多人数戦
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多人数戦/Multiplayer Gameとは、3人以上のプレイヤーによって行われるゲームである。
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解説
総合ルールに制定されている多人数戦の変種ルールには、単純に生き残りが1人になるまで戦う「無差別戦」「大乱闘戦」、複数のプレイヤーでチームを組んで戦う「チーム対抗戦」「皇帝戦」「双頭巨人戦」「交互チーム戦」がある。これらの変種ルールは1つのみ適用できる。公式のルールのほか、統率者戦やアーチエネミー戦などのカジュアル変種ルールや、様々なハウスルールを用いたカジュアルプレイも盛んである。#主な多人数戦ルールも参照。
多人数戦には2人対戦とは色々と異なる性質があるため、「影響範囲制限」「複数への攻撃・左翼への攻撃・右翼への攻撃」「共有チーム・ターン」「クリーチャー配置」といった選択ルールが用意されている。これらの選択ルールはいくつでも選択してもよい(複数・左翼・右翼への攻撃はいずれか1つのみ)。変種ルールによっては、特定の選択ルールの採用が必須となる場合もある。そのほかにも、カジュアルプレイでは「先攻のドローの有無」などが選択ルールとして用いられることもある。
- マジックのカードは昔から多人数戦でも概ね問題なく楽しめるように作られてきたが、公式には長らく多人数戦用のルールは整備されておらず、認定トーナメントなどもなかった。しかし、長い間の議論の末、第9版から正式に総合ルールCR:800に記述されることになった。また、定められた変種ルールのうち双頭巨人戦が2005年10月1日から構築・エターナル・リミテッド(シールドのみ)の各フォーマットで認定され、認定トーナメントが開催されるようになった。
ルール
マリガンに関するルール
- 各プレイヤーは最初のマリガンを、ペナルティ無しで行うことができる(いわゆるフリー・マリガン)。すなわち、マリガン後にカードをライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
- 共有チーム・ターンを用いたゲームではより詳細なルールが存在する。詳細は共有チーム・ターンを参照。
開始プレイヤーの最初のドロー
ゲームから離れたプレイヤーに関するルール
多人数戦では、カードのコントロールが別の人に移動したまま、元々のオーナーだったプレイヤーが敗北するケースがある。この場合、ゲーム中でまだ使われている以上そのカードを取り除く訳にもいかず、途中で脱落したプレイヤーもゲームが完全に終わるまでその場を離れられない(帰れない)といった事態が発生してしまう。これらを解消するため、以下の特殊ルールが適用される。
- プレイヤーがゲームから離れたら、そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトは、アンティ領域にあるものを除いてすべてゲームから離れ、そのプレイヤーにコントロールを与えているコントロール変更効果は終わる。スタックにあるそのプレイヤーがコントロールする、呪文のコピーや能力は消滅し、その後、まだそのプレイヤーがコントロールするオブジェクトがあれば、それらは追放される。この一連の処理は状況起因処理ではなく、そのプレイヤーがゲームから離れてすぐに発生する。
- プレイヤーが優先権を持っている時にゲームから離れた場合、ゲームに残っている、ターン順で次のプレイヤーに優先権が発生する。
- 脅しつけ/Threatenや露骨な窃盗/Blatant Thieveryなどでコントロールが変更されているカードがある場合、それは直前のコントローラーの元へ戻る。
- 霊気奪い/Aethersnatchや厄介なキマイラ/Perplexing Chimeraなどで呪文の内にそのプレイヤーがコントロールを得たパーマネントがある場合、それは呪文をスタックに置いたプレイヤーのコントロールの下に戻る(CR:110.2b)。
- 袖の下/Briberyなど、コントロール変更効果以外で他のプレイヤーのカードをコントロールしていた場合、それは追放される。
- ゲームから離れたプレイヤーにコントロールを移す効果はそれを移さず、トークンを生成する効果はトークンを生成しない。
- ゲームから離れたプレイヤーがオーナーであるオブジェクトは生成されない。
- ゲームから離れたプレイヤーがコントロールする誘発型能力はスタックに置かれない。
- 忘却の輪/Oblivion Ringにより追放されたパーマネントは追放されたままである。(二つ目の誘発型能力はスタックに置かれないため。詳しくは払拭の光/Banishing Lightを参照。)
- ゲームから離れたプレイヤーには戦闘ダメージを与えられない。
- 何らかのオブジェクトがゲームから離れたプレイヤーに選択を求める場合、そのオブジェクトのコントローラーは別のプレイヤーを選んで選択を行わせる。
- 元の選択がそのオブジェクトのコントローラーの対戦相手によるものならば、そのコントローラーは可能なら他の対戦相手を選ぶ。
- 何らかの効果が特定のプレイヤーの情報を求める場合、その効果は、ゲームに残っているプレイヤーなら現在の情報を用いて、そうでなければ、そのプレイヤーがゲームから離れる直前の最後の情報を用いる。
多人数戦向けセット
ウィザーズ社は2009年から毎年、多人数戦向けに開発されたデッキを発売している。通常のデッキ以外に定形外のマジックのカードまたは特殊なカードが封入されていたり、特殊なルールの適用を推奨した製品形態のものもある。さらに2011年に発売された統率者以降は新規カードも封入されるようになった。
- 新規カードは原則的にエターナル(レガシーやヴィンテージ)でのみ使用可能である。エキスパンションや基本セットで再録されない限り、スタンダードやモダン・パイオニアでは使用できない。
- 2010年から2012年までは発売記念パーティとして「多人数戦の夏/Summer of Multiplayer」が開催されていた。
統率者戦用セット
統率者戦用セットを参照。
- プレインチェイス戦用次元カードも収録されている機械兵団の進軍統率者デッキなど、統率者戦以外の多人数戦向けカジュアル変種ルールを兼ねた製品も複数存在している。
その他の多人数戦向けセット
括弧内は封入された定形外カードまたは特殊なカード。
- プレインチェイス(次元) 2009年発売
- アーチエネミー(計略) 2010年発売
- プレインチェイス2012(次元) 2012年発売
- コンスピラシー(策略) 2014年発売
- コンスピラシー:王位争奪 2016年発売
- Archenemy: Nicol Bolas(計略) 2017年発売
- Explorers of Ixalan(マップ・タイル) 2017年発売
- Magic Game Night 2018年発売
- Magic Game Night2019 2019年発売
- ゲームナイト:フリー・フォー・オール 2022年発売
- Ravnica: Cluedo Edition(証拠カード) 2024年発売
主な多人数戦ルール
変種ルール
- 無差別戦(Free-for-All)
- 大乱闘戦(Grand Melee/メレー/Melee)
- チーム対抗戦(Team vs. Team)
- 皇帝戦(Emperor)
- 双頭巨人戦(Two-Headed Giant/2HG)
- 交互チーム戦(Alternating Teams)
カジュアル変種ルール
- 統率者戦(Commander)
- ブロール(Brawl)
- プレインチェイス戦(Planechase)
- ヴァンガード戦(Vanguard)
- アーチエネミー戦(Archenemy)
- 魔界大決戦(Supervillaint Rumble Option)
- コンスピラシー・ドラフト(Conspiracy Draft)
選択ルール
その他
- クロスファイヤー
- レインボウマジック
- 再挑戦マジック
- 2on2(Two-on-Two)
- 2色の星(Two-Color Star)
- グループ・ゲーム・ドラフト
- 大群マジック
- コモン統率者戦
- タイニー・リーダーズ
- 誓い破り
参考
- The Multiplay's The Thing/多人数戦もまた一興 (Internet Archive)(Feature 2010年7月19日 Mark Rosewater著)
- 用語集
- トーナメント用語
引用:総合ルール 20231117.0
- 8 多人数戦ルール
- 800 総則
- 800.1 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行われるゲームのことである。この章では、多人数戦で用いられる選択ルールを取り上げる。
- 800.2 これらのルールは多人数戦一般に選択できる選択ルールと、さまざまな変種ルールからなる。単一のゲームで複数の選択ルールを適用してもよいが、単一のゲームに適用できる変種ルールは1つだけである。
- 800.3 チーム戦のトーナメントでは、デッキ 構築などに関するさまざまな追加ルールがあるが、ここでは言及しない。現行のマジック・イベント規定([[1]])を参照すること。
- 800.4 2人対戦と異なり、多人数戦では1人もしくは複数のプレイヤーがゲームから離れても続けることができる。
- 800.4a プレイヤーがゲームから離れたら、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクト(rule 109 参照)はゲームから離れ、そのプレイヤーにコントロールを得させている効果は終わる。その後、そのプレイヤーがコントロールしていてカードによって表されていないオブジェクトがスタック上にあるなら、それらは消滅する。その後、なおそのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがあるなら、それらは追放される。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームから離れたらすぐに発生する。優先権を持つプレイヤーがゲームから離れる場合、ゲームに残っている、ターン順で次のプレイヤーに優先権が移動する。
- 800.4b あるオブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーにコントロールされることになった場合、そうはならない。トークンが、既にゲームから離れたプレイヤーのコントロール下で生成されることになった場合、そのトークンは生成されない。オブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーのコントロール下で戦場に出たりスタックに積まれたりする場合、そのオブジェクトは元あった領域に残る。プレイヤーが、ゲームから離れたプレイヤーによってコントロールされることになった場合、そうはならない。
- 800.4c ゲームに残っているプレイヤーにあるオブジェクトのコントロールを得させる効果が終わった時点で、そのオブジェクトのコントローラーをゲームに残っている他のプレイヤーに得させる効果が存在しない場合、そのオブジェクトを本来コントロールしていたプレイヤーがすでにゲームから離れていたなら、そのオブジェクトは追放される。これは状況起因処理ではなく、この処理はそのコントロール変更効果が終わった瞬間に発生する。
- 800.4d ゲームから離れたプレイヤーがオーナーであるオブジェクトがいずれかの領域に生成される場合、そのオブジェクトは生成されない。ゲームから離れたプレイヤーがコントロールしている誘発型能力がスタックに積まれる場合、それはスタックに積まれない。
- 800.4e 戦闘ダメージがゲームから離れたプレイヤーに割り振られる場合、そのダメージは割り振られない。
- 800.4f オブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーにコストの支払いやコストを支払うかどうかの選択を求めた場合、そのコストは支払われない。
- 800.4g オブジェクトが、ゲームから離れたプレイヤーにコストを支払うかどうか以外の選択を求める場合、そのオブジェクトのコントローラーは別のプレイヤーを選んで選択を行わせる。元の選択がオブジェクトのコントローラーの対戦相手によって行われていた場合、可能なら、そのプレイヤーは他の対戦相手を選ぶ。
- 800.4h ルールが、ゲームから離れたプレイヤーに選択を求める場合、ターン順でその次のプレイヤーがその選択を行う。
- 800.4i 何らかの効果が特定のプレイヤーの情報を必要とする場合、その効果はそのプレイヤーがゲームに残っている場合は現在の値を用いる。そうでない場合、その効果はそのプレイヤーがゲームから離れる直前の、最後の情報を用いる。効果が、プレイヤーが取った処理についての情報をゲームから必要とする場合、その効果はゲームから離れたプレイヤーの取った処理を参照できる。
- 800.4j プレイヤーが自分のターンの間にゲームから離れる場合、そのターンはアクティブ・プレイヤーがいない状態で継続される。アクティブ・プレイヤーが優先権を得る場合、その代わりに、状況に応じて、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得るか、スタックの一番上のオブジェクトが解決されるか、フェイズやステップが終了する。
- 800.4k ゲームから離れたプレイヤーがターンを始めるなら、そのターンを始めない。
- 800.4m プレイヤーがゲームから離れたとき、次のそのプレイヤーのターン、あるいはそのターン内のいずれかの瞬間まで持続する継続的効果は、そのターンが始まるはずだった瞬間まで残る。即座に終了するわけでもなければ、永続するわけでもない。
- 800.4n プレイヤーがゲームから離れたとき、そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトの内でアンティ 領域にあるものはゲームから離れない。これはrule 800.4aの例外である。rule 407〔アンティ〕参照。
- 800.4p プレインチェイス戦では、次元 コントローラーとされているプレイヤーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなった後で、前の次元 コントローラーがゲームから離れる。rule 311.5 参照。
- 800.5 変種ルールや選択ルールによって定められていない限り、席順は全員が同意できる方法で決定する。例えば、プレイヤーはゲーム開始前に座っていた場所に座ったまま始めてもいいし、サイコロを振って席順を決めてもいいし、その他の方法でも良い。
- 800.6 多人数戦では、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
- 800.7 双頭巨人戦以外の多人数戦において、開始プレイヤーは最初のターンのドロー・ステップを飛ばさない。双頭巨人戦において、先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。rule 103.8 参照。
- 800 総則