レガシー
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主な公式フォーマット
- リミテッド (Limited)
- シールド (Sealed Deck)
- ブースター・ドラフト (Booster Draft)
レガシー/Legacyとは、公式フォーマットの1つ。エターナルフォーマットの1つとして分類されている。2004年9月19日までのタイプ1.5を事実上廃止し、2004年9月20日に開始された。
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解説
今まで発売されたほぼ全てのカードを使用できる「エターナル」フォーマットの中で、主としてプレイされているフォーマット。
ヴィンテージとは異なり制限カードは存在せず、禁止カードのみ存在する。禁止カードはタイプ1の制限カードリストに従っていたタイプ1.5と異なり、独自に制定されている。「ヴィンテージでは制限でもレガシーでは4枚使える」場合もあれば、「レガシーでは禁止だがヴィンテージでは4枚使える」場合もあるため、使用可能なセットの範囲が同じであるという点以外は、まったく別のフォーマットと言ってよい。
後述の通り、競技人口の問題などにより競技向けの大会のフォーマットとして採用し辛く、大会への参加は草の根トーナメント等が中心になる。2005年には初のレガシーグランプリであるグランプリフィラデルフィア05が開催され、2015年には日本(及びアジア太平洋地域)で初のレガシーグランプリであるグランプリ京都15が開催されるなど定期的に行われているものの、プロツアーでの採用は世界選手権07、(チーム戦として)マジック25周年記念プロツアーにおいて2度採用されたのみである[1]。
傾向
禁止されている一部のカードを除き過去全てのカードが使える関係から非常に強力なデッキが多く、序盤から高速な試合展開になりがちである。
もっとも瞬殺コンボデッキばかりというわけではなく、環境を破壊しそうな凶悪カードは軒並み禁止カードにされていることもあり、「尖った」環境という認識は誤りである。それよりも近年のクリーチャーカードの質の向上を背景に、それらを軸に据えたクロック・パーミッションが強い傾向にある。もちろんその他にも、純粋なビートダウンやコントロール、中速コンボなどデッキの種類自体は非常に多様である。また特定のデッキに対して強烈に利くカードを簡単にチョイス出来るため「最強デッキ」が長らくトップメタに居座りづらく、メタゲームは非常に混沌としている。
上述の理由から意志の力/Force of Willによるアンチコンボ性能と渦まく知識/Brainstorm(とフェッチランド)による安定性とを両立できる青が半ば環境を定義しており、トーナメント志向のデッキで青が使われていないデッキは非常に稀である。一方で、フェアデッキであっても不毛の大地/Wastelandやもみ消し/Stifleを用いた土地ハメと呼ばれる戦術が備わっているなどレガシーならではの戦略が数多く存在するため、勝ち抜くためには相応の研鑽が要求される。よほど絶望的でない限り、相性差は構築や技術によってひっくり返す事もできるのがこのフォーマットの魅力ともいえる。
サイドイベント感覚で、スタンダードやモダン、エクステンデッドのデッキをそのまま持ち込んで戦うプレイヤーも存在する。カードプールがほぼ完全に下位互換の関係にあるため勝てないと思われがちであるが、そうしたデッキは往々にして完全にメタ外であるためあっさり勝ってしまうこともままある(例:日本レガシー選手権09の藤田剛史(デッキ紹介動画))。
古いカードを使えるため古参のプレイヤーからの人気は高いが、反面新規参入のハードルが高く、かつては日本では競技人口が少な目のフォーマットであった。しかし近年のカードパワーの上昇に伴って比較的新しいカードを中心としたデッキも組めるようになってきたこと、グランプリ京都15以来グランプリが定期的に開催されていること、そしてそれに伴い草の根大会の開催も増えてきたこと等により、都市圏を中心に競技人口は増加傾向にある。
新規参入する場合、多色デッキの土地カード(デュアルランドやフェッチランド)などの高額カードを集めようとすると十分な資金が必要になるが、バーンや白ウィニーなどの初期投資が安くてすむ単色デッキでも十分に戦えるデッキを作ることは可能であり、逆にデュアルランド・フェッチランドなどに頼るデッキをメタるような構成にすることもできる。またローテーションが存在しないため、初期投資にコストがかかっても同じカードで長く遊べるという点も魅力の1つである。
膨大な数のカードプールを背景としており新セット発売による影響が相対的にわずかなものとなること、及び競技人口が少なく競技レベルの大会の数が少ないこと等から、メタゲームの回転は非常に緩やかである。一方で、それらのカード群が待ち望んでいた最後のピースとでも言うべきカードが登場することでデッキが成立しメタゲームを大きく揺るがすこともある(例:ゲートウォッチの誓い参入によるエルドラージデッキの成立など)。また歴史あるフォーマットではあるものの、プレミアイベントの数が多くないことからプロプレイヤーによる環境解明もそれほど進んでいないため、既存のカードの組み合わせでありながら突如新デッキが成立することも。
- 近年、エターナルマスターズなどの特殊セットやMasterpiece Seriesなど特殊な封入形式で再録されたカードが多い為、再録禁止カードを除いて、比較的現実的な難易度でレガシー環境で活躍をしたカードを入手することが可能となっている。
- スタンダードやモダンでは特に注目されていなかったカードが日の目を見たりする。また、それらのフォーマットで禁止されたカードを用いたデッキがレガシー用にチューンされることで再成立することもある。
- 青単コントロールやウィニーなど、様々なブロックに渡って存在するような基本的なアーキタイプも多くみかけられ、見方によってはマジックのオールスター戦を楽しめるようなフォーマットとも言える。
使用可能カードセット
2017年4月24日現在、原則として以下のカードが使用可能である。
- マジックのカードセットに収録されているカード
- 基本セットに収録されているカード
- エキスパンションに収録されているカード
- 特殊セットに収録されているカード(ポータル系列のカードと、From the Vault、デュエルデッキに先行収録されているカード含む)
- ナラスニ・ドラゴン/Nalathni Dragon
- Sewers of Estark
- Windseeker Centaur
銀枠(金枠)のカードと、チャレンジ・デッキなど裏面のデザインも通常とは異なるカード(両面カード、合体カード除く)は、エターナルで使用することができない。
- ポータル系列のカードは、最初期のエターナル環境では使用できなかったが、2005年10月20日から使用可能になった。
禁止カード
- Ancestral Recall
- 天秤/Balance
- Bazaar of Baghdad
- Black Lotus
- チャネル/Channel
- Chaos Orb
- 死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman
- Demonic Consultation
- 悪魔の教示者/Demonic Tutor
- 時を越えた探索/Dig Through Time
- 大地の知識/Earthcraft
- Falling Star
- Fastbond
- 閃光/Flash
- 大あわての捜索/Frantic Search
- ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
- ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter
- 噴出/Gush
- 隠遁ドルイド/Hermit Druid
- 伝国の玉璽/Imperial Seal
- Library of Alexandria
- 魔力の墓所/Mana Crypt
- マナ吸収/Mana Drain
- 魔力の櫃/Mana Vault
- 記憶の壺/Memory Jar
- 精神的つまづき/Mental Misstep
- 精神錯乱/Mind Twist
- 精神の願望/Mind's Desire
- Mishra's Workshop
- Mox Emerald
- Mox Jet
- Mox Pearl
- Mox Ruby
- Mox Sapphire
- 神秘の教示者/Mystical Tutor
- ネクロポーテンス/Necropotence
- ドルイドの誓い/Oath of Druids
- 師範の占い独楽/Sensei's Divining Top
- Shahrazad
- 頭蓋骨絞め/Skullclamp
- 太陽の指輪/Sol Ring
- 露天鉱床/Strip Mine
- 適者生存/Survival of the Fittest
- Time Vault
- Time Walk
- Timetwister
- 修繕/Tinker
- トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
- 宝船の巡航/Treasure Cruise
- 吸血の教示者/Vampiric Tutor
- Wheel of Fortune
- 意外な授かり物/Windfall
- レンと六番/Wrenn and Six(2019年11月22日より)
- ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain
- ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will
上記のカードの他、アンティに関するカード (→アンティ#アンティに関係したカード)と策略カード (→策略#策略カード一覧)は、禁止カードに指定されている。
主なデッキ・その他
- レガシーの変遷を参照
脚注
- ↑ Scoop Week(The Week That Was 2005年7月1日 Brian David-Marshall著)