常磐木
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常磐木(Evergreen)は、あるメカニズムが、カード・セットのテーマや世界観を問わず収録され得るものであることを指す言葉。
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解説
キーワード能力やキーワード処理の中には、「飛行」や「破壊する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは常磐木メカニズム(Evergreen mechanics)、常磐木キーワード(Evergreen keyword)などと呼ばれ、ルール用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。
多くは直観的に理解しやすく、汎用性の高いものとされている。基本セットや初登場時などでは丁寧に注釈文がつくことが多いが、それ以外の場合カードのルール文章内に説明なく表記される。
ブロック固有のメカニズムが無秩序に再録されることがないのは、ブロックのテーマや世界観を反映したその性格から、他のブロックにはそぐわないフレイバーを持っていたり、あるいは単に複雑であったりするからである。例として、飛行とシャドーはよく似た能力であるが、前者はあらゆる次元/Plane、あらゆる時代の有翼生物に普遍的に見られる性質を表したものであるのに対し、後者は「ラースの被覆/Rathi Overlayの影響でサルタリー/Soltariら一部の種族に備わった特殊な性質」という背景ストーリー上の設定を与えられており、他の時代、他の次元のクリーチャーがこれを有していると不自然になってしまう。
元はR&D内で使われていたデザイン・デベロップ上のテクニカルタームだったが、未来予知における接死・絆魂・到達・被覆の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。総合ルールに記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、キーワード能力、キーワード処理が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。
- 常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えばイーブンタイドに到達はないし、アラーラ再誕やイニストラードに土地渡り(当時は常盤木であった)はない。
- よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。速攻、警戒、瞬速、破壊不能など。
- Mark Rosewaterによれば、呪文(インスタントやソーサリー)が持つキーワード能力は常磐木にされないとのこと(参考1、参考2)。
- 読みは「ときわぎ」。冬になっても枯れず、落葉しない樹木のこと。常緑樹。常盤(ときわ)は本来は時を経ても変わらない岩石を指すが、常緑の意や永久不変の意でも使われる。
- 原語のEvergreenは、常緑樹や常緑多年草など、年間を通して枯れない植物を指す。またこちらも永久不変であることの比喩としても使われる。
- 常盤木は不変の分類ではない。常盤木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものであるし、かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。
- 常磐木の一段下として落葉樹(deciduous)という分類も存在する。こちらは「いつも使うわけではないが必要があればいつでも使えるメカニズム」とされ、両面カードやプロテクションが分類されている。ただし落葉樹は常磐木に比べて分類が主観的であり、どのメカニズムが属しているのかについて明確ではない旨も述べられている。(参考/翻訳)
- 常盤木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範な「再登場可能性」の評価としてはストーム値が存在する。
常磐木メカニズム一覧
キーワード能力
接死、防衛、二段攻撃、エンチャント、装備、先制攻撃、瞬速、飛行、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、到達、トランプル、警戒、果敢、威迫の17種。
キーワード処理
起動する、つける/はずす、唱える、打ち消す、生成する、破壊する、捨てる、交換する、追放する、格闘を行う、プレイする、公開する、生け贄に捧げる、探す、切り直す、タップする/アンタップする、占術を行うの19種。
- かつて常磐木だったキーワード処理には再生するがある。
- 「必要ならば使ってもよい」どころか、「なくてはならない基本的なメカニズム」がかなり多く含まれている。「起動する」「唱える」「アンタップする」などを使わずにゲームをするのはほぼ不可能だろう。
能力語
現時点では、常磐木メカニズムである能力語は存在していない。
その他
代表的なものは打ち消されない、ブロックされない、キャントリップなど。
参考
- Evergreen Eggs & Ham/常磐木な日常(Making Magic 2015年6月8日 Mark Rosewater著)
- キーワード能力
- キーワード処理
- ストーム値