フリゴリッド
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==エクステンデッド== | ==エクステンデッド== |
2011年11月7日 (月) 19:47時点における版
フリゴリッド(Friggorid)は、アメリカ発祥のリアニメイト系コンボ・ビートダウンデッキ。他の発掘デッキと区別せずに、単にドレッジと呼ばれることも多い。
デッキ名は、考案者のJohn F. Rizzoのニックネームである「John Friggin' Rizzo」に由来する。
発祥はエクステンデッドだが、レガシーや、ヴィンテージでも出現し、ある程度の数が存在している。
目次 |
概要
発掘を持つカードを手札から捨ててライブラリーを墓地に落としつつ、墓地から何度でもよみがえるイチョリッド/Ichoridでビートダウンをする。墓地に落ちる事を前提としているため、フラッシュバックやスレッショルドを持つカードも多く採用されている。
クリーチャー — トロール(Troll) スケルトン(Skeleton)
ゴルガリの墓トロールは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、その上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
(1),ゴルガリの墓トロールから+1/+1カウンターを1個取り除く:ゴルガリの墓トロールを再生する。
発掘6(あなたがカードを1枚引くなら、代わりにあなたはカードを6枚切削してもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。)
クリーチャー — ホラー(Horror)
速攻
終了ステップの開始時に、イチョリッドを生け贄に捧げる。
あなたのアップキープの開始時に、イチョリッドがあなたの墓地にある場合、あなたは自分の墓地にあるイチョリッド以外の黒のクリーチャー・カードを1枚、追放してもよい。そうした場合、イチョリッドを戦場に戻す。
戦場を一掃されてもすぐに復帰できるのでコントロールデッキに強い。また、通常のビートダウン以上のスピードを誇るので、ビートダウン相手でも充分に戦える。まさに次世代の高速デッキである。
未来予知参入後では、ナルコメーバ/Narcomoebaや黄泉からの橋/Bridge from Belowが加わり、スタンダードにて構成のよく似たナルコブリッジが登場。以降、このデッキにもこれらのギミックが組み込まれることとなる。イチョリッドが毎ターン黄泉からの橋の誘発条件を満たすため、非常に相性が良い。
墓地をメインに使うデッキのため、墓地対策に極めて弱い。虚空の力線/Leyline of the Voidやトーモッドの墓所/Tormod's Crypt、ヨツンの兵卒/Jotun Gruntなど、天敵は多い。ただし、ナルコブリッジのギミックが加わったことで、それらをバウンスした後の1ターンで致死ダメージを叩き出せ、未だ勢力のあるデッキである。
エクステンデッド
2005年のエクステンデッドシーズン最後の最後に登場。原型となるデッキは、John F. Rizzoが考案し、Osyp Lebedowiczが世界選手権05のエクステンデッド部門に持ち込んだものである。
世界選手権05直後のグランプリシャーロット05を制し、一躍メタの中心にのし上がった。→*1
クリーチャー — エイトグ(Atog)
カードを1枚捨てる:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
あなたの墓地にあるカード2枚を追放する:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
カードを墓地に落とす手段として、朽ちゆくインプ/Putrid Impや入念な研究/Careful Studyに加えてトレイリアの風/Tolarian Windsが採用される。このカードは「手札を捨て、その後カードを引く」ため、発掘を持つカードを捨てて即座に発掘を使用することで、ライブラリーを大量に墓地に落とすことができる。
ライブラリーのかなりの枚数が墓地に行くため、共鳴者を兼ねるサイカトグ/Psychatogは驚異的なサイズに成長する。
一時期は強力な墓地対策カードの出現で勢力を衰退していたが、未来予知以降ナルコブリッジのギミックが追加され再びメタの中心に返り咲いた。→*2
後期型
- 備考
- グランプリウィーン08 準優勝 (参考)
- 使用者:Nikolaus Eigner
- フォーマット
初期型
- 備考
- グランプリシャーロット05 優勝 (参考)
- 使用者:Michael Krumb
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (22) | |
4 | ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll |
4 | 臭い草のインプ/Stinkweed Imp |
4 | 朽ちゆくインプ/Putrid Imp |
4 | サイカトグ/Psychatog |
4 | イチョリッド/Ichorid |
2 | 不可思議/Wonder |
呪文 (20) | |
4 | トレイリアの風/Tolarian Winds |
4 | ゾンビの横行/Zombie Infestation |
4 | 綿密な分析/Deep Analysis |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
4 | 金属モックス/Chrome Mox |
土地 (18) | |
1 | 沼/Swamp |
4 | 湿った墓/Watery Grave |
4 | セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum |
4 | 汚染された三角州/Polluted Delta |
3 | 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire |
2 | 草むした墓/Overgrown Tomb |
サイドボード | |
4 | 炎まといの天使/Firemane Angel |
4 | 一瞬の平和/Moment's Peace |
3 | 天啓の光/Ray of Revelation |
4 | 棺の追放/Coffin Purge |
レガシー
レガシーでも同様に組まれる。
アーティファクト
あなたの手札を捨てる,ライオンの瞳のダイアモンドを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ3点を加える。起動はインスタントとしてのみ行う。
手札を墓地に落とす手段として、朽ちゆくインプ/Putrid Impや入念な研究/Careful Studyに加え、打開/Breakthroughやライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamondがよく使用される。
特にライオンの瞳のダイアモンドが強力で、打開の前に手札を捨てたり、そこから綿密な分析/Deep Analysisやセファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseumに繋げる事で、最序盤から発掘モードに入ることが可能となっている。戦慄の復活/Dread Returnでセファリッドの賢者/Cephalid Sageが出てきたりするともう止まらない。
炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealotを採用している場合には、戦慄の復活で釣り上げて一気に勝利することができる。元はビートダウンでありながら、陰謀団式療法/Cabal Therapyをはさんでも1ターンキルさえ可能なコンボデッキへと仕上がってしまっている。
後に、イチョリッドやライオンの瞳のダイアモンド等を抜き、恐血鬼/Bloodghast、ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage、納墓/Entombを搭載するタイプも登場した。
サンプルレシピ
ヴィンテージ
ヴィンテージでも組まれている。カードを墓地に落とす手段として、レガシーでは禁止カードとなったBazaar of Baghdadを使用できるのが最大の特徴である。
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) ウィザード(Wizard)
(T):他のパーマネント1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。
蘇生(青)((青):このカードを戦場に戻す。そのクリーチャーは速攻を得る。次のターン終了ステップの開始時か、それが戦場を離れる場合に、それを追放する。蘇生はソーサリーとしてのみ行う。)
Bazaar of Baghdadで手札の発掘カードをディスカードし、ドロー能力により発掘を使用してライブラリーを高速で掘り進めていく。自己再生するクリーチャーにはイチョリッド/Ichoridの他、かつては灰燼のグール/Ashen Ghoulや冥界の影/Nether Shadowも採用されていたが、現在はナルコブリッジのナルコメーバ/Narcomoebaや黄泉からの橋/Bridge from Belowを筆頭に、恐血鬼/Bloodghastなどのデッキに合致したクリーチャーが増えたことで採用されなくなった。
戦場と墓地に必要な数のクリーチャーが溜まったら、戦慄の復活/Dread Returnをフラッシュバックで唱えてフィニッシャー(縫合グール/Sutured Ghoulや炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot)を釣り上げて対戦相手を瞬殺する。
構造上マナをほとんど必要としない構成になっているため、Bazaar of Baghdadを除けば土地は6枚程度しか入れないのが普通である。そのため、マナを全く使わないタイプを「Manaless Ichorid」、真鍮の都/City of Brassや宝石鉱山/Gemstone Mineを入れたタイプを「Mana Ichorid」と区別して呼ぶことも多い。ただアラーラの断片で、蘇生を持ちBazzar of Baghdadをアンタップできる命運縫い/Fatestitcherが登場したことから、Mana Ichridが主流になりつつある。→*1
弱点はBazzar of Baghdadに頼り切った、その構成そのものである。特殊地形対策の餌食になるし、墓地対策にももちろん弱い。
- Manaless Ichoridの場合、パワー9も軒並み使用しない。ヴィンテージにおけるメタの中にありながらパワー9を使わない珍しいデッキである。
- Bazaar of Baghdadが手札に無いとほとんど回らないデッキなので、マリガン用に血清の粉末/Serum Powderもよく採用されている。
サンプルレシピ1
- 備考
- ヴィンテージ選手権07 ベスト8 (参考)
- 使用者:Nick Calcaterra
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (24) | |
2 | セファリッドの賢者/Cephalid Sage |
2 | 炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot |
4 | ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll |
4 | ゴルガリの凶漢/Golgari Thug |
4 | イチョリッド/Ichorid |
4 | ナルコメーバ/Narcomoeba |
4 | 臭い草のインプ/Stinkweed Imp |
呪文 (28) | |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
4 | 戦慄の復活/Dread Return |
4 | 暴露/Unmask |
4 | 黄泉からの橋/Bridge from Below |
4 | 虚空の杯/Chalice of the Void |
4 | 虚空の力線/Leyline of the Void |
4 | 血清の粉末/Serum Powder |
土地 (8) | |
4 | Bazaar of Baghdad |
4 | ドライアドの東屋/Dryad Arbor |
サイドボード | |
2 | 古えの遺恨/Ancient Grudge |
4 | Contagion |
3 | エメラルドの魔除け/Emerald Charm |
4 | 恭しき沈黙/Reverent Silence |
2 | Taiga |
- 血清の粉末/Serum Powderやドライアドの東屋/Dryad Arborは入っているが、これらのマナ能力があてにされることは(少なくともメインデッキでは)なく、実質的にはManaless Ichoridのようなもの。血清の粉末はマリガン用、ドライアドの東屋は陰謀団式療法/Cabal Therapyや戦慄の復活のコスト扱いである。
サンプルレシピ2
- 備考
- ヴィンテージ選手権11 優勝(参考)
- 使用者:Mark Hornung
- フォーマット
- こちらはMana Ichorid型。
- フィニッシャーとして太陽のタイタン/Sun Titanが追加されている。
参考
- The Horror, The Horror... Put Three Horrors on the Stack(WotC、英語、文:Mike Flores)
- Friggorid?(WotC)
- 発掘 (デッキ)
- デッキ集