火力

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'''火力'''(''Burn'')は、[[クリーチャー]][[プレイヤー]]に直接[[ダメージ]][[与える]][[呪文]]の俗称である。動詞形で[[焼く]](''Burn'')とも。
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'''火力'''(''Burn'')は、[[ダメージ]]を[[与える]]ことができる[[オブジェクト]](すなわち[[プレイヤー]][[クリーチャー]][[プレインズウォーカー]]か[[バトル]])に直接ダメージを与える[[呪文]]の俗称である。動詞形で[[焼く]](''Burn'')とも。
  
 
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==解説==
 
==解説==
[[色の役割]]としては[[]]が最も得意とされ、各[[カード・セット]]に収録されてきたため多くの種類が存在する。火力という呼び方も赤のイメージからきており、[[火炎/Flare|火炎]]のみならず[[地震/Earthquake|地震]]、[[電撃破/Lightning Blast|電撃]]、[[溶岩の投げ矢/Lava Dart|溶岩]]、[[岩崩れ/Rock Slide|岩石]]、[[音波の炸裂/Sonic Burst|大きい音]]など多彩。
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1つの[[対象]]にダメージを与える[[単体火力]]ばかりでなく、複数の対象を取れるものや、すべての[[パーマネント]]やプレイヤーにダメージを与える[[全体火力]]、決まった点数のダメージを複数の対象に[[割り振る]]ことのできる割り振り火力などでクリーチャーの軍勢を相手取ることもできる。
  
[[除去#確定除去|確定除去]]とは違い[[大型クリーチャー]]への対処は苦手だが、[[小型クリーチャー]]や[[中堅クリーチャー]]を効率よく[[除去]]することに長けており、[[リミテッド]]・[[構築]]ともに重宝される。その[[環境]]にある主要な火力によってしばしば、活躍できるクリーチャーの[[タフネス]]が左右される。
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クリーチャーに対する[[除去]]としての性能は、[[除去#確定除去|確定除去]]とは違い[[大型クリーチャー]]への対処は苦手としている一方、[[小型クリーチャー]]や[[中堅クリーチャー]]を[[コスト・パフォーマンス|効率]]よく[[除去]]することに長けており、[[リミテッド]]・[[構築]]ともに重宝される。その[[環境]]にある主要な火力によってしばしば、活躍できるクリーチャーの[[タフネス]]が左右される。
  
[[単体火力]]ばかりでなく[[全体火力]]や、複数の[[対象]]を取れるもの、ダメージを[[割り振る]]ものなどでクリーチャーの軍勢を相手取ることもできる。
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[[対戦相手]]に撃って[[ライフ]]を直接減らせるものが多いことも特徴で、膠着状態から最後のライフ数点を削りきるのにも役立つ。たとえ相手が[[ノンクリーチャー]]であろうとも対象には事欠かない。こういった[[本体火力]]でライフを直接削る[[デッキ]]を[[バーン]]と呼ぶ。また[[コンボデッキ]]の中には、[[X火力]]や[[ぶどう弾/Grapeshot]]などを[[フィニッシャー]]とするものも。
  
[[プレイヤー]]を焼けるものが多いことも特徴で、膠着状態から最後の[[ライフ]]数点を削りきるのにも役立つ。たとえ相手が[[ノンクリーチャー]]であろうとも[[対象]]には事欠かない。こういった[[本体火力]]を大量投入した[[デッキ]]を[[バーン]]と呼ぶ。また[[コンボデッキ]]の中には、[[X火力]]や[[ぶどう弾/Grapeshot]]などを[[フィニッシャー]]とするものも。
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基本的には[[インスタント]][[ソーサリー]]のことを火力と呼ぶが、[[起動型能力]][[誘発型能力]]でダメージを与えることができる[[パーマネント]]を「火力(を)[[内蔵]](している)」などとも言う。また火力ではないが、まるで火力のように使える使い捨ての[[速攻]]クリーチャーを[[歩く火力]]と呼ぶ。
  
[[2007年]]から登場した[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)]]を焼くことも可能。
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[[色の役割]]としては[[赤]]が最も得意な分野であり、黎明期から現在まで赤の代名詞ともなっている。次点(というには赤が圧倒的だが)は[[黒]]で、[[回復]]を伴い[[ドレイン]]になっていることも多い。[[白]]は[[戦闘]]に参加しているクリーチャー限定([[レンジストライク]])か、自軍のクリーチャー数を参照するタイプのものに限られる。[[青]]は黎明期のもの([[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]、[[心霊破/Psionic Blast]]など)が少数あるのみで、色の役割が整理されてからは全くと言っていいほど作られていない。[[緑]][[格闘]]や[[噛みつき]]として自軍のクリーチャーを[[発生源]]として他のクリーチャーにダメージを与える呪文が多いが、[[飛行]]クリーチャーに対しては直接ダメージを与える呪文もある。
 
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火力の半分以上は[[赤]]である。次点が[[黒]]で、[[回復]]を伴い[[ドレイン]]になっていることも多い。[[白]]は[[戦闘]]に参加しているクリーチャー限定([[レンジストライク]])で、特に[[攻撃クリーチャー]]用が多い。[[青]]は黎明期のもの([[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]、[[心霊破/Psionic Blast]]など)が少数あるのみで、色の役割が整理されてからは全くと言っていいほど作られていない。[[緑]]のものはほとんどが[[飛行]]対策カードであるほか、かつては[[スズメバチの一刺し/Hornet Sting]]のような弱い火力もごく少数存在したが[[Mark Rosewater]]によって強く問題視されている。主に緑で火力の代わりに使えるものとして[[格闘]]が登場した。
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基本的には[[インスタント]]や[[ソーサリー]]のことを火力と呼ぶが、[[起動型能力]][[誘発型能力]]でダメージを与えることができる[[パーマネント]]を「火力(を)内蔵(している)」などとも言う。また火力ではないが、まるで火力のように使える[[速攻]]クリーチャーを[[歩く火力]]と呼ぶ。
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[[マジック・オリジン]]をデザインする際に[[WotC]]が火力呪文によって盤面に関係なくライフを削られて敗北する事を避けるという理由で必要以上のデフレを強いられ、以降[[霊気紛争]]までの間、[[スタンダード]]において実用に足る火力呪文が乏しい時代が存在していた。同時に[[除去]]呪文や[[カウンター]]呪文にも同様の処置が行われた結果アーキタイプの3すくみが崩壊し、数年にわたって環境の固定化を引き起こしたと同時に[[カラデシュ]]参入後のコンボデッキの横行をも幇助してしまう。特に声明はないが、[[霊気紛争]]以降はクリーチャーに対しての火力呪文のみではあるが復権を果たしている。
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*火力という呼び方も赤のイメージからきている。もっとも、実際のフレーバーは[[火炎/Flare|火炎]]のみならず[[地震/Earthquake|地震]]、[[電撃破/Lightning Blast|電撃]]、[[溶岩の投げ矢/Lava Dart|溶岩]]、[[岩崩れ/Rock Slide|岩石]]、[[音波の炸裂/Sonic Burst|大きい音]]など多彩。
 
*2[[マナ]]3点火力が同時期に複数あることは構築での影響が大きいと判断される。もっとも実際に複数登場した時期もあり、環境によりけりということであろう<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/feel-burn-2005-06-03 Feel the Burn]/[http://web.archive.org/web/20090704024346/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/product/20050612/index.html 燃える思い第2条:重複に注意(Web Archive)](Latest Developments 2005年6月3日)</ref>。
 
*2[[マナ]]3点火力が同時期に複数あることは構築での影響が大きいと判断される。もっとも実際に複数登場した時期もあり、環境によりけりということであろう<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/feel-burn-2005-06-03 Feel the Burn]/[http://web.archive.org/web/20090704024346/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/product/20050612/index.html 燃える思い第2条:重複に注意(Web Archive)](Latest Developments 2005年6月3日)</ref>。
 
*類似の意味で、4点以上の火力が環境に与える影響も比較的大きいと言えるだろう。普通ならば中堅以上として十分以上に強力なはずのクリーチャーが容易に除去されうるために活躍できない、という歴史がしばしば発生してきた。[[ミラディン・ブロック]]での[[爆片破/Shrapnel Blast]]や(厳密には火力ではないが)[[インベイジョン・ブロック]]での[[火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu]]などが有名。
 
*類似の意味で、4点以上の火力が環境に与える影響も比較的大きいと言えるだろう。普通ならば中堅以上として十分以上に強力なはずのクリーチャーが容易に除去されうるために活躍できない、という歴史がしばしば発生してきた。[[ミラディン・ブロック]]での[[爆片破/Shrapnel Blast]]や(厳密には火力ではないが)[[インベイジョン・ブロック]]での[[火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu]]などが有名。
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*[[プレインズウォーカー]]への直接ダメージは、[[ドミナリア]]で[[総合ルール]]が変更するまでややこしい手順を踏んでいた。(→[[プレインズウォーカー#プレインズウォーカーへのダメージの移し替え(廃止)]])
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*[[イニストラードを覆う影]]発売から[[霊気紛争]]までは、火力不遇の時代と云われていた。[[任意の対象]]に撃てる[[軽量]]火力がソーサリーである[[焼夷流/Incendiary Flow]]か癖が強い[[癇しゃく/Fiery Temper]]ぐらいしかなく、相手のクリーチャーを即座に焼いて[[テンポ・アドバンテージ]]を得たり、プレインズウォーカーへ対処することが難しくなったことに加え、[[環境]]の[[トップメタ]]がテンポの獲得を得意とした[[バント・カンパニー#タルキール龍紀伝+マジック・オリジン+戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック期|バント・カンパニー]]やクリーチャーとプレインズウォーカーの2面攻撃を仕掛けてくる[[マルドゥ機体#戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック期|マルドゥ機体]]、インスタント・タイミングでのタフネス4かプレインズウォーカーへの対処必須な[[サヒーリコンボ#スタンダード|サヒーリコンボ]]などであったことが原因。
  
 
===代表的な火力===
 
===代表的な火力===
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*[[火葬/Incinerate]] - 2マナ3点火力。
 
*[[火葬/Incinerate]] - 2マナ3点火力。
 
*[[炎の斬りつけ/Flame Slash]] - 対象がクリーチャー限定の4点火力。
 
*[[炎の斬りつけ/Flame Slash]] - 対象がクリーチャー限定の4点火力。
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*[[溶岩の斧/Lava Axe]] - クリーチャーを対象にできない[[本体火力]]。
 
*[[猛火/Blaze]] - [[X火力]]。
 
*[[猛火/Blaze]] - [[X火力]]。
 
*[[山伏の炎/Yamabushi's Flame]] - ダメージを与えたクリーチャーの[[死亡]]を[[追放]]に[[置換]]する火力。
 
*[[山伏の炎/Yamabushi's Flame]] - ダメージを与えたクリーチャーの[[死亡]]を[[追放]]に[[置換]]する火力。
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*[[ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan]] - 何回も繰り返し使い回せる火力。
 
*[[発火/Pyrotechnics]] - 固定[[ダメージ]]を複数の[[対象]]に[[割り振る]]火力。
 
*[[発火/Pyrotechnics]] - 固定[[ダメージ]]を複数の[[対象]]に[[割り振る]]火力。
 
*[[ギザギザ稲妻/Jagged Lightning]] - 2つの対象を取る火力。
 
*[[ギザギザ稲妻/Jagged Lightning]] - 2つの対象を取る火力。
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*[[音波の炸裂/Sonic Burst]] - 追加コストとして[[手札]]を[[捨てる]]単体火力。
 
*[[音波の炸裂/Sonic Burst]] - 追加コストとして[[手札]]を[[捨てる]]単体火力。
 
*[[突然の衝撃/Sudden Impact]] - プレイヤー1人にその[[手札]]枚数分のダメージを与える火力。
 
*[[突然の衝撃/Sudden Impact]] - プレイヤー1人にその[[手札]]枚数分のダメージを与える火力。
 
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*[[Eternal Flame]] - あなたのコントロールする[[土地]]の数分のダメージを与える火力。
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*[[暴徒の正義/Mob Justice]] - あなたのコントロールするクリーチャー数分のダメージを与える火力。
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*[[うつろう爆発/Erratic Explosion]] - あなたの[[ライブラリー]]の上から[[公開]]したカードのマナ・コスト分のダメージを与える火力。
 
==脚注==
 
==脚注==
 
<references />
 
<references />
  
== 参考 ==
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==参考==
 
*[[X火力]]
 
*[[X火力]]
 
*[[本体火力]]
 
*[[本体火力]]

2024年1月24日 (水) 17:58時点における最新版

火力(Burn)は、ダメージ与えることができるオブジェクト(すなわちプレイヤークリーチャープレインズウォーカーバトル)に直接ダメージを与える呪文の俗称である。動詞形で焼く(Burn)とも。


Shock / ショック (赤)
インスタント

1つを対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。



Inferno / インフェルノ (5)(赤)(赤)
インスタント

インフェルノは、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ6点のダメージを与える。


目次

[編集] 解説

1つの対象にダメージを与える単体火力ばかりでなく、複数の対象を取れるものや、すべてのパーマネントやプレイヤーにダメージを与える全体火力、決まった点数のダメージを複数の対象に割り振ることのできる割り振り火力などでクリーチャーの軍勢を相手取ることもできる。

クリーチャーに対する除去としての性能は、確定除去とは違い大型クリーチャーへの対処は苦手としている一方、小型クリーチャー中堅クリーチャー効率よく除去することに長けており、リミテッド構築ともに重宝される。その環境にある主要な火力によってしばしば、活躍できるクリーチャーのタフネスが左右される。

対戦相手に撃ってライフを直接減らせるものが多いことも特徴で、膠着状態から最後のライフ数点を削りきるのにも役立つ。たとえ相手がノンクリーチャーであろうとも対象には事欠かない。こういった本体火力でライフを直接削るデッキバーンと呼ぶ。またコンボデッキの中には、X火力ぶどう弾/Grapeshotなどをフィニッシャーとするものも。

基本的にはインスタントソーサリーのことを火力と呼ぶが、起動型能力誘発型能力でダメージを与えることができるパーマネントを「火力(を)内蔵(している)」などとも言う。また火力ではないが、まるで火力のように使える使い捨ての速攻クリーチャーを歩く火力と呼ぶ。

色の役割としてはが最も得意な分野であり、黎明期から現在まで赤の代名詞ともなっている。次点(というには赤が圧倒的だが)はで、回復を伴いドレインになっていることも多い。戦闘に参加しているクリーチャー限定(レンジストライク)か、自軍のクリーチャー数を参照するタイプのものに限られる。は黎明期のもの(放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer心霊破/Psionic Blastなど)が少数あるのみで、色の役割が整理されてからは全くと言っていいほど作られていない。格闘噛みつきとして自軍のクリーチャーを発生源として他のクリーチャーにダメージを与える呪文が多いが、飛行クリーチャーに対しては直接ダメージを与える呪文もある。

[編集] 代表的な火力

マジックには多数の火力が存在するが、その中にはコスト効果が似通ったグループが存在する。このページではそれらのグループの中で基本的なもの、あるいは特に知名度が高いものを挙げる。各グループ亜種の詳しいリストについてはそれぞれのページの関連カードの節を参照。

[編集] 脚注

  1. Feel the Burn/燃える思い第2条:重複に注意(Web Archive)(Latest Developments 2005年6月3日)

[編集] 参考

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