タイムシフト

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タイムシフト/Time Shiftedとは、時のらせんブロックに存在する特定のカード群の総称。

エキスパンションごとに定義は異なるが、それぞれのテーマに沿って過去・現在・未来という「時」の遷移・超越が表現されている点で共通している。また、いずれにおいても通常のカードとは異なるが採用されており、タイムシフトであることを容易に見分けられるようになっている。

目次

[編集] 時のらせんのタイムシフト

時のらせんにおけるタイムシフトは過去。再録カード専用の新たなレアリティとして存在する。具体的には基本セットリミテッド・エディションからスカージまでの再録カード121枚で構成される。エキスパンション・シンボル色。収録元でのレアリティに関係なく、一括してタイムシフト枠として扱われる。カード枠が当時のままの旧枠で印刷されていることが特徴。

時のらせんのトーナメントパックに3枚、ブースターパックに1枚入っており、通常のカードと同様テーマデッキにも含まれている。テーマデッキにおいては、基本的に過去のレアリティを基準に枚数設定されている(次元の混乱再誕の儀式/Rituals of Rebirthには、例外的に元レアであるセンギアの従臣/Sengir Autocratが含まれている)。

コレクター番号はタイムシフト枠121枚で独立して設定されている。このためこれら121枚を、別個の付属エキスパンションのように解釈する場合もある。その場合、略号は「TSB」が用いられ、時のらせんを表す「TSP」と区別される。ただし大会における扱いは、時のらせんの一部として扱われる。そのため、時のらせんが使用できるフォーマットで使用可能である。

初の試みであったが、「再録カード群のリスト」という概念は以後もMasterpiece Seriesザ・リストなどに受け継がれているほか、時のらせんリマスターでは「旧枠加工カード」という形で同じく121枚が再録された。

  • 元がレアのものもコモンのものも同じ確率で出るため、当たりはずれが大きい。
  • これまで日本語版が無かったカード(例:闘技場/Arenaなど)には新しく日本語のカード名が付けられている。
  • 一部のクリーチャーは、クリーチャー・タイプが新たに与えられたり、再編されたりしている。
  • プレミアム・カードでは過去のカードよろしく、流星マークが復活している。
  • 時のらせんブロック全体の傾向と同じく、現在とは異なる過去の色の役割のカードがかなり多い。
  • サイクル5枚の中の1枚だけが再録、というパターンが非常に多い。
  • 121枚というのは印刷時における1シートの枚数である(11枚×11枚)。ここから、レアリティに区別がない理由が分かる。
  • エキスパンション・シンボルの色から「紫」と呼ばれることもある。
  • マジックの歴史上初のボーナスシートと言える。

時のらせんのタイムシフト・カード一覧はカード個別評価:時のらせんタイムシフトを参照。

[編集] 次元の混乱のタイムシフト

次元の混乱におけるタイムシフトはもうひとつの現在レアリティではなく、既存のカードのみを変えた同型再版である(もしくは後述のように若干の変更がある)一連のカードに対する総称として存在する。各色に9種類、全45種類。「プレナーシフト」や「カラーシフト」などと呼ばれることもある。

カード枠は新たに製作された専用のものが用いられている。カード名タイプ行P/Tが濃い背景色に白い文字色となっているのが特徴(後に登場した両面カード第2面も似た配色をしている)。また文章欄やカード全体の背景柄も従来とは異なっている。これは新枠の「もう一つの可能性」をデザインしたものである。

通常通り3種類のレアリティが存在する。次元の混乱のブースターパックに、コモンが3枚、アンコモンレアが1枚の計4枚入っており、後者のスロットにレアが入る確率は1/4である。通常のカードと同様テーマデッキにも含まれている。

コレクター番号は次元の混乱の通常のカードとは独立していない。ただし各色において、通常のカードがアルファベット順に並べられた後に、タイムシフトのカードが同様に並べられており、微妙に区別されている。

次元の混乱のタイムシフト・カードはカード個別評価:次元の混乱タイムシフトを参照。

[編集] 未来予知のタイムシフト

未来予知におけるタイムシフトは未来。後述する方針に沿って製作された完全に新規のカードの総称を表す。通常通り3種類のレアリティが存在する。全81種類。前2作と異なり、パックにおける専用スロットや出現確率は特に設定されておらず、通常のカードと同じように封入される。もちろんテーマデッキにも通常通り収録。「フューチャーシフト」や「ミライシフト」などと呼ばれることもある。

楕円形のイラスト欄を持ち、マナ・コストがイラスト左側にある、当時としては見る者の度肝を抜く斬新なデザインのカード背景が特徴。このデザインは「未来を垣間見ている」ことを表している(当時、一部のプレイヤーから「以後のマジックは全てこのデザインに変更される」との誤解もあった)。その後、基本セット2015での枠のデザイン変更やショーケース・フレームSecret Lairによるもっと奇抜なデザインの枠の登場、逆に旧枠加工版カードの登場など枠のバリエーションが増える中でも特に顧みられるは無かったが、Mystery Booster 2で久々に登場した。

以下の3種類のいずれかの方針に沿って製作されている。

  1. 未来において扱うであろうコンセプトを持つカード
  2. 未来において扱う(扱わない)かもしれないコンセプトを持つカード
  3. 未来において扱う計画のないコンセプトを持つカード

とは言え、傍目にはどのカードがどのカテゴリーに該当するのか判断するのは難しい。一例を挙げれば、既存のものから新しく考案されたものまで膨大な種類が登場するキーワード能力や、発売時点では意味を成していない「プレインズウォーカー」「からくり」「組み立てる」といった用語が、上記のコンセプトが何を意味するのか考えるヒントになるかもしれない。

未来予知のタイムシフト・カードはカード個別評価:未来予知タイムシフトを参照。

[編集] 未来予知以外で未来を示すカード

未来予知のタルモゴイフ/Tarmogoyfプレインズウォーカー (カード・タイプ)の登場を示唆したように、他のカード・セットでも登場時点で存在しないメカニズムやカードを参照するカードがたびたび登場している。ストーリー上の要請であったり、次のセットを暗示する話題作りであったりと理由は様々である[2][3]。布石カードとも呼ばれる。

[編集] 時のらせんリマスターのタイムシフト

時のらせんブロックのカードを再録した時のらせんリマスターでは、初出が新枠ではないカードが旧枠の仕様で再録されている。詳細は時のらせんリマスターの項を参照。

[編集] 脚注

  1. Not Their PlaceLatest Developments 2007年1月26日 Aaron Forsythe著)
  2. 霊気の道 その1Making Magic 2017年1月16日 Mark Rosewater著)
  3. 『アモンケット』語り その2Making Magic 2017年5月1日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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