種類別
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*第4種:[[カード・タイプ]]・[[サブタイプ]]・[[特殊タイプ]]変更効果(例:[[自然の類似/Natural Affinity]]) | *第4種:[[カード・タイプ]]・[[サブタイプ]]・[[特殊タイプ]]変更効果(例:[[自然の類似/Natural Affinity]]) | ||
*第5種:[[色]]変更効果(例:[[純粋の色/Purelace]]) | *第5種:[[色]]変更効果(例:[[純粋の色/Purelace]]) | ||
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− | *7a:パワーやタフネスを定義する[[特性定義能力]]の効果(例:[[ルアゴイフ/Lhurgoyf]]) | + | *第1種 |
− | *7b:パワーやタフネスを特定の値にする効果(例:[[魔術師の女王/Sorceress Queen]]) | + | **1a:コピー可能な効果の適用(例:[[クローン/Clone]]、[[変容]]) |
− | *7c:パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)[[修整]]する効果(例:[[栄光の頌歌/Glorious Anthem]]、[[巨大化/Giant Growth]] | + | **1b:裏向きの呪文やパーマネントの特性の適用({{CR|708.2}}によって定義) |
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+ | **7d:パワーとタフネスを[[入れ替え]]る効果(例:[[回れ右/About Face]]) | ||
− | + | 種類別は「こぴ・こん・ぶん・たい・いろ・のう・ぱわー」、第7種の種類細別は「てい・せっと・しゅうせい・いれかわる(定説と習性、入れ替わる)」という語呂合わせで覚えられる。 | |
*[[基本セット2010]]以前は、第5種と第6種を合わせて「一般の効果」、第7b~第7d(当時の第6b~6d)も「パワーやタフネスを変更する一般の効果」「カウンターによる効果」「パワーやタフネスに修整を与える(特定の値にしない)[[常在型能力]]による効果」という区分だった。 | *[[基本セット2010]]以前は、第5種と第6種を合わせて「一般の効果」、第7b~第7d(当時の第6b~6d)も「パワーやタフネスを変更する一般の効果」「カウンターによる効果」「パワーやタフネスに修整を与える(特定の値にしない)[[常在型能力]]による効果」という区分だった。 | ||
− | ** | + | **当時は第1種から第6種までを「こぴこんぶんたいいっぱんぱわー」、第6種の中は「定位置にカウンター、習性で入れ替わる」という語呂合わせで覚えておけた<ref>[http://web.archive.org/web/20090214112328/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/rule/20051029/index.html 土曜学校総集編 2005年10月前半号(WebArchive)](タカラトミーマジック公式サイト 2005年10月)</ref>。 |
+ | *[[基本セット2015]]より、第7b種に該当し、タイプを変更しない効果には「基本のパワーとタフネス/Base power and toughness」という表記がされるようになった<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/release-notes-2014-07-07 MAGIC 2015 CORE SET RELEASE NOTES ]/[https://mtg-jp.com/gameplay/rules/docs/0010823/ 『基本セット2015』リリースノート]([[Daily MTG]] 2014年7月7日)</ref>。 | ||
+ | *[[2020年]]4月の[[イコリア:巨獣の棲処]]発売に伴う総合ルール更新で、第1種がコピー可能な値を変化させる種別と再定義され、さらにカウンターによる修整と継続的効果による修整が同一の種別になった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033938/ 『イコリア:巨獣の住処』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)]([[Daily MTG]] 2020年4月13日)</ref>。 | ||
==解説== | ==解説== | ||
− | + | [[オブジェクト]]の[[特性]]は、それそのものの値(それが[[カード]]であればカードに印刷されたもの)から始まり、[[呪文]]や[[能力]]等により様々な[[継続的効果]]が適用されることで定められる。種類別とは、この継続的効果の適用順を厳密に定めるために存在するルールである。種類別は、その継続的効果が生成された順番に関わらず、第1種から第7d種までがこの順番の通りに適用される。同一の種類別に属する複数の継続的効果に関しては、適用順を定めるためのルールが別途存在する(後述)。 | |
− | * | + | *例:[[ルーン爪の熊/Runeclaw Bear]]を[[対象]]に[[巨大化/Giant Growth]]を[[唱える|唱え]]、[[解決]]された。この時ルーン爪の熊のパワー・タフネスは、「2/2」というカードに印刷された値から始まり、その後に「+3/+3の[[修整]]を受ける」という第7c種の継続的効果を適用することで定められる。すなわち、5/5になる。 |
− | + | *例:上記の5/5になったルーン爪の熊がいる状態で[[突破/Crash Through]]を唱え、解決された。この時ルーン爪の熊は、「[[トランプル]]を得る(第6種)」と「+3/+3の修整を受ける(第7c種)」の2つの継続的効果が適用され、5/5トランプルになっている。 | |
+ | **ここで注意したいのは、継続的効果の適用順は必ず種類別の順番に従うということである。この例では、巨大化と突破が唱えられた順番は継続的効果の適用順に関しては関係がない。 | ||
− | [[ | + | *例:[[縮退/Diminish]]の「基本のパワーとタフネスが1/1になる」という効果は第7b種の「パワーやタフネスを特定の値にする効果」である。 |
+ | **[[+1/+1カウンター]]が乗っているクリーチャーに縮退の効果が適用されると、[[カウンター (目印)|カウンター]]による効果は第7c種なので、7b(縮退)→7c(カウンター)の順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。 | ||
+ | **あなたが[[栄光の頌歌/Glorious Anthem]]とクリーチャー1体を戦場に出している状態で、そのクリーチャーに縮退の効果が適用されると、栄光の頌歌の効果は第7c種なので、7b→7cの順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。 | ||
− | + | ある[[効果]]が複数の種類別に分類できるなら、それぞれが適切な種類別として扱われる。 | |
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+ | *例:[[野生の雑種犬/Wild Mongrel]]の[[起動型能力]]がもたらす継続的効果は、「あなたの選んだ色になる(第5種)」と「+1/+1の[[修整]]を受ける(第7c種)」に分けられ、この順番で適用される。 | ||
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+ | *例:[[滝の源獣/Genju of the Falls]]の[[クリーチャー化]]する起動型能力がもたらす継続的効果は、「[[スピリット]]・[[クリーチャー]]になる。それは[[土地]]でもある(第4種)」、「[[青]]になる(第5種)」、「[[飛行]]を持つ(第6種)」、「3/2になる(第7b種)」に分けられ、この順番で適用される。 | ||
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+ | *以前は、第4種に分類できる効果がある場合はすべて第4種としてまとめられていたが、現在ではこのルールは廃止されている。 | ||
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+ | ある効果が複数の種類別に分類されていて、いずれかの種類別においてその効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している[[能力]]が途中で[[失う|失われ]]たとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。 | ||
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+ | *例:[[待ち伏せ司令官/Ambush Commander]]の持つ常在型能力からの継続的効果は、「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある(第4種)」「森は緑である(第5種)」「森は1/1である(第7b種)」から成る(これらすべて一つの能力からの効果であることに注意)。ここで待ち伏せ司令官に[[お粗末/Humble]]を使用して「能力を失わせる(第6種)」とき、適用順を考えると「森は1/1である」の部分の適用前にこの能力が失われてしまうことになる。しかしこの時点で「森は1/1である」と同じ能力に含まれる「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある」「森は緑である」は適用済みであるため、「森は1/1である」の部分もそのまま適用され、最終的に森はP/Tを持たないのではなく1/1になることができる。 | ||
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+ | それぞれの種類別(および種類細別)において、まず[[特性定義能力]]による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。 | ||
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+ | 同じ種類別で他の効果に[[依存]]する効果があるなら、その依存先すべての効果が適用された直後にそれを適用する。このとき複数の効果が同時に適用されることになったら、それらは[[タイムスタンプ]]順に適用される。 | ||
+ | *特性定義能力の効果は他の効果に依存しないので、その適用が他の効果より後になることはない。 | ||
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+ | *例:[[機械の行進/March of the Machines]]と[[マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice]]が[[戦場]]に出ている場合、どちらが先に出たか関係なく、[[クリーチャー]]でない[[パーマネント]]は、その[[マナ総量]]に等しい[[パワー]]と[[タフネス]]を持つ[[アーティファクト・クリーチャー]]になる。なぜなら、マイコシンスの格子を適用することで機械の行進の効果がどのパーマネントに適用されるかが変化するため、機械の行進はマイコシンスの格子に依存しているからである。 | ||
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+ | *例:[[ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth]]と[[血染めの月/Blood Moon]]が戦場に存在する場合、これらの能力がもたらす継続的効果はいずれも「第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果」である。このとき、血染めの月の効果を適用することでアーボーグの効果の結果が変わってくる([[山]]になることでルール文章が失われる)ため、アーボーグは血染めの月に依存していることになる。このため、血染めの月が必ず先に適用され、すなわちアーボーグは「ルール文章を持たない伝説の土地・山」となる。こちらは依存によりいずれかの効果が失われるケース。 | ||
複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。 | 複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。 | ||
− | *例:[[ | + | *例:[[オパール色の輝き/Opalescence]]2つ(以下Op1,Op2)と[[謙虚/Humility]](以下Hu)が戦場に出ている。これらの能力は第4種「クリーチャーになる」と第6種「能力を失う」、そして第7b種である「パワーとタフネスがその[[マナ総量]]に等しい」「基本のパワーとタフネスが1/1になる」とに分解できる。したがってまず第4種と第6種を適用し、その後に第7b種である残りの2つを適用する。この2つは[[独立]]している(依存関係にない)ので、タイムスタンプ順に適用し、タイムスタンプ順により結果が変化する。 |
− | + | *#タイムスタンプがOp1→Op2→Huの順の場合 | |
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*#*「1/1である」が最後に適用されるため、全ての[[オーラ]]でない[[エンチャント]]は1/1となる。 | *#*「1/1である」が最後に適用されるため、全ての[[オーラ]]でない[[エンチャント]]は1/1となる。 | ||
− | *# | + | *#タイムスタンプがOp1→Hu→Op2の順の場合 |
− | *#*Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/ | + | *#*Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/1、それ以外のオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。 |
*#タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合 | *#タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合 | ||
− | *#* | + | *#*Opの両方があとに適用されるため、全てのオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。 |
+ | **一見するとOpやHuの第7b種の部分は適用前にHuの「能力を失う」で失われるので無効化されそうだが、上記で例としている待ち伏せ司令官とお粗末の関係と同じく、既にOpは「クリーチャーになる」の部分が、Huは「能力を失う」の部分が適用されているため、同じ能力に含まれている第7b種の部分もそのまま適用されることになる。 | ||
**この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、[[ウルザズ・デスティニー]]発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。 | **この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、[[ウルザズ・デスティニー]]発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。 | ||
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+ | ==脚注== | ||
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==参考== | ==参考== | ||
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/wpn/0004663/ WPN通信 #40:種類別の見分け方]([[WPN]],[http://mtg-jp.com/ mtg-jp.com]) | ||
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/wpn/0004664/ WPN通信 #41:続・種類別の見分け方~タイムスタンプ](同上) | ||
*[[依存]] | *[[依存]] | ||
*[[独立]] | *[[独立]] |
2022年10月15日 (土) 00:02時点における最新版
種類別/Layerとは、オブジェクトの特性に関する複数の継続的効果の適用順を決定する際の、継続的効果の分類を指すルール用語。分類したあとの適用順のルールも含めてこの用語で表す場合もある。
目次 |
[編集] 分類
オブジェクトの特性に関する継続的効果は、以下の7つの種類別に分類される。
- 第1種:コピー可能な値を変更する効果
- 第2種:コントロール変更効果(例:支配魔法/Control Magic)
- 第3種:文章変更効果(例:幻覚/Mind Bend)
- 第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果(例:自然の類似/Natural Affinity)
- 第5種:色変更効果(例:純粋の色/Purelace)
- 第6種:能力追加効果、キーワード・カウンター、能力除去効果、能力を持つことを禁止する効果(例:勇気の元型/Archetype of Courage)
- 第7種:パワー・タフネス変更効果
第1種と第7種に関してはさらに細分化されており、以下の種類細別に分類される。
- 第1種
- 1a:コピー可能な効果の適用(例:クローン/Clone、変容)
- 1b:裏向きの呪文やパーマネントの特性の適用(CR:708.2によって定義)
- 上記2つが適用された最終的な特性がコピー可能な値となる。
- 第7種
- 7a:パワーやタフネスを定義する特性定義能力の効果(例:ルアゴイフ/Lhurgoyf)
- 7b:パワーやタフネスを特定の値にする効果(例:魔術師の女王/Sorceress Queen)
- 7c:パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果(例:栄光の頌歌/Glorious Anthem、巨大化/Giant Growth、+X/+Yカウンター)
- 7d:パワーとタフネスを入れ替える効果(例:回れ右/About Face)
種類別は「こぴ・こん・ぶん・たい・いろ・のう・ぱわー」、第7種の種類細別は「てい・せっと・しゅうせい・いれかわる(定説と習性、入れ替わる)」という語呂合わせで覚えられる。
- 基本セット2010以前は、第5種と第6種を合わせて「一般の効果」、第7b~第7d(当時の第6b~6d)も「パワーやタフネスを変更する一般の効果」「カウンターによる効果」「パワーやタフネスに修整を与える(特定の値にしない)常在型能力による効果」という区分だった。
- 当時は第1種から第6種までを「こぴこんぶんたいいっぱんぱわー」、第6種の中は「定位置にカウンター、習性で入れ替わる」という語呂合わせで覚えておけた[1]。
- 基本セット2015より、第7b種に該当し、タイプを変更しない効果には「基本のパワーとタフネス/Base power and toughness」という表記がされるようになった[2]。
- 2020年4月のイコリア:巨獣の棲処発売に伴う総合ルール更新で、第1種がコピー可能な値を変化させる種別と再定義され、さらにカウンターによる修整と継続的効果による修整が同一の種別になった[3]。
[編集] 解説
オブジェクトの特性は、それそのものの値(それがカードであればカードに印刷されたもの)から始まり、呪文や能力等により様々な継続的効果が適用されることで定められる。種類別とは、この継続的効果の適用順を厳密に定めるために存在するルールである。種類別は、その継続的効果が生成された順番に関わらず、第1種から第7d種までがこの順番の通りに適用される。同一の種類別に属する複数の継続的効果に関しては、適用順を定めるためのルールが別途存在する(後述)。
- 例:ルーン爪の熊/Runeclaw Bearを対象に巨大化/Giant Growthを唱え、解決された。この時ルーン爪の熊のパワー・タフネスは、「2/2」というカードに印刷された値から始まり、その後に「+3/+3の修整を受ける」という第7c種の継続的効果を適用することで定められる。すなわち、5/5になる。
- 例:上記の5/5になったルーン爪の熊がいる状態で突破/Crash Throughを唱え、解決された。この時ルーン爪の熊は、「トランプルを得る(第6種)」と「+3/+3の修整を受ける(第7c種)」の2つの継続的効果が適用され、5/5トランプルになっている。
- ここで注意したいのは、継続的効果の適用順は必ず種類別の順番に従うということである。この例では、巨大化と突破が唱えられた順番は継続的効果の適用順に関しては関係がない。
- 例:縮退/Diminishの「基本のパワーとタフネスが1/1になる」という効果は第7b種の「パワーやタフネスを特定の値にする効果」である。
- +1/+1カウンターが乗っているクリーチャーに縮退の効果が適用されると、カウンターによる効果は第7c種なので、7b(縮退)→7c(カウンター)の順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。
- あなたが栄光の頌歌/Glorious Anthemとクリーチャー1体を戦場に出している状態で、そのクリーチャーに縮退の効果が適用されると、栄光の頌歌の効果は第7c種なので、7b→7cの順で適用されるため、そのクリーチャーは2/2になる。
ある効果が複数の種類別に分類できるなら、それぞれが適切な種類別として扱われる。
- 例:野生の雑種犬/Wild Mongrelの起動型能力がもたらす継続的効果は、「あなたの選んだ色になる(第5種)」と「+1/+1の修整を受ける(第7c種)」に分けられ、この順番で適用される。
- 例:滝の源獣/Genju of the Fallsのクリーチャー化する起動型能力がもたらす継続的効果は、「スピリット・クリーチャーになる。それは土地でもある(第4種)」、「青になる(第5種)」、「飛行を持つ(第6種)」、「3/2になる(第7b種)」に分けられ、この順番で適用される。
- 以前は、第4種に分類できる効果がある場合はすべて第4種としてまとめられていたが、現在ではこのルールは廃止されている。
ある効果が複数の種類別に分類されていて、いずれかの種類別においてその効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。
- 例:待ち伏せ司令官/Ambush Commanderの持つ常在型能力からの継続的効果は、「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある(第4種)」「森は緑である(第5種)」「森は1/1である(第7b種)」から成る(これらすべて一つの能力からの効果であることに注意)。ここで待ち伏せ司令官にお粗末/Humbleを使用して「能力を失わせる(第6種)」とき、適用順を考えると「森は1/1である」の部分の適用前にこの能力が失われてしまうことになる。しかしこの時点で「森は1/1である」と同じ能力に含まれる「森はエルフ・クリーチャーである。それは土地でもある」「森は緑である」は適用済みであるため、「森は1/1である」の部分もそのまま適用され、最終的に森はP/Tを持たないのではなく1/1になることができる。
[編集] 同一の種類別に属する継続的効果の適用順について
それぞれの種類別(および種類細別)において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。
同じ種類別で他の効果に依存する効果があるなら、その依存先すべての効果が適用された直後にそれを適用する。このとき複数の効果が同時に適用されることになったら、それらはタイムスタンプ順に適用される。
- 特性定義能力の効果は他の効果に依存しないので、その適用が他の効果より後になることはない。
- 例:機械の行進/March of the Machinesとマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeが戦場に出ている場合、どちらが先に出たか関係なく、クリーチャーでないパーマネントは、そのマナ総量に等しいパワーとタフネスを持つアーティファクト・クリーチャーになる。なぜなら、マイコシンスの格子を適用することで機械の行進の効果がどのパーマネントに適用されるかが変化するため、機械の行進はマイコシンスの格子に依存しているからである。
- 例:ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmothと血染めの月/Blood Moonが戦場に存在する場合、これらの能力がもたらす継続的効果はいずれも「第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果」である。このとき、血染めの月の効果を適用することでアーボーグの効果の結果が変わってくる(山になることでルール文章が失われる)ため、アーボーグは血染めの月に依存していることになる。このため、血染めの月が必ず先に適用され、すなわちアーボーグは「ルール文章を持たない伝説の土地・山」となる。こちらは依存によりいずれかの効果が失われるケース。
複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。
- 例:オパール色の輝き/Opalescence2つ(以下Op1,Op2)と謙虚/Humility(以下Hu)が戦場に出ている。これらの能力は第4種「クリーチャーになる」と第6種「能力を失う」、そして第7b種である「パワーとタフネスがそのマナ総量に等しい」「基本のパワーとタフネスが1/1になる」とに分解できる。したがってまず第4種と第6種を適用し、その後に第7b種である残りの2つを適用する。この2つは独立している(依存関係にない)ので、タイムスタンプ順に適用し、タイムスタンプ順により結果が変化する。
- タイムスタンプがOp1→Op2→Huの順の場合
- タイムスタンプがOp1→Hu→Op2の順の場合
- Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/1、それ以外のオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。
- タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合
- Opの両方があとに適用されるため、全てのオーラでないエンチャントはそのマナ総量に等しいパワー・タフネスを持つ。
- 一見するとOpやHuの第7b種の部分は適用前にHuの「能力を失う」で失われるので無効化されそうだが、上記で例としている待ち伏せ司令官とお粗末の関係と同じく、既にOpは「クリーチャーになる」の部分が、Huは「能力を失う」の部分が適用されているため、同じ能力に含まれている第7b種の部分もそのまま適用されることになる。
- この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、ウルザズ・デスティニー発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。
[編集] 脚注
- ↑ 土曜学校総集編 2005年10月前半号(WebArchive)(タカラトミーマジック公式サイト 2005年10月)
- ↑ MAGIC 2015 CORE SET RELEASE NOTES /『基本セット2015』リリースノート(Daily MTG 2014年7月7日)
- ↑ 『イコリア:巨獣の住処』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(Daily MTG 2020年4月13日)
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 613 継続的効果の相互作用
- 613.1 オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークンや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。
- 613.2 第1種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果はタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照)。
- 613.2a 第1a種: コピー可能な効果が適用される。これには、コピー 効果(rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照)と、オブジェクトをパーマネントに合同させたことによって決定されるオブジェクトの特性への変更(rule 725〔パーマネントの合同〕)が含まれる。また、「戦場に出るに際し/As ... enters the battlefield」や「表向きになるに際し/As ... is turned face up」の能力は、それがパワーやタフネスを定めているなら、他の特性も定義していたとしても、コピー可能な効果を生成する。
- 613.2b 第1b種: 裏向きの呪文やパーマネントの特性が、rule 708.2で定義されるように変更される。
- 613.2c 第1種のルールや効果がすべて適用された後で、そのオブジェクトの特性はコピー可能な値となる(rule 707.2 参照)。
- 613.3 第2種から第6種においては、まず特性定義能力が最初に適用され(rule 604.3 参照)、その後他の効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照。)。
- 613.4 第7種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類細別の中では、依存性によって適用順が変わることがある。(rule 613.8 参照。)
- 613.4a 第7a種: パワーやタフネスを定義する特性定義能力からの効果が適用される。rule 604.3 参照。
- 613.4b 第7b種: パワーやタフネスを特定の値にする効果が適用される。クリーチャーの基本のパワーや基本のタフネスを扱う効果は、この種類細別で適用される。
- 613.4c 第7c種: パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果やカウンターが適用される。
- 613.4d 第7d種: クリーチャーのパワーとタフネスを「入れ替える/switch」効果が適用される。この種の効果はそのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。
- 613.5 上記の種類別による継続的効果の適用は常にそして自動的に行われており、結果としてオブジェクトの特性が変更されるのは即時である。
- 613.6 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、その効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別でそれらのオブジェクトに適用される。
- 613.7 各種類別、各種類細別の中では、効果の適用順は通常、タイムスタンプのルールを用いて決定される。より早いタイムスタンプを持つ効果が先に適用される。
- 613.7a 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを作ったオブジェクトと、その能力を作った効果の、遅い方と同じタイムスタンプを持つ。その能力を生成した効果のほうが遅いタイムスタンプを持っており、その能力を持つオブジェクトが新しいタイムスタンプを得た場合、そのオブジェクトの常在型能力によって発生した各継続的効果も同様に新しいタイムスタンプを得る。ただし、それらのタイムスタンプの相対的順序は変わらない。
- 613.7b 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、作られた時点でタイムスタンプを得る。
- 613.7c カウンターは、それがオブジェクトやプレイヤーの上に置かれた時点でタイムスタンプを得る。そのオブジェクトやプレイヤーの上にすでに同種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターはそれぞれその新しいカウンターと同一の新しいタイムスタンプを得る。
- 613.7d オブジェクトは、それが領域に入った時点でタイムスタンプを得る。
- 613.7e オーラや装備品、城砦は、オブジェクトやプレイヤーにつくごとに新しいタイムスタンプを得る。
- 613.7f パーマネントは、オモテ向き になったり裏向き になったりするごとに新しいタイムスタンプを得る。
- 613.7g 変身する両面パーマネントは、変身またはトランスフォームするごとに新しいタイムスタンプを得る。
- 613.7h オモテ向きの次元・カード、現象・カード、計略・カードは、オモテ向き になった時点でタイムスタンプを得る。
- 613.7i オモテ向きのヴァンガード・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。
- 613.7j 策略・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。裏向きなら、オモテ向き になった時点で新しいタイムスタンプを得る。
- 613.7k ステッカーはオブジェクトに貼られるたびに新しいタイムスタンプを得る。ステッカーが貼られているオブジェクトが新しいタイムスタンプを得たなら、そのステッカーはその直後に新しいタイムスタンプを得る。ステッカーが貼られているオブジェクトが戦場にある合同パーマネントの一部になったなら、そのステッカーはそのときに新しいタイムスタンプを得る。オブジェクトが領域に入ったり合同パーマネントの一部になったりするに際して複数のステッカーが貼られていたなら、それらのステッカーの相対タイムスタンプ順は変わらない。
- 613.7m たとえば同時に領域に入る、同時にオブジェクトにつく、などで複数のオブジェクトが同時にタイムスタンプを得る場合、それらの相対的タイムスタンプはAPNAP順に従って決定される(rule 101.4 参照)。アクティブ・プレイヤーがコントロールしている(コントローラーがない場合はオーナーである)オブジェクトが、そのプレイヤーの選択した順番で早い相対的タイムスタンプを得て、その後ターン順で他のプレイヤーが続く。
- 613.8 種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。依存関係がある場合、タイムスタンプ順のルールは依存のルールによって上書きされる。
- 613.8a ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり、(b)別の効果を適用することにより、その文章が変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力によるものでない、またはどちらの効果も特性定義能力によるものである場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立である。
- 613.8b 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順はお互いのタイムスタンプ順に従う。依存している効果同士によって依存性のループが作られた場合には、このルールを無視し、依存性のループを作っている効果をタイムスタンプ順に適用する。
- 613.8c 効果の1つが適用された後、残りの効果の順番は再評価される。まだ適用されていない効果が、他のまだ適用されていない効果に対して独立になったりあるいは依存したりすることによって順番が変わることがある。
- 613.9 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、1つの効果の結果が、他の効果が適用されるかどうかや、その効果が何をするかを決定することもある。
- 613.10 継続的効果の中には、たとえばプレイヤーにプロテクション(赤)を得させるなど、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
- 613.11 継続的効果の中には、プレイヤーの手札の上限を変更する、クリーチャーは可能ならばこのターン攻撃する、など、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 601.2fに定められた順番で適用される。それ以外のこの種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
- 613 継続的効果の相互作用