サニー・サイド・アップ
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サニー・サイド・アップ(Sunny Side Up)は、第二の日の出/Second Sunriseとほぞを軸とするチェイン・コンボまたは無限コンボ系のデッキ。ミラディン・ブロック期から研究されていたが、本格的な活躍を見せるようになったのは時のらせんの参入以降である。
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概要
インスタント
各プレイヤーは、このターン戦場から自分の墓地に置かれたアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地カードをすべて戦場に戻す。
アーティファクト
待機3 ― (0)(このカードをあなたの手札から唱えるのではなく、(0)を支払うとともにそれを時間(time)カウンターが3個置かれた状態で追放する。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。)
(T),睡蓮の花を生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ3点を加える。
このデッキは多数のコンボパーツが複雑に絡み合っており、パズルのような動きをする。まずはページ下部のサンプルレシピを見て頂きたい。
- デッキ名の"sunny side up"とは目玉焼きのことで、第二の日の出/Second Sunrise(Sunny)と卵が由来。
- ちなみに、正確には「片面焼きの目玉焼き」が"sunny side" up(太陽(=目玉焼きの黄身)がある面を上にしている)である。
- ひっくり返して両面を焼くと「ターンオーバー(turn over)」と言う。
パーツ
具体的な動きを解説する前に、このデッキには3種のコンボパーツが存在することを確認しておく。
- パーマネント・カード回収呪文、第二の日の出/Second Sunriseと信仰の見返り/Faith's Reward(以下「日の出」)。
- 生け贄に捧げることでカードを引けるパーマネント(以下「ドローパーツ」)。
- 生け贄に捧げることでマナを出せる(増やせる)パーマネント(以下「マナパーツ」)。
- 遺跡発掘現場/Archaeological Dig、睡蓮の花/Lotus Bloomなど
- 他の土地を墓地送りにしてマナパーツ的な働きをさせられる幽霊街/Ghost Quarter
なお、テラリオン/Terrarionなどタップインのものは使用不可。
コンボの動き
- 自分のターン中に、ドローパーツとマナパーツ(最低3マナ分)の能力を起動。
- 日の出を唱え、生け贄に捧げたそれらを戦場に戻す。
- (マナパーツがアンタップ状態で戻ってくるのがポイント)
- 戻ってきたドローパーツとマナパーツを次々に起動、ライブラリーを高速で圧縮していく。
- マナパーツを水増しし、さらに手札に引いてきたほぞを余剰マナでばら撒く。
- 2枚目3枚目の日の出を使い、ドローパーツの起動でライブラリーを全て引ききれるくらい薄い状態まで持っていく。
と、ここまででコンボの大半が終了。最後に妖術師のガラクタを使って日の出をライブラリーの一番下へ戻し、ドローパーツの起動を繰り返して再び手札へ持ってくれば、回収を好きなだけ繰り返せる無限ループの完成である。
フィニッシャーの選択肢は様々。黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbombやセファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum(対象は対戦相手)を回収コンボに組み込んでもよいし、ストームを利用する手もある。またオアリムの詠唱/Orim's Chantや天使の嗜み/Angel's Graceを回してロックをかけることもできる。
補足
ほぞが数多く投入されていることから、作り直し/Reshapeによるシルバーバレットを活用する。特に睡蓮の花/Lotus Bloomを待機なしに戦場へ送れるのは非常に強力。また色拘束もあまり気にしなくていいため、無色マナしか出ない土地も多く採用できる。
なお派手なコンボデッキであるゆえの宿命か、明快な弱点がいくつか存在する。わかりやすい例では墓地対策や起動型能力対策などが挙げられるだろう。狡猾な願い等である程度カバーが可能なのでうまく活用したい。またコンボ時間がかなり長くソリティア状態に陥りやすい上、判断を誤るとすぐ手詰まり自爆になるため、使う際には念入りに練習を積んで手際のよい処理を心がけるようにしたい。
- Pierre Canali曰く、「現在のマジックシーンにおいてもっともプレイが難しく、もっとも美しいデッキ」らしい。また浅原晃は「一人回しデッキとしては最高峰で、1日くらいは簡単に潰れます」と語っている。
エクステンデッド
最初に登場したバージョン。時のらせんで睡蓮の花/Lotus Bloomを獲得したことでトーナメントシーンに現れるようになった。
インスタント
あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーであるインスタント・カード1枚を公開し、それをあなたの手札に加えてもよい。狡猾な願いを追放する。
卵に遺跡発掘現場/Archaeological Digと、土地も含めてドローパーツとマナパーツは豊富。ただしパーマネント回収呪文が第二の日の出/Second Sunrise1種しかないため、これを引けないことによりコンボがストップしやすい難点がある。
狡猾な願い/Cunning Wishはデッキに柔軟性を与えると同時に、フィニッシャーである思考停止/Brain Freezeのサーチ手段にもなる重要なカードである。
サンプルレシピ
- 備考
- 作成者/使用者:Sylvain Lauriol
- フォーマット
- 浅原晃がThe Finals06に持ち込んだバージョンは下記リンク「目玉焼き講座」を参照。基本的な構造に差はないものの、サイドボードや卵のバランスに若干の違いがある。
モダン
カードプールの変化により卵や狡猾な願い/Cunning Wishなどを失ってはいるものの、中心となるギミックは健在。卵がなく厳密には目玉焼きではないため、第二の日の出(Second Sunrise)などの名前で呼ばれることもある。
アーティファクト
(赤),黄鉄の呪文爆弾を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。黄鉄の呪文爆弾はそれに2点のダメージを与える。
(1),黄鉄の呪文爆弾を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
基本構成はほとんど同じ。自身を生け贄に捧げられる土地はフェッチランドが務める。アーティファクトの不足分はクラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks+胆液の水源/Ichor Wellspringや、コンボデッキの定番である血清の幻視/Serum Visionsや手練/Sleight of Handでカバーする。
エンドカードはコンボパーツを兼ねる黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbombが最有力候補。ぶどう弾/Grapeshotや大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault、研究室の偏執狂/Laboratory Maniacを少数挿しておく手もある。
当初はローグデッキ的な立ち位置に甘んじていたが、基本セット2013での信仰の見返り/Faith's Rewardの登場によって第二の日の出/Second Sunrise8枚体制を組めるようになり、大きく強化される。プロツアー「ラヴニカへの回帰」では優勝の座に輝いた。
その後も活躍を続けたが、2013年5月3日よりキーカードの第二の日の出/Second Sunriseが禁止カードに指定され、弱体化を余儀なくされた。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアー「ラヴニカへの回帰」 優勝 (参考/参考)
- 使用者:Stanislav Cifka
- フォーマット
Second Sunrise [1] | |||||||||||||||||
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参考
- Dech Tech: Take A Walk On The Sunny Side(WotC、by Hanno Terbuyken)
- Magic Deck Tech: Sunny Side Up(YouTube)
- 浅原先生の目玉焼き講座(タカラトミー、by 梅咲直瑛)(Web Archive版)
- It's Always Sunny in Modern/モダン環境は今日も晴れ(ReConstructed、文:Gavin Verhey、訳:三輪祐介)
- 第80回:浅原晃のデッキ構築劇場・ラヴニカギルド対決-「至高のアゾリウスVS究極のゴルガリ」(mtg-jp.com、浅原晃)
- デッキ集