置換効果

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(戦場に出ることに対する置換効果: CR616.1d)
 
(7人の利用者による、間の22版が非表示)
1行: 1行:
'''置換効果'''/''Replacement Effect''とは、ある[[イベント]]を他の[[イベント]]に置き換える効果を指すルール用語。
+
'''置換効果'''/''Replacement Effect''とは、ある[[イベント]]を他のイベントに置き換える[[効果]]を指すルール用語。基本的に[[継続的効果]]の一種である。
  
「Aする代わりにBする」という書式が通常用いられる。この場合、置換されたAのイベントは起こったことにならない。
+
{{#card:Thought Reflection}}
 +
{{#card:Diregraf Ghoul}}
 +
{{#card:Alloy Golem}}
  
{{#card:Words of Wind}}
+
==解説==
 +
===定義===
 +
「Aする代わりにBする/A instead B」という語を用いる効果は置換効果である。この場合、Aというイベントが発生しようとした時、それがBというイベントに置き換えられて実行される。置換されたAは起こらなかったことになる。「[[再生]]」も[[破壊]]に対する置換効果である。
  
*「[[戦場に出る]]に際し〜する」「〜は〜した状態で戦場に出る」「[[軽減]]」「〜を[[飛ばす]]」はいずれも置換効果である。「[[再生]]」も[[破壊]]に対する置換効果である。
+
「○○は~状態で[[戦場]]に出る/○○ enters the battlefield with ~」、「○○が戦場に出るに際し~/As ○○ enters the battlefield ~」、「○○は~として戦場に出る/○○ enters the battlefield as ~」という効果は置換効果である。これらはパーマネントが戦場に出ることには変わりないが、それらの[[位相]][[特性]]を変化させた状態で戦場に出したり、戦場に出る以外の処理を同時に行わせたりする。
*「[[破壊されない]]」「[[打ち消されない]]」は置換効果ではない。ただ単純に、前者は「破壊する効果と破壊に関するルール([[状況起因効果]])」、後者は「打ち消す効果やルール」を無視するに過ぎない。
+
*「タップ状態で戦場に出る」「+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る」「いずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出る」等がある。
  
あるイベントに対して適用可能な複数の置換効果があるならば、「その影響を受ける[[プレイヤー]](または影響を受ける[[オブジェクト]][[コントローラー]])がそのうち一つを選び、それを適用する」。まだ適用可能な置換効果が残っている限り、この手順を繰り返す。このとき、その中に[[自己置換効果]]があるならば、その中から選ばなくてはならない。自己置換効果がない場合で、オブジェクトが戦場に出る際のコントローラーを変更する効果があるならば、その中から選ばなくてはならない。いずれもない場合は好きな効果を選択できる。
+
[[飛ばす]]/Skip」という効果は置換効果である。この単語によってどのような[[イベント]][[ステップ]][[フェイズ]]、[[ターン]]が何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
  
これにより、イベントの[[発生源]]が変わることはない。置き換えられたイベントを実行するのは、あくまで元のイベントを実行しようとしていたものである。
+
「○○が表向きになるに際し~/As ○○ is turned face up ~」という効果は置換効果である。
例えば、対戦相手の[[海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea]]によるあなたの[[ドロー]]を[[崇拝の言葉/Words of Worship]]でライフ[[ゲイン]]に置換しても、あなたにライフを与えるのは崇拝の言葉ではなく御心である。よって、このとき[[血糊の雨/Rain of Gore]]が適用されることもない。
+
  
「あなたはXしてよい。そうした場合、Yする」という種類の能力の場合、Xを別のイベントに置換したとしても、(置換したイベントを行ったならば)Yのイベントは発生する。
+
継続的効果ではない置換効果も存在しており、[[自己置換効果]]がそれに該当する。
*例:[[知恵の蛇/Ophidian]]でカードを1枚引くことを選んだとき、それを[[発掘]]で置き換えたとしても、知恵の蛇は戦闘ダメージを与えない。
+
  
戦場に出ることに対する置換効果を含む能力を持つパーマネントが戦場に出る場合、それがそのパーマネント自身に影響を及ぼすのは、その置換効果が自身にのみ影響する場合に限る。
+
*「[[打ち消されない]]」「[[軽減されない]]」などは置換効果ではない。これらはただ単純に、それらに該当する効果やルールを無視するに過ぎない。
いずれにせよそのパーマネントと同時に場に出る他のパーマネントに対して影響を及ぼすことは無い。
+
 
 +
===置換・軽減効果の相互作用===
 +
あるイベントに対して適用可能な複数の置換効果や[[軽減]]効果があるならば、「その影響を受ける[[プレイヤー]]がそのうち一つを選び、それを適用する」という手順を適用可能な置換効果か軽減効果が残っている限り繰り返す。
 +
 
 +
*影響を受けるプレイヤーとは「カードを[[引く]]」などのイベントを実際に行うプレイヤー、あるいはイベントの影響を受けるオブジェクトのコントローラーである。コントローラーの存在しないオブジェクトの場合はそのオーナーとなる。
 +
*「発生源が何かにダメージを与える」というイベントの場合、適用順を決めるプレイヤーはダメージを受ける側のプレイヤーかそのパーマネントのコントローラーになる。
 +
 
 +
適用する順序は任意に選択できるが、自己置換効果はそれ以外の置換効果より先に適用しなくてはならない。
 +
 
 +
イベントが置換された結果、適用される置換・軽減効果が変わったり、影響を受けるプレイヤーが変わる事がある。
 +
 
 +
置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。
 +
 
 +
*[[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath]]が戦場に2枚あるとき、発生源が2点のダメージを何かに与えようとする場合、2枚がそれぞれイベントを1回ずつ置換し8点のダメージを与えるイベントとなる。置換効果の無限ループにはならない。
 +
 
 +
===戦場に出ることに対する置換効果===
 +
戦場に出ることに対する置換効果を含む能力を持つパーマネントが戦場に出る場合、それがそのパーマネント自身に影響を及ぼすのは、その置換効果が自身にのみ影響する場合に限る。いずれにせよそのパーマネントと同時に戦場に出る他のパーマネントに対して影響を及ぼすことは無い。
 
*例:[[夢の宝珠/Orb of Dreams]]の能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体では[[アンタップ]]状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。
 
*例:[[夢の宝珠/Orb of Dreams]]の能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体では[[アンタップ]]状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。
  
 
戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]を見る。このとき考慮するのは
 
戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]を見る。このとき考慮するのは
 
#戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
 
#戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
#呪文や能力の解決によって生成された継続的効果のうちで[[スタック]]上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したもの
+
#そのパーマネント自身の[[常在型能力]]からの[[継続的効果]]でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるもの
#そのパーマネントの[[常在型能力]]からの[[継続的効果]]
+
#すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの([[スタック]]上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものや、他のオブジェクトからの継続的効果)
のみである。それ以外の、他の発生源からの常在型能力は考慮しない。
+
である。これは未来の情報を予測するのではなく、パーマネントが実際に戦場に出る前の現在のゲームの状態で取りうる特性を見る。([http://blogs.magicjudges.org/rulestips/2013/10/gods-4-devotion-and-entering-the-battlefield/ 参考:Magic Judge])。
*例:[[血染めの月/Blood Moon]]が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]]は戦場に出たあと能力を[[失う]]が、それを考慮せず[[タップ]]状態で戦場に出る。同様に、[[謙虚/Humility]]が戦場にあるときでも、[[接合]]や[[移植]]持ちのクリーチャーは[[+1/+1カウンター]]が乗った状態で場に出る。
+
*例:[[血染めの月/Blood Moon]]が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]][[アンタップ]]状態で戦場に出る。[[謙虚/Humility]]が戦場にある場合、[[接合]]や[[移植]]持ちのクリーチャーは[[+1/+1カウンター]]は置かれずに戦場に出る。
 
*例:[[イクスリッドの看守/Yixlid Jailer]]が戦場にあるとき、[[墓地]]にある[[円盤の大魔術師/Magus of the Disk]]は能力を失っているが、それを考慮せず円盤の大魔術師が墓地から戦場に出るときもタップ状態で戦場に出る。
 
*例:[[イクスリッドの看守/Yixlid Jailer]]が戦場にあるとき、[[墓地]]にある[[円盤の大魔術師/Magus of the Disk]]は能力を失っているが、それを考慮せず円盤の大魔術師が墓地から戦場に出るときもタップ状態で戦場に出る。
*例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]]をコントロールしている場合。
+
*例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合。
**あなたの[[多相]]を持つクリーチャーはカウンターが乗った状態で戦場に出る(上記3.)。
+
**あなたの[[多相]]を持つクリーチャーはカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記2.)。
**あなたの[[エルフの戦士/Elvish Warrior]]がスタック上で[[人工進化/Artificial Evolution]]により[[ウィザード]]に変更されていた場合、カウンターが乗った状態で戦場に出る(上記2.)。
+
**あなたの[[エルフの戦士/Elvish Warrior]]がスタック上で[[人工進化/Artificial Evolution]]により[[ウィザード]]に変更されていた場合、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。
**あなたの[[クローン/Clone]]が[[ルーメングリッドの管理人/Lumengrid Warden]]の[[コピー]]として戦場に出るとき、クローンによる置換のあとに寓話の賢人による置換を行うので、カウンターが乗った状態で戦場に出る(上記1.)。
+
**あなたの[[クローン/Clone]]が[[ルーメングリッドの管理人/Lumengrid Warden]]の[[コピー]]として戦場に出るとき、クローンによる置換のあとに寓話の賢人による置換を行うので、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記1.)。
**同時にあなたがウィザードを指定した[[奸謀/Conspiracy]]をコントロールしていても、あなたの[[灰色熊/Grizzly Bears]]はカウンターが乗らずに戦場に出る。
+
**あなたがウィザードを指定した[[奸謀/Conspiracy]]をコントロールしている場合、あなたの[[灰色熊/Grizzly Bears]]はカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。
 +
*対戦相手が[[威圧する君主/Imposing Sovereign]]をコントロールしており、あなたが[[アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel]]を2体コントロールしている状態で[[死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead]]を戦場に出す場合、エレボスはアンタップ状態で戦場に出る。置換効果を適用する際、エレボスが戦場で取りうる特性は自身の常在型能力を考慮に入れるが、エレボス自身は戦場に存在しないため[[黒]]への[[信心]]は4である。エレボスの特性はエンチャントとして扱われ、威圧する君主の効果は適用されない。
 +
 
 +
戦場に出ることに対する置換効果が何らかの選択を必要とする場合、選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。
 +
*例:[[未来予知/Future Sight]]をコントロールしている状況で[[ライブラリーの一番上]]が[[公開する|公開されて]]おり、それが[[神聖なる泉/Hallowed Fountain]]であったとする。この神聖なる泉を[[プレイ]]する場合、2点の[[ライフ]]を[[支払う]]かどうかの選択は、神聖なる泉がライブラリーの一番上にある間、すなわちライブラリーの上から2番目のカードを公開する前に行う。
 +
 
 +
戦場に出ることに対する置換効果のうち、他のオブジェクトの領域を移動させる効果は、戦場に出ようとしているそのオブジェクト自身や、同時に戦場に出ようとするパーマネントやその他のオブジェクトを戦場に出ないようにすることはできない。
 +
*例:[[縫合グール/Sutured Ghoul]]と[[歩く死骸/Walking Corpse]]が同時に墓地から戦場に出る際に、その縫合グール自身や歩く死骸を縫合グールの能力で追放することはできない。
 +
 
 +
オブジェクトが戦場に出ることを置換する置換効果が複数ある場合、以下の順で選ばなくてはならない。同種のものがある場合は好きな順で適用してよい。
 +
#オブジェクトが戦場に出る際のコントローラーを変更する効果([[標本集め/Gather Specimens]]など)
 +
#何らかの[[コピー]]となる効果([[クローン/Clone]]、[[荒れ野の本質/Essence of the Wild]]など)
 +
#[[第2面]]をオモテにして戦場に出る効果
 +
#その他の効果
 +
 
 +
*コピー効果の順番は、[[イニストラード]]発売に伴う[[総合ルール]]変更の際に指定された。それ以前は他の効果と同様の扱いをされていた。
 +
 
 +
====旧ルール====
 +
[[2017年]]9月の[[イクサラン]]発売に伴う[[総合ルール]]更新以前は、戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかにおいて、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]で考慮されるのは
 +
#戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
 +
#呪文や能力の解決によって作られた継続的効果のうちで[[スタック]]上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したもの
 +
#そのパーマネントの[[常在型能力]]からの[[継続的効果]]
 +
のみ。それ以外の、他の発生源からの常在型能力は考慮しなかった。
 +
*例:血染めの月が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]]は[[タップ]]状態で戦場に出ていた。同様に、[[謙虚/Humility]]が戦場にあるときでも、[[接合]]や[[移植]]持ちのクリーチャーは[[+1/+1カウンター]]が置かれた状態で戦場に出ていた。
 +
*例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合、ウィザードを指定した奸謀をコントロールしていても、あなたの灰色熊はカウンターが置かれずに戦場に出ていた。
 +
 
 +
===その他===
 +
*置換しようとしているイベントが発生しなければ、置換効果は適用できない。
 +
**例外として、カードを引くことに対する置換効果は、[[ライブラリー]]にカードが存在していないため引くことができない場合でも適用できる。
 +
*置換効果を適用することによって、[[イベント]]の[[発生源]]が変わることはない。置き換えられたイベントを実行するのは、あくまで元のイベントを実行しようとしていたものである。
 +
**例:対戦相手の[[海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea]]によるあなたの[[引く|ドロー]]を[[崇拝の言葉/Words of Worship]]で[[ライフ]][[回復|ゲイン]]に置換しても、あなたにライフを与えるのは崇拝の言葉ではなく御心である。よって、このとき[[血糊の雨/Rain of Gore]]が適用されることもない。
 +
*「あなたはXしてよい。そうした場合、Yする」という種類の能力の場合、Xを別のイベントに置換したとしても、(置換したイベントを行ったならば)Yのイベントは発生する。
 +
**例:[[知恵の蛇/Ophidian]]でカードを1枚引くことを選んだとき、それを[[発掘]]で置き換えたとしても、知恵の蛇は[[戦闘ダメージ]]を与えない。
  
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[[盾]]
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
 +
 +
{{#cr:614}}
 +
{{#cr:616}}

2022年9月3日 (土) 00:36時点における最新版

置換効果/Replacement Effectとは、あるイベントを他のイベントに置き換える効果を指すルール用語。基本的に継続的効果の一種である。


Thought Reflection / 思考の反射 (4)(青)(青)(青)
エンチャント

あなたがカードを引く場合、代わりにカードを2枚引く。



Diregraf Ghoul / 戦墓のグール (黒)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)

戦墓のグールはタップ状態で戦場に出る。

2/2


Alloy Golem / 合金のゴーレム (6)
アーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)

合金のゴーレムが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
合金のゴーレムは、選ばれた色である。(それは同時にアーティファクトでもある。)

4/4

目次

[編集] 解説

[編集] 定義

「Aする代わりにBする/A instead B」という語を用いる効果は置換効果である。この場合、Aというイベントが発生しようとした時、それがBというイベントに置き換えられて実行される。置換されたAは起こらなかったことになる。「再生」も破壊に対する置換効果である。

「○○は~状態で戦場に出る/○○ enters the battlefield with ~」、「○○が戦場に出るに際し~/As ○○ enters the battlefield ~」、「○○は~として戦場に出る/○○ enters the battlefield as ~」という効果は置換効果である。これらはパーマネントが戦場に出ることには変わりないが、それらの位相特性を変化させた状態で戦場に出したり、戦場に出る以外の処理を同時に行わせたりする。

  • 「タップ状態で戦場に出る」「+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る」「いずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出る」等がある。

飛ばす/Skip」という効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベントステップフェイズターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。

「○○が表向きになるに際し~/As ○○ is turned face up ~」という効果は置換効果である。

継続的効果ではない置換効果も存在しており、自己置換効果がそれに該当する。

[編集] 置換・軽減効果の相互作用

あるイベントに対して適用可能な複数の置換効果や軽減効果があるならば、「その影響を受けるプレイヤーがそのうち一つを選び、それを適用する」という手順を適用可能な置換効果か軽減効果が残っている限り繰り返す。

  • 影響を受けるプレイヤーとは「カードを引く」などのイベントを実際に行うプレイヤー、あるいはイベントの影響を受けるオブジェクトのコントローラーである。コントローラーの存在しないオブジェクトの場合はそのオーナーとなる。
  • 「発生源が何かにダメージを与える」というイベントの場合、適用順を決めるプレイヤーはダメージを受ける側のプレイヤーかそのパーマネントのコントローラーになる。

適用する順序は任意に選択できるが、自己置換効果はそれ以外の置換効果より先に適用しなくてはならない。

イベントが置換された結果、適用される置換・軽減効果が変わったり、影響を受けるプレイヤーが変わる事がある。

置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。

  • ラースの灼熱洞/Furnace of Rathが戦場に2枚あるとき、発生源が2点のダメージを何かに与えようとする場合、2枚がそれぞれイベントを1回ずつ置換し8点のダメージを与えるイベントとなる。置換効果の無限ループにはならない。

[編集] 戦場に出ることに対する置換効果

戦場に出ることに対する置換効果を含む能力を持つパーマネントが戦場に出る場合、それがそのパーマネント自身に影響を及ぼすのは、その置換効果が自身にのみ影響する場合に限る。いずれにせよそのパーマネントと同時に戦場に出る他のパーマネントに対して影響を及ぼすことは無い。

  • 例:夢の宝珠/Orb of Dreamsの能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体ではアンタップ状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。

戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、そのパーマネントが戦場に出る時点で取るであろう特性を見る。このとき考慮するのは

  1. 戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
  2. そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるもの
  3. すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの(スタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものや、他のオブジェクトからの継続的効果)

である。これは未来の情報を予測するのではなく、パーマネントが実際に戦場に出る前の現在のゲームの状態で取りうる特性を見る。(参考:Magic Judge)。

戦場に出ることに対する置換効果が何らかの選択を必要とする場合、選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。

戦場に出ることに対する置換効果のうち、他のオブジェクトの領域を移動させる効果は、戦場に出ようとしているそのオブジェクト自身や、同時に戦場に出ようとするパーマネントやその他のオブジェクトを戦場に出ないようにすることはできない。

オブジェクトが戦場に出ることを置換する置換効果が複数ある場合、以下の順で選ばなくてはならない。同種のものがある場合は好きな順で適用してよい。

  1. オブジェクトが戦場に出る際のコントローラーを変更する効果(標本集め/Gather Specimensなど)
  2. 何らかのコピーとなる効果(クローン/Clone荒れ野の本質/Essence of the Wildなど)
  3. 第2面をオモテにして戦場に出る効果
  4. その他の効果
  • コピー効果の順番は、イニストラード発売に伴う総合ルール変更の際に指定された。それ以前は他の効果と同様の扱いをされていた。

[編集] 旧ルール

2017年9月のイクサラン発売に伴う総合ルール更新以前は、戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかにおいて、そのパーマネントが戦場に出る時点で取るであろう特性で考慮されるのは

  1. 戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
  2. 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果のうちでスタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したもの
  3. そのパーマネントの常在型能力からの継続的効果

のみ。それ以外の、他の発生源からの常在型能力は考慮しなかった。

[編集] その他

  • 置換しようとしているイベントが発生しなければ、置換効果は適用できない。
    • 例外として、カードを引くことに対する置換効果は、ライブラリーにカードが存在していないため引くことができない場合でも適用できる。
  • 置換効果を適用することによって、イベント発生源が変わることはない。置き換えられたイベントを実行するのは、あくまで元のイベントを実行しようとしていたものである。
  • 「あなたはXしてよい。そうした場合、Yする」という種類の能力の場合、Xを別のイベントに置換したとしても、(置換したイベントを行ったならば)Yのイベントは発生する。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

QR Code.gif