パウパー

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==ルール==
 
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テーブルトップ([[紙]]のカード)とデジタル([[Magic Online]])のいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。
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テーブルトップ([[紙]]のカード)と[[Magic Online]]のいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。
 
*ただし[[禁止カード]]も存在する([[#禁止カード|禁止カード]]参照)。
 
*ただし[[禁止カード]]も存在する([[#禁止カード|禁止カード]]参照)。
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*'''[[Magic: The Gathering Arena]]にのみコモン版が存在するカードは使用できない'''ので注意<ref>[https://twitter.com/GavinVerhey/status/1550516375860326400 @GavinVerhey](Twitter [[2022年]]7月23日 [[Gavin Verhey]])</ref>。ただし[[2022年]]7月25日現在、[[Gatherer]]ではパウパーで使用可能と表示されてしまっている。
  
 
コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。
 
コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。
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全体としてのカードバランスは、他の[[構築]][[環境]]に比べ極端に劣るわけではない。むしろ過去から現在までの数多の強力なコモンが使用できるため、本格的な[[パーミッション]]から、数[[ターン]]の決着を目指す[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]や[[コンボデッキ]]など、多彩な[[デッキ]]が構築可能であり、時には[[エターナル]]環境でも勝負に持ち込めるほどの完成度とデッキパワーに仕上げることも可能。
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全体としてのカードバランスは、他の[[構築]][[環境]]に比べ極端に劣るわけではない。むしろ過去から現在までの数多の強力なコモンが使用できるため、本格的な[[パーミッション]]から、数[[ターン]]の決着を目指す[[ビートダウンデッキ|ビートダウン]]や[[コンボデッキ]]など、多彩な[[デッキ]]が構築可能であり、時には[[エターナル]]環境でも勝負に持ち込めるほどの完成度とデッキパワーに仕上げることも可能。
  
しかし一方で[[大型クリーチャー]]、[[多色土地]]、[[全体除去]]など、コモンには基本的に収録されないカードも多く、それらは環境全体で不足している。それにより各[[アーキタイプ]]に少なからず影響が与えられる。例えば[[コントロール (デッキ)|コントロール・デッキ]]では、全体除去で防御しつつ[[アドバンテージ]]を稼いで[[フィニッシャー]]に繋ぐヘビー・コントロール戦術は(不可能ではないが)取りづらいため、[[引く|ドロー]]と[[小型クリーチャー]]に重点を置いた[[クロック・パーミッション]]の形が主流になる。
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しかし一方で[[大型クリーチャー]]、[[多色土地]]、[[全体除去]]など、コモンには基本的に収録されないカードも多く、それらは環境全体で不足している。それにより各[[アーキタイプ]]に少なからず影響が与えられる。例えば[[コントロールデッキ]]では、全体除去で防御しつつ[[アドバンテージ]]を稼いで[[フィニッシャー]]に繋ぐヘビー・コントロール戦術は(不可能ではないが)取りづらいため、[[引く|ドロー]]と[[小型クリーチャー]]に重点を置いた[[クロック・パーミッション]]の形が主流になる。
  
 
特に目立って差があるのは[[土地]]だろう。2色以上の[[色マナ]]を供給できる、使用に値するカードは[[タップイン]]であるか、もしくは[[マナフィルター]]による供給しかできないものであるため、1ターン目から土地だけで2色以上の色マナを供給することは事実上不可能である。この点は特に速攻系のデッキを組む際にネックとなっている。
 
特に目立って差があるのは[[土地]]だろう。2色以上の[[色マナ]]を供給できる、使用に値するカードは[[タップイン]]であるか、もしくは[[マナフィルター]]による供給しかできないものであるため、1ターン目から土地だけで2色以上の色マナを供給することは事実上不可能である。この点は特に速攻系のデッキを組む際にネックとなっている。
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[[コモン]]のみとはいえ、様々な[[デッキタイプ]]や複雑な[[メタゲーム]]は、通常の[[フォーマット]]と同様に存在する。ほとんどのデッキが[[クリーチャー]]に頼らざるを得ないことから、他のフォーマットよりもクリーチャーの[[サイズ]]や[[除去]]が重要になる。
 
[[コモン]]のみとはいえ、様々な[[デッキタイプ]]や複雑な[[メタゲーム]]は、通常の[[フォーマット]]と同様に存在する。ほとんどのデッキが[[クリーチャー]]に頼らざるを得ないことから、他のフォーマットよりもクリーチャーの[[サイズ]]や[[除去]]が重要になる。
  
;[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]
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;[[ビートダウンデッキ|ビートダウン]]
 
:コモンにもビートダウン向けの優秀な[[クリーチャー]]が存在するため、単色であれば[[アグロ]]デッキは問題無く組むことができる。土地の関係から、[[ステロイド]]のような2色以上のビートダウンデッキは簡単には組めないが、中には[[親和 (デッキ)#パウパー|親和]]や[[アグロドメイン#パウパー|アグロドメイン]]、[[緑白呪禁#パウパー|緑白呪禁]]などといった2色以上のビートダウンデッキも存在する。
 
:コモンにもビートダウン向けの優秀な[[クリーチャー]]が存在するため、単色であれば[[アグロ]]デッキは問題無く組むことができる。土地の関係から、[[ステロイド]]のような2色以上のビートダウンデッキは簡単には組めないが、中には[[親和 (デッキ)#パウパー|親和]]や[[アグロドメイン#パウパー|アグロドメイン]]、[[緑白呪禁#パウパー|緑白呪禁]]などといった2色以上のビートダウンデッキも存在する。
  
;[[コントロール (デッキ)|コントロール]]
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:[[対抗呪文/Counterspell]]を初めとする基本的かつ優秀な[[打ち消す|打ち消し]]呪文はコモンに多く、[[バウンス]]も比較的充実していることから、[[パーミッション]]も多い。なお、リセット型のクリーチャー[[全体除去]]は存在しない(あっても1~2点の[[全体火力]])が、[[単体除去]]は[[火力]]も含めて非常に充実しており、[[ETB]][[能力]]に強力なものを持つクリーチャーも多いことから、[[黒単信心#パウパー|黒単信心コントロール]]のような[[ボードコントロール]]を中心としたデッキを組むことも可能。またパウパーでの[[ウルザトロン#パウパー|ウルザトロン]]は[[緑青]]を中心としたコントロールデッキの形を取ることが多く、大量の[[マナ]]と[[マナフィルター]]を使って[[カード・アドバンテージ]]を得るものが多い。
 
:[[対抗呪文/Counterspell]]を初めとする基本的かつ優秀な[[打ち消す|打ち消し]]呪文はコモンに多く、[[バウンス]]も比較的充実していることから、[[パーミッション]]も多い。なお、リセット型のクリーチャー[[全体除去]]は存在しない(あっても1~2点の[[全体火力]])が、[[単体除去]]は[[火力]]も含めて非常に充実しており、[[ETB]][[能力]]に強力なものを持つクリーチャーも多いことから、[[黒単信心#パウパー|黒単信心コントロール]]のような[[ボードコントロール]]を中心としたデッキを組むことも可能。またパウパーでの[[ウルザトロン#パウパー|ウルザトロン]]は[[緑青]]を中心としたコントロールデッキの形を取ることが多く、大量の[[マナ]]と[[マナフィルター]]を使って[[カード・アドバンテージ]]を得るものが多い。
  
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**[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。
 
**[[Magic: The Gathering Arena]]でも[[スタンダード]]や[[ヒストリック]]環境で、期間限定イベントとしてたびたび開催されている。[[アンコモン]]まで範囲を広げた「'''[[職工]]'''/''Artisan''」フォーマットも存在する。
 
*[[2022年]]以降、[[禁止カード]]の指定については[[パウパーフォーマット委員]]と呼ばれる有識者委員会の助言を参考に行なわれるようになった。
 
*[[2022年]]以降、[[禁止カード]]の指定については[[パウパーフォーマット委員]]と呼ばれる有識者委員会の助言を参考に行なわれるようになった。
 
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==脚注==
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<references />
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[コモン]]
 
*[[コモン]]

2022年7月25日 (月) 21:31時点における版

パウパー/Pauperは、公式フォーマットの1つ。元々はMagic Online上でコモンとして収録されたことがあるカードのみを使用できるコモンデッキ構築非公式フォーマットであったが、2019年6月28日より公式化される形でのカードでもプレイできるようにルール制定が行なわれた。

Pauperとは、貧困者・持たざる者という意味。コモンデッキ(またの名を貧乏デッキ)構築であることに由来する。発音は「パウパー」よりも「ポーパー」に近い。

目次

ルール

テーブルトップ(のカード)とMagic Onlineのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるすべてのカードを使用できる。

コモンでの収録経験があるカードならば、実際のレアリティは問わない。

Mystery BoosterR&D Playtest cardsを除く、各特殊セット構築済みデッキにおいてコモンで収録されたカードも使用できる。

Magic Onlineにおける収録状況は実際の紙のカードとは若干異なっていることがある。特に第6版までの基本セットアライアンスまでのセットはMagic Onlineではリリースされておらず、Masters Editionに統合された形で収録されているため、大幅な変更が加えられている。

その他は通常の構築ルールに順ずる。

禁止カード

禁止カードリストの変遷については、パウパーの変遷を参照。

傾向

全体としてのカードバランスは、他の構築環境に比べ極端に劣るわけではない。むしろ過去から現在までの数多の強力なコモンが使用できるため、本格的なパーミッションから、数ターンの決着を目指すビートダウンコンボデッキなど、多彩なデッキが構築可能であり、時にはエターナル環境でも勝負に持ち込めるほどの完成度とデッキパワーに仕上げることも可能。

しかし一方で大型クリーチャー多色土地全体除去など、コモンには基本的に収録されないカードも多く、それらは環境全体で不足している。それにより各アーキタイプに少なからず影響が与えられる。例えばコントロールデッキでは、全体除去で防御しつつアドバンテージを稼いでフィニッシャーに繋ぐヘビー・コントロール戦術は(不可能ではないが)取りづらいため、ドロー小型クリーチャーに重点を置いたクロック・パーミッションの形が主流になる。

特に目立って差があるのは土地だろう。2色以上の色マナを供給できる、使用に値するカードはタップインであるか、もしくはマナフィルターによる供給しかできないものであるため、1ターン目から土地だけで2色以上の色マナを供給することは事実上不可能である。この点は特に速攻系のデッキを組む際にネックとなっている。

また強力な多色カードアンコモン以上のものが多いため、多色デッキであっても、単色カードで占められる割合が非常に大きい。

そういった特殊な環境であることから、ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpactウラモグの破壊者/Ulamog's Crusherなど、ブロック構築でも日の目を見なかったような意外なカードの活躍が日常茶飯事となる。

解説

コモンのみとはいえ、様々なデッキタイプや複雑なメタゲームは、通常のフォーマットと同様に存在する。ほとんどのデッキがクリーチャーに頼らざるを得ないことから、他のフォーマットよりもクリーチャーのサイズ除去が重要になる。

ビートダウン
コモンにもビートダウン向けの優秀なクリーチャーが存在するため、単色であればアグロデッキは問題無く組むことができる。土地の関係から、ステロイドのような2色以上のビートダウンデッキは簡単には組めないが、中には親和アグロドメイン緑白呪禁などといった2色以上のビートダウンデッキも存在する。
コントロール
対抗呪文/Counterspellを初めとする基本的かつ優秀な打ち消し呪文はコモンに多く、バウンスも比較的充実していることから、パーミッションも多い。なお、リセット型のクリーチャー全体除去は存在しない(あっても1~2点の全体火力)が、単体除去火力も含めて非常に充実しており、ETB能力に強力なものを持つクリーチャーも多いことから、黒単信心コントロールのようなボードコントロールを中心としたデッキを組むことも可能。またパウパーでのウルザトロン緑青を中心としたコントロールデッキの形を取ることが多く、大量のマナマナフィルターを使ってカード・アドバンテージを得るものが多い。
クロック・パーミッション
秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsグルマグのアンコウ/Gurmag Anglerといった、クロック・パーミッション向けのクリーチャーが存在し、打ち消し呪文と組み合わせたフェアリー青黒アンコウデルバーといったデッキが存在する。
コンボデッキ
コモンをキーカードとするコンボデッキは少ないがいくつか存在しており、無限コンボを構成することも可能。ただし、あまりに強力なものについてはキーカードが禁止されてしまっている。禁止により消滅したデッキとしては、ストームデッキや、無限マナコンボのFamiliar Combo、その後継のドレイク・フリッカーなど。不屈の部族シュートウィー=ゼロックスは禁止により弱体化した後も一部結果を残している。
バーン
大会で使われるような1マナ3点火力や優良火力である焼尽の猛火/Searing Blaze火炎破/Fireblastケルドの匪賊/Keldon Maraudersなどが軒並みコモンであることからバーンデッキは比較的組みやすい。
部族デッキ
ゴブリンエルフスリヴァーといった、コモンに優秀なカードを多く含む部族はいくつかあり、それらで固めたデッキが一定の活躍を見せている。

主なデッキ・その他

公認フォーマットへの動き

長年Magic Onlineやカジュアルゲームでのみ扱われていたパウパーだが、2019年6月28日に正式に公式フォーマットとして展開されると発表された。紙とMagic Onlineにおけるコモン扱いの差異が生じていたカードについても、「デジタル版・テーブルトップ版両方を統一」することで移行する。そこで以下のように制定されている。

  • 認定大会や店舗での催しでも公式イベントとして扱われる。
  • 2019年7月9日より公式データベース「Gatherer」でパウパー使用可能かの検索が可能に。
  • パウパーで使用可能なカードの範囲を、「テーブルトップとデジタルのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるカード」に拡大。収録されたセットは問わず、「Gatherer」にコモンとして掲載されていればパウパーで使用可能に。

また公認フォーマット認定の際、以下の3枚が新たに禁止カードに指定された。

その後、7月3日に基本セット2020のリリースと同時にMagic Onlineでカードプールの更新が行なわれた。

その他

脚注

  1. @GavinVerhey(Twitter 2022年7月23日 Gavin Verhey

参考

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