常磐木
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− | '''常磐木''' | + | '''常磐木'''(ときわぎ)/''Evergreen''は、[[メカニズム]]が[[カード・セット]]に収録される頻度を示す用語の一つ。「テーマや[[背景世界]]を問わず、ほとんどすべてのセットで使われる」ことを意味する。 |
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+ | 常磐木の一段下として'''[[落葉樹]]'''/''Deciduous''という分類も存在する。 | ||
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+ | *常磐木とは、冬になっても枯れず、落葉しない樹木のこと。常緑樹。常磐(ときわ)は本来は時を経ても変わらない岩石を指すが、常緑の意や永久不変の意でも使われる。 常'''盤'''木ではない。 | ||
+ | *原語のEvergreenは、常緑樹や常緑多年草など、年間を通して枯れない植物を指す。またこちらも永久不変であることの比喩としても使われる。 | ||
==解説== | ==解説== | ||
− | [[キーワード能力]]や[[キーワード処理]]の中には、「[[飛行]]」や「[[破壊]]する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは'''常磐木メカニズム''' | + | [[キーワード能力]]や[[キーワード処理]]の中には、「[[飛行]]」や「[[破壊]]する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは'''常磐木メカニズム'''/''Evergreen mechanics''、'''常磐木キーワード'''/''Evergreen keyword''などと呼ばれ、[[ルール]]用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。 |
− | 多くは直観的に理解しやすく、汎用性の高いものとされている。[[基本セット]] | + | 多くは直観的に理解しやすく、汎用性の高いものとされている。[[基本セット]]や、そのメカニズムが初登場となるセットでは[[文章欄]]に丁寧に[[注釈文]]がつくことが多いが、それ以外の場合は説明なく能力名のみが表記されることが多い。 |
− | + | 元は[[開発部]]内で使われていたデザイン・デベロップ上のテクニカルタームだったが、[[未来予知]]における[[接死]]・[[絆魂]]・[[到達]]・[[被覆]]の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。[[総合ルール]]に記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、[[キーワード能力]]、[[キーワード処理]]が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。 | |
− | + | よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。[[速攻]]、[[警戒]]、[[瞬速]]、[[破壊不能]]など。常磐木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものであるし、かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。 | |
− | * | + | *[[Mark Rosewater]]によれば、呪文([[インスタント]]や[[ソーサリー]])が持つキーワード能力は常磐木にされないとのこと<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53525774011/is-cycling-evergreen-what-are-the-arguments-to Is Cycling Evergreen? What are the arguments to...]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref><ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53565258005/why-dont-you-have-evergreen-spell-abilities Why don't you have evergreen spell abilities?]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref>。 |
− | + | *常磐木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範に「再登場の可能性」を評価したものが[[ストーム値]]である。 | |
− | + | *[[色の役割]]上のバランスは長年のあいだ模索され続けており、[[果敢]]のように元々セット固有のメカニズムであっても、それに相応しければ常磐木になるケースもある。一方で[[潜伏]]のように、元々そうなることを期待してデザインされていながら常磐木になれなかったものも。 | |
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+ | 常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えば[[イーブンタイド]]に到達はないし、[[イクサラン・ブロック]]に[[果敢]]はない。 | ||
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[[接死]]、[[防衛]]、[[二段攻撃]]、[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]、[[装備]]、[[先制攻撃]]、[[瞬速]]、[[飛行]]、[[速攻]]、[[呪禁]]、[[破壊不能]]、[[絆魂]]、[[到達]]、[[トランプル]]、[[警戒]]、[[果敢]]、[[威迫]]の17種。 | [[接死]]、[[防衛]]、[[二段攻撃]]、[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]、[[装備]]、[[先制攻撃]]、[[瞬速]]、[[飛行]]、[[速攻]]、[[呪禁]]、[[破壊不能]]、[[絆魂]]、[[到達]]、[[トランプル]]、[[警戒]]、[[果敢]]、[[威迫]]の17種。 | ||
*かつて常磐木だったキーワード能力には[[バンド]]、[[ランページ]]、[[生息条件]](現在は[[廃語]])、[[畏怖]]、[[被覆]]、[[威嚇]]、[[土地渡り]]、[[プロテクション]](現在は落葉樹)がある。 | *かつて常磐木だったキーワード能力には[[バンド]]、[[ランページ]]、[[生息条件]](現在は[[廃語]])、[[畏怖]]、[[被覆]]、[[威嚇]]、[[土地渡り]]、[[プロテクション]](現在は落葉樹)がある。 | ||
− | ** | + | **被覆は総合ルールでは常磐木の位置にあったが、呪禁のキーワード化以降登場しておらず、今後登場する予定があるのか、単にルールの再整理が行われていないだけなのかが長らく不明であった。後に、呪禁と入れ替わりで常磐木から外れていたことが明らかにされた。<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/evergreen-eggs-ham-2015-06-08 Evergreen Eggs & Ham]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0015160/ 常磐木な日常]([[Making Magic -マジック開発秘話-]] [[2015年]]6月8日 [[Mark Rosewater]]著/[[米村薫]]訳))</ref> |
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*「必要ならば使ってもよい」どころか、「なくてはならない基本的なメカニズム」がかなり多く含まれている。「起動する」「唱える」「アンタップする」などを使わずにゲームをするのはほぼ不可能だろう。 | *「必要ならば使ってもよい」どころか、「なくてはならない基本的なメカニズム」がかなり多く含まれている。「起動する」「唱える」「アンタップする」などを使わずにゲームをするのはほぼ不可能だろう。 | ||
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現時点では、常磐木メカニズムである能力語は存在していない。 | 現時点では、常磐木メカニズムである能力語は存在していない。 | ||
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*[[キーワード処理]] | *[[キーワード処理]] | ||
+ | *[[落葉樹]] | ||
*[[ストーム値]] | *[[ストーム値]] |
2018年4月27日 (金) 03:21時点における版
常磐木(ときわぎ)/Evergreenは、メカニズムがカード・セットに収録される頻度を示す用語の一つ。「テーマや背景世界を問わず、ほとんどすべてのセットで使われる」ことを意味する。
常磐木の一段下として落葉樹/Deciduousという分類も存在する。
- 常磐木とは、冬になっても枯れず、落葉しない樹木のこと。常緑樹。常磐(ときわ)は本来は時を経ても変わらない岩石を指すが、常緑の意や永久不変の意でも使われる。 常盤木ではない。
- 原語のEvergreenは、常緑樹や常緑多年草など、年間を通して枯れない植物を指す。またこちらも永久不変であることの比喩としても使われる。
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解説
キーワード能力やキーワード処理の中には、「飛行」や「破壊する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは常磐木メカニズム/Evergreen mechanics、常磐木キーワード/Evergreen keywordなどと呼ばれ、ルール用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。
多くは直観的に理解しやすく、汎用性の高いものとされている。基本セットや、そのメカニズムが初登場となるセットでは文章欄に丁寧に注釈文がつくことが多いが、それ以外の場合は説明なく能力名のみが表記されることが多い。
元は開発部内で使われていたデザイン・デベロップ上のテクニカルタームだったが、未来予知における接死・絆魂・到達・被覆の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。総合ルールに記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、キーワード能力、キーワード処理が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。
よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。速攻、警戒、瞬速、破壊不能など。常磐木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものであるし、かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。
- Mark Rosewaterによれば、呪文(インスタントやソーサリー)が持つキーワード能力は常磐木にされないとのこと[1][2]。
- 常磐木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範に「再登場の可能性」を評価したものがストーム値である。
- 色の役割上のバランスは長年のあいだ模索され続けており、果敢のように元々セット固有のメカニズムであっても、それに相応しければ常磐木になるケースもある。一方で潜伏のように、元々そうなることを期待してデザインされていながら常磐木になれなかったものも。
常磐木メカニズム一覧
常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えばイーブンタイドに到達はないし、イクサラン・ブロックに果敢はない。
キーワード能力
接死、防衛、二段攻撃、エンチャント、装備、先制攻撃、瞬速、飛行、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、到達、トランプル、警戒、果敢、威迫の17種。
- かつて常磐木だったキーワード能力にはバンド、ランページ、生息条件(現在は廃語)、畏怖、被覆、威嚇、土地渡り、プロテクション(現在は落葉樹)がある。
- 被覆は総合ルールでは常磐木の位置にあったが、呪禁のキーワード化以降登場しておらず、今後登場する予定があるのか、単にルールの再整理が行われていないだけなのかが長らく不明であった。後に、呪禁と入れ替わりで常磐木から外れていたことが明らかにされた。[3]
キーワード処理
起動する、つける/はずす、唱える、打ち消す、生成する、破壊する、捨てる、交換する、追放する、格闘を行う、プレイする、公開する、生け贄に捧げる、探す、切り直す、タップする/アンタップする、占術を行うの19種。
- かつて常磐木だったキーワード処理には再生するがある。
- 総合ルール上は常磐木の位置にあるが、今後の新セットで使用しないことが明言された。[4]
- 「必要ならば使ってもよい」どころか、「なくてはならない基本的なメカニズム」がかなり多く含まれている。「起動する」「唱える」「アンタップする」などを使わずにゲームをするのはほぼ不可能だろう。
能力語
現時点では、常磐木メカニズムである能力語は存在していない。
脚注
- ↑ Is Cycling Evergreen? What are the arguments to...(Blogatog 2013年6月21日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Why don't you have evergreen spell abilities?(Blogatog 2013年6月21日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Evergreen Eggs & Ham/常磐木な日常(Making Magic -マジック開発秘話- 2015年6月8日 Mark Rosewater著/米村薫訳))
- ↑ Odds and Ends: Kaladesh, Part 3/こぼれ話:『カラデシュ』 その3(Making Magic -マジック開発秘話- 2016年10月31日 Mark Rosewater著/米村薫訳)