マナ・コスト

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(152.117.145.56トーク)による第333000版を取り消し 説明の重複。軽蔑的な一撃のくだりとも噛み合わなくなる)
 
(9人の利用者による、間の19版が非表示)
1行: 1行:
'''マナ・コスト'''/''Mana Cost''は、[[カード]]の右上隅に記されている、[[マナ・シンボル]]によって示される[[コスト]]。そのカードを[[呪文]]として[[唱える]]ために[[支払う]]べき[[マナ]]の量や種類を表す。
+
'''マナ・コスト'''/''Mana Cost''は、[[カード]]の右上に記されている、[[マナ・シンボル]]によって示される[[コスト]]。そのカードを[[呪文]]として[[唱える]]ために[[支払う]]べき[[マナ]]の量や種類を表す。
  
 
==ルール==
 
==ルール==
カードを唱えるときは、そのカードのマナ・コストに含まれるすべてのマナ・シンボルについて、それが表すコストを正しく支払わなければならない。(→[[マナ・シンボル]])
+
カードを唱えるときは、そのカードのマナ・コストに含まれるすべてのマナ・シンボルについて、それが表すコストを正しく支払わなければならない。
  
[[オブジェクト]]の[[色]]は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって決められる。(→[[色]]
+
[[オブジェクト]]の[[色]]は、原則としてマナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって決められる。
 +
*カードの[[枠]]色によって視覚的に示されてもいるが、ルール的には無関係である。
 +
*[[色指標]]や[[欠色]]など、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色と異なる色を持つカードも存在する。詳細は[[色]]を参照。
  
マナ・コストに含まれるマナの量を、マナの[[]]などを考えずに単に合算した値を[[点数で見たマナ・コスト]]と呼ぶ。(→[[点数で見たマナ・コスト]]
+
[[土地]][[トークン]][[裏向き]]のカード、[[常在精神/Evermind]]など、マナ・コストを持たないオブジェクトも存在する(→[[マナ・コストの無いカード]])。
 +
*[[オブジェクト]]がマナ・コストを持たない場合、存在しないマナ・コストは支払えないので、通常はそのオブジェクトを呪文として唱えることはできない。詳細は[[マナ・コストの無いカード#ルール]]を参照。
 +
**[[土地]]はマナ・コストを持たないが、土地を[[プレイ]]することは呪文を唱えることとは別なので問題ない。あくまで「呪文として唱える」ことができないだけである。
  
*マナ・コストに([[X]])が含まれる場合はそれを唱える際にその値を決定し、Xは[[スタック]]上にある間は決定された値を持つ。スタック以外の[[領域]]([[戦場]]や[[墓地]]など)ではX=0として扱われる。(→[[X]]
+
[[分割カード]]、[[両面カード]]、[[合体カード]]、[[当事者カード]]、[[試作カード]]は、'''複数のマナ・コストを持ちうる'''カード群である。これらは、それぞれマナ・コストのルール上の扱いが通常のカードと異なる。詳細については各項を参照のこと。
**[[猛火/Blaze]]をX=2で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは(2)([[赤]])である。また、スタック以外の領域でのマナ・コストは常に()である。
+
 
**[[大蛇の孵卵器/Orochi Hatchery]]をX=3で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは(6)である。また、スタック以外の領域でのマナ・コストは常に(0)である。
+
==マナ総量==
***X=3で唱えて戦場に出ているからといって、戦場にあるときのマナ・コストが(6)にはならないことに注意。スタック以外の領域では常にX=0である。
+
マナ・コストに含まれるマナの量を、マナの[[色]]などを考えずに単に合算した値を'''マナ総量'''/''Mana Value''と呼び、'''MV'''と略される。例えば、(1)(緑)のマナ・コストを持つ[[灰色熊/Grizzly Bears]]のマナ総量は「2」である。
*[[追加コスト]]やコストを増加・減少させる[[効果]]、あるいは[[代替コスト]]などによって「唱えるためのコスト」が変化しても、マナ・コストおよび点数で見たマナ・コストは変化しない。
+
 
*[[土地]][[トークン]][[裏向き]][[クリーチャー]][[常在精神/Evermind]]など、マナ・コストを持たないオブジェクトも存在する。(→[[マナ・コストの無いカード]]
+
{{#card:Disdainful Stroke}}
**[[オブジェクト]]がマナ・コストを持たない場合、存在しないマナ・コストは支払えないので、通常はそのオブジェクトを呪文として唱えることはできない。
+
 
***[[土地]]はマナ・コストを持たないが、土地を[[プレイ]]することは呪文を唱えることとは別なので問題ない。あくまで「呪文として唱える」ことができないだけである。
+
ある[[オブジェクト]]のマナ・コスト、およびマナ総量はマナ・コストに[[X]]を含まない限り'''カードごとに不変である'''。[[代替コスト]]を使って[[唱える|唱えたり]]、[[追加コスト]]を支払ったり、[[総コスト]]が増減しても、そのオブジェクトのマナ総量が変化することはない。
**マナ・コストを持たないオブジェクトの点数で見たマナ・コストは0として扱う。
+
 
*何かの[[コピー]]であるオブジェクトは、そのコピー元と同じマナ・コストを持つ(→[[コピー可能な値]])。
+
*例:(1)(緑)のマナ・コストを持つ[[灰色熊/Grizzly Bears]]のマナ総量は常に「2」であり、いかなる状況でも[[軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke]]によって[[打ち消す|打ち消される]]ことはない。[[太陽の拳/Fist of Suns]]の[[代替コスト]]を用いて(白)(青)(黒)(赤)(緑)を支払っていたとしても、[[議事会の合唱者/Chorus of the Conclave]]による[[追加コスト]]を(白)(白)支払っていたとしても、[[フェロッズの封印/Feroz's Ban]]の影響下で総コストが(3)(緑)になっていたとしても、いずれもマナ総量とは無関係である。
**トークンは通常はマナ・コストを持たないが、コピー・トークンである場合はコピー元と同じマナ・コストを持つ。
+
 
*[[分割カード]]の扱いについては、当該項目を参照のこと。
+
マナ・コストに([[X]])が含まれる場合、スタック以外の[[領域]]([[戦場]]や[[墓地]]など)ではX=0として扱われる。[[スタック]]上にある場合、それを唱える際に決定した値が代入される。
 +
*例1:(X)(赤)のマナ・コストを持つ[[猛火/Blaze]]のスタック以外の領域でのマナ総量は常に1である。猛火をX=2で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは()([[赤]])となりマナ総量は3である。
 +
*例2:()(X)のマナ・コストを持つ[[大蛇の孵卵器/Orochi Hatchery]]のスタック以外の領域でのマナ総量は常に0である。大蛇の孵卵器をX=3で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは()()となりマナ総量は6である。
 +
**X=3で唱えて戦場に出したからといって、戦場にあるときのマナ・コストが6にはならないことに注意。スタック以外の領域では常にX=0として扱われる。
 +
 
 +
[[土地]][[コピー]]でない[[トークン]]など、[[マナ・コストの無いカード|マナ・コストを持たないオブジェクト]]のマナ総量は0として扱う。
 +
*例外として、コピーでない[[変身する両面カード]][[第2面]]のマナ総量は[[第1面]]と同じである。またコピーでない[[合体]]している[[合体カード]]のマナ総量は第1面の2枚のカードのマナ総量の合計である。[[両面カード]]および[[合体カード]]の各項も参照のこと。
 +
*トークンの場合でも、マナ・コストを持った[[パーマネント]]のコピー・トークンであればマナ・コストを持っている([[コピー可能な値]])。その場合は通常どおりにマナ総量が計算される。
 +
 
 +
上述の通り、[[分割カード]][[両面カード]]、[[合体カード]]、[[当事者カード]]、[[試作カード]]は複数のマナ・コストを持ちうるカード群であり、マナ総量についても同様である。マナ総量の計算が通常のカードとは異なるため、詳細については各項を参照のこと。
 +
 
 +
マナ・コストに特殊なマナ・シンボルを含む場合、以下の通りに計算する。
 +
*マナ・コストに[[混成マナ・シンボル]]を含むオブジェクトのマナ総量は、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取って計算する。例えば、(白/青)であれば1、[[単色混成マナ・シンボル|(2/白)]]であれば2として計算する。
 +
*マナ・コストに[[ファイレクシア・マナ|ファイレクシア・マナ・シンボル]]を含むオブジェクトのマナ総量は、ファイレクシア・マナ・シンボルを1として計算する。
 +
 
 +
===旧表記===
 +
*[[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]以前のルールではマナ総量は「'''点数で見たマナ・コスト'''/''Converted Mana Cost''」と呼ばれていた。'''CMC'''とも略され、[[Gatherer]]の[https://gatherer.wizards.com/Pages/Advanced.aspx Advanced Search]でも使われている。
 +
**更に遡って[[第5版]]までのルールでは「'''[[総呪文コスト]]'''/''Casting Cost''」と呼ばれていた。
  
 
==その他==
 
==その他==
*[[未来予知]]の[[タイムシフト]]カードは特殊なカード枠を持ち、マナ・コストが[[絵|イラスト]]の左側に書かれている({{Gatherer|id=136142|カード画像}})。
+
*通常とは異なるレイアウトのカードでは右上でない箇所にマナ・コストが記載されることがある。
*他のカードのマナ・コストを参照するカードは点数で見たマナ・コストを見るものがほとんどだが、[[氷の洞窟/Ice Cave]]や[[精霊の共鳴/Elemental Resonance]]、[[瀬戸際からの帰還/Back from the Brink]]など、点数ではなく色を含めたマナ・コストを参照するカードも存在する。
+
**[[未来予知]]の[[タイムシフト]]カードは特殊なカード枠を持ち、マナ・コストが[[絵|イラスト]]の左側に記載されている({{Gatherer|id=145466|カード画像}})。
 +
**[[Secret Lair Drop Series/2022年#Finally! Left-Handed Magic Cards|Secret Lair Drop Series: Finally! Left-Handed Magic Cards]]では、予算の関係で見送られた左利き用レイアウトが復活しており(……という[[エイプリルフール]])、マナ・コストがカード左上に記載されている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/secret-lair-knows-its-left-its-other-left-2022-04-01 Secret Lair Knows Its Left from Its Other Left]([[Daily MTG]] [[2022年]]4月1日)</ref>。
 +
*他のカードのマナ・コストを参照するカードはマナ総量を見るものがほとんどだが、[[氷の洞窟/Ice Cave]]や[[精霊の共鳴/Elemental Resonance]]、[[瀬戸際からの帰還/Back from the Brink]]など、点数ではなく[[マナ・シンボル]]まで含めたマナ・コストを参照するカードも存在する。
 +
*マナ総量がN点のカードのことを指して、
 +
*#公式サイトなどの英語圏では「N-mana card」(ハイフンは省略可)と呼称する。
 +
*#日本語でも同様に通例「Nマナのカード、Nマナ・カード」などと呼ぶ。
 +
**例えば、1マナなら「1マナ・カード」となる。
 +
*英語圏では「[[N-drop]]」という表記もされる(1マナのカードならば「one-drop」、2マナなら「two-drop」というように)。
 +
 
 +
==脚注==
 +
<references/>
  
 
==参考==
 
==参考==

2023年6月18日 (日) 07:52時点における最新版

マナ・コスト/Mana Costは、カードの右上に記されている、マナ・シンボルによって示されるコスト。そのカードを呪文として唱えるために支払うべきマナの量や種類を表す。

目次

[編集] ルール

カードを唱えるときは、そのカードのマナ・コストに含まれるすべてのマナ・シンボルについて、それが表すコストを正しく支払わなければならない。

オブジェクトは、原則としてマナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって決められる。

  • カードの色によって視覚的に示されてもいるが、ルール的には無関係である。
  • 色指標欠色など、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色と異なる色を持つカードも存在する。詳細はを参照。

土地トークン裏向きのカード、常在精神/Evermindなど、マナ・コストを持たないオブジェクトも存在する(→マナ・コストの無いカード)。

  • オブジェクトがマナ・コストを持たない場合、存在しないマナ・コストは支払えないので、通常はそのオブジェクトを呪文として唱えることはできない。詳細はマナ・コストの無いカード#ルールを参照。
    • 土地はマナ・コストを持たないが、土地をプレイすることは呪文を唱えることとは別なので問題ない。あくまで「呪文として唱える」ことができないだけである。

分割カード両面カード合体カード当事者カード試作カードは、複数のマナ・コストを持ちうるカード群である。これらは、それぞれマナ・コストのルール上の扱いが通常のカードと異なる。詳細については各項を参照のこと。

[編集] マナ総量

マナ・コストに含まれるマナの量を、マナのなどを考えずに単に合算した値をマナ総量/Mana Valueと呼び、MVと略される。例えば、(1)(緑)のマナ・コストを持つ灰色熊/Grizzly Bearsのマナ総量は「2」である。


Disdainful Stroke / 軽蔑的な一撃 (1)(青)
インスタント

マナ総量が4以上である呪文1つを対象とする。それを打ち消す。


あるオブジェクトのマナ・コスト、およびマナ総量はマナ・コストにXを含まない限りカードごとに不変である代替コストを使って唱えたり追加コストを支払ったり、総コストが増減しても、そのオブジェクトのマナ総量が変化することはない。

マナ・コストに(X)が含まれる場合、スタック以外の領域戦場墓地など)ではX=0として扱われる。スタック上にある場合、それを唱える際に決定した値が代入される。

  • 例1:(X)(赤)のマナ・コストを持つ猛火/Blazeのスタック以外の領域でのマナ総量は常に1である。猛火をX=2で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは(2)()となりマナ総量は3である。
  • 例2:(X)(X)のマナ・コストを持つ大蛇の孵卵器/Orochi Hatcheryのスタック以外の領域でのマナ総量は常に0である。大蛇の孵卵器をX=3で唱えた場合、スタック上でのマナ・コストは(3)(3)となりマナ総量は6である。
    • X=3で唱えて戦場に出したからといって、戦場にあるときのマナ・コストが6にはならないことに注意。スタック以外の領域では常にX=0として扱われる。

土地コピーでないトークンなど、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ総量は0として扱う。

上述の通り、分割カード両面カード合体カード当事者カード試作カードは複数のマナ・コストを持ちうるカード群であり、マナ総量についても同様である。マナ総量の計算が通常のカードとは異なるため、詳細については各項を参照のこと。

マナ・コストに特殊なマナ・シンボルを含む場合、以下の通りに計算する。

  • マナ・コストに混成マナ・シンボルを含むオブジェクトのマナ総量は、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取って計算する。例えば、(白/青)であれば1、(2/白)であれば2として計算する。
  • マナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボルを含むオブジェクトのマナ総量は、ファイレクシア・マナ・シンボルを1として計算する。

[編集] 旧表記

[編集] その他

  • 通常とは異なるレイアウトのカードでは右上でない箇所にマナ・コストが記載されることがある。
  • 他のカードのマナ・コストを参照するカードはマナ総量を見るものがほとんどだが、氷の洞窟/Ice Cave精霊の共鳴/Elemental Resonance瀬戸際からの帰還/Back from the Brinkなど、点数ではなくマナ・シンボルまで含めたマナ・コストを参照するカードも存在する。
  • マナ総量がN点のカードのことを指して、
    1. 公式サイトなどの英語圏では「N-mana card」(ハイフンは省略可)と呼称する。
    2. 日本語でも同様に通例「Nマナのカード、Nマナ・カード」などと呼ぶ。
    • 例えば、1マナなら「1マナ・カード」となる。
  • 英語圏では「N-drop」という表記もされる(1マナのカードならば「one-drop」、2マナなら「two-drop」というように)。

[編集] 脚注

  1. Secret Lair Knows Its Left from Its Other Left(Daily MTG 2022年4月1日)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

QR Code.gif