増殖
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+ | | align="center" style="margin: 0 0 1em 1em; border: 1px solid #000;" |[[ミラディンの傷跡]]<br>[[ミラディン包囲戦]]<br>[[新たなるファイレクシア]]<br>[[統率者2016]]<br>[[灯争大戦]]<br>[[モダンホライゾン]]<br>[[モダンホライゾン2]]<br>[[ニューカペナの街角統率者デッキ]]<br>[[Unfinity]]<br>[[ファイレクシア:完全なる統一]]<br>[[ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ]]<br>[[機械兵団の進軍統率者デッキ]]<br>[[イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ]]<br>[[Fallout統率者デッキ]]<br>[[モダンホライゾン3]]<br>[[モダンホライゾン3統率者デッキ]] | ||
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+ | '''増殖'''(ぞうしょく)/''Proliferate''は[[キーワード処理]]の1つ。 | ||
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==定義== | ==定義== | ||
− | 「増殖を行う/Proliferate」とは、[[パーマネント]]や[[プレイヤー]]のうちで[[カウンター (目印)|カウンター]] | + | 「増殖を行う/Proliferate」とは、[[パーマネント]]や[[プレイヤー]]のうちで[[カウンター (目印)|カウンター]]を持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているカウンターを各種類ごとに追加で1個ずつ置くことである。 |
− | [[双頭巨人戦]] | + | [[双頭巨人戦]]では、[[毒カウンター]]は[[チーム]]で共有されている。チームの複数のプレイヤーについてこれが選ばれた場合、それらのプレイヤーのうち1人だけに追加の毒カウンターが置かれる。増殖を行なったプレイヤーは、どのプレイヤーに置くのかを選ぶ。 |
==解説== | ==解説== | ||
− | + | [[ミラディンの傷跡ブロック]]では、[[ミラディン/Mirrodin]]の世界に侵食した[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil]]の広がりをイメージしたデザインになっており、[[-1/-1カウンター]]や[[感染]]による[[毒カウンター]]を増やすことができる。[[ミラディンの傷跡]]の時点では、増殖を持つのはファイレクシア陣営のカードのみであり、いずれも[[青]]か[[アーティファクト]]である。続く[[ミラディン包囲戦]]ではそれらに加え[[黒]]や[[緑]]のファイレクシア陣営のカードに増殖を持つものが登場し、さらに[[新たなるファイレクシア]]では[[赤]]にも増殖を持つ[[ファイレクシア/Phyrexia|ファイレクシア]]陣営のカードが登場した。 | |
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− | + | [[モダンマスターズ2015]]では主要[[メカニズム]]の1つとして増殖を持つカードが多く[[再録]]された。また、[[統率者2016]]では[[緑白青黒]]の[[法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice]]が増殖能力を持っている。 | |
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− | [[ | + | 灯争大戦では特に背景設定に紐づけられたメカニズムでは無い。[[白]]と青と緑に割り当てられ、セットのテーマである[[プレインズウォーカー]]や[[動員]]と[[シナジー]]を持つ。 |
− | [[ | + | [[ファイレクシア:完全なる統一]]では再びファイレクシア陣営の能力として採用され、毒カウンターに加え、[[油カウンター]]とのシナジーも形成している。白以外の4色に割り当てられているが、[[青]]と[[緑]]に特に多く、[[赤]]に少ない。増殖を2倍にする[[尋問のドミヌス、テクータル/Tekuthal, Inquiry Dominus]]や、増殖を行うことを[[誘発条件]]とする[[誘発型能力]]を持つカードが複数登場した。[[サプリメント・セット]]の[[ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ]]では白のカードも登場している。機械兵団の進軍統率者デッキでもファイレクシア陣営の能力として使われ、[[培養]]とシナジーする。 |
− | [[ | + | *[[Unfinity]]では[[ステッカー]]の[[Carnival Elephant Meteor]]が増殖を行う能力を与える。 |
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+ | ==ルール== | ||
+ | *増殖を行うことそのものは[[対象]]を選ばない。あなたがどのパーマネントやプレイヤーの上にあるカウンターを増やすかは増殖を行う[[呪文]]か[[能力]]の[[解決]]時に選ぶ。 | ||
+ | *増殖を行う呪文か能力が他に対象を選ぶ[[効果]]を持っており、それが解決時にすべて[[不正な対象]]であったなら、その呪文や能力は[[立ち消え]]増殖も行われない。 | ||
+ | *[[キーワード・カウンター]]も増殖できる。[[無情な行動/Heartless Act]]や[[噛掌の忍者/Biting-Palm Ninja]]などで参照されるため、きちんと数を記録しておかなければならない。 | ||
+ | *流し読みすると勘違いしてしまいがちだが、増殖は1体だけではなく、望む数のプレイヤーとパーマネントを選ぶことができる。 | ||
+ | **「望む数」には「0」も含まれるため、パーマネントやプレイヤーを一切選ばないことも適正である。 | ||
+ | *「あなたが増殖を行うたび」に[[誘発]]する能力は、あなたがどのパーマネントやプレイヤーにもカウンターを与えないことを選択しても誘発する。 | ||
+ | *パーマネント以外の[[オブジェクト]]に置かれたカウンターは増やすことができない。例えば[[待機]]状態の[[カード]]や[[スタック]]上の[[稲妻の嵐/Lightning Storm]]など。 | ||
+ | *[[伝染病エンジン/Contagion Engine]]など、一度に複数回の増殖を行う[[効果]]が存在する。これらは1回目と2回目の増殖の間に[[優先権]]が発生せず、それぞれの増殖で選ぶパーマネントやプレイヤーを変えてもよい。 | ||
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+ | ===ルールの変遷=== | ||
+ | 灯争大戦で[[ルール]]が変更されるまでは、選んだパーマネントやプレイヤーが複数の種類のカウンターを持っている場合、増やせるのはそのうちの1種類のみであった。例えば、毒カウンターと[[エネルギー・カウンター]]を持つプレイヤーを選んだ場合、毒カウンターのみを増やすことが可能だった。 | ||
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+ | ==その他== | ||
+ | *ユーザーからの人気が高い一方で、あらゆる種類のカウンターに影響することから調整が難しく、幾度も再録を試みられながら断念されているメカニズムである。[[ストーム値]]は5<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/storm-scale-mirrodin-and-scars-mirrodin-blocks-2018-06-11 Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030689/ ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック]([[Making Magic]] [[2018年]]6月11日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
+ | **[[カラデシュ]]では[[エネルギー・カウンター]]や[[+1/+1カウンター]]([[製造]])との相互作用を期待して再録することが検討されたが、+1/+1カウンターとの相性が良すぎる一方でエネルギーとの相性があまり良くなく、[[カード・セット|セット]]を曲げる結果になったため取り除かれた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/do-you-feel-lucky-aetherpunk-part-1-2016-09-26 "Do You Feel Lucky, Aetherpunk?" Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017687/ 「賭けてみるか、エーテルパンク?」 その1](Making Magic [[2016年]]9月26日 Mark Rosewater著)</ref>。 | ||
+ | **続く[[霊気紛争]]でも再録が検討されたが上手く行かず、代わりに[[航空船の略取者/Skyship Plunderer]]など少数のカードで増殖に似た能力が使われることになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/aether-way-part-3-2017-01-30 Aether Way, Part 3]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018284/ 霊気の道 その3](Making Magic [[2017年]]1月30日 Mark Rosewater著)</ref>。 | ||
+ | **[[ラヴニカの献身]]では+1/+1カウンターを多用する[[シミック連合/The Simic Combine]]のメカニズムとして再録が検討されたが、シミック内での[[シナジー]]や[[暴動]]など他ギルドのメカニズムとのシナジーが強すぎ、バランスを取るのが難しかったためボツになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/building-allegiances-part-1-2019-01-02 Building Allegiances, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0031637/ 献身の作り方 その1](Making Magic [[2019年]]1月2日 Mark Rosewater著)</ref><ref name="a" />。 | ||
+ | **灯争大戦では、これまでの問題を振り返ったうえで問題が無いと判断され、ようやく[[本流のセット]]への再録が実現した<ref name="a">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/waging-war-spark-part-2-2019-04-08 Waging War of the Spark, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032307/ 『灯争大戦』の遂行 その2](Making Magic [[2019年]]4月8日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032990/ 忍耐]([[Making Magic]] 2019年9月2日)</ref>。 | ||
+ | **その後の[[神河:輝ける世界]]では、[[ファイレクシアン]]・[[プレインズウォーカー]]を表現するため[[完成化した賢者、タミヨウ/Tamiyo, Compleated Sage]]の[[忠誠度能力]]にのみ採用する案があったが、単独ではファイレクシアらしさを表現するのに不十分であったため[[ファイレクシア・マナ]]に置き換えられた<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/phyrexia-all-will-be-one-direction-part-2 Elements of Neon]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035817/ 『輝ける』要素](Making Magic [[2022年]]1月21日 Mark Rosewater著)</ref>。 | ||
+ | *上記の通り全色に存在するメカニズムではあるが、[[色の評議会]]としては[[カラーパイ]]の観点から[[赤]]の[[色の役割]]にはふさわしくないとしている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/phyrexia-all-will-be-one-direction-part-2 Phyrexia: All Will Be One Direction, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036633/ 『ファイレクシア:完全なる統一』方的な話 その2](Making Magic [[2023年]]1月23日 Mark Rosewater著)</ref>。 | ||
+ | *増殖を2回行う効果の[[テンプレート]]は、[[灯争大戦]]までは「増殖を行い、その後再び(もう一度)増殖を行う/''proliferate, then proliferate again''」であったが、[[ファイレクシア:完全なる統一]]では「増殖を2回行う/''proliferate twice''」に変更となっている。 | ||
+ | ==類似カード== | ||
+ | 増殖以外にも既にカウンターが置かれているパーマネントにのみカウンターを追加できるカードは頻繁にデザインされている。以下、特記しない限り+1/+1カウンターが置かれた各クリーチャーに+1/+1カウンターのみ1個ずつ置く。+1/+1カウンターを置く際に数を1つ増やすカードは[[硬化した鱗/Hardened Scales]]の項を参照。 | ||
+ | *[[鱗の祝福/Scale Blessing]] - (3)(白)[[インスタント]]。先に[[鼓舞]]1を行う。([[タルキール龍紀伝]]) | ||
+ | **[[造命師の贈り物/Lifecrafter's Gift]] - (3)(緑)インスタント。鼓舞でなく対象を選べる鱗の祝福。([[霊気紛争]]) | ||
+ | *[[勇者の守護神/Patron of the Valiant]] - (3)(白)(白)4/4[[飛行]]クリーチャーの[[ETB]]能力。([[マジック・オリジン]]) | ||
+ | *[[活性機構/Animation Module]] - (1)[[アーティファクト]]の起動コスト(3)の[[タップ能力]]。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネントもプレイヤーも対象にできる。([[カラデシュ]]) | ||
+ | **[[航空船の略取者/Skyship Plunderer]] - (1)(青)2/1飛行クリーチャー。[[サボタージュ能力]]が活性機構。(霊気紛争) | ||
+ | **[[襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary]] - (1)(緑)(緑)3/3[[トランプル]]クリーチャーのETB能力と[[PIG]]能力が活性機構。(霊気紛争) | ||
+ | **[[胆液月の篭手/Ichormoon Gauntlet]] - (2)(青)アーティファクト。クリーチャーでない呪文を唱えるたび活性機構が誘発。プレイヤーは対象にできない。([[ファイレクシア:完全なる統一]]) | ||
+ | *[[採石場の運び屋/Quarry Hauler]] - (3)(緑)4/3クリーチャーのETB能力。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネント全般対象で、1個取り除く事も選べる。([[アモンケット]]) | ||
+ | **[[劇作家の人形/Dramatist's Puppet]] - (4)2/4の[[アーティファクト・クリーチャー]]になった採石場の運び屋。([[神河:輝ける世界]]) | ||
+ | *[[鍛え抜かれた古参兵/Tempered Veteran]] - (1)(白)1/2クリーチャーの起動コスト(白)のタップ能力。対象は1体のみ。起動に支払うのが(4)(白)(白)ならば対象の制限はなくなる。([[基本セット2021]]) | ||
+ | *[[オラン=リーフの軟泥/Oran-Rief Ooze]] - (2)(緑)2/2クリーチャーの[[攻撃]]時誘発型能力。ただし攻撃していないクリーチャーには乗らない。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。([[ゼンディカーの夜明け]]) | ||
+ | *[[すべてを取り込むもの、スラーク/Slurrk, All-Ingesting]] - (5)(緑)[[共闘]]+1/+1カウンターを5つ乗せて戦場に出るクリーチャーのPIG能力。他の+1/+1カウンターを乗せたクリーチャーの[[死亡]]時にも誘発。([[統率者レジェンズ]]) | ||
+ | *[[決闘の指導者/Dueling Coach]] - (3)(白)2/2クリーチャーの起動コスト(4)(白)のタップ能力。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。([[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]) | ||
+ | *[[折れ刃のちし郎/Chishiro, the Shattered Blade]] - (2)(赤)(緑)4/4クリーチャー。あなたの終了ステップごとに誘発。[[改善]]されたクリーチャー全般に乗せる。([[神河:輝ける世界統率者デッキ]]) | ||
+ | また、対象の上のカウンター数を倍にするカードは[[英雄たちの結束/Solidarity of Heroes]]の項を参照。 | ||
+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
*{{WHISPER検索/英語オラクル|Proliferate|増殖(Proliferate)}} | *{{WHISPER検索/英語オラクル|Proliferate|増殖(Proliferate)}} | ||
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/proliferate-crazy-nights-2010-10-04 Proliferate Crazy Nights]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/狂える夜よ増殖せよ-2010-10-04 狂える夜よ増殖せよ](Making Magic [[2010年]]10月4日 Mark Rosewater著) |
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*[[キーワード処理]] | *[[キーワード処理]] | ||
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2024年12月3日 (火) 04:21時点における最新版
登場セット |
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ミラディンの傷跡 ミラディン包囲戦 新たなるファイレクシア 統率者2016 灯争大戦 モダンホライゾン モダンホライゾン2 ニューカペナの街角統率者デッキ Unfinity ファイレクシア:完全なる統一 ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ 機械兵団の進軍統率者デッキ イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ Fallout統率者デッキ モダンホライゾン3 モダンホライゾン3統率者デッキ |
増殖(ぞうしょく)/Proliferateはキーワード処理の1つ。
ソーサリー
増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)
カードを1枚引く。
目次 |
[編集] 定義
「増殖を行う/Proliferate」とは、パーマネントやプレイヤーのうちでカウンターを持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているカウンターを各種類ごとに追加で1個ずつ置くことである。
双頭巨人戦では、毒カウンターはチームで共有されている。チームの複数のプレイヤーについてこれが選ばれた場合、それらのプレイヤーのうち1人だけに追加の毒カウンターが置かれる。増殖を行なったプレイヤーは、どのプレイヤーに置くのかを選ぶ。
[編集] 解説
ミラディンの傷跡ブロックでは、ミラディン/Mirrodinの世界に侵食したファイレクシアの油/Phyrexian oilの広がりをイメージしたデザインになっており、-1/-1カウンターや感染による毒カウンターを増やすことができる。ミラディンの傷跡の時点では、増殖を持つのはファイレクシア陣営のカードのみであり、いずれも青かアーティファクトである。続くミラディン包囲戦ではそれらに加え黒や緑のファイレクシア陣営のカードに増殖を持つものが登場し、さらに新たなるファイレクシアでは赤にも増殖を持つファイレクシア陣営のカードが登場した。
モダンマスターズ2015では主要メカニズムの1つとして増殖を持つカードが多く再録された。また、統率者2016では緑白青黒の法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voiceが増殖能力を持っている。
灯争大戦では特に背景設定に紐づけられたメカニズムでは無い。白と青と緑に割り当てられ、セットのテーマであるプレインズウォーカーや動員とシナジーを持つ。
ファイレクシア:完全なる統一では再びファイレクシア陣営の能力として採用され、毒カウンターに加え、油カウンターとのシナジーも形成している。白以外の4色に割り当てられているが、青と緑に特に多く、赤に少ない。増殖を2倍にする尋問のドミヌス、テクータル/Tekuthal, Inquiry Dominusや、増殖を行うことを誘発条件とする誘発型能力を持つカードが複数登場した。サプリメント・セットのファイレクシア:完全なる統一統率者デッキでは白のカードも登場している。機械兵団の進軍統率者デッキでもファイレクシア陣営の能力として使われ、培養とシナジーする。
- UnfinityではステッカーのCarnival Elephant Meteorが増殖を行う能力を与える。
[編集] ルール
- 増殖を行うことそのものは対象を選ばない。あなたがどのパーマネントやプレイヤーの上にあるカウンターを増やすかは増殖を行う呪文か能力の解決時に選ぶ。
- 増殖を行う呪文か能力が他に対象を選ぶ効果を持っており、それが解決時にすべて不正な対象であったなら、その呪文や能力は立ち消え増殖も行われない。
- キーワード・カウンターも増殖できる。無情な行動/Heartless Actや噛掌の忍者/Biting-Palm Ninjaなどで参照されるため、きちんと数を記録しておかなければならない。
- 流し読みすると勘違いしてしまいがちだが、増殖は1体だけではなく、望む数のプレイヤーとパーマネントを選ぶことができる。
- 「望む数」には「0」も含まれるため、パーマネントやプレイヤーを一切選ばないことも適正である。
- 「あなたが増殖を行うたび」に誘発する能力は、あなたがどのパーマネントやプレイヤーにもカウンターを与えないことを選択しても誘発する。
- パーマネント以外のオブジェクトに置かれたカウンターは増やすことができない。例えば待機状態のカードやスタック上の稲妻の嵐/Lightning Stormなど。
- 伝染病エンジン/Contagion Engineなど、一度に複数回の増殖を行う効果が存在する。これらは1回目と2回目の増殖の間に優先権が発生せず、それぞれの増殖で選ぶパーマネントやプレイヤーを変えてもよい。
[編集] ルールの変遷
灯争大戦でルールが変更されるまでは、選んだパーマネントやプレイヤーが複数の種類のカウンターを持っている場合、増やせるのはそのうちの1種類のみであった。例えば、毒カウンターとエネルギー・カウンターを持つプレイヤーを選んだ場合、毒カウンターのみを増やすことが可能だった。
[編集] その他
- ユーザーからの人気が高い一方で、あらゆる種類のカウンターに影響することから調整が難しく、幾度も再録を試みられながら断念されているメカニズムである。ストーム値は5[1]。
- カラデシュではエネルギー・カウンターや+1/+1カウンター(製造)との相互作用を期待して再録することが検討されたが、+1/+1カウンターとの相性が良すぎる一方でエネルギーとの相性があまり良くなく、セットを曲げる結果になったため取り除かれた[2]。
- 続く霊気紛争でも再録が検討されたが上手く行かず、代わりに航空船の略取者/Skyship Plundererなど少数のカードで増殖に似た能力が使われることになった[3]。
- ラヴニカの献身では+1/+1カウンターを多用するシミック連合/The Simic Combineのメカニズムとして再録が検討されたが、シミック内でのシナジーや暴動など他ギルドのメカニズムとのシナジーが強すぎ、バランスを取るのが難しかったためボツになった[4][5]。
- 灯争大戦では、これまでの問題を振り返ったうえで問題が無いと判断され、ようやく本流のセットへの再録が実現した[5][6]。
- その後の神河:輝ける世界では、ファイレクシアン・プレインズウォーカーを表現するため完成化した賢者、タミヨウ/Tamiyo, Compleated Sageの忠誠度能力にのみ採用する案があったが、単独ではファイレクシアらしさを表現するのに不十分であったためファイレクシア・マナに置き換えられた[7]。
- 上記の通り全色に存在するメカニズムではあるが、色の評議会としてはカラーパイの観点から赤の色の役割にはふさわしくないとしている[8]。
- 増殖を2回行う効果のテンプレートは、灯争大戦までは「増殖を行い、その後再び(もう一度)増殖を行う/proliferate, then proliferate again」であったが、ファイレクシア:完全なる統一では「増殖を2回行う/proliferate twice」に変更となっている。
[編集] 類似カード
増殖以外にも既にカウンターが置かれているパーマネントにのみカウンターを追加できるカードは頻繁にデザインされている。以下、特記しない限り+1/+1カウンターが置かれた各クリーチャーに+1/+1カウンターのみ1個ずつ置く。+1/+1カウンターを置く際に数を1つ増やすカードは硬化した鱗/Hardened Scalesの項を参照。
- 鱗の祝福/Scale Blessing - (3)(白)インスタント。先に鼓舞1を行う。(タルキール龍紀伝)
- 造命師の贈り物/Lifecrafter's Gift - (3)(緑)インスタント。鼓舞でなく対象を選べる鱗の祝福。(霊気紛争)
- 勇者の守護神/Patron of the Valiant - (3)(白)(白)4/4飛行クリーチャーのETB能力。(マジック・オリジン)
- 活性機構/Animation Module - (1)アーティファクトの起動コスト(3)のタップ能力。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネントもプレイヤーも対象にできる。(カラデシュ)
- 航空船の略取者/Skyship Plunderer - (1)(青)2/1飛行クリーチャー。サボタージュ能力が活性機構。(霊気紛争)
- 襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary - (1)(緑)(緑)3/3トランプルクリーチャーのETB能力とPIG能力が活性機構。(霊気紛争)
- 胆液月の篭手/Ichormoon Gauntlet - (2)(青)アーティファクト。クリーチャーでない呪文を唱えるたび活性機構が誘発。プレイヤーは対象にできない。(ファイレクシア:完全なる統一)
- 採石場の運び屋/Quarry Hauler - (3)(緑)4/3クリーチャーのETB能力。対象1つのみだが、+1/+1カウンターに限らない上パーマネント全般対象で、1個取り除く事も選べる。(アモンケット)
- 劇作家の人形/Dramatist's Puppet - (4)2/4のアーティファクト・クリーチャーになった採石場の運び屋。(神河:輝ける世界)
- 鍛え抜かれた古参兵/Tempered Veteran - (1)(白)1/2クリーチャーの起動コスト(白)のタップ能力。対象は1体のみ。起動に支払うのが(4)(白)(白)ならば対象の制限はなくなる。(基本セット2021)
- オラン=リーフの軟泥/Oran-Rief Ooze - (2)(緑)2/2クリーチャーの攻撃時誘発型能力。ただし攻撃していないクリーチャーには乗らない。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。(ゼンディカーの夜明け)
- すべてを取り込むもの、スラーク/Slurrk, All-Ingesting - (5)(緑)共闘+1/+1カウンターを5つ乗せて戦場に出るクリーチャーのPIG能力。他の+1/+1カウンターを乗せたクリーチャーの死亡時にも誘発。(統率者レジェンズ)
- 決闘の指導者/Dueling Coach - (3)(白)2/2クリーチャーの起動コスト(4)(白)のタップ能力。ETB時に対象に+1/+1カウンターを1つ乗せる。(ストリクスヘイヴン:魔法学院)
- 折れ刃のちし郎/Chishiro, the Shattered Blade - (2)(赤)(緑)4/4クリーチャー。あなたの終了ステップごとに誘発。改善されたクリーチャー全般に乗せる。(神河:輝ける世界統率者デッキ)
また、対象の上のカウンター数を倍にするカードは英雄たちの結束/Solidarity of Heroesの項を参照。
[編集] 脚注
- ↑ Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks/ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック(Making Magic 2018年6月11日 Mark Rosewater著)
- ↑ "Do You Feel Lucky, Aetherpunk?" Part 1/「賭けてみるか、エーテルパンク?」 その1(Making Magic 2016年9月26日 Mark Rosewater著)
- ↑ Aether Way, Part 3/霊気の道 その3(Making Magic 2017年1月30日 Mark Rosewater著)
- ↑ Building Allegiances, Part 1/献身の作り方 その1(Making Magic 2019年1月2日 Mark Rosewater著)
- ↑ 5.0 5.1 Waging War of the Spark, Part 2/『灯争大戦』の遂行 その2(Making Magic 2019年4月8日 Mark Rosewater著)
- ↑ 忍耐(Making Magic 2019年9月2日)
- ↑ Elements of Neon/『輝ける』要素(Making Magic 2022年1月21日 Mark Rosewater著)
- ↑ Phyrexia: All Will Be One Direction, Part 2/『ファイレクシア:完全なる統一』方的な話 その2(Making Magic 2023年1月23日 Mark Rosewater著)
[編集] 参考
- 「増殖(Proliferate)」で英語オラクル検索
- Proliferate Crazy Nights/狂える夜よ増殖せよ(Making Magic 2010年10月4日 Mark Rosewater著)
- キーワード処理
- ルーリング
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール