Delver-Go
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Delver-Goは秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsを中心戦力に据えたクロック・パーミッションデッキの総称。単にDelverとも。イニストラード参入後の様々な環境で活躍する。
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概要
軽いクロックとそれをサポートする呪文で構成される、典型的なクロック・パーミッション。変身することで強力なアタッカーとなる秘密を掘り下げる者を活かすため、デッキのインスタント・ソーサリー比率をスロットの1/3程度にまで高めていること、除去やカウンターだけでなく、思案/Ponderなどのライブラリー操作呪文も積極的に採用していることが大きな特徴である。
クリーチャーは少数精鋭の方針を取る。軽く打撃力のあるものが中心だが、デッキ構成と噛み合った瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageもよく用いられ、デッキにカード・アドバンテージ面での強さを与えている。
イニストラード・ブロック構築
イニストラード・ブロック構築では主に青赤で組まれ、強化オーラを多用する独特の構成を取る。
回避能力を持つクリーチャーを幽体の飛行/Spectral Flightや噛み傷への興奮/Furor of the Bittenでサイズアップし、静かな旅立ち/Silent Departureや硫黄の流弾/Brimstone Volleyで盤面をコントロールしながら、効率良くダメージを刻んでいく。
特に除去耐性と攻撃時最強の回避能力を併せ持つ不可視の忍び寄り/Invisible Stalkerは強化先として優秀。また環境のビートダウンが人間の地上クリーチャーを中心としているため、飛行や流城の貴族/Stromkirk Nobleの回避能力も活かしやすい。闇の隆盛参入後は未練ある魂/Lingering Soulsと無形の美徳/Intangible Virtueの爆発的な流行により攻撃を通すのが難しくなったが、それらは最終的に禁止カードとなった。
スタンダード
スタンダードでは登場以降、Tier1の一角として安定した活躍を見せている。青タッチ白のものがほとんどだが、青黒や青赤、緑青なども存在し、公式でも紹介されている。
マナ漏出/Mana Leakなどのカウンターの存在に加え、白をタッチして聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftやムーアランドの憑依地/Moorland Hauntを採用したことで、全体として除去に強い構成になっている。軽いクリーチャー除去に乏しいこの環境の白青の弱点も、蒸気の絡みつき/Vapor Snagやファイレクシア・マナ呪文でカバーすることが可能。
最初に台頭したのはイリュージョン。このデッキは部族ウィニーとしての性格も強く、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsや瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageの方が追加戦力であるとも言えるが、インスタント・ソーサリーを大量投入してこの2体を活用する青タッチ白の基本構成は、この時点でほぼ完成している。
その後クリーチャー数を絞る代わりに装備品によってクロックを補強するDelver-Bladeが登場、秘密を掘り下げる者のメインアタッカーとしての位置付けが明確になった。特にこのデッキを指してDelverあるいはUW Delverと呼ぶことも多い。
闇の隆盛参入後には、黒を足して未練ある魂/Lingering Soulsなどを用いる白青黒スピリットも誕生した。これもまた部族デッキであるが、Delverの一種であることを強調してDelver-Spiritsと称することもある。
詳細は各項目を参照。
モダン
イニストラード参入直後には目立った活躍はできなかったが、小型クリーチャーへの大きな圧力となる罰する火/Punishing Fireの禁止とビートダウン筆頭のZooの衰退を受け、モダンでも環境に姿を現すようになった。
よく用いられるカウンターはマナ漏出/Mana Leak、呪文嵌め/Spell Snare、謎めいた命令/Cryptic Commandなど。また思案/Ponderと定業/Preordainが禁止されているため、ライブラリー操作手段としては主に血清の幻視/Serum Visionsが使われる。
デッキカラーとクリーチャーや除去の選択は様々で、特に以下のものが多い。
- 青赤緑
- 最初期から存在する、火力とタルモゴイフ/Tarmogoyfを中心としたオーソドックスなタイプ。
- 基本土地・ショックランド・フェッチランドから成る島率の高い土地構成を取るため、ヴィダルケンの枷/Vedalken Shacklesもよく用いられる。
- 赤白青
- ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynxと聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftという高打点アタッカーを稲妻/Lightning Boltや稲妻のらせん/Lightning Helixなどの優良火力でバックアップする、非常にアグレッシブなタイプ。
- テンポを重視した構成で、カウンターもマナ漏出より差し戻し/Remandを優先する傾向にある。
- かつてのビートスティックのように等時の王笏/Isochron Scepterをアドバンテージ源に据えた、Scepter Delverと呼ばれる亜種も存在する。
- 青黒
- 黒のコントロール要素を中心としたタイプ。燻し/Smotherなどの単体除去やコジレックの審問/Inquisition of Kozilekなどの手札破壊が採用される。
- 闇の腹心/Dark Confidantの存在に加え、忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pitと変わり谷/Mutavaultのミシュラランド8枚体制により、とにかく息切れに強い。
- 白青黒
- 闇の隆盛以降成立した、青黒タイプの亜種。青黒の構成をベースに、未練ある魂/Lingering Soulsや流刑への道/Path to Exileを加えた形を取る。
- 未練ある魂や瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageとの相性も良いけちな贈り物/Gifts Ungivenを採用し、堀葬の儀式/Unburial Ritesによるリアニメイトギミックを仕込む場合もある。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリトリノ12 優勝 (参考)
- 使用者:Antonino De Rosa
- フォーマット
- 青赤緑のタイプ。
- Marco Cammilluzziも全く同じリストを用いてTop8に入っている。
レガシー
歴代のパワーカードを使用できるレガシー環境においても秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsはかなり優秀なクリーチャーであり、メタゲームの一角を担っている。
軽さを重視し、インスタント・ソーサリーの比率が約1/2と高く、渦まく知識/Brainstormや思案/Ponderを擁するCanadian Thresholdがすでに存在していたため、これに自然と組み込まれる形で成立。RUG Delver、Delver Thresholdなどの名前で呼ばれることもある。
レガシーのクリーチャーデッキの中でも特にテンポと速度に特化したデッキであり、不毛の大地/Wastelandともみ消し/Stifleの土地破壊によって低マナ域の勝負に持ち込みつつ、優良ウィニーと火力で素早くライフを削り切る。
詳細はCanadian Thresholdを参照。
Pauper
秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsがコモンであることから、Pauperでも有力なデッキタイプの一つ。
Pauper黎明期から存在していた、深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hoursを軸とする青単クロック・パーミッションの亜種である。呪文は対抗呪文/Counterspellを筆頭に優秀なものが揃っている反面、クリーチャーの打撃力不足が同デッキの長年の課題であったが、これが秘密を掘り下げる者の加入によって大きく解消された。
イニストラード参入前後に解禁されたウルザ・ブロックとマスクス・ブロックからそれぞれフリースペルとピッチスペルを獲得し、従来の形よりもさらに軽く、土地の枚数を削った構成となっている。
ライブラリー操作呪文はレガシーと比べても遜色ない充実ぶりだが、フェッチランドのようなシャッフル手段を使えないため、あちらとは対照的に思案/Ponderよりも定業/Preordainの優先度が高い。