王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns

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2019年11月15日 (金) 15:01時点における124.102.176.72 (トーク) - whois による版
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Oko, Thief of Crowns / 王冠泥棒、オーコ (1)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — オーコ(Oko)

[+2]:食物(Food)トークンを1つ生成する。(それは「(2),(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つアーティファクトである。)
[+1]:アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。それは能力をすべて失い、基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿(Elk)クリーチャーになる。
[-5]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つかクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールしていてパワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それらのコントロールを交換する。

4

エルドレインの王権で登場した緑青プレインズウォーカー忠誠度能力食物トークン生成アーティファクトクリーチャー大鹿への変身、アーティファクトかクリーチャーとパワーの低いクリーチャーとのコントロール交換

変則的ながら盤面に触れられる2つの能力、ライフ回復、戦力の供給をこなせる万能性を備え、そのうえ3マナという軽さに対し非常に場持ちが良く、序盤から長期にわたって圧力をかけ続けることができるパワーカード

登場後瞬く間に様々なフォーマットで採用された、エルドレインの王権のトップレアである。

目次

解説

+2能力
食物・トークン生成。
基本となるこの能力から入れば忠誠度6スタートであり、丸焼き/Fryでも焼け残る、3マナのプレインズウォーカーとしては抜群の堅さで戦場に出現する。
食物は+1能力で戦力に変える事ができ、-5能力で対戦相手に渡すパーマネントにもできるため、自己完結した活用が可能。アーティファクトとシナジーを形成するカードとの併用も強力。
もちろん本来の2マナ3点回復トークンとしてもアグロバーンへの延命手段になり、この能力一回ごとに忠誠度2+回復3点分の5点ダメージを疑似的に受けられる計算になる。除去や勝ち筋を戦闘火力ダメージに頼ったデッキ(フェアデッキ)相手にはこれのみでも大きなプレッシャーをかけられる。
+1能力
クリーチャーかアーティファクトを3/3のバニラクリーチャーに変える。範囲の狭くなった疑似内にいる獣/Beast Within
大きく分けて2つの運用法がある。一つはこちらのアーティファクトや役割を果たしたマナ・クリーチャーを3/3にして戦力に加えて打点を確保する使い方、

もう一つは対戦相手の持つ強力なクリーチャーやアーティファクトを永続的にただの3/3に変えてしまい、脅威度を下げて対戦相手の勝ち筋を潰す使い方。 いずれもゲームへの関与が大きく強力な能力である。

この能力でも忠誠度が増えるという点が使い勝手を大幅に良くしており、+2能力とのループで3/3を生み出しつつ忠誠度をぐんぐん上げてボード・アドバンテージを稼ぐ展開はさながらミニ世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World。また、コンボデッキ相手に序盤にキーカードを排除する目的で3/3に変えてボード・アドバンテージを与えてしまった時も、ある程度ならオーコ自身で受けきれてしまうためコンボデッキに対する妨害手段としても使いやすい。
対戦相手のクリーチャーに対して使う場合、クリーチャー・タイプを上書きすることにより様々なシナジーを崩すことができるのも優秀。
-5能力
こちらのクリーチャーかアーティファクトと対戦相手のパワー3以下のクリーチャーのコントロールを交換する。
忠誠度を余しやすいため起動は容易。+2能力から入れば次のターンから忠誠度を残しつつ使うことも可能。これで対象にできないファッティは+1能力で対処できるので、こちらは食物・トークンを渡してロードや強力なシステムクリーチャーを奪うのが基本になる。
には混迷/Befuddleなど一時的にクリーチャーのパワーを下げるカードが存在するため、それらと組み合わせれば奪える範囲が広がる。

それぞれの能力のシナジーが強く自己完結してアドバンテージを取り続ける上に、3マナのプレインズウォーカーとしてはダメージに対して一線を画した堅牢さを持つ。これ単体でクリーチャー戦力の増強とクリーチャー&アーティファクトの擬似除去が可能であり、おおよそのフェアデッキコンボデッキ相手に通用する。色の合うデッキが採用するだけでなく、これを目的に2色目3色目をタッチする価値のあるパワーカードである。 特に同セット金のガチョウ/Gilded Gooseとの相性は良く、+2能力で食物・トークンを生み出し、金のガチョウのマナ能力をサポートすることができる。逆に金のガチョウの起動型能力で生成した食物トークンをこちらで大鹿に変え、毎ターン忠誠度を上げつつ3/3を生み出し続けることも可能。

軽いマナコストの割に高い忠誠度で除去が非常に難しく、それでいて各能力でウィニー(+2/+1の併用)・ファッティやアーティファクト(+1)・システムクリーチャー(+1や-5)など、広範囲を容易に対処可能。マナレシオが良い軽量クリーチャーやフライヤーに対してはオーコのみではやや後手気味になるが、+2能力と金のガチョウを組み合わせてマナで優位に立てば、後続のクリーチャーで轢き潰せる。確定除去カードには特に堅さは発揮しないが、出た直後にパーマネントを増やせるため返しに除去されても損にはならないし、早い段階で出ればそもそも確定除去が難しい。総じて序盤に先んじて投下すれば大抵の場合に莫大のアドバンテージをもたらす、非常に強力なプレインズウォーカーである。

  • 高いボード・コントロール性能に注目が集まるが、+2と+1の組み合わせで出る大鹿を使ったキルターンは(全て通ったと考えて)0-3-3-6-6-9の6ターン=パワー4のクロックに相当し、アグロデッキでも採用できる水準である。前のターンから存在するクリーチャー/アーティファクトに使えば召喚酔いに影響されない(=プレインズウォーカー同士の攻防に有利)ことや、+1/+1カウンター併用前提のクリーチャーに使うことで+3/+3のサイズアップができるのも見逃せない。

利用

エルドレインの王権発売直後から、使用可能なほとんどのフォーマットに進出し、それぞれの環境に影響を与えている。

スタンダード

登場してすぐに各種フード系デッキキーカードになったほか、単独でのカードパワーの高さもあり食物シナジーを扱わないバント・ランプティムール・フレンズなど、緑青を含む幅広いデッキで採用されている。登場して最初に迎えたミシックチャンピオンシップロングビーチ19秋では、オーコを採用しないゴロス・ランプトップメタであったにも関わらず採用率上位に喰い込んだ。死者の原野/Field of the Dead禁止後はフード系デッキがトップメタとなり、ミシックチャンピオンシップリッチモンド19では全参加者中69パーセントがオーコを採用していた[1]

主にこのカードを対処するために害悪な掌握/Noxious Graspメインデッキから2~4枚投入され、さらにそれを対処するために夏の帳/Veil of Summerをメイン投入するケースも見受けられるほどに環境を歪めてしまっており、MTGアリーナで11/9および11/16に開催されるWotCがスポンサーを務める大会「AetherHub Community Tournament」において禁止カードに指定される特例措置が取られた。

  • また、このカードが支配的であるという事を理由にStarCityGames主催の招待性大会「SCG:シーズン2」のレギュレーションが急遽パイオニアとモダンに変更された。

パイオニア

フォーマット制定直後から緑青黒コントロール、シミック・ランプ、サヒーリコンボ霊気池の驚異バント・カンパニーなど、色の合う幅広いデッキで採用されている。特にカラデシュ産のアーティファクト関連シナジーとの併用が強力で、産業の塔/Spire of Industryキランの真意号/Heart of Kiranなど枚挙に暇がない。呪文捕らえ/Spell Queller難題の予見者/Thought-Knot Seerなどとも相性がよい。

モダンほどマナ基盤が多彩でないパイオニアにおいて青緑というデッキカラーは扱いやすく、安定して早期に出せる勝ち筋として需要が高い。特にフォーマット初期のサヒーリコンボにおいては戦場を保たせコンボの邪魔になるカードを大鹿にできる汎用性から特に重要性が高く、パイオニア初のMagic Onlineプロツアー予選では上位に残った同アーキタイプにおいて高い採用率を誇った[2]

モダン

採用枚数やメインデッキサイドボードのバラつきはあれど、登場直後からアミュレット・タイタンソプターコンボなどの最高工匠卿、ウルザ/Urza, Lord High Artificer系デッキの2つを筆頭に、バント・カンパニー、バント石鍛冶、エルドラージサヒーリコンボ5色ニヴ=ミゼット、果ては緑青マーフォーク死の影など、非常に幅広いデッキで採用されている。

エターナルと比べクリーチャーの採用率が高いモダンにおいては、使い終わった呪文捕らえ/Spell Queller瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageなどを3/3に変え、脅威として送り込む戦術が取られる。特に呪文捕らえや潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Scullerの能力を失わせる場合、一時的に追放したカードを永遠に追放したままにできる利点がある。最高工匠卿、ウルザを使うデッキにおいてはウルザや湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Lochをアーティファクトを産み出す事でサポートしたり、同型相手に相手のウルザやエムリーを奪う可能性をちらつかせて牽制する働きを見せる。もちろんスタンダード以上に凶悪なクリーチャーや対策アーティファクトを無力化する戦術も強い。

レガシー

ティムール・デルバー4Cレオヴォルドなど緑青を含む幅広いデッキで採用される。

レガシー環境においても様々な目的で実績を残している。ファッティ対策という点では、実物提示教育/Show and Tell経由で出された引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornリアニメイトの各種ファッティに対処できるようになった。速攻がついていたり、グリセルブランド/Griselbrandには先にカードを引かれたりと出されるクリーチャーによっては完全にではないが、メインデッキから解決策が出来たのは大きい。アーティファクト対策という点でも、虚空の杯/Chalice of the Void罠の橋/Ensnaring Bridge三なる宝球/Trinisphere等の環境に数多くある妨害系のアーティファクトを無力化し、こちらも多く見かける殴打頭蓋/Batterskull梅澤の十手/Umezawa's Jitteといった各種装備品も押さえつけることができる。対戦相手に3/3のクロックが渡ってしまうことは小さくないデメリットではあるが、腐っていた除去が当たるようになったり、タルモゴイフ/Tarmogoyf等の優秀なクリーチャーで押し留めたりはできるため上手に運用したい。いずれにしてもメインデッキからこれらの脅威に対応できるようになった点は環境に変化をもたらしている。

ヴィンテージ

クリーチャーの採用枚数が少なく低コストのものが選ばれやすいヴィンテージにおいては、Moxを3/3というそれなりのサイズのクロックとして扱うことができ、脅威を奪って利用できることが環境とマッチしている。

主に緑青赤ゼロックスで採用されているほか、オースでは対戦相手SoloMoxen墓掘りの檻/Grafdigger's Cageを大鹿に変え、ドルイドの誓い/Oath of Druidsの条件を無理やり満たす目的で採用されている。

ブロール

伝説のクリーチャーに加えプレインズウォーカー・カードを統率者として指定できるブロールにおいては、伝説のクリーチャーである統率者のほとんどを戦場に留めたまま無力化できることが極めて強力で、よく統率者として選ばれている。同様に統率者の能力を封じることができる魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass禁止カードに指定されているが、そちらと比べても統率領域から唱えられる分確実性が高い。

統率者ダメージのルールも無く、比較的ゆったりとした展開になるため、+2能力でライフ・アドバンテージを得やすいことも強み。クリーチャーの質が不安定になるハイランダールールにおいて、安定して3/3クリーチャーを戦線投入できることも環境とマッチしている。

2019年11月5日より、MTGアリーナのブロールにおいて禁止カードに指定された[3]

ルール

+1能力

関連カード

サイクル

エルドレインの王権レア神話レアの2カードサイクル。3枚のプレインズウォーカー・カードを含む。

レア
神話レア

ストーリー

オーコ/Okoはフェイ/Feyのプレインズウォーカー/Planeswalker。詳細はオーコ/Okoを参照。

脚注

  1. Mythic Championship VI Day One Metagame Breakdown/2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)初日メタゲームブレイクダウン(MAGIC ESPORTS 2019年11月8日 Frank Karsten著)
  2. Pioneer PTQ(MTGO Standings 2019年11月2日)
  3. NOV 5 – BRAWL BAN ANNOUNCEMENT

参考

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