イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc
提供:MTG Wiki
伝説のエンチャント
イトリモクの成長儀式が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカード4枚を見る。「その中からクリーチャー・カード1枚を公開し、あなたの手札に加える。」を選んでもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたが4体以上のクリーチャーをコントロールしている場合、イトリモクの成長儀式を変身させる。
伝説の土地
(《イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc》から変身する。)
(T):(緑)を加える。
(T):あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき(緑)を加える。
伝説の土地に変身する伝説の両面エンチャントサイクルの緑。変身条件は、4体以上のクリーチャーのコントロール。
第1面は、自然との融和/Commune with Nature系統のETB能力(開発部で言うところの濾過)を持つ。変身に必要な頭数の確保に繋がるが、見る枚数や参照するカード・タイプの幅が狭く、効果がマナ・コストに釣り合っていない。自然との融和やニッサの誓い/Oath of Nissa、ガルガンチュアンの贈り物/Gift of the Gargantuanなどと比べれば明白で、これまでの同系統呪文の中でも露骨にコスト・パフォーマンスが低い。このため単体効果目当てで採用する意義が薄く、変身を前提としなければ本領を発揮できない。
第2面は、その名に冠する通りガイアの揺籃の地/Gaea's Cradleのリメイク。自前で緑マナを出せる点が強化されており、全体除去などで機能不全を起こす心配が無くなっている。そして変身段階で既に4マナを出せるとあって、大量のマナ・アドバンテージによる圧倒が可能な、派手好きティミーにうってつけの一枚――と、ここまでは額面上の話。実際の運用には幾つかの欠陥を抱えており、平たく言えば即効性および安定性に問題がある。まず、変身のタイミングが自分の終了ステップであるため、その場でさらなる展開に繋げられず、インスタント・タイミングで緑マナを消費する手段がなければ爆発力の発揮に一拍の遅れを取る。また、3ターン目の空白を考慮すると最短で変身するにはクリーチャー1体あたりに2マナ未満しか費やせず、トークンやウィニー戦略を取らない限り、基本的に設置後3ターン以上を待たねばマナ加速として使えない。対戦相手からの除去を加味すれば尚更不確実で、累計5ターン以上を費やすのなら約束の刻/Hour of Promiseなどの堅実な加速手段を使った方が無難である。そしてクリーチャーに依存する関係上、首尾よく変身を迎えてもリセットによって簡単に機能の低下をもたらしてしまう。変身タイミングの判りやすさもマイナスで、ターンを跨ぐ上記の性質につけ込まれやすい。可能であれば、打ち消し呪文や英雄的介入/Heroic Interventionなどを構えて補いたいところ。
往年の強力な土地のリメイクとあって発表当初は注目を集めたが、過去の類似カードと比較して相場以上のコストを要求される、継続的なアドバンテージの獲得能力も持たない、にもかかわらず土地本体以外への干渉で対処可能な隙の大きさ等々、サイクル中でも例外的な短所を両面で抱えた結果、トーナメントレベルの採用実績が著しく低い代物となってしまった。実質劣化版と言っても語弊はないだろう。
イクサラン登場時のスタンダードでは、頭数を3体も増やしつつこれを踏み倒せるスラムの巧技/Sram's Expertiseと非常に相性がよい。短期間ではあるが、イクサランの相克期の白緑ビートダウンにおいて、新規参入となる翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger及びマーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalkerと共に、スラムの功技とセット採用される構成が少数見られた。発生した大量マナは歩行バリスタ/Walking Ballistaに注ぎ込んで勝負を決める。ローテーション後は、非クリーチャー・カードを殆ど採用しないエルフデッキに稀に採用されるに留まった。
モダンではカードプールの広さもあって条件が少し改善される。変身後の緑マナを即座に使える集合した中隊/Collected Companyや召喚の調べ/Chord of Callingなどは相性がよく、展開力も高いエルフデッキへの試験的な投入が見られた。定着には至っていないが、わずかな数が結果を残している。
イクサラン:失われし洞窟でサイクル中唯一再録された。同時に他の色に登場したレアの土地に変身する両面カードは第1面がすべて伝説のアーティファクトのため座りが悪い。
- イクサランの宝箱キャンペーンにて、第2面のイラストがイクサラン/Ixalanの地図になっている特殊なプレミアム・カードが配布された。そのカードが指し示す場所が光る加工がされている[1]。
- 2022年7月-12月のジャッジ褒賞(カンファレンス主催者・プレゼンター用)として配布された[2][3]。下記の陣営設定を反映してか恐竜が描かれている。
関連カード
サイクル
イクサランの伝説の変身する両面カードサイクル。第1面は伝説のエンチャントで、その能力に関連した条件を満たすことで変身する。第2面は伝説の土地で、対応する色のマナを生み出すマナ能力ともう一つの起動型能力を持つ。いずれもレア。
- 軍団の上陸/Legion's Landing - 一番砦、アダント/Adanto, the First Fort
- アズカンタの探索/Search for Azcanta - 水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin
- アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast - アクロゾズの神殿/Temple of Aclazotz
- ヴァンスの爆破砲/Vance's Blasting Cannons - 火を吐く稜堡/Spitfire Bastion
- イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc - 太陽の揺籃の地、イトリモク/Itlimoc, Cradle of the Sun
イクサランの相克の伝説の変身する両面カードサイクル。第1面は対抗色の伝説のエンチャント。第2面は伝説の土地で、好きな色のマナ1点を生み出すマナ能力に加え、何らかの起動型能力を持つ。いずれもレア。
- 不敬の行進/Profane Procession - 薄暮薔薇の墓所/Tomb of the Dusk Rose
- 宝物庫襲撃/Storm the Vault - カトラカンの宝物庫/Vault of Catlacan
- 永遠への旅/Journey to Eternity - 永遠の洞窟、アザル/Atzal, Cave of Eternity
- 胆力の道/Path of Mettle - 制覇の塔、メッツァーリ/Metzali, Tower of Triumph
- ハダーナの登臨/Hadana's Climb - オラーズカの翼神殿/Winged Temple of Orazca
イクサラン:失われし洞窟の伝説の変身する両面カードサイクル。イトリモクの成長儀式のみ再録。新録カードは第1面は伝説のアーティファクトで、条件を満たすことで変身する。第2面は伝説の土地で、対応する色のマナを生み出すマナ能力と呪文を唱えることに関連する能力を持つ。いずれもレア。
- 千の月の鍛冶場/Thousand Moons Smithy - 千の兵舎/Barracks of the Thousand
- 永遠溢れの井戸/The Everflowing Well - 無限の池/The Myriad Pools
- タリアンの日誌/Tarrian's Journal - アグロゾズの墓所/The Tomb of Aclazotz
- 鉄面提督のトンネル掘削機/Brass's Tunnel-Grinder - 灼熱の裂け目、テクトラン/Tecutlan, The Searing Rift
- イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc - 太陽の揺籃の地、イトリモク/Itlimoc, Cradle of the Sun
ストーリー
聖なる森イトリモク/The sacred forest of Itlimoc、豊穣なる太陽の揺籃の地/Cradle of Suns Abundance。
太陽帝国/The Sun Empireの成立以前、マーフォーク/Merfolkと人間/Humanの司祭が共に肥沃な大地の祝福を祈願していた時代の遺産である(イラスト)[4]。
脚注
- ↑ こちらマジック広報室!!:11月24日(金)はブラックフライデー!? 『イクサラン』の宝箱キャンペーン開始!(MTG日本公式 2017年11月10日 ブルナー実久著)
- ↑ Judge Academy(ジャッジアカデミーのTwitter 2022年6月6日)
- ↑ Judge Academy 2022 Announcements(ジャッジアカデミーのblog 2021年10月4日 Nicolette Apraez著)
- ↑ Planeswalkers guide ixalan-part-1/プレインズウォーカーのための『イクサラン』案内 その1( Magic Story 2017年11月1日 R&D Narrative Team著)
- ↑ Dinosaurs and Vampires and Pirates and Merfolk oh-my part 1/恐竜と吸血鬼と海賊(とマーフォーク) 愛するあなたのため その1( Making Magic 2017年9月25日 Mark Rosewater著)