優先権
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優先権/Priorityとは、呪文を唱えたり、能力を起動したり、土地をプレイしたりする権利のこと。
目次 |
ルール
概要
- プレイヤーは、優先権を持つ時ならいつでもインスタント呪文を唱えたり、起動型能力を起動したりできる。
- インスタント以外の呪文や土地は、そのプレイヤーのメイン・フェイズで、優先権を持ち、スタックが空である時にのみ唱えたりあるいはプレイしたりできる。
- なお、土地のプレイは特別な処理に分類される。
優先権が発生するタイミング
どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールにより決められる。
- 各フェイズやステップの開始時、そのフェイズやステップでのターン起因処理の後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
- アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップでは優先権は発生しない。ただしクリンナップ・ステップについては、そのステップのターン起因処理の実行中に能力が誘発した場合や状況起因処理の要件が満たされている場合には優先権が発生する。
- 優先権を持ったプレイヤーが呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行った後、そのプレイヤーが再び優先権を得る。
- スタック上のオブジェクトが1つ解決された後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
優先権が発生する時に行う手順
優先権を得るに際して、最初に状況起因処理のチェックがされる。次に、その時点までに誘発していてスタックにまだ乗っていない誘発型能力がスタックに乗せられる。処理する状況起因処理もスタックに乗っていない誘発型能力もなくなるまでこれを繰り返し、そのあとになって初めてプレイヤーは優先権を得る。
- フェイズやステップの開始時も同様に、ターン起因処理を行い、状況起因処理をチェックし、ステップの開始時に誘発する誘発型能力やターン起因処理によって誘発した能力がスタックにおかれた後で、初めてアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
優先権のパス
優先権を持つプレイヤーは、呪文を唱えるか、起動型能力を起動するか、特別な処理を行うか、あるいはパスする(優先権を放棄する)ことができる。呪文を唱えたり能力を起動したり特別な処理を行ったりした場合には、その後、同じプレイヤーが続けて優先権を得る。パスしたならば、優先権はターン進行順で次のプレイヤー(通常のゲームなら対戦相手)に与えられる。
すべてのプレイヤーが優先権を「連続してパスした」場合、
- スタックが空でなければ、スタックの一番上にある(最新の)呪文や能力が解決され、再びアクティブ・プレイヤーに優先権が与えられる。
- スタックが空であれば、次のステップまたはフェイズに移行する。
ここで優先権を「連続してパスする」とは、すべてのプレイヤーが、その間に一切の行動をせずに優先権をパスすることをいう。例えばマナ能力はスタックに乗らないが、マナ能力を起動したなら「連続してパスした」とは言わない。裏向きのクリーチャーを変異コストを支払って表向きにするなどの特別な処理でも同様。
その他
「優先権」と言っても特別なときにしか発生しないと言う訳ではなく、「俺が先だった」などと喧嘩にならないための単なる順番である。「優先権を持っている」とはこの順番が回ってきていることだとイメージすると分かりやすい。
優先権のルールは複雑であるため、特に意識せずにプレイしている人が多い。たいていの場合はそれでも問題なくゲームを進行できるのだが、時に優先権を確認しなかったゆえのトラブルが発生することがある。
特にプレインズウォーカーの運用でトラブルが起きやすい。プレインズウォーカーが出た後、相手が忠誠度能力を使うより先にインスタント火力で除去しようとする初心者がいるが、通常の方法でプレインズウォーカーが戦場に出たのなら優先権を持っているのは相手なので、相手が優先権を放棄しない限りは忠誠度能力の起動を妨害することはできない。
戦闘フェイズ中に優先権を得るタイミングを間違うプレイヤーも多いので、ルールや、それを解説したWebサイトをじっくり読んでみるのがお勧めである。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 116 特別な処理
- 116.1 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行う、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
- 116.2 特別な処理には、以下の10個がある。
- 116.2a 土地をプレイすることは特別な処理である。土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。何も効果がない場合、プレイヤーは自分のターンの間に1度だけこの処理を行うことができる。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、この特別な処理を行うことを選んでもよい。rule 305〔土地〕参照。
- 116.2b 裏向きのパーマネントをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも、この処理を行うことができる。rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
- 116.2c 効果の中には、後でプレイヤーに何らかの処理を認めるものがある。その多くは継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の誘発の中止である。そうすることは特別な処理である。その効果が遅延誘発型能力の誘発を中止させたり継続的効果を終了させたりすることを許している場合、その効果に特にタイミングの制限が書かれていない限り、プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
- 116.2d 常在型能力からの効果によって、その能力からの効果をある期間だけ失わせるという処理をできることがある。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
- 116.2e 「あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも、あなたは《待ち受ける禿鷹》を捨ててもよい。」という能力を持つカード(《待ち受ける禿鷹》)が存在する。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
- 116.2f 待機 能力つきのカードを手札に持つプレイヤーは、そのカードを追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときで、そのカードをスタックに積むことによって唱え始めることができるときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 702.62〔待機〕参照。
- 116.2g 相棒を選んだプレイヤーは、{3}を支払ってそのカードをゲームの外部から手札に持ってくることができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っていてスタックが空で自分のターンのメイン・フェイズの間であればいつでも、この処理をすることができるが、そのゲームでまだこの処理をしていない場合に限られる。rule 702.139〔相棒〕参照。
- 116.2h 予顕を持つカードが手札にあるプレイヤーは、{2}を支払ってそのカードを裏向きに追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、自分のターンの間優先権を持っているときならいつでも、この処理をすることができる。rule 702.143〔予顕〕参照。
- 116.2i プレインチェイス戦においては、次元ダイスを振ることは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。この処理を行うためのコストとして、そのターンに既に行なったこの処理の回数に等しい量のマナが必要である。そのターンの間に 効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
- 116.2j コンスピラシー・ドラフトにおいては、統率領域にある裏向きの策略・カードをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 905.4a 参照。
- 116.3 プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
- 116 特別な処理