowler}}
  
 
==定義==
 
==定義==
'''授与'''[[[コスト]]]は、「[[あなた]]はこのカードを、その[[マナ・コスト]]を[[支払う]]のではなく、[コスト]を支払って[[唱える|唱えて]]もよい。」および「あなたがこの[[呪文]]の授与コストを支払うことを選択したなら、これは[[オーラ]]・[[エンチャント]]となり、エンチャント(クリーチャー)を得る。」を意味する。これらの[[効果]]は、この呪文が[[解決]]される時点で不適正な[[対象]]を対象としていたか、またはこの呪文がなった[[パーマネント]]が外れるかのどちらかが起こるまで残る。授与コストの支払いは[[代替コスト]]のルールに従う。
+
'''授与'''<nowiki>[</nowiki>[[コスト]]<nowiki>]</nowiki>/''Bestow'' [コスト]は、「[[あなた]]がこの[[呪文]]を[[唱える]]に際し、あなたはこれを''授与された''/''bestowed''状態で唱えることを選んでもよい。そうしたなら、あなたはこれの[[マナ・コスト]]ではなく[コスト][[支払う]]。」を意味する。授与[[能力]]を使って呪文を唱えることは[[代替コスト]][[総合ルール|ルール]]に従う。
  
呪文のコントローラーがその授与コストを支払うことを選択した場合、そのプレイヤーオーラ呪文の適正な対象を選ぶ。適正な対象を選ぶことができないかぎり、授与コストを支払う事を選択することはできない。
+
授与された状態で唱えられた呪文は、[[スタック]]に置かれるに際し[[オーラ]]・[[エンチャント]]になり、[[エンチャント(クリーチャー)]]を[[得る]]。その呪文は授与されたオーラ・呪文であり、[[解決]]後のパーマネントは授与されたオーラである。これらの[[効果]]はその呪文やパーマネントが授与されていない状態になるまで残る。呪文の[[コントローラー]]はエンチャント(クリーチャー)能力と[[対象]]のルールによって定義される適正な対象を選ばなければならない。
  
授与を持つオーラ呪文の解決時にその対象が不適正だった場合、それをオーラ呪文にする効果は終了する。それはクリーチャー呪文として引き続き解決され、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出される。これは[[CR|608.3a]]の例外である。
+
授与されたオーラ・呪文の解決を始める時点で、その対象が[[不正な対象|不適正]]だった場合、それは授与されていない状態になり、それをオーラ・呪文にしている効果は終了する。それは[[クリーチャー]]・呪文として引き続き解決され、その呪文のコントローラーの[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]下で[[戦場に出る]]。
 +
 
 +
授与されているオーラがはずれた場合、それは授与されていない状態になる。授与されたオーラが不正な[[オブジェクト]]や[[プレイヤー]]に[[つける|ついている]]場合、それははずれて授与されていない状態になる。これは{{CR|704.5m}}の例外である。
  
 
==解説==
 
==解説==
クリーチャーとして唱えるかオーラ呪文として唱えるか選ぶ事ができるキーワード能力。テーロスではこの能力を持っているカードはすべて[[クリーチャー・エンチャント]]であり、オーラになった場合エンチャント先のクリーチャーにクリーチャーとしての性能をそのまま与えるデザインになっている。
+
クリーチャーとして唱えるかオーラとして唱えるかを選ぶことができるキーワード能力。[[テーロス/Theros]]の[[神 (テーロス・ブロック)#ストーリー|神々]]が、その力を定命の者へ恩恵として授けたり、あるいは姿形を持つ使者として送り出したりする様子をイメージしている。
  
呪文として唱えたときも、エンチャントとして戦場に出ているときもエンチャント先が無くなったらクリーチャーに戻るのでオーラ特有の[[アドバンテージ]]損が無い。
+
状況に応じて2つの役割を選ぶことができるため、汎用性の面で優秀。またオーラ呪文としてスタックにあるときも、オーラとして戦場にあるときも[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]先がいなくなると自動でクリーチャーになるので、オーラ特有の[[カード・アドバンテージ]]の損失もない。その分、授与コストは全体的に[[重い|重め]]に設定されている。
*当たり前だが、エンチャントとして破壊された時にはクリーチャーに戻らない。
+
 
 +
この[[能力]]を持っているカードはすべて[[クリーチャー・エンチャント]]であり、オーラになった場合、エンチャント先のクリーチャーに自身のクリーチャーとしての性能をそのままプラスするデザインになっている。
 +
 
 +
[[テーロス・ブロック]]では全[[色]]に存在する。
 +
 
 +
[[モダンホライゾン3]]では特に[[白]]と[[緑]]に多く、[[改善]]と[[シナジー]]するようになっている。
  
 
==ルール==
 
==ルール==
*その呪文をクリーチャー呪文として唱えるかオーラ呪文として唱えるかは、それがスタックに置かれてから決定される。「あなたはクリーチャー呪文を唱える事ができない」という効果がある場合あなたは授与を持つクリーチャー呪文を唱える事はできないし、「あなたは、クリーチャー・カードを、それが[[瞬速]]を持っているかのように唱えてもよい。」という効果は、授与を持つクリーチャー・カードをインスタント呪文を唱えられるときならいつでもオーラ呪文として唱えることを可能とする。
+
;唱えるとき
*スタック上では、授与を持つ呪文はクリーチャー呪文またはオーラ呪文のいずれかである。同時に両方であることはない。
+
*授与能力を使って唱えることが選択された場合、授与された呪文はスタックに積まれる時点で「オーラの[[サブタイプ]]を持つエンチャント」になり、能力「エンチャント(クリーチャー)」を得る。この時、それまで持っていた[[カード・タイプ]]は上書きされ、それによりその呪文は[[クリーチャー・タイプ]]を失う。({{CR|205.1a}})
*他のオーラ呪文と異なり、授与を持つオーラ呪文はその解決時に対象が不適正な対象となった場合に[[立ち消え]]することはない。それはクリーチャー・エンチャント呪文として戦場に出る。
+
**例1:授与能力を使うことが選択された場合、オーラ呪文となったそれを唱える[[対象]]として[[プロテクション]](クリーチャー)を持つクリーチャーを選んでもよい。対象を選ぶ時点ではすでにクリーチャー呪文でないため。
* 他のオーラと異なり、授与を持つオーラは外れた時にオーナーの墓地に置かれることはない。それをオーラにしている効果が終了してエンチャント(クリーチャー)を失い、クリーチャー・エンチャントとして戦場に残る。
+
**例2:[[ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sage]]などによって生み出された、クリーチャー呪文にしか支払えない[[マナ]]は、授与持ちクリーチャーの通常のマナ・コストを支払うのには利用できるが、授与コストを支払うのに利用することはできない。[[総コスト]]を支払う時点ではすでにクリーチャー呪文でないため。
 +
**例3:[[原始の報奨/Primeval Bounty]]をコントロールしている場合、授与持ちクリーチャーの通常のマナ・コストを支払って唱えたときには1番目の能力が、授与コストを支払って唱えたときには2番目の能力が誘発する。同様の理由により、[[希望の幻霊/Hopeful Eidolon]]を授与コストを支払って唱えた場合、[[スピリットクラフト]]は[[誘発]]しない。呪文を唱えることで誘発する[[誘発型能力]]は、唱える過程が完了した段階で誘発するため。
 +
*また、これによりクリーチャーでなくなったなら、その呪文は[[パワー]]と[[タフネス]]を失う。({{CR|208.3}})
 +
*呪文を唱えることが適正であるかどうかをチェックするときは、授与能力によって変更された後の[[特性]]だけを参照する。({{CR|601.3e}}、{{CR|702.103d}})
 +
**初出時から複数回ルールが変更されていることに注意。[[唱える#ルールの変遷]]も参照。
 +
**例:「あなたはクリーチャー呪文を唱えられない」という効果がある場合、あなたは授与を持つクリーチャー・カードをマナ・コストを支払って唱えることはできないが、授与コストを支払ってエンチャント呪文として唱えることはできる。
 +
 
 +
;唱えた後、スタック上にあるとき
 +
*授与を持つクリーチャー・エンチャント・カードは、スタック上ではクリーチャー・エンチャント呪文またはオーラ・エンチャント呪文のいずれかである。同時に両方であることはない。
 +
**例1:授与された状態で唱えられた場合、[[否認/Negate]]の対象として適正である。
 +
**例2:クリーチャー呪文であってもオーラ呪文であっても、[[無効/Annul]]の対象として適正である。
 +
*他のオーラ呪文と異なり、授与されたオーラ呪文は対象不適正で[[立ち消え]]することはない。授与されたオーラ呪文の'''解決時'''にその対象が不適正だった場合、それをオーラ・エンチャントにする効果とエンチャント(クリーチャー)を持たせる効果が終了し、失っていた各[[特性]]が戻る。それはクリーチャー・エンチャント呪文として引き続き解決され、クリーチャー・エンチャントとして戦場に出る。
 +
**例1:授与されたオーラ呪文を対象に否認を唱えられた場合、それに[[対応して]]オーラの対象を[[除去]]しても、授与された呪文は否認によって打ち消される。授与された呪文がクリーチャー呪文になるのはその解決時であり、否認の解決はそれよりも前だからである。
 +
**例2:授与されたオーラ呪文の解決前にその対象を除去しても、[[本質の散乱/Essence Scatter]]の対象にすることはできない。授与された呪文の解決時までそれはクリーチャー呪文にならず、一度解決に入ったら、解決が完了してそれがスタックを離れるまでプレイヤーが[[優先権]]を得るタイミングはないからである。
 +
 
 +
;戦場にあるとき
 +
*授与を持つクリーチャー・エンチャント・カードは、戦場ではクリーチャー・エンチャントまたはオーラ・エンチャントのいずれかである。同時に両方であることはない。
 +
**例1:オーラであるときには[[殺害/Murder]]の対象にできず、[[オドリックの十字軍/Crusader of Odric]]でクリーチャーとして数えられず、[[呪文裂き/Spell Rupture]]でパワーを参照できない。
 +
**例2:クリーチャーであってもオーラであっても、[[解消の光/Ray of Dissolution]]の対象として適正である。
 +
*他のオーラと異なり、授与されたオーラははずれたときに[[オーナー]]の[[墓地に置く|墓地に置かれる]]ことはない。授与されたオーラがはずれた場合、それをオーラ・エンチャントにする効果とエンチャント(クリーチャー)を持たせる効果が終了し、失っていた各特性が戻る。それはクリーチャー・エンチャントとして戦場に残る。
 +
*授与されたオーラが[[破壊]]されたり、[[追放]]されたり、[[生け贄に捧げる|生け贄に捧げられ]]たりする場合、それは「はずれた」ことにはならず、通常通り[[戦場を離れる]]。
 +
*授与されたオーラがクリーチャーになっても、それはクリーチャーが戦場に出たことにはならない。
 +
*[[召喚酔い]]に関しては[[召喚酔い#クリーチャーでないパーマネントがクリーチャーになった時]]を参照。
 +
*オーラでありクリーチャーでないときでも、[[悪意の幻霊/Baleful Eidolon]]の持つ[[接死]]や希望の幻霊・[[彩色マンティコア/Chromanticore]]の持つ[[絆魂]]、[[水晶オウムガイ/Crystalline Nautilus]]の持つ自身を生け贄に捧げる能力が失われているわけではない。
 +
**例:[[炎の一斉攻撃/Flame Fusillade]]でオーラである悪意の幻霊に[[ティム]]能力を付与した場合、そのティム能力による[[ダメージ]]を[[与える|与えられた]]クリーチャーは[[状況起因処理]]によって破壊される。
 +
**[[雨雲のナイアード/Nimbus Naiad]]の持つ[[飛行]]などもオーラであるときに失われるわけではないが、クリーチャーでないため基本的には意味を持たない。
 +
*授与であるオーラが[[オーラの移植/Aura Graft]]などによって他のオブジェクトやプレイヤーにつけかえられる場合、オーラのままつけかえられる。
 +
 
 +
;その他
 +
*スタック上の授与で唱えられたオーラ・エンチャント呪文が[[コピー]]された場合、それは唱える際の選択や対象もコピーする([[コピー可能な値#スタック上のオブジェクトのコピー]])ので、元の呪文と同じ対象を選んだオーラ・エンチャント呪文になる。エンチャント先からはずれたなら、元のカードと同じようにクリーチャー・エンチャントになる。
 +
*戦場でオーラ・エンチャントになっている授与を持つパーマネントがコピーされた場合、「オーラ・エンチャントである」という[[継続的効果]]はコピー可能な値では無いので、コピー先のパーマネントはオーラではなくクリーチャー・エンチャントになる。
 +
*授与を持つカードは、スタックでも戦場でもない領域ではオーラのサブタイプを持たない。
 +
*授与を持つカードを「唱える」以外の方法で[[戦場に出す]]場合、それをオーラとして戦場に出すことはできない。それは単にクリーチャー・エンチャントとして戦場に出る。
 +
 
 +
===旧ルール===
 +
初出時はコストを支払う際に授与コストの支払いを選ぶことによって、唱える手順の途中で[[カード・タイプ]]が変更されるルールになっていたが、[[テーロス還魂記]]の発売とともにルールが変更され([[当事者カード]]などと同様に)最初に授与能力を使うことを選択してから唱え始めるようになった。ただし、機能上の変化はほとんどない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/comprehensive-rules-changes-2020-01-10 Theros Beyond Death Update Bulletin—Comprehensive Rules Change]([[Daily MTG]] 2020年1月10日)</ref>。
 +
 
 +
==その他==
 +
*ルール上はエンチャントでないカードが持っていても機能する能力であるが、[[統率者2018]]まで、授与を持つカードはすべてクリーチャー・エンチャントであり、またオブジェクトに授与を与えるカードは存在しない。
 +
*同様のコンセプトを持つ過去のカードとして[[リシド]]や[[象の導き/Elephant Guide]]などが存在する。オーラではないが、[[生体武器]]にも似ている。
 +
*[[テーロス還魂記]]でも再録[[メカニズム]]として検討されたが候補に選ばれたが、文章量の多さや複雑さがあったため不採用となった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0033613/ 死の扉にて その1]([[Making Magic]] 2020年1月6日)</ref>。憶測ではあるが、次のセットである[[イコリア:巨獣の棲処]]に挙動の似ている[[変容]]が登場する点も考慮されたものと思われる。
 +
==脚注==
 +
<references />
  
 
==参考==
 
==参考==

2024年6月4日 (火) 13:36時点における最新版

授与/Bestow
種別 常在型能力
登場セット テーロス
神々の軍勢
ニクスへの旅
統率者2018
モダンホライゾン3
CR CR:702.103

授与(じゅよ)/Bestowは、テーロスで初登場したキーワード能力。これを持つカードプレイできるあらゆる領域にある間に働く常在型能力を表す。


Observant Alseid / 目ざといアルセイド (2)(白)
クリーチャー エンチャント — ニンフ(Nymph)

授与(4)(白)(このカードを授与コストで唱えた場合、これはエンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)呪文である。クリーチャーにつけられていない場合、これは再びクリーチャーになる。)
警戒
エンチャントされているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに警戒を持つ。

2/2


Nighthowler / 夜の咆哮獣 (1)(黒)(黒)
クリーチャー エンチャント — ホラー(Horror)

授与(2)(黒)(黒)(このカードを授与コストで唱えた場合、これはエンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)呪文である。クリーチャーにつけられていない場合、これは再びクリーチャーになる。)
夜の咆哮獣とエンチャントされているクリーチャーは、それぞれ+X/+Xの修整を受ける。Xは、すべての墓地にあるクリーチャー・カードの数である。

0/0

[編集] 定義

授与[コスト]/Bestow [コスト]は、「あなたがこの呪文唱えるに際し、あなたはこれを授与された/bestowed状態で唱えることを選んでもよい。そうしたなら、あなたはこれのマナ・コストではなく[コスト]を支払う。」を意味する。授与能力を使って呪文を唱えることは代替コストルールに従う。

授与された状態で唱えられた呪文は、スタックに置かれるに際しオーラエンチャントになり、エンチャント(クリーチャー)得る。その呪文は授与されたオーラ・呪文であり、解決後のパーマネントは授与されたオーラである。これらの効果はその呪文やパーマネントが授与されていない状態になるまで残る。呪文のコントローラーはエンチャント(クリーチャー)能力と対象のルールによって定義される適正な対象を選ばなければならない。

授与されたオーラ・呪文の解決を始める時点で、その対象が不適正だった場合、それは授与されていない状態になり、それをオーラ・呪文にしている効果は終了する。それはクリーチャー・呪文として引き続き解決され、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る

授与されているオーラがはずれた場合、それは授与されていない状態になる。授与されたオーラが不正なオブジェクトプレイヤーついている場合、それははずれて授与されていない状態になる。これはCR:704.5mの例外である。

[編集] 解説

クリーチャーとして唱えるかオーラとして唱えるかを選ぶことができるキーワード能力。テーロス/Theros神々が、その力を定命の者へ恩恵として授けたり、あるいは姿形を持つ使者として送り出したりする様子をイメージしている。

状況に応じて2つの役割を選ぶことができるため、汎用性の面で優秀。またオーラ呪文としてスタックにあるときも、オーラとして戦場にあるときもエンチャント先がいなくなると自動でクリーチャーになるので、オーラ特有のカード・アドバンテージの損失もない。その分、授与コストは全体的に重めに設定されている。

この能力を持っているカードはすべてクリーチャー・エンチャントであり、オーラになった場合、エンチャント先のクリーチャーに自身のクリーチャーとしての性能をそのままプラスするデザインになっている。

テーロス・ブロックでは全に存在する。

モダンホライゾン3では特にに多く、改善シナジーするようになっている。

[編集] ルール

唱えるとき
  • 授与能力を使って唱えることが選択された場合、授与された呪文はスタックに積まれる時点で「オーラのサブタイプを持つエンチャント」になり、能力「エンチャント(クリーチャー)」を得る。この時、それまで持っていたカード・タイプは上書きされ、それによりその呪文はクリーチャー・タイプを失う。(CR:205.1a
    • 例1:授与能力を使うことが選択された場合、オーラ呪文となったそれを唱える対象としてプロテクション(クリーチャー)を持つクリーチャーを選んでもよい。対象を選ぶ時点ではすでにクリーチャー呪文でないため。
    • 例2:ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sageなどによって生み出された、クリーチャー呪文にしか支払えないマナは、授与持ちクリーチャーの通常のマナ・コストを支払うのには利用できるが、授与コストを支払うのに利用することはできない。総コストを支払う時点ではすでにクリーチャー呪文でないため。
    • 例3:原始の報奨/Primeval Bountyをコントロールしている場合、授与持ちクリーチャーの通常のマナ・コストを支払って唱えたときには1番目の能力が、授与コストを支払って唱えたときには2番目の能力が誘発する。同様の理由により、希望の幻霊/Hopeful Eidolonを授与コストを支払って唱えた場合、スピリットクラフト誘発しない。呪文を唱えることで誘発する誘発型能力は、唱える過程が完了した段階で誘発するため。
  • また、これによりクリーチャーでなくなったなら、その呪文はパワータフネスを失う。(CR:208.3
  • 呪文を唱えることが適正であるかどうかをチェックするときは、授与能力によって変更された後の特性だけを参照する。(CR:601.3eCR:702.103d
    • 初出時から複数回ルールが変更されていることに注意。唱える#ルールの変遷も参照。
    • 例:「あなたはクリーチャー呪文を唱えられない」という効果がある場合、あなたは授与を持つクリーチャー・カードをマナ・コストを支払って唱えることはできないが、授与コストを支払ってエンチャント呪文として唱えることはできる。
唱えた後、スタック上にあるとき
  • 授与を持つクリーチャー・エンチャント・カードは、スタック上ではクリーチャー・エンチャント呪文またはオーラ・エンチャント呪文のいずれかである。同時に両方であることはない。
    • 例1:授与された状態で唱えられた場合、否認/Negateの対象として適正である。
    • 例2:クリーチャー呪文であってもオーラ呪文であっても、無効/Annulの対象として適正である。
  • 他のオーラ呪文と異なり、授与されたオーラ呪文は対象不適正で立ち消えすることはない。授与されたオーラ呪文の解決時にその対象が不適正だった場合、それをオーラ・エンチャントにする効果とエンチャント(クリーチャー)を持たせる効果が終了し、失っていた各特性が戻る。それはクリーチャー・エンチャント呪文として引き続き解決され、クリーチャー・エンチャントとして戦場に出る。
    • 例1:授与されたオーラ呪文を対象に否認を唱えられた場合、それに対応してオーラの対象を除去しても、授与された呪文は否認によって打ち消される。授与された呪文がクリーチャー呪文になるのはその解決時であり、否認の解決はそれよりも前だからである。
    • 例2:授与されたオーラ呪文の解決前にその対象を除去しても、本質の散乱/Essence Scatterの対象にすることはできない。授与された呪文の解決時までそれはクリーチャー呪文にならず、一度解決に入ったら、解決が完了してそれがスタックを離れるまでプレイヤーが優先権を得るタイミングはないからである。
戦場にあるとき
その他
  • スタック上の授与で唱えられたオーラ・エンチャント呪文がコピーされた場合、それは唱える際の選択や対象もコピーする(コピー可能な値#スタック上のオブジェクトのコピー)ので、元の呪文と同じ対象を選んだオーラ・エンチャント呪文になる。エンチャント先からはずれたなら、元のカードと同じようにクリーチャー・エンチャントになる。
  • 戦場でオーラ・エンチャントになっている授与を持つパーマネントがコピーされた場合、「オーラ・エンチャントである」という継続的効果はコピー可能な値では無いので、コピー先のパーマネントはオーラではなくクリーチャー・エンチャントになる。
  • 授与を持つカードは、スタックでも戦場でもない領域ではオーラのサブタイプを持たない。
  • 授与を持つカードを「唱える」以外の方法で戦場に出す場合、それをオーラとして戦場に出すことはできない。それは単にクリーチャー・エンチャントとして戦場に出る。

[編集] 旧ルール

初出時はコストを支払う際に授与コストの支払いを選ぶことによって、唱える手順の途中でカード・タイプが変更されるルールになっていたが、テーロス還魂記の発売とともにルールが変更され(当事者カードなどと同様に)最初に授与能力を使うことを選択してから唱え始めるようになった。ただし、機能上の変化はほとんどない[1]

[編集] その他

  • ルール上はエンチャントでないカードが持っていても機能する能力であるが、統率者2018まで、授与を持つカードはすべてクリーチャー・エンチャントであり、またオブジェクトに授与を与えるカードは存在しない。
  • 同様のコンセプトを持つ過去のカードとしてリシド象の導き/Elephant Guideなどが存在する。オーラではないが、生体武器にも似ている。
  • テーロス還魂記でも再録メカニズムとして検討されたが候補に選ばれたが、文章量の多さや複雑さがあったため不採用となった[2]。憶測ではあるが、次のセットであるイコリア:巨獣の棲処に挙動の似ている変容が登場する点も考慮されたものと思われる。

[編集] 脚注

  1. Theros Beyond Death Update Bulletin—Comprehensive Rules Change(Daily MTG 2020年1月10日)
  2. 死の扉にて その1(Making Magic 2020年1月6日)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

QR Code.gif