クロック・パーミッション
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クロック・パーミッション(Clock Permission)は、アーキタイプの1つ。一定のダメージクロックをフィニッシャーとして構えるビート・コントロール。
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概要
序盤にクリーチャーを展開し、ある程度の戦力を展開した後は打ち消しによって対戦相手の妨害手段やアドバンテージカードを打ち消し、そのまま勝負を決める。
クリーチャーが貧弱な青を含んだビートダウンデッキは、(もちろん例外は存在するが)この形になる場合が多い。
攻撃に特化したビートダウンよりスピードは遅いものの、軽いクリーチャーを使うため相手の打ち消しを回避しやすく、ビートダウンにとって致命的な神の怒り/Wrath of Godのような呪文を防ぐことができるため、コントロールデッキに対して強い。そして、よほど速いものでないかぎりはコンボデッキにも有利。
一方、カウンターにスペースを割く分クリーチャーの線が細くなりやすく、クリーチャー同士の直接対決となりやすいビートダウン相手には不利になることが多い。特にカウンターで防御する間もなく攻めてくるウィニーが苦手。またそれぞれのカードの役割が明確になっている場合が多いので、理想的な回りをすれば強いが、噛み合わないと簡単に崩れてしまうという脆さもある。
ビートとコントロールの中間だけに極端に苦手とするデッキは少なく、汎用性は高いが、逆に言えば器用貧乏にもなりやすく、どの程度活躍できるかはプレイングや環境に左右されることが多い。うまく優秀なパーツがそろうと、環境のトップメタに上り詰めることもしばしば起きる。
- 最初に登場したクロック・パーミッションがカウンタースリヴァーであるとされている。
- 概念自体は黎明期からフィッシュとして存在している。
ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
イニストラードで加わった強力クリーチャー、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsを主力にした白青ビートダウンが登場した。
装備品の饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを活用したDelver-Bladeやイリュージョンの部族シナジーを活用したイリュージョンデッキなどがメタゲームの中心として活躍している。
ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
基本セット2011に登場した戦隊の鷹/Squadron Hawkを主軸とした白青デッキ、Caw-Goが登場した。
ミラディン包囲戦に登場した饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを加えたものはCaw-Bladeと呼ばれ、トーナメントで猛威を振るった。
ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
ローウィン・ブロックで強化された部族を利用したクロック・パーミッションがいくつか生まれている。
1つはフェアリーデッキで、特にモーニングタイド以降は青黒のものがメタゲームの中心にある。
また、ローウィンで復活したマーフォークを活用する白青のマーフォークデッキも活躍する。
神河ブロック期
この時期(特にラヴニカ・ブロックを含むスタンダード)は多種多彩なクロック・パーミッションが活躍している。
優秀なアドバンテージクリーチャーや梅澤の十手/Umezawa's Jitteの存在から、ビート・コントロールとしての完成度が非常に高かった。さらに、グレーター・ギフトやイゼットロン、太陽拳など全般的に重めのコントロールデッキが主体の環境だったことから、メタゲーム上活躍しやすかった。
けちコン、ヤソコンをメタった神河ブロック構築の青緑クロック・パーミッション、Critical Massがその先駆け。その後はCritical Massのスタンダード版であるCritical Mass Updateが続き、アドバンテージクリーチャーを多用する8ヒッピー、深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hoursをメインにしたスノウ・ストンピィやシー・ストンピィ、上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendantを活用するエラヨウブルーやエラヨウ忍者などがその例である。
オデッセイ・ブロック期
オデッセイの強力な緑クリーチャーを青のカウンターなどでバックアップする青緑ビートダウンが複数存在した。
青緑マッドネス・クワイエット・ロアーなど各種の派生形については青緑ビートダウンのページを参照のこと。
インベイジョン・ブロック構築
ステロイドやVoidなどの赤系デッキをメタったソリューションが存在した。
プロテクションクリーチャーを多数採用したことで対赤デッキに有利になる。
詳細はソリューションを参照のこと。
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
この時期もパーミッションは有力なアーキタイプであったため、ブルースカイなどのクロック・パーミッションが組まれている。
遅いコントロールデッキには有利だがファイアーズなどには速度で劣るため、プレーンシフトの頃には衰退を余儀なくされた。
- ピッチカウンターはマナロックと相性が良いため、当時存在したいくつかのロックデッキにビートダウン要素が盛り込まれる場合もある。ブルーオーブ系のアグロオーブやフィッシュ対立、ライジングウォーターから発展したアグロウォーターがそれに当たる。
ウルザ・ブロック期
ウルザ・ブロックの頃は強力なコンボデッキやパーミッションデッキが全盛であり、それらへの対抗策として組まれた。
特にマーフォークをメインにしたデッキが主流である。
テンペスト・ブロックの頃は史上最悪のコンボデッキ・MoMaへのアンチデッキとして、マスクス・ブロックの時期は青茶単やパララクス補充へのメタデッキとしてそれぞれ活躍している。
エクステンデッド
エクステンデッド環境に数多く存在する凶悪なコンボデッキへの対抗策として使用されることが多い。
MoMaの冬においては、スタンダードのそれと同様MoMaへのアンチデッキとしてマーフォークが活躍。また、長らくエクステンデッドを支配したドネイトに対抗すべく、ネクロ・ドネイトに対するカウンタースリヴァー、アンチトリックスのミラクルグロウ・スーパーグロウがそれぞれ開発された。
超優良ピッチスペル・Force of Willの存在も大きい。
また、オンスロート参入時のローテーション以降は青緑マッドネスがメタゲームの一角を担っていた。
モダン
1つはウィニー系の軽いクロック・パーミッション、Delver-Go。秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsなどのクロックを序盤から展開し、火力やカウンターでサポートする。
もう1つはコントロール寄りの重いクロック・パーミッション、No-Caw。時には全体除去まで用いて対戦相手の行動を縛り、修復の天使/Restoration Angelや瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageでアドバンテージを取りながらクロックを展開する。
他にもフェアリー、マーフォーク、Eternal Commandなど、様々なデッキタイプが存在する。それぞれの詳細は各項目を参照。
レガシー
レガシーでは青緑スレッショルドから端を発した様々な派生デッキが存在し、青と緑を中心にもう1~2色加えることを基本とした多様化が進んでいる。
詳細は青緑スレッショルドのページを参照のこと。
ヴィンテージ
凶悪なコンボデッキの蔓延するヴィンテージでは、ノーマルなビートダウンデッキよりもクロック・パーミッションの方が人気が高い。
特に青を絡めたウィニータイプのデッキはフィッシュと総称されている。
超優秀カウンター・Force of Willがその力を支えているのは言うまでもない。
参考
- Finding the Tinker Deck(WotC、文:Mike Flores)(この記事ではCounter Sliverとして紹介されている)
- Tinkerデッキへの探求(上の邦訳)
- 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」Part10 -クロックパーミッション(WotC、文:浅原晃)
- クロック
- ビート・コントロール
- デッキ集