プレインズウォーカー (カード・タイプ)
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プレインズウォーカー/Planeswalkerは、カード・タイプの1つ。ローウィンで初めて登場した。
伝説のプレインズウォーカー — アジャニ(Ajani)
[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒を得る。
[-6]:白のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。
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解説
プレインズウォーカーはパーマネント・タイプであり、他の(土地でない)パーマネント・カードと同様のルールに則って唱えられる。つまり、ソーサリー・タイミングでのみ唱えることが可能であり、唱えたあとは呪文としてスタックに乗り、解決後は戦場に出る。
すべてのプレインズウォーカー・カードは特殊タイプ「伝説の」を持っている。
プレインズウォーカーには専用のルールが数多く設けられている。以下にその専用ルールを記す。
プレインズウォーカー・タイプ
プレインズウォーカーとしてのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。これはクリーチャー・タイプとは異なる。これ自体にルール上の意味はないが、他から参照されることがある。
- かつてはプレインズウォーカー・タイプを参照するルールが存在した。詳細はプレインズウォーカーの唯一性ルールの項を参照。
忠誠度
プレインズウォーカーは忠誠度という独自の特性を持ち、カードの右下に記載されている数値がその基準である。プレインズウォーカーは戦場に出るに際し、その数値と同数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。戦場にある間はその上に乗っている忠誠カウンターの数が忠誠度である。
詳しいルールは忠誠度の項目を参照。
忠誠度能力
プレインズウォーカーは忠誠度能力と呼ばれる、忠誠シンボルをコストに含む起動型能力を持っている。忠誠度能力には通常の起動型能力とは異なる特別なルールが存在する。
詳しいルールは忠誠度能力の項目を参照。
- Ramp of Approval/試供品の次は (Making Magic 2016年5月16日 Mark Rosewater著) によると、忠誠度能力を持たないプレインズウォーカーも検討されていた。
戦闘やダメージに関するルール
プレインズウォーカーと戦闘やダメージに関するルールは以下の通りである。
- プレインズウォーカーはクリーチャーではない。それ自身は攻撃にもブロックにも参加できない。
- プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、その値に等しい数の忠誠カウンターが取り除かれる。その結果、忠誠カウンターが0個になったならば、状況起因処理により墓地に置かれる。
- プレインズウォーカーをコントロールするプレイヤーに攻撃をする場合、攻撃側はプレインズウォーカーかプレイヤーのどちらを攻撃するかを選ぶ。戦闘に関しては通常通りの処理を行うが、ブロックされなかった場合は「選んだ攻撃先へ戦闘ダメージを割り振る」ことになる。
- プレインズウォーカーが攻撃されているとき、そのプレインズウォーカーが戦場を離れたり、コントローラーが変わったりした場合、そのプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。しかし、それを攻撃しているクリーチャーは依然として攻撃クリーチャーのままである。この場合、それら攻撃クリーチャーはブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを与えるが、攻撃していたプレインズウォーカーがいないため、それに与えるはずだったダメージは発生しない。
- プレインズウォーカーをコントロールしているプレイヤーに、対戦相手である他のプレイヤーがコントロールする発生源が戦闘以外でダメージを与える場合、その発生源のコントローラーはプレイヤーではなくプレインズウォーカーにダメージを与えることを選んでもよい。これは置換効果である(→移し変え)。
- あなたがショック/Shockを、プレインズウォーカーをコントロールしているプレイヤーを対象に唱える場合、ショックが与えるダメージをプレインズウォーカーに与えることを選んでもよい。そうした場合、ショックからプレインズウォーカーに2点のダメージを与えることになる。
- ショックの解決に際しダメージを与えるときにプレインズウォーカーに代わりに与えるのであって、ショックを唱える際の対象はプレイヤーであり、プレインズウォーカーに与えるという宣言も必要ない。ショックに対してカウンターを行う時点では対戦相手がどちらにダメージを与えるのかは判明していない。
- 逆に、あなたが唱えた地震/Earthquakeなどがあなたに与えるダメージは、あなたがコントロールするプレインズウォーカーに移し変えることはできない。
- 双頭巨人戦でのダメージの割り振りの際、あるプレイヤーに与えるダメージを他のチームメイトがコントロールするプレインズウォーカーに与えることはできない。
- あなたがショック/Shockを、プレインズウォーカーをコントロールしているプレイヤーを対象に唱える場合、ショックが与えるダメージをプレインズウォーカーに与えることを選んでもよい。そうした場合、ショックからプレインズウォーカーに2点のダメージを与えることになる。
- 物語の円/Story Circleのような軽減系のカードを使うときは注意が必要。ショック/Shock等の直接的なダメージは、プレインズウォーカーに移し変えられる前に軽減することが可能だが、戦闘ダメージの場合は直接プレインズウォーカーに与えられるため、プレイヤーへのダメージ軽減でそのダメージを防ぐことはできない。
旧ルール
イクサランの発売以前のルールでは、1人のプレイヤーが共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーを2体以上コントロールしている場合、そのプレイヤーがその中から選んだ1体だけ戦場に残り、残りはオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因処理であり、「プレインズウォーカーの唯一性ルール」と呼ばれていた。
詳細はプレインズウォーカーの唯一性ルールの項を参照。
ストーリー
マジックのプレイヤーはプレインズウォーカー/Planeswalkerという設定である。プレインズウォーカーを唱えるということは、そのプレインズウォーカーに協力を要請するということであり、プレインズウォーカーをコントロールしているということは、一緒に戦っているということである。
- 戦闘やダメージに関するルールも、この設定に準じたものになっている。彼らは基本的にあなたの要求に従い力を貸してくれるが、対戦相手がそのプレインズウォーカーを直接狙ってきた場合でもなければ、わざわざあなたの身代わりになってはくれないのである。
- 逆に、あなたの意思であなたがプレインズウォーカーの身代わりになることもできないので、そもそもプレインズウォーカー同士が身を護ること自体が難しいのかもしれない。
- 例外的に、戦闘のみでならあなたの身代わりのように攻撃を引き受けてくれる能力を持つ者もいる。(→ギデオン・ジュラ/Gideon Juraなど)
- 時のらせんブロック以前のプレインズウォーカーは神の如き力を持っており、カード1枚の能力として表現するには不適切であったため、カード化されなかった。しかし、大修復/The Mendingによってプレインズウォーカーが大きく力を失ったため、カード化する事が可能になった。
その他
- すべてのプレインズウォーカー・カードは他のカード・タイプを持たない。例えば黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmaneはレオニン/Leonin(猫族)という設定だが猫のクリーチャー・タイプを持たないし、求道者テゼレット/Tezzeret the Seekerはエーテリウム/Etheriumを含んだ人間だがエーテリウム生物の特徴であるアーティファクトのカード・タイプを持たない。
- 「伝説の部族・プレインズウォーカー ― 猫・アジャニ」だと語感が悪いことや、他のカード・タイプに関連する様々なシナジーが生まれると悪用手段が増えてしまうため、カードパワーの調整が困難になることが理由として挙げられている。(→An Angel's Eye View of Bant、Cards of Alara参照)
- 背景ストーリーにおける「プレインズウォーカーとして目覚めることで、次元/Planeの制約から解放され、多元宇宙/Multiverseの理を学べる神話的存在になる」という設定も反映されている。
- なんらかの効果によって他のカード・タイプを得ることはありうる。ギデオン・ジュラ/Gideon Juraなどは自身の忠誠度能力でクリーチャー化するし、液鋼の塗膜/Liquimetal Coatingでアーティファクト化したりもできる。
- 神話レアが存在しなかったローウィンの5枚(レア)を除き、すべてのプレインズウォーカーは神話レアである。この5枚も、後の再録では神話レアになっている。
- またルール文章で特にプレインズウォーカーに言及しているカードも稀少度が高く設定される。これは「複雑なカードほど稀少度を高くする」というデザイン方針による。また「プレインズウォーカーに直接手出しするのは特別なことである」というフレイバー性も含んでいる(参考/翻訳、英雄の破滅/Hero's Downfallの項目)。
- カードデザインは他のカード・タイプと全く異なる物が用いられ、イラストに描かれたプレインズウォーカーがイラストの枠から(わずかではあるが)はみ出ている物が過半数を超えている。(カード画像)
- フレイバー・テキストを除く文章欄に初めて登場したのは、未来予知のフューチャーシフト、タルモゴイフ/Tarmogoyfの注釈文である。
- 現在のR&Dの方針では1つのブロックにつきプレインズウォーカー・カードの収録は5枚まで、基本セットでは6枚までとされている。例外的にゼンディカー・ブロックに収録されているプレインズウォーカー・カードは6枚である。
- この方針はあくまで「通常のカードセットのブースターパックに含まれるプレインズウォーカー・カード」に対する制約なので、プレインズウォーカーデッキに収録されている(トーナメントレベルにはならないことを意図された)プレインズウォーカー・カードはその制約を受けない。(参考)
- 英語では発音が同じ平地(Plain)と間違えないように。Plainswalkerでは平地渡り(をする者)になりフレーバーが台無しである。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 3 カード・タイプ
- 306 プレインズウォーカー
- 306.1 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
- 306.2 プレインズウォーカー・呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
- 306.3 プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ/planeswalker type」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカー・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
- 306.4 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーがコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカー・カードはオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。
- 306.5 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
- 306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカー・カードの忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。
- 306.5b プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。
- 306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカーの忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。
- 306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコストに忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。」という特殊なルールが適用される。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
- 306.6 プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
- 306.7 以前は、プレインズウォーカーはプレイヤーに、対戦相手に与える戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手のコントロールしているプレインズウォーカーに与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードはオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーにダメージを与えるようになった。
- 306.8 プレインズウォーカーがダメージを受けた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
- 306.9 プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
- 306 プレインズウォーカー