状況起因処理
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状況起因処理/State-Based Actionとは、プレイヤーが優先権を得るときに常にチェックされるもので、以下に示すような、特定の条件を満たすたびに自動的に適用される処理のこと。
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解説
プレイヤーが優先権を得る前とクリンナップ・ステップのターン起因処理終了後に、状況起因処理の有無をチェックする。すべての適用すべき処理を単一のイベントとして処理し、その後もう一度チェックを行う。これを状況起因処理が発生しなくなるまで繰り返す。
状況起因処理はスタックに乗らずに直ちに処理される。これは効果ではなく、どのプレイヤーにもコントロールされていない。
アンタップ・ステップ中や、呪文や能力を唱えたり起動したりあるいは解決している最中には、状況起因処理はチェックされない。
- テキストには書かれない用語だが、ダメージによるクリーチャーの破壊からゲームの勝敗まで、様々なイベントがこの処理によって実行される。10を超えるチェック項目、スタックに乗らずに処理される等覚えることが多いため、ルール理解の1つの山となっている。
- ルール文章に「状況起因処理」と明記されているのは銀枠のルールの法律家/Rules Lawyerだけ。
- 以前は状況起因効果/State-Based Effectと呼んでいたが、効果の定義に反することから、基本セット2010のルール改正に伴う総合ルールの更新で現在の名称に変更された。略して「SBE」と表記されたこともある。
- 似て非なる概念として状況誘発がある。そちらは特殊な誘発型能力であり、状況起因処理を増やすのではない。詳細は同項目を参照。
状況起因処理一覧
- ライフが0以下のプレイヤーは、ゲームに敗北する。
- 10個以上の毒カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。これは双頭巨人戦では適用されず、後述の専用ルールを適用する。
- ライブラリーアウト - 前回の状況起因処理のチェック以降に、カードが1枚も存在しないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
- 『双頭巨人戦変種ルール』:チームのライフが0以下である場合、そのチームはゲームに敗北する。
- 『双頭巨人戦変種ルール』:15個以上の毒カウンターを持つチームは、ゲームに敗北する。
- 『統率者戦変種ルール』:ゲーム中を通して単一の統率者から合計21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーはゲームに敗北する。(→統率者ダメージ)
- 忠誠度が0であるプレインズウォーカーはオーナーの墓地に置かれる。(再生不可)
- タフネスが0以下であるクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。(再生不可)
- タフネス以上のダメージ(致死ダメージ)を負った、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される。(再生可能)
- 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを受けた、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される。(再生可能)
- 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
- 不正なオブジェクトやプレイヤーについているオーラや、何にもつけられていないオーラは、オーナーの墓地に置かれる。
- 不正なパーマネントについている装備品や城砦は、そのパーマネントからはずれ戦場に残る。
- クリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントが、オブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて戦場に残る。
カウンターを取り除く
- 単一のパーマネントに+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。
- 「N個を超えてある種のカウンターを持つことはできない」という能力を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。
- レジェンド・ルール - プレイヤーが特殊タイプ「伝説の」を持つ同名のパーマネントを複数コントロールしている場合、そのプレイヤーはその中から1つを選び、残りはオーナーの墓地に置かれる(同名の2つのパーマネントのうち、片方だけが伝説のパーマネントである場合には適用されない)。
- ワールド・ルール - 特殊タイプ「ワールド」を持つパーマネントが複数戦場にある場合、ワールドを持って戦場にいた期間がもっとも短いもの以外すべてがオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。
その他
- 『統率者戦変種ルール』:統率者が墓地か追放領域にあり、最後に状況起因処理をチェックした以降にそのカードがその領域に置かれたのなら、そのオーナーは統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。
- 『アーチエネミー戦変種ルール』:持続でない計略カードが統率領域で表向きになっており、それが誘発してからスタックを離れるまでの誘発型能力の発生源でない場合、その計略カードは裏向きになり、そのオーナーの計略デッキの一番下に置かれる。
- 『プレインチェイス戦変種ルール』:統率領域で現象カードが表向きであり、それが誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次元コントローラーはプレインズウォークする。
トーナメントのルールによるもの
シングル・エリミネーション・ラウンド中に制限時間切れとなった時、「いずれかのプレイヤーが最大のライフ総量を持っていない場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する」という状況起因処理を追加してゲームを続行する。この処理は総合ルールの範囲外であるため、これによる敗北を白金の天使/Platinum Angelなどの敗北を禁止する効果で防ぐことはできない。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 704 状況起因処理
- 704.1 状況起因処理は、特定の条件(以下に列記)を満たしたときに自動的に発生するゲームの処理である。状況起因処理はスタックを用いない。
- 704.2 状況起因処理はゲームの間にチェックされ、どのプレイヤーにもコントロールされていない。
- 704.3 プレイヤーが優先権を得るたび(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)、ゲームは状況起因処理の発生する条件のどれかが満たされていないかを確認し、該当するものがあればそのすべての状況起因処理を同時に、単一のイベントとして処理する。チェックの結果として状況起因処理が発生した場合、処理後に再びチェックが繰り返される。そうでなければスタックに積まれるのを待っている誘発型能力がスタックに積まれ、再びチェックが行われる。状況起因処理が発生しなくなり、スタックに積まれるのを待っている誘発型能力もなくなっていれば、該当するプレイヤーは優先権を得る。この手順はクリンナップ・ステップにも行われる(rule 514 参照)が、もし状況起因処理も誘発型能力も発生しなければ、プレイヤーは優先権を得ないでステップが終了するという点が特殊である。
- 704.4 誘発型能力と違い、状況起因処理は呪文や能力の解決中に何が起こっているかは確認しない。
- 704.5 状況起因処理には、以下のものがある。
- 704.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。
- 704.5b 前回の状況起因処理のチェック以降に、カードが1枚も存在しないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
- 704.5c 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。このルールは双頭巨人戦では適用せず、代わりに rule 704.6b を適用する。
- 704.5d トークンが、戦場以外の領域にある場合、存在しなくなる。
- 704.5e 呪文のコピーがスタック以外の領域にある場合、それは消滅する。カードのコピーがスタックと戦場のいずれでもない領域にある場合、それは消滅する。
- 704.5f タフネスが0以下のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。
- 704.5g タフネスが0よりも大きく、ダメージを負っていて、それが負っているダメージの合計がそのタフネス以上であるクリーチャーは致死ダメージを受けていると言い、破壊される。再生はこのイベントを置換することができる。
- 704.5h 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを受けた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは破壊される。再生はこのイベントを置換することができる。
- 704.5i 忠誠度が0であるプレインズウォーカーは、オーナーの墓地に置かれる。
- 704.5j 同名の2つ以上の「伝説の/Legendary」パーマネントが同一のプレイヤーにコントロールされている場合、そのプレイヤーはその中から1個を選び、それ以外をすべてオーナーの墓地に置く。これを「レジェンド・ルール」と言う。
- 704.5k 複数のパーマネントが「ワールド/World」という特殊タイプを持っている場合、その中でもっとも短い期間ワールドの特殊タイプを持っているものを除き、すべてオーナーの墓地に置かれる。もっとも短いものが複数ある場合、その全てがオーナーの墓地に置かれる。これを「ワールド・ルール」と言う。
- 704.5m 不正なオブジェクトあるいは不正なプレイヤーについているオーラや、何にもついていないオーラはオーナーの墓地に置かれる。
- 704.5n 不正なパーマネントやプレイヤーについている装備品や城砦はそのパーマネントやプレイヤーからはずれ、戦場に残る。
- 704.5p バトルやクリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもなくバトルやクリーチャーやでもないパーマネントがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。
- 704.5q 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)
- 704.5r N個を超えてある種のカウンターを持つことはできないという能力を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。
- 704.5s 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる。rule 714〔英雄譚・カード〕参照。
- 704.5t プレイヤーの探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋にあり、そのダンジョン・カードが誘発してスタックから離れていない部屋 能力の発生源でないなら、そのダンジョン・カードのオーナーはそれをゲームから取り除く。rule 309〔ダンジョン〕参照。
- 704.5u 宇宙を刻む者を持つパーマネントと、セクター記号を持たないクリーチャーが戦場にあるなら、それらのクリーチャー1体以上をコントロールしていて宇宙を刻む者を持つパーマネントをコントロールしていない各プレイヤーは、自分がコントロールしているそれらの各クリーチャーにつきそれぞれ、セクター記号1つを選ぶ。その後、それらのクリーチャー1体以上をコントロールしているそれ以外の各プレイヤーは、自分がコントロールしているそれらの各クリーチャーにつきそれぞれ、セクター記号1つを選ぶ。rule 702.158〔宇宙を刻む者〕参照。
- 704.5v バトルが、守備値が0であり、誘発してスタックを離れていない能力の発生源でないなら、それはオーナーの墓地に置かれる。
- 704.5w 守る者として指定されたプレイヤーがゲーム内におらず、そのバトルを攻撃している攻撃クリーチャーもいないなら、そのバトルのコントローラーは、それのバトル・タイプに基づき、適正なプレイヤー1人を守る者として選ぶ。これにより選ぶことができるプレイヤーがいないなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。rule 310〔バトル〕参照。
- 704.5x 包囲戦のコントローラーがそれの守る者でもある場合、そのプレイヤーは守る者として対戦相手1人を選ぶ。これにより選ぶことができるプレイヤーがいないなら、そのバトルはオーナーの墓地に置かれる。rule 310〔バトル〕参照。
- 704.5y パーマネント1つに同一のプレイヤーがコントロールしている複数の役割がついている場合、最も新しいタイムスタンプを持つ1つ以外のそれらの役割はオーナーの墓地に置かれる。
- 704.7 複数の状況起因処理が同時に同じ結果をもたらす場合、単一の置換効果によってその全てが置換される。
- 704.8 状況起因処理の結果として、他の状況起因処理が行われるのと同時にパーマネントが戦場を離れた場合、そのパーマネントの最後の情報は、それらの状況起因処理を行う前の情報を用いる。
- 704 状況起因処理