プレインズウォーカー/Planeswalker

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(「プレイヤーとしてのプレインズウォーカー」項を新設)
 
(13人の利用者による、間の36版が非表示)
1行: 1行:
 
{{Otheruses|ストーリー用語|その他|プレインズウォーカー}}
 
{{Otheruses|ストーリー用語|その他|プレインズウォーカー}}
  
'''プレインズウォーカー'''/''Planeswalker''は、[[多元宇宙/Multiverse]]において、[[次元/Plane]]の外に広がる[[久遠の闇/Blind Eternities]]を通り抜け、別の次元へと渡り歩く力(プレインズウォーク能力<ref>プレインチェイスでの次元カードとプレインズウォーク能力はこれを端的に表したものである。まさに次元をダイス1つのきまぐれさで渡り歩けるのがプレインズウォーカーである証明なのである。</ref>)を持っている存在のこと。読んで字の如く、「次元を渡り歩く者」の意である。
+
'''プレインズウォーカー'''/''Planeswalker''は、[[多元宇宙/Multiverse]]において、[[次元/Plane]]の外に広がる[[久遠の闇/Blind Eternities]]を通り抜け、別の次元へと渡り歩く力(プレインズウォーク能力<ref group="注釈">[[プレインチェイス戦]]での[[次元]]カードと[[プレインズウォーク能力]]はこれを[[ゲーム]]上で表したものである。まさに[[次元/Plane]]を[[次元ダイス]]1つのきまぐれさで渡り歩けるのがプレインズウォーカーである証明なのである。</ref>)を持っている存在のこと。読んで字の如く、「次元を渡り歩く者」の意である。
  
 
ほとんどの人々は、この多元宇宙には自分たちが住んでいるのとは別の次元があり、そこに行く力を持つ者がいるなどということは、まったく知らないか、おとぎ話だと思っている。それが事実だと知っているのは、それを自分の体で体験したプレインズウォーカーと、その直接の知り合いだけに限られている。
 
ほとんどの人々は、この多元宇宙には自分たちが住んでいるのとは別の次元があり、そこに行く力を持つ者がいるなどということは、まったく知らないか、おとぎ話だと思っている。それが事実だと知っているのは、それを自分の体で体験したプレインズウォーカーと、その直接の知り合いだけに限られている。
 
*[[アラーラ/Alara]]は5つの[[断片/Shard]]に分かれているが、その分かたれた断片がなぜ分かたれたかなどは認識しておらず、したがってこの説明とは矛盾しないと言われている。
 
*[[アラーラ/Alara]]は5つの[[断片/Shard]]に分かれているが、その分かたれた断片がなぜ分かたれたかなどは認識しておらず、したがってこの説明とは矛盾しないと言われている。
  
==プレイヤーとしてのプレインズウォーカー==
+
==背景ストーリー上のプレインズウォーカーたち==
[[マジック:ザ・ギャザリング]]をプレイしている[[あなた]](もしくは他のプレイヤー)は、プレインズウォーカーである。
+
あなたはさまざまな次元を旅して、そこの[[土地]]と[[マナ]]の繋がりを得て、[[クリーチャー|生物]]や[[ソーサリー|魔法]]を[[デッキ|呪文書]]の[[カード|1ページ]]に記して、そのページを集めて呪文書を作成する。不要な生物や魔法はまとめて[[ライブラリー|書庫]]に保管しておく。
+
そして、別のプレインズウォーカーと、時には遊戯やちょっとした[[アンティ|賭け事]]として、時には命を賭けた[[デュエル|決闘]]として、呪文書を用いて対決するのである。
+
 
+
マジックが発売されたごく初期ではこういう設定であり、また[[エレメンタル]]や[[動く土地/Animate Land|土地]]といった意思を思惟するのが難しいような存在も使役できる存在である以上、この呪文書を操れるプレイヤーはまさに神の如き存在だった。だが、あなたが他のプレインズウォーカー、すなわち当時は対戦相手を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]することができないのと同様、どんなに偉大な存在であってもプレインズウォーカーそのものがカード化されることはなかったのである。<br/>
+
言い換えれば、プレイヤーは呪文書を持つプレインズウォーカー達を自分の書庫の呪文書の1ページに押し込めることができなかった。彼らが持つ呪文書に記された呪文(バリンの[[抹消/Obliterate]]など)を模倣して、間接的に呪文書に入れることができる<ref>この設定は[[ダンジョンズ%26ドラゴンズ]]におけるスペルの設定に影響されている。D&Dにおいてスペルのうちいくらかは、既存の高位魔術師が開発したものをプレイヤーが習得するようになっていたのである。</ref>のみだったのである。<ref>つまり、「土地からマナを抽出する」という概念を持たないバリンやケルドの将官が足りないマナを文字通り捨て身で補った大魔術を、プレイヤーが模倣し呪文書の1ページに納め土地からマナを抽出して捨て身でなくても使えるようにしたのが「抹消/Obliterateというカードまたは呪文書の1ページ」である。よってプレイヤーが抹消を一度に4回使っても、フレイバーテキストのように別次元のバリンが4回もトレイリアをまきの山にしたりケルド人の宮殿が4回も爆発したりすることはないということになる。</ref><br/>
+
このようなプレインズウォーカー同士の入れ子設定は、[[ラヴニカ・ブロック]]の次に来た[[時のらせんブロック]]にて'''[[大修復/The Mending|大修復]]'''が発生した際に見直されることになる(後述)。
+
 
+
*ごく初期でプレインズウォーカーがカード化されなかったのは、もっと単純に、もしプレインズウォーカーがクリーチャーであり、そういう存在を[[支配魔法/Control Magic|支配できたり]]、[[恐怖/Terror|恐怖で殺したり]]したとき、じゃあその呪文を[[稲妻/Lightning Bolt]]のようにプレイヤーに直接使えないのはなぜなんだという矛盾が生じるのを防ぐためでもある。後にクリーチャー化したプレインズウォーカー(後述)やそれとは別に[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|カード化されたプレインズウォーカー]]はそういう矛盾、つまりなぜプレイヤーには使えないんだという矛盾に触れないよう、ルール面・設定面でしっかり保護されている。
+
*余談だが、この大修復以後に[[精神隷属器/Mindslaver]]が実装されたことにより、'''ただの機械が神の如きプレインズウォーカー(プレイヤー)を操作できる'''という上述の設定上の不文律(あるいは第四の壁)が破られたことになり、さらに[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]によって'''プレイヤーですらないプレインズウォーカーがプレイヤーをコントロールできる'''という不文律をさらに破る出来事が発生し、とどめに[[約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End]]によってプレイヤーはもはや高位[[エルドラージ/Eldrazi]]にすら左右されるようになった(ついでに[[空虚への扉/Door to Nothingness]]や[[カウント男爵/Baron Von Count]]によって、プレイヤーを恐怖の対象に取ったかのように破壊/追放することも可能になった)。よって上述の矛盾は操作についてすら形骸化していると言っていいだろう。
+
**ただし、最低60ページ以上の呪文書を作り出すことができ、他の様々な次元から特色ある土地を切り出して色マナを抽出し、そこからエルドラージや伝説の存在などを召喚することができ、[[英雄の破滅/Hero's Downfall]]の対象に取れないでいるのは、現代に続くプレイヤーたちだけの特権である。
+
 
+
==背景ストーリー上の(プレイヤーでない)プレインズウォーカーたち==
+
 
マジックの物語には多種多様な魔法使いたちが登場するが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ存在である。
 
マジックの物語には多種多様な魔法使いたちが登場するが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ存在である。
  
 
いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。逆に、素質があれば魔法使いでなくともプレインズウォーカーとして覚醒することもままある。その素質は「[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark|'''灯/Spark''']]」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなる(→[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]参照)。
 
いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。逆に、素質があれば魔法使いでなくともプレインズウォーカーとして覚醒することもままある。その素質は「[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark|'''灯/Spark''']]」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなる(→[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]参照)。
*なお、アンデッドや[[構築物]]のように魂を持っていなかったり、あるいは[[エレメンタル]]や[[天使]]のようにマナの具現化に近い存在は基本的に灯を持つことはない。ただし[[カーン/Karn]]や[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)|ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]のように特殊な覚醒を行った例外も存在する。これらの詳細についても[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]の項を参照。
+
*なお、アンデッドや[[構築物]]のように魂を持っていなかったり、あるいは[[エレメンタル]]や[[天使/Angel]]のようにマナの具現化に近い存在は基本的に灯を持つことはない。ただし[[カーン/Karn]]や[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)|ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]のように特殊な覚醒を行った例外も存在する。これらの詳細についても[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]の項を参照。
  
 
===大修復以前/pre-Mending===
 
===大修復以前/pre-Mending===
かつてのプレインズウォーカーたちは、まさに「神」のような存在であった。強大な魔力は、彼らの肉体を不老不死とし、その姿を自由に変化させ([[多相の戦士|シェイプシフター/Shapeshifter]]としての能力)、世界を創るも滅ぼすも自由にできるほどであった。しかしそれゆえに、あるいは多くの異なる次元を観ることができるがゆえに、その正気の度合いは判断が難しい。その能力を利用して欲望の赴くままに振舞う者([[テイザー/Taysir]]、[[ガイヤドローン・ディーハダ/Geyadrone Dihada]]、[[レシュラック/Leshrac]]など)、肉親の死による絶望から世界の破滅を願う者([[テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat]])、孤独から復讐に駆り立てられる者([[Ravidel|Ravidel(ラヴィデル)]])、永遠の寿命のため狂気に陥りそうになった者([[フレイアリーズ/Freyalise]])、数千年に渡る戦争計画のため様々な非人道的実験を行った者([[ウルザ/Urza]])など、枚挙に暇がない。
+
かつてのプレインズウォーカーたちは、まさに「神」のような存在であった。強大な魔力は、彼らの肉体を不老不死とし、その姿を自由に変化させ([[多相の戦士/Shapeshifter|シェイプシフター/Shapeshifter]]としての能力)、世界を創るも滅ぼすも自由にできるほどであった。しかしそれゆえに、あるいは多くの異なる次元を観ることができるがゆえに、その正気の度合いは判断が難しい。その能力を利用して欲望の赴くままに振舞う者([[テイザー/Taysir]]、[[ジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihada (ストーリー)|ジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihada]]、[[レシュラック/Leshrac]]など)、肉親の死による絶望から世界の破滅を願う者([[テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat]])、孤独から復讐に駆り立てられる者([[Ravidel|Ravidel(ラヴィデル)]])、永遠の寿命のため狂気に陥りそうになった者([[フレイアリーズ/Freyalise]])、数千年に渡る戦争計画のため様々な非人道的実験を行った者([[ウルザ/Urza]])など、枚挙に暇がない。
*この当時、プレインズウォーカー自身は原則的にカード化されることはなかった。これは前述したとおり、プレインズウォーカーとはカードとして表現される側ではなく、それを使役する側の存在だからである。
+
*この当時、プレインズウォーカー自身は原則的にカード化されることはなかった。これは[[#プレイヤーとしてのプレインズウォーカー|後述]]するとおり、プレインズウォーカーとはカードとして表現される側ではなく、それを使役する側の存在だったからである。
 
**[[ウルザの激怒/Urza's Rage]]や[[テフェリーの反応/Teferi's Response]]、[[プレインズウォーカーの笑い/Planeswalker's Mirth|プレインズウォーカーのエンチャント・サイクル]]など、彼らの用いる魔法などによって間接的に表現されることはあった。
 
**[[ウルザの激怒/Urza's Rage]]や[[テフェリーの反応/Teferi's Response]]、[[プレインズウォーカーの笑い/Planeswalker's Mirth|プレインズウォーカーのエンチャント・サイクル]]など、彼らの用いる魔法などによって間接的に表現されることはあった。
 
**それでも人気のあるキャラクターが多く、カード化の要望が多かったため、[[定形外のマジックのカード|定形外]]の[[ヴァンガード]]という形でカード化されている。
 
**それでも人気のあるキャラクターが多く、カード化の要望が多かったため、[[定形外のマジックのカード|定形外]]の[[ヴァンガード]]という形でカード化されている。
 
**また設定を工夫し、プレインズウォーカーではない状態(覚醒する前の姿か、なんらかの理由で「灯」を失った姿)で[[伝説のクリーチャー]]としてカード化されることはあった。背景ストーリーが色濃い[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]や[[時のらせんブロック]]で散見される例である([[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]、[[ダッコン/Dakkon]]、[[ヤヤ・バラード/Jaya Ballard (ストーリー)|ヤヤ・バラード/Jaya Ballard]]、[[テフェリー/Teferi]]など)。また極めて特殊であるが、「変装した姿」がカード化された例も([[無明の予見者/Blind Seer]])。
 
**また設定を工夫し、プレインズウォーカーではない状態(覚醒する前の姿か、なんらかの理由で「灯」を失った姿)で[[伝説のクリーチャー]]としてカード化されることはあった。背景ストーリーが色濃い[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]や[[時のらせんブロック]]で散見される例である([[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]、[[ダッコン/Dakkon]]、[[ヤヤ・バラード/Jaya Ballard (ストーリー)|ヤヤ・バラード/Jaya Ballard]]、[[テフェリー/Teferi]]など)。また極めて特殊であるが、「変装した姿」がカード化された例も([[無明の予見者/Blind Seer]])。
**[[統率者2014]]以降、大修復以後のプレインズウォーカー(後述)と同様に[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー・カード]]としてカード化されるようになった。これはデザイン方針の変更によるものであり、「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、[[コントローラー|助けを求めた魔術師]]を助けようという意志の分だけの力を描いたもの」と定義し直されたことによる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/fate-ful-stories-part-2-2015-01-19 Fate-ful Stories, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0012009/ 運命的な話 その2]([[Making Magic]] [[2015年]]1月19日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
+
**[[統率者2014]]以降、大修復以後のプレインズウォーカー(後述)と同様に[[プレインズウォーカー|プレインズウォーカー・カード]]としてカード化されるようになった。これはデザイン方針の変更によるものであり、「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、[[コントローラー|助けを求めた魔術師]]を助けようという意志の分だけの力を描いたもの」と定義し直されたことによる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/fate-ful-stories-part-2-2015-01-19 Fate-ful Stories, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0012009/ 運命的な話 その2]([[Making Magic]] [[2015年]]1月19日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 +
*あくまで[[Mark Rosewater]]個人の見解だが、大修復以前のプレインズウォーカーはシェイプシフターとしての能力を持つために[[ファイレクシアの油/Phyrexian oil]]への耐性が高く、ほぼ[[完成化]]されないとされる<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/674585507821404160/will-there-be-an-explanation-about-how-phyrexians Will there be an explanation about how Phyrexians]([[Blogatog]] [[2022年]]1月27日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref>。
  
 
===大修復以後/post-Mending===
 
===大修復以後/post-Mending===
37行: 25行:
 
*このストーリーを受け、次の[[ローウィン・ブロック]]では初めて現役プレインズウォーカーがカード化している。また、それらのカードはルール上でもクリーチャーと扱いが異なっており、どちらかと言えば「プレイヤーと共に戦う」という存在になっている。→[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)]]
 
*このストーリーを受け、次の[[ローウィン・ブロック]]では初めて現役プレインズウォーカーがカード化している。また、それらのカードはルール上でもクリーチャーと扱いが異なっており、どちらかと言えば「プレイヤーと共に戦う」という存在になっている。→[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)]]
 
*[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]のように、かつての神のごとき力を取り戻そうと暗躍している者もいる。
 
*[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]のように、かつての神のごとき力を取り戻そうと暗躍している者もいる。
*大修復以降は[[ポータル/Portal]][[ウェザーライト/Weatherlight (ストーリー)|ウェザーライト/Weatherlight]]などプレインズウォーカーが関わらない生物の次元間移動が軒並み不可能になっており、次元間移動はプレインズウォーカーの特権になっている。またプレインズウォーカーであっても他の生物を次元間移動させることは困難であり、可能であったとしてもそれには強い制約を伴う。
+
*大修復以降、全ての[[ポータル/Portal]]は機能を停止し、新たにポータルを開くことも不可能となった。またプレインズウォーカーであっても他の生物を次元間移動させることは困難であり、可能であったとしてもそれには強い制約を伴う<ref group="注釈">[[忠実な相棒、モーウー/Mowu, Loyal Companion#ストーリー|モーウー/Mowu]]を石化させることで次元間移動させている[[ジアン・ヤングー/Jiang Yanggu]]、[[オルゾフ組/The Orzhov Syndicate]]製のアーティファクトを介し[[ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet]]の魂のみを[[ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm]]へ送り届けた[[サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol (ストーリー)|サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol]]、[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]を失った[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas (ストーリー)|ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]を自身の翼で包み込むことで瞑想領土へと連れて行った[[ウギン/Ugin]]など。</ref>。このため、次元間移動は(次元丸ごとの移動を除き)プレインズウォーカーの特権となった。物体に関しても、プレインズウォーカーが直に持ち運ぶ以外に次元間移動させるすべはなくなり、[[ウェザーライト/Weatherlight (ストーリー)|ウェザーライト/Weatherlight]]のような巨大な物体の次元間移動は事実上不可能となっている<ref group="注釈">逆に言えば、プレインズウォーカーの体格や体力次第では巨大な物体を運ぶことも可能ということである。事実、[[War of the Spark: Ravnica]]において[[カーン/Karn]]は巨大な[[ハゾレト/Hazoret]]の槍を[[アモンケット/Amonkhet]]から[[ラヴニカ/Ravnica]]へと運搬している。</ref>。唯一の例外であった[[次元橋/Planar Bridge#ストーリー|次元橋/Planar Bridge]]も[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]]ならびに[[カーン/Karn]]により破壊され、製作者である[[ラシュミ/Rashmi]]も[[サヒーリ・ライ/Saheeli Rai (ストーリー)|サヒーリ・ライ/Saheeli Rai]]の説得により以降の開発研究・製造を放棄している。
 
**これらはプレインズウォーカーの独自性を損なわないようにするための設定である<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/constraints-and-defaults-2019-07-15 Constraints and Defaults]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032706/ 強制と標準]([[Making Magic]] [[2019年]]7月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 
**これらはプレインズウォーカーの独自性を損なわないようにするための設定である<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/constraints-and-defaults-2019-07-15 Constraints and Defaults]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032706/ 強制と標準]([[Making Magic]] [[2019年]]7月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 +
 +
===新ファイレクシアとの決戦以後===
 +
[[ファイレクシア:完全なる統一]]にて[[ゴーゴスの酒杯/Golgothian Sylex#金線の酒杯/The Filigree Sylex|金線の酒杯/The Filigree Sylex]]が久遠の闇で炸裂し、[[次元壊し/Realmbreaker]]が次元の境界に穴を開けたことで、多元宇宙は深刻なダメージを受けた。多元宇宙自身がその傷を癒そうとしたことにより、多くのプレインズウォーカーが灯を失い、能動的に次元を渡ることができなくなった。
 +
 +
*多元宇宙の構造が変化したことにより、次元同士を繋ぐポータルの一種、[[領界路/Omenpath]]が各地に発生するようになった。これにより、灯を持たぬ者(元々プレインズウォーカーでなかった者も含む)も次元を渡ることができるようになった。だが、領界路の旅はプレインズウォークによるものと比べて長い時間がかかり、危険性も高いものである<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/doing-the-aftermath Doing the Aftermath]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036887/ 『決戦の後に』をする](Making Magic [[2023年]]5月3日 Mark Rosewater著)</ref><ref>[https://www.youtube.com/watch?v=sImiwohnUYg No Sparks Allowed – Aftermath Lore ft Rhystic Studies || Elder Dragon Social Club](Youtube、[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト]]公式スポンサード動画 [[2023年]]5月11日)</ref>。
  
 
===備考===
 
===備考===
 
*[[ポケットプレイヤーズガイド#第4版|ポケットプレイヤーズガイド日本語版]]に掲載された[[John Tynes]]による「ドミニアの本質」の「プレインズウォーカーは通常の[[ウィザード|魔法使い]]に比べて神のごとき存在である」という文脈において「プレインズウォーカーのみがマナのなんたるかを知っており、通常の魔法使いは5種類のマナについても、次元移動法についても、[[召喚]]についても知らないに等しい」と述べている。
 
*[[ポケットプレイヤーズガイド#第4版|ポケットプレイヤーズガイド日本語版]]に掲載された[[John Tynes]]による「ドミニアの本質」の「プレインズウォーカーは通常の[[ウィザード|魔法使い]]に比べて神のごとき存在である」という文脈において「プレインズウォーカーのみがマナのなんたるかを知っており、通常の魔法使いは5種類のマナについても、次元移動法についても、[[召喚]]についても知らないに等しい」と述べている。
*綴りが似ているが、[[平地]][[土地渡り|渡り]](Plainswalk)は関係ない。プレインズウォーカーは「次元(Plane)を渡り歩くもの」である。
+
*綴りが似ているが、[[平地]][[土地渡り|渡り]](Plainswalk)は関係ない。プレインズウォーカーは「次元(Plane)を渡り歩くもの」である。ただし、[[Nicol Bolas, Plains+Walker]]として平地と関連付けられたことはある。
 +
*コラボセットである[[フォーゴトン・レルム探訪]]において5枚のプレインズウォーカーが登場したが、これらはいずれも[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]のキャラクターであり、プレインズウォーカーではない。しかしながら近年のマジックにおいてプレインズウォーカー・カードは必要不可欠であり、コラボセットでも欠かすことのできない存在として判断されたため、設定上プレインズウォーカーとは一切関係がないが、プレインズウォーカー・カードとして収録されている。
  
 
==ストーリーに登場したプレインズウォーカーの一覧==
 
==ストーリーに登場したプレインズウォーカーの一覧==
 
以下は、登場した時期のみで判別した区分である。ローウィン以降の新世代プレインズウォーカー時代に初登場した者であっても、設定上は時のらせん以前の旧時代からプレインズウォーカーであった例は少なくない。また逆に、時のらせんにおける大変動を生き延び、新時代まで生存しつづけている古参プレインズウォーカーも少数だが存在する。詳細はそれぞれのページを参照。
 
以下は、登場した時期のみで判別した区分である。ローウィン以降の新世代プレインズウォーカー時代に初登場した者であっても、設定上は時のらせん以前の旧時代からプレインズウォーカーであった例は少なくない。また逆に、時のらせんにおける大変動を生き延び、新時代まで生存しつづけている古参プレインズウォーカーも少数だが存在する。詳細はそれぞれのページを参照。
 +
 +
名前の後ろに○があるキャラクターは[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]との決戦以降も灯を保持していることが明言されている。
  
 
===[[ローウィン]]以降に登場したプレインズウォーカー===
 
===[[ローウィン]]以降に登場したプレインズウォーカー===
*[[アジャニ/Ajani]]
+
*[[アジャニ/Ajani]]
 
*[[アミナトゥ/Aminatou]]
 
*[[アミナトゥ/Aminatou]]
 
*[[アングラス/Angrath]]
 
*[[アングラス/Angrath]]
 
*[[アーリン・コード/Arlinn Kord (ストーリー)|アーリン・コード/Arlinn Kord]]
 
*[[アーリン・コード/Arlinn Kord (ストーリー)|アーリン・コード/Arlinn Kord]]
*[[アショク/Ashiok]]
+
*[[アショク/Ashiok]] ○
*[[プレインズウォーカー・シリーズのその他のキャラクター#Baltrice|Baltrice]]
+
*[[バスリ・ケト/Basri Ket (ストーリー)|バスリ・ケト/Basri Ket]]
*[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]
+
*[[プレインズウォーカー・シリーズのその他のキャラクター#バルトリス/Baltrice|バルトリス/Baltrice]]
 +
*[[ケイリクス/Calix]]
 +
*[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]
 
*[[ダク・フェイデン/Dack Fayden (ストーリー)|ダク・フェイデン/Dack Fayden]]
 
*[[ダク・フェイデン/Dack Fayden (ストーリー)|ダク・フェイデン/Dack Fayden]]
 
*[[ダレッティ/Daretti]]
 
*[[ダレッティ/Daretti]]
64行: 62行:
 
*[[ガラク/Garruk]]
 
*[[ガラク/Garruk]]
 
*[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]
 
*[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]
 +
*[[グリスト/Grist]]
 
*[[ファートリ/Huatli]]
 
*[[ファートリ/Huatli]]
 
*[[氷男/Icy]]
 
*[[氷男/Icy]]
*[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]
+
*[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]
 
*[[ジアン・ヤングー/Jiang Yanggu]]
 
*[[ジアン・ヤングー/Jiang Yanggu]]
 +
*[[漆月魁渡/Kaito Shizuki (ストーリー)|漆月魁渡/Kaito Shizuki]]
 
*[[カズミナ/Kasmina]]
 
*[[カズミナ/Kasmina]]
*[[ケイヤ/Kaya]]
+
*[[ケイヤ/Kaya]]
 
*[[キオーラ/Kiora]]
 
*[[キオーラ/Kiora]]
 
*[[コス/Koth]]
 
*[[コス/Koth]]
 
*[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]
 
*[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]
 +
*[[ルーカ/Lukka]]
 
*[[ムー・ヤンリン/Mu Yanling]]
 
*[[ムー・ヤンリン/Mu Yanling]]
 
*[[ナヒリ/Nahiri]]
 
*[[ナヒリ/Nahiri]]
 
*[[ナーセット/Narset]]
 
*[[ナーセット/Narset]]
 +
*[[ニコ・アリス/Niko Aris (ストーリー)|ニコ・アリス/Niko Aris]]
 
*[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]
 
*[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]
 
*[[オブ・ニクシリス/Ob Nixilis]]
 
*[[オブ・ニクシリス/Ob Nixilis]]
*[[オーコ/Oko]]
+
*[[オーコ/Oko]]
*[[ラル・ザレック/Ral Zarek (ストーリー)|ラル・ザレック/Ral Zarek]]
+
*[[クイントリウス・カンド/Quintorius Kand (ストーリー)|クイントリウス・カンド/Quintorius Kand]] ○
 +
*[[ラル・ザレック/Ral Zarek (ストーリー)|ラル・ザレック/Ral Zarek]]
 
*[[ラマーズ/Ramaz]]
 
*[[ラマーズ/Ramaz]]
 
*[[ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith (ストーリー)|ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith]]
 
*[[ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith (ストーリー)|ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith]]
91行: 94行:
 
*[[テゼレット/Tezzeret]]
 
*[[テゼレット/Tezzeret]]
 
*[[ティボルト/Tibalt]]
 
*[[ティボルト/Tibalt]]
 +
*[[タイヴァー・ケル/Tyvar Kell (ストーリー)|タイヴァー・ケル/Tyvar Kell]]
 
*[[ビビアン・リード/Vivien Reid (ストーリー)|ビビアン・リード/Vivien Reid]]
 
*[[ビビアン・リード/Vivien Reid (ストーリー)|ビビアン・リード/Vivien Reid]]
 
*[[ヴラスカ/Vraska]]
 
*[[ヴラスカ/Vraska]]
*[[ヴロノス/Vronos]]
+
*[[ヴロノース/Vronos]]
 
*[[放浪者/The Wanderer (ストーリー)|放浪者/The Wanderer]]
 
*[[放浪者/The Wanderer (ストーリー)|放浪者/The Wanderer]]
 
*[[ウィル・ケンリス/Will Kenrith (ストーリー)|ウィル・ケンリス/Will Kenrith]]
 
*[[ウィル・ケンリス/Will Kenrith (ストーリー)|ウィル・ケンリス/Will Kenrith]]
107行: 111行:
 
*[[アゾール/Azor]]
 
*[[アゾール/Azor]]
 
*[[ボウ・リヴァー/Bo Levar]]
 
*[[ボウ・リヴァー/Bo Levar]]
*[[ガフ提督/Commodore Guff]]
+
*[[ガフ提督/Commodore Guff (ストーリー)|ガフ提督/Commodore Guff]]
 
*[[ダッコン/Dakkon]]
 
*[[ダッコン/Dakkon]]
 
*[[ダリア/Daria]]
 
*[[ダリア/Daria]]
115行: 119行:
 
*[[Fiers]]
 
*[[Fiers]]
 
*[[フレイアリーズ/Freyalise]]
 
*[[フレイアリーズ/Freyalise]]
*[[ガイヤドローン・ディーハダ/Geyadrone Dihada]]
+
*[[ジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihada (ストーリー)|ジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihada]]
*[[Greensleeves]]
+
*[[グリーンスリーヴス/Greensleeves]]
 +
*[[ジャレッド・カルサリオン/Jared Carthalion (ストーリー)|ジャレッド・カルサリオン/Jared Carthalion]]
 
*[[ヤヤ・バラード/Jaya Ballard (ストーリー)|ヤヤ・バラード/Jaya Ballard]]
 
*[[ヤヤ・バラード/Jaya Ballard (ストーリー)|ヤヤ・バラード/Jaya Ballard]]
 
*[[ジェスカ/Jeska]]
 
*[[ジェスカ/Jeska]]
131行: 136行:
 
*[[サンドルー/Sandruu]]
 
*[[サンドルー/Sandruu]]
 
*[[セラ/Serra]]
 
*[[セラ/Serra]]
 +
*[[シヴィトリ・スカーザム/Sivitri Scarzam]]
 
*[[テイザー/Taysir]]
 
*[[テイザー/Taysir]]
 
*[[テフェリー/Teferi]]
 
*[[テフェリー/Teferi]]
143行: 149行:
 
*名も知れぬ[[ファイレクシア/Phyrexia]]の創造者
 
*名も知れぬ[[ファイレクシア/Phyrexia]]の創造者
 
*[[MicroProse版マジック:ザ・ギャザリング]]の主人公
 
*[[MicroProse版マジック:ザ・ギャザリング]]の主人公
 +
 +
==プレイヤーとしてのプレインズウォーカー==
 +
[[マジック:ザ・ギャザリング]]をプレイしている[[あなた]](もしくは他の[[プレイヤー]])は、プレインズウォーカーである。あなたはさまざまな次元を旅して、そこの[[土地]]と[[マナ]]の繋がりを得て、[[クリーチャー|生物]]や[[ソーサリー|魔法]]を[[デッキ|呪文書]]の[[カード|1ページ]]に記して、そのページを集めて呪文書を作成する。不要な生物や魔法はまとめて[[ライブラリー|書庫]]に保管しておく。そして、別のプレインズウォーカーと、時には遊戯やちょっとした[[アンティ|賭け事]]として、時には命を賭けた[[デュエル|決闘]]として、呪文書を用いて対決するのである。
 +
 +
マジックが発売されたごく初期ではこういう設定であり、また[[エレメンタル]]や[[ゾンビ]]といった意思を思惟するのが難しいような存在も使役できる存在である以上、この呪文書を操れるプレイヤーはまさに神の如き存在だった。だが、あなたが他のプレインズウォーカー、すなわち他のプレイヤーを呼び出し操ることができないのと同様、どんなに偉大な存在であってもプレインズウォーカーそのものがカード化されることはなかったのである。
 +
 +
言い換えれば、プレイヤーは呪文書を持つプレインズウォーカー達を自分の書庫の呪文書の1ページに押し込めることができなかった。彼らが持つ呪文([[ウルザの激怒/Urza's Rage]]など)を模倣して、間接的に呪文書に入れることができる<ref group="注釈">この設定は[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]におけるスペルの設定に影響されている。D&Dにおいてスペルのうちいくらかは、既存の高位魔術師が開発したものをプレイヤーが習得するようになっていたのである。</ref>のみだったのである。
 +
 +
このようなプレインズウォーカー同士の入れ子設定は[[時のらせんブロック]]にて'''[[大修復/The Mending|大修復]]'''が発生した際に見直されることになる(上述)。
 +
 +
*ごく初期でプレインズウォーカーがカード化されなかったのは、もっと単純に、もしプレインズウォーカーがクリーチャーであり、そういう存在を[[支配魔法/Control Magic|支配できたり]]、[[恐怖/Terror|恐怖で殺したり]]したとき、なぜその呪文を[[稲妻/Lightning Bolt]]のようにプレイヤーに使えないのか、という矛盾が生じるのを防ぐためでもある。後に「灯」を失ってクリーチャーとしてカード化されたプレインズウォーカーや、[[ヴァンガード]]・カードや[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]・カードとしてカード化されたプレインズウォーカーは、ゲーム上その類の矛盾に反しないようになっている。
 +
*余談だが、[[他のプレイヤーをコントロールする]]効果によって'''神の如きプレインズウォーカー(プレイヤー)を操作することはできない'''という上述の設定上の不文律(あるいは第四の壁)が破られた。よって上述の矛盾は操作についてすら形骸化していると言っていいだろう。
 +
**ただし、[[デッキ|最低60ページ以上の呪文書]]を作り出すことができ、他の様々な次元から特色ある土地を切り出して[[色マナ]]を抽出し、そこから[[エルドラージ]]や[[伝説のカード|伝説の存在]]などを召喚することができ、[[英雄の破滅/Hero's Downfall]]の対象に取れないでいるのは、現代に続くプレイヤーたちだけの特権である。
  
 
==脚注==
 
==脚注==
 +
===注釈===
 +
<references group="注釈"/>
 +
===出典===
 
<references/>
 
<references/>
  
==参考==
+
==参考リンク==
 
*[https://web.archive.org/web/20080429041229/http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/planeswalkers/home Planeswalkers Minisite](公式特設ミニサイトトップ [[WotC]]著、サイト消失によりInternet Archive)
 
*[https://web.archive.org/web/20080429041229/http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/planeswalkers/home Planeswalkers Minisite](公式特設ミニサイトトップ [[WotC]]著、サイト消失によりInternet Archive)
 
**[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/you-are-planeswalker-2008-07-25 You Are a Planeswalker]/[http://web.archive.org/web/20090123111318/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070918/index.html あなたはプレインズウォーカーだ (Internet Archive)](Feature [[2008年]]7月25日 [[WotC]]著)
 
**[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/you-are-planeswalker-2008-07-25 You Are a Planeswalker]/[http://web.archive.org/web/20090123111318/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070918/index.html あなたはプレインズウォーカーだ (Internet Archive)](Feature [[2008年]]7月25日 [[WotC]]著)
 
**[https://web.archive.org/web/20071222204521/http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/planeswalkers/week4 Planeswalking the Walk](Mark Rosewater著、サイト消失によりInternet Archive)
 
**[https://web.archive.org/web/20071222204521/http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/planeswalkers/week4 Planeswalking the Walk](Mark Rosewater著、サイト消失によりInternet Archive)
**[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/era-planeswalker-2007-12-24 The Era of the Planeswalker](Feature [[2007年]]12月24日 [[Doug Beyer]]著)
+
**[https://web.archive.org/web/20210731064253/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/era-planeswalker-2007-12-24 The Era of the Planeswalker](Feature [[2007年]]12月24日 [[Doug Beyer]]著、サイト消失によりInternet Archive)
 
*[https://web.archive.org/web/20090503104552/http://ww2.wizards.com/Books/Wizards/?doc=magic_planeswalkersloc Where Are They Now: Planeswalkers](Wizards Books [[Jess Lebow]]著、サイト消失によりInternet Archive)
 
*[https://web.archive.org/web/20090503104552/http://ww2.wizards.com/Books/Wizards/?doc=magic_planeswalkersloc Where Are They Now: Planeswalkers](Wizards Books [[Jess Lebow]]著、サイト消失によりInternet Archive)
 +
 +
==参考==
 
*[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]
 
*[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]
 
*[[ナイン・タイタンズ/Nine Titans]]
 
*[[ナイン・タイタンズ/Nine Titans]]

2024年7月4日 (木) 05:45時点における最新版

プレインズウォーカー/Planeswalkerは、多元宇宙/Multiverseにおいて、次元/Planeの外に広がる久遠の闇/Blind Eternitiesを通り抜け、別の次元へと渡り歩く力(プレインズウォーク能力[注釈 1])を持っている存在のこと。読んで字の如く、「次元を渡り歩く者」の意である。

ほとんどの人々は、この多元宇宙には自分たちが住んでいるのとは別の次元があり、そこに行く力を持つ者がいるなどということは、まったく知らないか、おとぎ話だと思っている。それが事実だと知っているのは、それを自分の体で体験したプレインズウォーカーと、その直接の知り合いだけに限られている。

  • アラーラ/Alaraは5つの断片/Shardに分かれているが、その分かたれた断片がなぜ分かたれたかなどは認識しておらず、したがってこの説明とは矛盾しないと言われている。

[編集] 背景ストーリー上のプレインズウォーカーたち

マジックの物語には多種多様な魔法使いたちが登場するが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ存在である。

いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。逆に、素質があれば魔法使いでなくともプレインズウォーカーとして覚醒することもままある。その素質は「灯/Spark」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなる(→プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark参照)。

[編集] 大修復以前/pre-Mending

かつてのプレインズウォーカーたちは、まさに「神」のような存在であった。強大な魔力は、彼らの肉体を不老不死とし、その姿を自由に変化させ(シェイプシフター/Shapeshifterとしての能力)、世界を創るも滅ぼすも自由にできるほどであった。しかしそれゆえに、あるいは多くの異なる次元を観ることができるがゆえに、その正気の度合いは判断が難しい。その能力を利用して欲望の赴くままに振舞う者(テイザー/Taysirジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihadaレシュラック/Leshracなど)、肉親の死による絶望から世界の破滅を願う者(テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat)、孤独から復讐に駆り立てられる者(Ravidel(ラヴィデル))、永遠の寿命のため狂気に陥りそうになった者(フレイアリーズ/Freyalise)、数千年に渡る戦争計画のため様々な非人道的実験を行った者(ウルザ/Urza)など、枚挙に暇がない。

[編集] 大修復以後/post-Mending

時のらせんブロックの物語において時の裂け目/Time Riftが修復された際(大修復/The Mending)、多元宇宙全体に影響が生じ、プレインズウォーカーといえども無限の魔力や不死の力を得ることができなくなった。それでもまだ、一般の魔道士とは比較にならない大きな魔力や知識を持ち、次元の移動なども依然として可能。そして以前ほどではないが、力を持て余しどこか常識では図りがたい精神を持つに至る例がある点も同様である。詳しくはコラム「You Are a Planeswalker/あなたはプレインズウォーカーだ」を参照。また、大修復による影響については大修復/The Mendingの項を参照。

  • このストーリーを受け、次のローウィン・ブロックでは初めて現役プレインズウォーカーがカード化している。また、それらのカードはルール上でもクリーチャーと扱いが異なっており、どちらかと言えば「プレイヤーと共に戦う」という存在になっている。→プレインズウォーカー (カード・タイプ)
  • ニコル・ボーラス/Nicol Bolasのように、かつての神のごとき力を取り戻そうと暗躍している者もいる。
  • 大修復以降、全てのポータル/Portalは機能を停止し、新たにポータルを開くことも不可能となった。またプレインズウォーカーであっても他の生物を次元間移動させることは困難であり、可能であったとしてもそれには強い制約を伴う[注釈 2]。このため、次元間移動は(次元丸ごとの移動を除き)プレインズウォーカーの特権となった。物体に関しても、プレインズウォーカーが直に持ち運ぶ以外に次元間移動させるすべはなくなり、ウェザーライト/Weatherlightのような巨大な物体の次元間移動は事実上不可能となっている[注釈 3]。唯一の例外であった次元橋/Planar Bridgeゲートウォッチ/The Gatewatchならびにカーン/Karnにより破壊され、製作者であるラシュミ/Rashmiサヒーリ・ライ/Saheeli Raiの説得により以降の開発研究・製造を放棄している。
    • これらはプレインズウォーカーの独自性を損なわないようにするための設定である[3]

[編集] 新ファイレクシアとの決戦以後

ファイレクシア:完全なる統一にて金線の酒杯/The Filigree Sylexが久遠の闇で炸裂し、次元壊し/Realmbreakerが次元の境界に穴を開けたことで、多元宇宙は深刻なダメージを受けた。多元宇宙自身がその傷を癒そうとしたことにより、多くのプレインズウォーカーが灯を失い、能動的に次元を渡ることができなくなった。

  • 多元宇宙の構造が変化したことにより、次元同士を繋ぐポータルの一種、領界路/Omenpathが各地に発生するようになった。これにより、灯を持たぬ者(元々プレインズウォーカーでなかった者も含む)も次元を渡ることができるようになった。だが、領界路の旅はプレインズウォークによるものと比べて長い時間がかかり、危険性も高いものである[4][5]

[編集] 備考

  • ポケットプレイヤーズガイド日本語版に掲載されたJohn Tynesによる「ドミニアの本質」の「プレインズウォーカーは通常の魔法使いに比べて神のごとき存在である」という文脈において「プレインズウォーカーのみがマナのなんたるかを知っており、通常の魔法使いは5種類のマナについても、次元移動法についても、召喚についても知らないに等しい」と述べている。
  • 綴りが似ているが、平地渡り(Plainswalk)は関係ない。プレインズウォーカーは「次元(Plane)を渡り歩くもの」である。ただし、Nicol Bolas, Plains+Walkerとして平地と関連付けられたことはある。
  • コラボセットであるフォーゴトン・レルム探訪において5枚のプレインズウォーカーが登場したが、これらはいずれもダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクターであり、プレインズウォーカーではない。しかしながら近年のマジックにおいてプレインズウォーカー・カードは必要不可欠であり、コラボセットでも欠かすことのできない存在として判断されたため、設定上プレインズウォーカーとは一切関係がないが、プレインズウォーカー・カードとして収録されている。

[編集] ストーリーに登場したプレインズウォーカーの一覧

以下は、登場した時期のみで判別した区分である。ローウィン以降の新世代プレインズウォーカー時代に初登場した者であっても、設定上は時のらせん以前の旧時代からプレインズウォーカーであった例は少なくない。また逆に、時のらせんにおける大変動を生き延び、新時代まで生存しつづけている古参プレインズウォーカーも少数だが存在する。詳細はそれぞれのページを参照。

名前の後ろに○があるキャラクターは新ファイレクシア/New Phyrexiaとの決戦以降も灯を保持していることが明言されている。

[編集] ローウィン以降に登場したプレインズウォーカー

[編集] ローウィン以前に登場したプレインズウォーカー

[編集] プレイヤーとしてのプレインズウォーカー

マジック:ザ・ギャザリングをプレイしているあなた(もしくは他のプレイヤー)は、プレインズウォーカーである。あなたはさまざまな次元を旅して、そこの土地マナの繋がりを得て、生物魔法呪文書1ページに記して、そのページを集めて呪文書を作成する。不要な生物や魔法はまとめて書庫に保管しておく。そして、別のプレインズウォーカーと、時には遊戯やちょっとした賭け事として、時には命を賭けた決闘として、呪文書を用いて対決するのである。

マジックが発売されたごく初期ではこういう設定であり、またエレメンタルゾンビといった意思を思惟するのが難しいような存在も使役できる存在である以上、この呪文書を操れるプレイヤーはまさに神の如き存在だった。だが、あなたが他のプレインズウォーカー、すなわち他のプレイヤーを呼び出し操ることができないのと同様、どんなに偉大な存在であってもプレインズウォーカーそのものがカード化されることはなかったのである。

言い換えれば、プレイヤーは呪文書を持つプレインズウォーカー達を自分の書庫の呪文書の1ページに押し込めることができなかった。彼らが持つ呪文(ウルザの激怒/Urza's Rageなど)を模倣して、間接的に呪文書に入れることができる[注釈 4]のみだったのである。

このようなプレインズウォーカー同士の入れ子設定は時のらせんブロックにて大修復が発生した際に見直されることになる(上述)。

  • ごく初期でプレインズウォーカーがカード化されなかったのは、もっと単純に、もしプレインズウォーカーがクリーチャーであり、そういう存在を支配できたり恐怖で殺したりしたとき、なぜその呪文を稲妻/Lightning Boltのようにプレイヤーに使えないのか、という矛盾が生じるのを防ぐためでもある。後に「灯」を失ってクリーチャーとしてカード化されたプレインズウォーカーや、ヴァンガード・カードやプレインズウォーカー・カードとしてカード化されたプレインズウォーカーは、ゲーム上その類の矛盾に反しないようになっている。
  • 余談だが、他のプレイヤーをコントロールする効果によって神の如きプレインズウォーカー(プレイヤー)を操作することはできないという上述の設定上の不文律(あるいは第四の壁)が破られた。よって上述の矛盾は操作についてすら形骸化していると言っていいだろう。

[編集] 脚注

[編集] 注釈

  1. プレインチェイス戦での次元カードとプレインズウォーク能力はこれをゲーム上で表したものである。まさに次元/Plane次元ダイス1つのきまぐれさで渡り歩けるのがプレインズウォーカーである証明なのである。
  2. モーウー/Mowuを石化させることで次元間移動させているジアン・ヤングー/Jiang Yangguオルゾフ組/The Orzhov Syndicate製のアーティファクトを介しニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetの魂のみをボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realmへ送り届けたサルカン・ヴォル/Sarkhan Volプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを失ったニコル・ボーラス/Nicol Bolasを自身の翼で包み込むことで瞑想領土へと連れて行ったウギン/Uginなど。
  3. 逆に言えば、プレインズウォーカーの体格や体力次第では巨大な物体を運ぶことも可能ということである。事実、War of the Spark: Ravnicaにおいてカーン/Karnは巨大なハゾレト/Hazoretの槍をアモンケット/Amonkhetからラヴニカ/Ravnicaへと運搬している。
  4. この設定はダンジョンズ&ドラゴンズにおけるスペルの設定に影響されている。D&Dにおいてスペルのうちいくらかは、既存の高位魔術師が開発したものをプレイヤーが習得するようになっていたのである。

[編集] 出典

  1. Fate-ful Stories, Part 2/運命的な話 その2Making Magic 2015年1月19日 Mark Rosewater著)
  2. Will there be an explanation about how PhyrexiansBlogatog 2022年1月27日 Mark Rosewaterのブログ)
  3. Constraints and Defaults/強制と標準Making Magic 2019年7月15日 Mark Rosewater著)
  4. Doing the Aftermath/『決戦の後に』をする(Making Magic 2023年5月3日 Mark Rosewater著)
  5. No Sparks Allowed – Aftermath Lore ft Rhystic Studies || Elder Dragon Social Club(Youtube、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト公式スポンサード動画 2023年5月11日)

[編集] 参考リンク

[編集] 参考

QR Code.gif